小説。——櫻、三月の雪…散文。及び立原道造の詩の引用 /《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ 或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948 ■44
以下、一部箇所に暴力的な描写が在ります。
ご了承の上お読み進めください。
又、歴史的記録として過去の政治スローガンの引用乃至模倣が使用されますが、
特にそれらを特に顕彰しようとする意図も在ません。
櫻、三月の雪
…散文。及び立原道造の詩の引用
三部作
《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ
或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948——Ⅱ
Zaraθuštra, Zartošt, Ζωροάστρης
ゾロアスター
日差しが、温度を以て、あるいは、温度として以外に、神経系も脳も、その触感を感じ取れはしない、顕かに其処に存在して居て、…光。それにじかに、肌を曝した。
例えば、皮膚が見い出している風景は、植物だったら顕かに自分に差異する、凄まじい触感を伴って、ふれる夥しい光の息吹きはその葉の隅々に鳴り響いていたのかもしれなかった。…ね。
「見惚れてみせろよ。」
ユイ=雨が囁く。
私の体の上に覆いかぶさって、…俺に。
「見惚れてるとこ、見せてみろよ。」
「やだよ。」
「…見惚れてるくせに。…お前が」いままで見た、…ね?「もっとも綺麗な女の体じゃない?」
私の両手の手首を掴んだユイ=雨は、手を頭の上に押し付けて、私の腕から自由を奪った。勿論、所詮は女の力と、女の体重に過ぎなかった。もがけばた易く解放され獲たものの、私は敢えて、彼が望むように、彼の束縛に屈してやった。
「さわっちゃだめ。」
耳打ちするユイ=雨の「俺に、」声が首筋をくすぐった。
その、「さわっちゃだめ。」耳元に寄せられた唇から吐き出される、かすかな「…ね。」笑い声に乱れる息が。
…眼、閉じて。
聴く。それら、単に想い附かれた儘に、唇に吐き棄てられるユイ=雨の「見ないで」声を。
目を閉じたままで。
「見たくてしかないでしょ。…駄目だから。女の体なんか見ずに、俺の体を想像してごらんよ。お前のホモの頭の中に。俺の男らしい毛むくじゃらの体想像して見せてよ。」…どう?
「出来る?」
「基本、無理だね。」
「やってみな。…」…ね。「ちょっとさ。試してみなよ。」質感。あまりにもやわらかく、キメの細やかな彼の身体が、その接触させた部分に、あざやかな触感を目覚めさせる。
「出来るよ。スケベな、やることしか能のない全身性器の糞野郎だからね。…」想像して。
つぶやく。
「で、…」
…匂う
唇。
あからさまな
ハイビスカスの花が
眼を閉じた私の唇が
「犯してみせてよ。お前の」
周囲には、もはや
彼の
媚びと、執拗な
抗い難く
あまりにも豊かで、やわらかな
「助平ったらしい頭の中でだけ」
馴れる事も無く
胸のふくらみの
挑発として、
匂いたって居る筈だった。それら
先端にふれた。
「めっちゃくちゃに。」
無数の
ユイ=雨は、その
彼は。
咲き誇ったハイビスカス
胸を私に
「俺、…」
——花々は
押し附けて
と
私はそれを
「何が見える?」
「皇族だからね。」
感じ取り獲はし無い。ただ
お前の…
ユイ=雨は戯れて
日差しの
胸。
「日本の」
翳りの
「どんな?」
笑い声を立てながら
騒ぎ立つ散乱
汗くっさい
「雑種だけどね。」
鳥たちの
硬い
私の唇に
羽撃く羽根の
胸板。…ね、
「日本と中国の」
群れが
それと
指先をだけ
空間に
骨。…と
「雑種の」
投げ散らした
そして
かるくあてて、そのくせ
こまかい翳りの
仰向けた私の顔に
「皇族。でもさ」
無残な集積
またがったユイ=雨は、もはや
指は
樹木の上で
声を立てて笑いながら
「皇族ってそんなもんじゃん?」
私の肉体は
其処を私の唇に押し附けて
愛撫らしい愛撫の
ついばむ鳥たちの
…どう?
「彼等、言うなれば雑種でしょ。」
嘴の触感
何が…
手つきを
鋭く
「何が見える?」
「さんざん」
容赦さえ無い筈の
■っかいの
曝すわけでもない。そんな
それら
堅くて
「海、越えて」
触感のつらなりを
■っかくて
彼の指を
——感じては居無い
穢いの
「流れ着いてきた帰化人たち」
何も
…なにこれ。
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