小説。——櫻、三月の雪…散文。及び立原道造の詩の引用 /《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ 或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948 ■30



以下、一部箇所に暴力的な描写が在ります。

ご了承の上お読み進めください。

又、歴史的記録として過去の政治スローガンの引用乃至模倣が使用されますが、

特にそれらを特に顕彰しようとする意図も在ません。





櫻、三月の雪

…散文。及び立原道造の詩の引用


三部作

《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ

或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948——Ⅱ


Zaraθuštra, Zartošt, Ζωροάστρης

ゾロアスター 



彼女を容認していたのは、父方の親族の

色彩

一部だけだった。即ち

くちびる、と

かすかな

父親タンの父親たるクイの

Môi

不意の

家に居住する、クイ含め

く、ち…

色彩

四世帯の家族たち。

びる。…く

それは

親族ばかりではなく、周辺に

ち、び…

朱の

居住する人々、乃至

る。——それ

あざやかさに

町の中の大半の人々までもが、必ずしも

Môi đẹp

肉の

現場に居合わせた訳ではなかったコアを除いて、

唇を

皮膚の

惨殺者チャンとユエンを、眼の前に

ユエンの体の上に

どこかで

居てもまるで眼にふれていない存在であるかのように、忌んで

覆い被さって、そして

鮮明さを

無かったことにし、つまりは

Môi đẹp của em của anh

鮮烈さを

やわらかく上品に

くち、…び

欠く

排斥して仕舞う程度には、とは言え、

る。く

色彩に

チャン自身には、一切の

ち、唇、それを

混ぜたような

自分の記憶を表明し獲る謂はば人間の

Môi đẹp của em

色彩

言葉がもはや

私は至近距離に見つめながら

淡い

存在せず、且つ、ハン含めた近親者が

私がふと、ちいさな

…と、言って仕舞えば

チャンを犯人として頑なに認定しなかった以上、チャンは

笑い声を

淡いという

その儘野放しにされていた。彼女は

立てて仕舞ったのは、その

言葉に対する

投獄どころか、

形態の

冒涜に過ぎないだろう

裁判にかけられたことさえない。ハンが、シラを

あまりの滑稽さに

鮮烈な

切り通したからだ。

Môi đẹp của em của anh

色彩の

証拠。…指紋?凶器は

——美しい?

そして

家屋の中にありふれた包丁の類にすぎず、一家の

此れは

引き裂かれたような

母なる女性で貞淑でおとなしいチャンの

美しいの?

鋭さを持った

指紋が、その

——綺麗?

豊満に

台所道具のあらゆるものに

此れは

膨らむ

付着しないで居られる筈も

不審な私の笑い声は、しかし、ユエンには

形態

無かった。

少しの不安をさえ

その形態に

どこから

与えもしない。ただ

曝されていたのは

侵入してきた誰かが、

戯れあう。私たちは

終に

かわいそうなチャンを一人だけ残して皆殺しにして仕舞ったに違いなかった。チャンは、殺さなかった。ただ、眼の前で繰り広げられた余りの凄惨な状況に、狂気した淑女は、終に、死んだ家族の、乃至死に掛けの、自分の娘をも含めた家族の肉体の幾つかを、躊躇いも無くその歯で咬み千切り、咀嚼し、飲み込んで仕舞った…と。

彼女はだれも殺さなかった。例えばエウリピデスなら、ディオニュソス神のせいにして仕舞うに違いない。誰かを狂乱させる、その両性具有の生産の神が、不意に現れて彼等に死と破壊という事実を一つの恩寵として、齎して去って行った、と。真犯人たるアガウエἈγαύηは朝焼けまえの闇に任せて逃亡した。だから、

そもそも

チャンのディオニュソス神は

警官たちに出来るのは、必死に

アガウエは有罪なのか

その姿をさえ

なってその、顔も知らないアガウエを

有罪なのは

匂わせもし無いで

探し出そうと努力することだけに過ぎない。

誰だったのか?

総てを叩き壊して

チャンは

誰が

去って行った

起訴されなかった。

ダナン市の近隣、二つの《ユネスコ世界遺産》で喧伝されるクアン・ナム省の(――あくまでも外国人による交易の街、ホイアン及び)国産の企業が(チャンパという異民族の)建築した大規模な(ヒンドゥー教という異教の)遊園地が、文字通り(聖地で在るミー・ソン遺跡。)更地の真ん中に忽然と小さく聳えているかならずしも豊かではない界隈の、路地の隅の妹が、チャンを引き取っていた。

アオÂuというその、眼差しが息苦しさを感じるほどに見事に肥満しきった、他人の眼差しに対しておびえる以外の知性を予めからして持っていないかのような、そんな家禽じみた眼差しを素直に曝した彼女は、ただただおとなしい気配を自分の半径の数センチにだけ撒き散らし、私たちのささやかな結婚式には来なかった。

彼女はユエンを遠ざけていたのかも知れない。はっきりとは明示しない儘に。排斥?

或は。






Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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