金槐和歌集/源実朝/5賀
據校註金槐和歌集/佐々木信綱
奧書云、
昭和元年十二月廿七日印刷
昭和二年一月一日發行
明治書院
金槐和歌集
賀
ちゝのはるよろつのあきになからへてつきとはなとを君そみるへき
をとこやま神にそぬさをたむけつるやほよろつよもきみかまにまに
松に寄する祝といふ叓をよめる
やはた山こたかきまつの種しあらは千とせののちもたえしとそ思ふ
くらゐやまこたかくならむまつにのみやほよろつよとはるかせそ吹
ゆくすゑもかきりはしらすすみよしのまつにいくよのとしかへぬ覧
住よしのおふてふまつのえたしけみ葉ことにちよのかすそこもれる
君かよはなほしもつきしすみよしのまつはもゝたひおひかはるとも
祝のこゝろを
たつのゐるなからの濱のはまかせによろつ代かけてなみそよすなる
ひめしまのこまつかうれにゐるたつの千とせふれとも年おいにけり
大嘗會の年の哥
くろ木もて君かつくれる宿なれはよろつよふともふりすもあらなん
梅の花を瓶にさせるを見てよめる
玉たれのこかめにさせるむめのはなよろつよふへきかさしなりけり
花のさけるを見て
やとにあるさくらの花はさきにけりちとせのはるもつねかくし見ん
苔に寄する祝といふ叓を
いはにむすこけの綠のふかきいろをいくちよまてとたれかそめけむ
二所詣し侍りし時
千はや振いつのおやまのたまつはきやほよろつよもいろはかはらし
月によする祝
よろつ代にみるともあかしなかつきの有明のつきのあらむかきりは
河邊月
千はやふるみたらしかはのそこきよみのとかにつきのかけはすみ鳬
いはひの哥
君か代もわかよもつきしいしかはやせみのをかはのたえしと思へは
朝にありてわかよはつきし天のとや
いつるつき日の
てらんかきりは
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