小説。——櫻、三月の雪…散文。及び立原道造の詩の引用 /《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ 或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948 ■27
以下、一部箇所に暴力的な描写が在ります。
ご了承の上お読み進めください。
又、歴史的記録として過去の政治スローガンの引用乃至模倣が使用されますが、
特にそれらを特に顕彰しようとする意図も在ません。
櫻、三月の雪
…散文。及び立原道造の詩の引用
三部作
《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ
或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948——Ⅱ
Zaraθuštra, Zartošt, Ζωροάστρης
ゾロアスター
8.…憩う。泉の上に、目立たなかったあの言葉
「何それ?」
「ユダヤ人って劣等民族なの?」
「何の話?」
「ユダヤ人種に属する或る個人があまりにも事実として下等だったとしてもそれを以て総ての謂ゆるユダヤ人種を定義することは出来ない。故に、絶対に謂ゆるユダヤ人種に分類されるヒト科ヒト総てを下等だと宣告する事には留保もない作為がある。」
…違う?
と。
眼の前の、血まみれの肉塊は云った。
「謂ゆる朝鮮人及び謂ゆる支那人にもそれは留保もなく妥当する。そもそも日本は本来、…歴史的な経路の単なる初期の部分を以て《本来》と、云って仕舞えば、」
「まわりくどいね。」
「本来日本文化とは大陸及び半島の模倣と整備に明け暮れた島国の劣等なる田舎者が、田舎者なるが故に正確にトレース仕切れなかった指先ミスが結果的に産んだ独自性に過ぎない。(――及び以下にも他者に揉まれない田舎者特有の異様な執着性の産物、喩えば櫻、とかね。たゞ単に其処に自生していた樹木の花を極度に彫琢しようとする、幼児的且つ盲目的な執拗さ。)京都を見れば判る。顕かにそれは支那文化と朝鮮文化と、乃至モンゴル及びベトナム、カンボジア等の文化に倣いながらも、微妙にそれらと差異する(そもそもその差異は盲目的執着が齎した異様な変質とも言獲る。…)が、それをポジティブな独自性と云えるのか?飽くまでポジティブと云い切ればそこに妄想(乃至根拠の無い自分勝手な覚醒感の獲得)、つまりは虚構(それは真実してしか構築され獲ない真実ではないことの自覚された単なる虚偽要するに本質的に自己矛盾した思考実験に他ならない。)、要するにフィクションとしての大日本の固有文化という概念が発生する。そうではないと云い切れば、日本文化は模倣に過ぎないが、例えば活け花という感性の根本、敢えて殺し、殺して敢えてその美しさの残像をそこに、一瞬のものに他ならないながら、それが永遠の美でこそあるかのように虚構して、にも拘らず、虚構した事実自体にすでに明かされてある儚さ…ありえもしない永遠への屈辱塗れの憧憬に似た、本質的には単なる絶望。…そんな感性(――だれが。)は半島にも(だれが、本気でその)大陸にも(感性と、真剣に)事実として(心中しようとするのだろう?)存在しないことの事実を(だれが?)説明することの(いまだ、…)盲目的な(いまだ嘗て)拒否に(日本)過ぎない。(日本人でさえひとりとしてその文化的根幹たる儚さの概念を真に自覚し、それに殉じ、それに添い、それとともに散り、朽ちた、そんな人間など、存在、――ひとりとして。ひとりとして、存在しなどしなかった!)…判る?
いずれにしても、陰謀術策に満ちて、蘇我氏に依る天皇暗殺さえ当然だった、或は、源平争乱と南北朝時代の混乱と内戦の過程に於いて、もはや当たり前の事実に過ぎなかった万世一系というコンセプトの妄想性の公然性、もっと言えば、そもそもが天孫神話自体が在り得ない。所謂科学的な証明など必要ない。北一輝だって当時から云ってる、天皇は半島人種との混血児だって。」
「お前、天孫神話大好きでしょ?」
…みた?
知ってんだ
見た?
「見たよ。」
…ツイッター?
なに?
他の?
「馬鹿が■ナニーしてた」
…正に。
って、…
暇なの?
と。
清雪は、邪気もなく笑った。「天皇が天皇たりえて居るのは彼等が皇孫であるからにほかならず、創世神話、造化神話はあまりにも荒唐無稽でアインシュタインどころか、ガリレオ・ガリレイごときが読んでも失笑するしかない。旧約聖書も、そもそもの今の謂ゆるイスラム圏の古代神話も。仮に、ガリレオ・ガリレイがマニアックなクリスチャンだったとしても、本質的には。けどね、天皇の坐します日本が皇国で、皇国が神国で、日本の世界に代わりのない固有性って、神話の国から天下りしてきた皇孫とやらが未だに、…判る?
近代国家且つ経済大国第二位だか三位だか四位だか、そんな、面さげてる国の癖に、神話の神様の餓鬼の末裔が王様戴いてかつ、尊敬の対象だとか国民のロールモデルだとかを律儀に果してることじゃん?おかしいでしょ?説明できる?外人はいいよ。東洋の島国の固有にしてファニーな文化だと、ね?その、ノーベル物理学賞何人も採ってる基礎的科学の国に住み、海外貿易を仕掛けてそれなりの成果を挙げてるその島国の人間自身にとって、どうなの?発狂状態でしょ?違う?
戦争…太平洋戦争。あの時、信じるかどうかともかく、日本、…大日本帝国?神国なんでしょ?神の国でしょ。だから馬鹿ども戒めるんでしょ。制裁するんでしょ?おかしくない?妄想にすぎないものが、事実であるかのように誤認されてるんだったいい。当たり前じゃない?そいつにとっての留保なき事実だから。でも、そのときの日本人、皆、そんなの妄想だって知ってたよ。けど、其れを敢えて表明して信じた、…違う。信じはしなかったんだ。信じた振りをしたんだよ。そして、大陸の様々な土地を爆弾でふっとばし、ふっとばさせ、ふっとばされ、縁もゆかりもない外国人たちの戦死の契機を与え、あるいはみずからの手で屠殺し、挙句の果てには外国人捕虜もろとも、広島長崎の原爆で吹っ飛ばされた、と。…おかしいだろ。理解できる?普通、理解できない。」
…例えばフィリピンに行った。そこで、90歳近い、片足のない老人に会った。太平洋戦争のせいで吹っ飛ばされたとその家族が耳打ちした。あんた、申し訳ありませんって。
…あやまれる?
俺には出来ない。「…まさか。」そんなこと。「…まさか。」そもそもが、「…在り獲ない。」何が嘗て起ったのか、俺には「…まさか。」理解できないから。罪を認めて謝罪する?慰安婦だか徴用工だか知らないよ。礼儀正しく頭下げれる奴は愚劣だ。
片足のフィリピンの老人に心から侘び入れ出来る奴は洗脳された、…違う。むしろ自分を自分で無意識に洗脳して鼻くそほじってる感傷的な卑怯者だ。「…出来ないんだよ。」
俺達には、「…出来ないんだよ。」贖罪なんて。「…出来ないんだよ。」理解不能で、「…出来ないんだよ。」何が「…出来ないんだよ。」起ったのか「…出来ないんだよ。」決定できもしないグロテスクな塊に「…出来ないんだよ。」すぎない「…出来ないんだよ。」それ。…あまりにもいびつなそれがそこに存在している事を以て、贖罪することなど不可能だ。…これは旧日本軍やナチスやイタリアン・ファッショを無罪化しようと策謀してんじゃない。なされたことの総ては有罪だ。そうじゃくて、この容赦もないヒト科ヒトの現実に眼をそらすことによってのみ、妄想としての全人類への人権保護と恒久平和と国家的安寧が見い出され獲る。
判る?
アンネの日記の愛読者に言ってやったほうがいい。お前等は愚劣だと。旧帝国殖民地の反日活動屋さんたちに云ってやったほうがいい。お前等は単に愚劣だと。偽善者以下の単に剝き出しの愚劣、序でに金正恩と韓国人に言ってやれ。お前等は歴史を語る限り反日だろうが抗日だろうが親日だろうが総て愚劣だと。…判る?
俺には、…と。
清雪は云った。
「地球に蔓延るヒト科ヒトたちの生態の、なにをも理解できない。」
「単なる馬鹿だね。ひどい論理。所詮は不可知論の自己憐憫に陥って、単なる自己憐憫にすぎない感傷を、今度はひっくり返して全宇宙の真理をそこに見い出してみる。…たぶん、お前が見てる風景の中じゃ、大宇宙はお前と同じようにおちんちん握り締めて孤独のうちに涙汲んでるんじゃない?」
私は云った。清雪は、私がズット曝していた、微笑んで、清雪をただ、慈しみ、やさしく赦して慰めえるような。
そんな眼差しにいまさら、彼は何の反応を示そうともしなかった。
清雪は、ただ、はかなく美しいみづからの微笑のうちに存在した、彼の眼差しの中で、私の存在をなにもかも赦しながら見い出していた。
「知ってる?お前の云ってること、すまじく難解且つ餓鬼っぽいんだけど、その餓鬼くささの理由。」
ぼくらは
わななく
…いいよ。
雨のなかに
さわぐ
云って。あんたの云いたい事。…あげる。
咲いていた
ふるえる
聴いて…
それら
とびたつ
あげる。
紫陽花の花の
啼く
「俺、…」
匂いを
鳥たちの
…ね?
雨粒の芳香のうちに在ってさえ
羽撃きが
「しっかり、」
嗅ぎ取るのだ。六月の
投げた
聴いてあげるから…
白濁した空の
翳りを
「多元論ってあるじゃん。エヴェレットの奴。仮に、この(――Hugh Everett III…ヒュー)宇宙、…てか、(エ)次元?(ヴェレ)が、(ット)さ。(エヴェレッ)無限大すれすれの無限大すれすれ乗に無数に複次元存在していたとしよう。彼等が(11.11.1930.)予測するとおりにね。で、ある(19.07.1982.)固有の瞬間に派生した窃盗があったとする。むしろ永劫回帰的な絶対的に固有で他なるものに還元すること他なるものに依って説明も表現もできない、あまりにも固有且つ特異且つ単独且つ絶対的なその一瞬の事実、だよ。お前、その瞬間如何する?…お前はその瞬間、判断しなければならない。何もしないこと自体、すでにひとつの判断だからね。何も考えられませんでした。ぼーっとしてました、それも一つの事実即ち意識もなくくだされて仕舞ったお前のその瞬間固有の判断だからね。
キリスト教徒は
…如何する?
Friedrich Wilhelm Nietzsche
ひとりしか居なかった
何か、する。
(15.10.1844.)
そしてその人は
なにか、せざるをえない。
(25.08.1900.)
十字架の上で死んだ
で、例えばお前は慌てふためいて逃げ去るそいつに手榴弾投げ込んで周囲の人間諸共吹っ飛ばした、と。しかも犯人は貧しい被差別民でした。外国人主導の例えば冷戦代理戦争で五体不満足です。お前は自由民権論者でマハトマ・ガンディとヘレン・ケラーとジョン・レノンと米国芸能界のホワイトカラー受け狙った、歌が下手すぎてまともにイマジンも歌えない言いメキシコ及びアジア系混血児且つ北朝鮮の極貧農村在住の於アメリカ流アジア風且つ韓国人っぽい顔に整形したアイドルを尊敬してます。身重でした。さらに顔見知りでした。とってもいい人なんです。いま、彼女、お金奪わないと死んで仕舞います。痩せぎすです。もう、一週間近く何も食べてません。あと一時間後に餓えて死にます。…ね。どうする?」
…でも、それってさ。
「尊敬すべき人間たろうとするお前は、その妊婦の顔に硫酸ぶちまけるんだよ。且つ、妊婦の腹踏んづけて流産させるの。で、死にかけののた打ち回る女を生きたままばらばらに解体して草食動物の羊に食わせて、腹下した羊が垂れ流した下痢便先祖に捧げた後で自分の子供に無理やり食わせるんだよ。」
「なんで?」言った清い雪は、顕かに私を単に、面白がってるに過ぎなかった。
「それが其の瞬間のお前の知ってる、及び、知ってると想って居る、正確に云えば、すでに羞恥のものとして知って居るとして想起された、本質的は自分自身が自分固有の責任において特異的に決断したといわざるをえない倫理に基いて。
いずれにしても、お前は(——「でも、…」と)決断を下した。倫理に基いて。倫理の(それってさ、…清雪は)相対性とか、そういう20世紀の(鼻に笑った息を)■カマの■ナニーを(立てながら、)繰り返す気はない。倫理に相対性はない。なぜなら倫理は列挙され獲ないから。現れるときそれは必ず、例え否定可能であっても唯一のもので、倫理はその倫理の絶対性に於いてしか出現できない。否定、肯定、容認、拒否、保持、反省。それらは絶対であるということとは全く別の場所に存在する単なる仕草のひとつひとつにすぎない。なぜ、お前は決断できるの?倫理があるから。そう。まさに。それはそうなんだから、結局はお前等は倫理を構築しようとするんだよ。例えば、今で言うと民主的に話し合って。そして、もの言わないマイノリティの、例えば、それと自分がマイノリティだと表明しようとしない、あるいは、できもしない虐められっこや被排除分子に気づかいながら。で、構築されたものが不都合だったらやりなおすの。古くなったら再構築するの。倫理って何?倫理って、目的じゃない。戒律をまもれば天国にいけるって?倫理空間が見せた固有の妄想だよね。戒律は目的じゃない。たんなる、生存の手段に過ぎない。仮に、お前の細胞が覚醒して、総ての同族を抹殺することによってお前が繁殖できる物理的且つ倫理的必然があったら、お前はただ只管殺戮すればいい。ことごとく。それが有益なら原爆でもアウシュビッツでもなんでも再現しろよ。なぜなら、それが倫理だから。結局は、倫理なんて手のひらの上に転がるまがい物の貨幣に過ぎない。その貨幣に交換価値がなくなれば、お前はとりあえず、考えられ売る貨幣を掌に作り出して行使する。商品と交換されるかどうかは知ったことじゃない、にも拘らず、お前はそれをしなければならず、そして、なにも怖くない。
意識されない無意識のうちには既に、総ては行われて仕舞うから。例えば、糞安くて糞まずいラーメン屋のチープな食券買うために500円玉投げ入れるみたく。とは言え、お前は確実にその瞬間、その500円を使って、その糞塗れのラーメンを買ったのさ。その事実だけはあまりにも、本質的に、絶対的に、遁れ難い。いずれにしても殺せばいいなら殺せ。それが倫理なら。倫理は宗教じゃない。信仰の対象じゃない。所詮、そこらへんに転がってるルールブック以上の意味をもたない。なあなあで適当に、お前が生きのこりたいなら、生き残れるように行使すればよく、生き残ることに価値がなければ死ねばいい。軍陣勅語?(――好きだろ。お前、…)羞じ曝すなら死ね?(…見たよ。)…と?(なんでTwitter?)だったら死ね。それ(むしろ、)以上のものでも以下でもない。重要なのは、(やりたけりゃ、独りで)この、あまりにも月並みな(クーデターでも起こしちゃえよ。乃至、)今時(実際に屠殺して廻ったら?「どっかの、犯罪者みたいに?」
「そう。…」…まさに。
私がそう云ったとき、清雪は、もはや好き放題に笑みを浮かべた私の眼差しを、じっと、声を立てないで見ていた。…いいよ。
赦してあげる。…と、耳元でさゝやきかけようとしたような、そんなやさしい眼差しのうちに。)小学生レヴェルの倫理論を、本当に実行してしまえば、既存のヒト科ヒト精神ってやつは普通、持ち堪えられないということだ。」
…ね?
私は言葉を切ってさゝやき、彼に語りかけるべき言葉を探そうとして、とは言え、何も見つからないのではなく、必ずしも、本当に見つけようとしていないから見つからないだけなのだと、そんなことには
…肉塊
気付いていた。
残酷なまでに、形態は
私は清雪を
形態そのものをひたすらに
見つめていた。彼の
愚弄して
見て居る者をただ、見られたものの承認もなく
血まみれの、目玉を不可解な
自分勝手に赦しを与えて居る、そんな眼差しは
陥没のなかに
或は、確かに見惚れるほどには
脈打たせる、眼の前の
美しい。
清雪。凄惨なほどに
「遠い。…けど、ま、近い。」
その肉の崩壊した
なにが?
単なる塊に過ぎないものは
距離感?…と。
私の眼の前で
僕等の意見の距離感じゃないよ。
生きて居た。息遣い
と、云った清雪は、しずかにその
ときに、皮膚の細部から
「…ま。」
細い血の筋を
囁く。
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