小説。——櫻、三月の雪…散文。及び立原道造の詩の引用 /《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ 或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948 ■46
以下、一部箇所に暴力的な描写が在ります。
ご了承の上お読み進めください。
又、歴史的記録として過去の政治スローガンの引用乃至模倣が使用されますが、
特にそれらを特に顕彰しようとする意図も在ません。
櫻、三月の雪
…散文。及び立原道造の詩の引用
三部作
《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ
或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948——Ⅱ
Zaraθuštra, Zartošt, Ζωροάστρης
ゾロアスター
と
口が、ただ、私たちの為だけに
「俺の皇族説も」
瞬きもせずに
発する言葉の群れ
かがせて已まない。あるいは
私は
それらなど
「ごくごく普通だよね」
見詰め続けていた
私たちがなにも
無機物と
眼差しの中に広がる
本気になどしてはいないことなど。ただ
「当たり前の話」
その風景を
むしろ
生ものが入れ混ざった
そして
お互いのさゝやきあう言葉の
「よくある話」
ユイ=雨は
響き自体を
相の子のような
ときどき
軽蔑し
「島流しにされた犯罪者の地の中にも」
まるで邪気も無く
哄笑しながら
甘い
声を立てずに笑って
…いたい。
「皇族の血って流れてるわけじゃん」
潤の頬をなぜた
私は彼の耳元に、
過剰な
…ね?
「…痛い。」
「…違う?」
なんで?
小さく叫ぶ。「ね、…
臭気、それを
と
裂けちゃいそう…」…もう、
「おれら、
耳元に囁く
「…死んじゃう——」
雑種の共同体なんだよ。だからさ
そんな奇妙な顔
貪っちゃおう
…してんの?
萬世にして一系の
笑っちゃうくらい。…ね
皇孫の末裔
笑っちゃうくらい、お前の顔ってさ
即ち、さ。ローカルな
変なの…
創造の神様の
なに?
…笑える(——と
これ、鼻?
ユイ=雨は)なんか
鼻なの?
笑える…(不意に)末裔として
まじ?
…さ。(悲しみを一瞬だけ)好き放題
信じられ無い
此の国、俺たちで(眼差しに
信じられ無いくらい信じられないんだけど
兆して)貪っちゃおうよ
在り獲ない…
いつだったか、まだ
(…と、そして
まじで、——と
出逢ったばかりのユイ=雨は
邪気も無い、ただ
私との行為を不意に中断して
邪気も無い謀みを、しずかに
…来いよ。と
やさしく謀んだ、そんなユイ=雨の言葉に
潤
潤は、微笑みをだけ
向いの壁に背をもたれて座った
何を云われて居るのか、一切理解できて居無いことを
彼女がユイ=雨に眼差しを投げた。ユイ=雨の
ただ
不意のさゝやきに反応して。最初
素直に曝した眼差しを
仰向けのユイ=雨の眼差しは、相変らず天井を見上げた儘だったので、私たちの誰もが、彼が誰に呼びかけたのか理解できないで居る儘だった。…ね?
「いきそうなの?」
と、笑って云った私をは無視して、…潤。
ユイ=雨ののそのひとことのさゝは、いつでも
「…来いよ。」
心地よかった。
潤は、自分が彼に呼ばれたことの、謂わば恍惚と不安を無邪気に、その眼差しに兆させた。
彼の事など、少しも愛してさえ居無いくせに。
自分より美しい、況してやアジア系外国人のユイ=雨の事など、単に疎ましく持て余すだけの存在だったに過ぎないくせに。
潤は微笑みさえした。ひたすらに複雑で、難解すぎて、結局は、自分自身にさえ何の感情をも伝達できない表情。
ときに、清雪が稀な一瞬だけ曝した、謂わば痴呆じみた表情に、それは良く似ていた。
…なに?
と、その言葉が、なにも言葉を発っさない潤の唇から漏れたのを、私ははっきりと耳元で聴いた気がした。
「しゃぶってよ。」
ユイ=雨は呟く。独り語散るのと変らない気配で、…俺の、
「俺の、■っかいの。もう、爆発しちゃいそうだよ。だからさ。お前、■で処分してくんない?」
…出来ないでしょ。
純粋に、心から歎いているように、ユイ=雨の声は響いた。
…お前、それしか、
「出来ないでしょ?」
結局のところ、自分が何を云われて居るのか理解できて居無かった潤は、眉間に困り果てた皺と湾曲を曝し、…は?
なに、云ってんの?
…私の顔色を覗う潤の
このカス、なに、云ってんの?
…気配がさゝやく。
それでも潤は、そのまま股を開いたユイ=雨の股間の上に顔を突き出したときに、「■っかいでしょ。」
彼は云った。
「…ね?何センチある?」
なに?…その、潤の
「俺の、長さ何センチくらい?」
「10センチくらい?」素直に、彼に答えてやった潤に(——その)…馬鹿。ユイ=雨は(戸惑いながらも、必死に)派手に声を立てて、時に(彼の為だけにその場を)身を捩りながら嗤い(取り繕おうとした、そんな)、肌。
笑い乱れた息遣いに脈打つ、でたらめな腹部の激しい蠢きは、ただ、私に彼の色づいた女の肌の肌理の細かさだけを見せ附けて已ま無い。
「20センチ超クラスのはずだけど?」
…23.5センチ、——答えて笑った、潤の笑顔は、必ずしもユイ=雨に無理やり追随しただけのものでは無かった。
「直径いくら?」
…やばいよ。もう
「いくらだよ。数値くんない?」
…30センチ。
ユイ=雨の噴き出した笑い声を聴く。私たちは、いつか、彼と共に笑い転げて仕舞いながら、「…お前、馬鹿?」
それってさ、…
「それって長さより太いじゃん。寸詰まりの巨根はやばいでしょ、さすがに。」
…■ゃぶれよ。
ユイ=雨が、教え諭すように云った。
…出来る?咥えられる?
やさしく、むしろ眼差しに
…お前の口、
容赦ない慈愛を曝しながら。
…引き裂けちゃうかな?
「頑張る。」
潤が、限界いっぱいにまで大口を開いて、ユイ=雨の押し広げた其処に唇を、ふれて仕舞う寸前にまで近附けて、やがて、頸を上下させ始めるを、私たちは赤裸々な安らぎの中に、見詰めていた。
時に、ほんのちいさな、鼻に乱れた笑いのかゝった息音しか聴こえない。
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