小説 op.5《アルフレート・シュニトケ、その色彩》…【完全版】まとめ
アルフレート・シュニトケ、その色彩
結構、長くなってしまった《シュニトケ、その色彩》を、まとめておきます。
物語全体は、基本的には、倫理も何も崩壊した風景の中で、やがてそれぞれの倫理性のようなものが生成していくのを見ていこう、とする小説です。
分量的には長編のたぐいですが、私は、あくまでもこれは中篇連作として書いたものだし、
それぞれに、取り合えずは独立して読めるようになっています。
かならずしも、時間を追って書かれているわけでもないので、どこから読んでも、なんとなく、読めてしまう、…と、想います。
まず、全体の序曲になる掌編からスタートします。
《その色彩》という、短いタイトルの、原稿用紙換算20枚くらい、です。文字数5715字。もっとも、ワードの表記に過ぎませんが(笑)。
序:《その色彩》
私小説的な雰囲気の掌編で、取り立てて言うことのない、日常風景を描写したものです。
もっとも、少年犯罪団も出てはきますが。
Thanh タン という少年は、《シュニトケ、その色彩 上》と《brown sugar》で重要な役割を果たします。
書いたのは、今年の3月1日。
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次に、《シュニトケ、その色彩 上》。
これは、あるベトナム在住の《私》が体験した、ベトナム人一家の一家惨殺事件について、の物語です。
第一話《シュニトケ、その色彩 上》
このあたりから、いわゆる《過激な》描写が増えていくので、ブログの修正版から読んでいただいたほうがいいかも知れません。
ブログの修正版は、こちらです↓
いずれにしても、この部分では、その一家惨殺事件によって、結局何が起こっていたのかは、判明しません。
書いたのは、今年の2月4日から8日にかけて。
原稿用紙換算で、だいたい90枚くらい。文字数31,866字。
ところで、ブログにアップしている過程で、間奏曲(インテルメッツォ)のようなものが必要かなと想いました。
そして、書いたのが、《盗賊》です。短い、短編です。
インテルメッツォ《盗賊》
《私》と、《私》の同性愛の恋人の記憶、および、加奈子という人物についての、短い物語です。
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なんのかんの言って、よみやすい小説だと想います。
書いたのは6月8日。
原稿用紙換算、約45枚。文字数9,016字。
次が、《シュニトケ、その色彩 中》。
これが、この小説の主部になります。
《中》は、一帖から三帖までに分かれます。
第二話《シュニトケ、その色彩 中 一帖》
《上》の直接的なその後と、日本における、外国人だらけの《右翼部隊》の物語です。
結構、暴力的な描写が含まれます。
もっとも、最後はお茶会の風景で終りますが。個人的には、このあたりの、お茶会の描写が、好きだったりします。
2月20日から28日まで。原稿用紙で120枚くらい。文字数34,566字。
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そして、インテルメッツォとして、《brown sugar》という短編が入ります。
インテルメッツォ《brown sugar》
これは、Thanh タン というベトナム人少年と、マリアという、日本生まれのフィリピン人の少女の、犯罪物語です。
結局は、すべてが崩壊してとりあえずの結末を、ここでは、迎えることになります。
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6月12日から14日、原稿用紙270枚くらい。もっとも、行変えを多用してあるので、文字数は39,709字。
そして、二帖は《右翼部隊》の内部が詳細に描かれていきます。
第三話《シュニトケ、その色彩 中 二帖》
非常に、混沌としてくるし、なかなか、激しい描写が増えてきます。
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書いたのは2月20日から3月2日。
原稿用紙換算90枚くらい。文字数29,275字。
インテルメッツォとして、《龍声》という短編が入ります。
インテルメッツォ《龍声》
大津寄皇紀という、《右翼部隊》のリーダーにして男装の麗人たる人物と、その《右翼部隊》の物語です。
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昭和文学的な、文体を模しています。
6月18日に書きました。原稿用紙50枚行かないくらい。文字数12,446字。
タイトルは、一応、《りょうじょ》と、読みます(笑)。もっとも、どうでもいいです(笑)。
《中》の最後が、《三帖》です。
《右翼部隊》が、クーデターを起こします。
第四話《シュニトケ、その色彩 中 三帖》
未来が見えるという少女《愛》と、クーデターの顛末が前半、後半は、その《愛》がベトナムに来たときの、《私》たちとのふれあいの描写。
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書いたのは、6月6日と7日。
原稿用紙160枚くらい、…かな?文字数26,419字。
インテルメッツォをはさまずに、《下》に入ります。
そもそもの一家惨殺事件の、内面的な真実が語られる部分です。
第五話《シュニトケ、その色彩 下》
本当は、この部分と《上》だけで終るはずのものでした。
途中から、話しが勝手に膨らんでしまったのでした。
この小説は、ソフォクレスの《オイディプス王》を下敷きにしてあります。
ある少女たちの《オイディプス》の物語です。
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そして、物語は、最後に《上》の頭に続く、という形になって、終ります。
書いたのは、2月の20日から26日まで。
原稿用紙90枚くらい。文字数31,920字。原稿自体は、行変えなしで書いてあります。
最後に、終章として、ほんの短い掌編小説が来ます。
終章《アルフレート・シュニトケ、その色彩》
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最初と最後で、のどかで、静かな、でも、ちょっと壊れそうな風景の、描写にはさまれる、と言うことになります。
それなりの厚さの本一冊分あるのですが、普通に考えて、なかなか全部読んでいただけることもないんじゃないかと想いますが(笑)、それでも、気に入っていただけたら、ありがたいです。
2018.07.30
Seno-Le Ma
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