小説。——櫻、三月の雪…散文。及び立原道造の詩の引用 /《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ 或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948 ■22
以下、一部箇所に暴力的な描写が在ります。
ご了承の上お読み進めください。
又、歴史的記録として過去の政治スローガンの引用乃至模倣が使用されますが、
特にそれらを特に顕彰しようとする意図も在ません。
櫻、三月の雪
…散文。及び立原道造の詩の引用
三部作
《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ
或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948——Ⅱ
Zaraθuštra, Zartošt, Ζωροάστρης
ゾロアスター
早朝の、最初の授業の前には朝礼までも在る。起立、整列、社訓及び注意事項唱和、礼、あまりにも誇張された、日本流の礼儀作法が、馬鹿で愚かな島国の人間たちのカリカチュアを形成して、軽蔑を通り越してもはや笑うしかなく、それにもすぐに馴れて仕舞う。しないこと十か条。三、逃げない。四、盗まない。五、嘘をつかない。時に会社訪問する日本人たちはそして、あまりにも恥ずべき日本のカリカチュアに過ぎない。直行の飛行機で6時間のところから来た、外国人に対応すべきすべを持たない島国の閉鎖的なSir。何処にいても彼等は自分の周囲の一メートル四方をだけ日本に換えて仕舞う。順応性も許容力も欠如したSir、そして、自分たちが世界中から尊敬されている礼儀作法と高度な精神文化の国の人間だと、確信しつづけなければ気がすまない。彼らを許容できないとするならば、許容できないもののほうが、彼らを理解出来ないまでに下等な人間集団に過ぎないのだから、むしろそのものたちは憐れまれるか、排除されるか、啓蒙でもされなければならない。アジアに於いては。想うに、白人たちの国に行けばその彼等固有の感性は一変する。いずれにせよ彼等の唯一のとりえは、必ずしも韓国人のようにこれ見よがしの差別的眼差しを曝さないと言うだけに過ぎない。だれもかれもが見分けのつかない似たような顔をした、図体だけがでかい半島の南に棲息する人種たち。何人もの
ね
生徒たちを
…ね、ねぇ
ほんの半歳ほどの間に、私は
ね?
北東の島国に
なんにん
送り出したのだった。そこで彼らが
何人欲しい?
何を獲て、何を
子供…
掴みとり、なにを
と、その
失い、何に
Em Muốn
傷付いたのか。そんなことは
結婚式の前日に、彼女に
私は
Con trái bao nhiều?
いちいち知らない。ただ
ささやきかけた私に
時に彼らの何人かを想い出す
Nhiều
そのことが
ユエンは、…いっぱい
本質的に、単なる
Rất nhiều
無意味で自分勝手な感傷に過ぎない事など、その頃には
いっぱい、欲しい。だって
私は、すでに
Vì
気付いていた。会社の中に
いっぱい
溢れ返った様々な感傷と
Chết Nhiều
さまざまな思惑。結局のところ
死んだから、と
あまりにもそれらは、固有のもの過ぎて
寝室のベッドのうで、垂らされた
かさなり合う風景など何も無く
蚊帳の作った、白い色彩が
融和し獲る眼差しなど
暗やみに、ほのかに
何も無い。様々な
浮かび上がった空間の中で
声が
私の胸に頭をあずけたまま、ユエンは
木魂して、あるいは、それは
そう
音響。混濁して、
云った。ユエン
耳を聾するまでに響き渡る
Duyen…感じにすれば
巨大で繊細であまりにも壊れやすい
縁
轟音の集合。…好き。
むしろ
あなたが、
此の両眼を抉り取ってください。あなたが
好きです。その
泣き叫ぶ姿を
一言を
血まみれの
綾子が決して口にしようとはしなかった、その
怒号を
理由を、私は
見いださなければならないくらいないなら
知っていた。
彼
彼女はただ、純粋に私を
血まみれの彼を
愛していた。もはや、
救うものなど居ないのだった。すでに
何の混じりけも無く。十三歳の私の幼い身体は
もはや
十四歳の彼女にとっては、充分
彼は、供犠に
成熟した男だったに違いない。初めて
附されているその時点で、彼は
女を抱いた、その
自分が流した血に
女は、自分以外ではないことに、不意に
おびただしい、その
想い附いて、彼女は
色彩…
曝したのだろうか?…恍惚
塗れながら。ついばむ
私の運命に、意図もなく選ばれてしまった自分の
嘴の
かけがえの無い特異性の
鳥葬、彼は
かけがえのなさに、彼女は
すでに救われている。その
曝す。一瞬の表情に
孤独な
恍惚、要するに選ばれてあった恍惚と
樹木の上で
不安の
鳴り響く羽音の
容赦の無い
翳りの中で
現実。体の関係を、彼女が
もう
一方的に結んで以後も、あるいは
わめき散らさないで下さい。お母さん
それはつまりは強姦だった(——必ずしも)には
貴方の頭の中に
他ならない。学校の中では(罪の意識など)彼女は
サイビスカスの花が
あくまでも(這入る余地もない儘に?)私に他人事の眼差しだけをくれた。…あれ?
咲いています
誰?
寧ろ
信吾たちが
お前の口の中に肥満した豚の頭部でもぶち込んでやろうか?
垂れ流したうわさのせいで、ほとんど皆、彼女が私を食って仕舞ったらしい、その暗い羨望と容赦の無い嫉妬に塗れて居る事が事実だったにもかゝわらず。にきびなのか、何なのか、様々な各種の吹き出物にその顔面を彩った、可愛くも無いやせぎすの
共ニ天降レル皇孫
少女。誰もが
基督ニ教義ヲ授ケタハ御皇孫即チ
モーゼスヨ、蔓延ル
知っていた。
我等ガ神皇デコソ在ラセラレル
全賤民ヲ
誰もが認める
天皇陛下
壊滅セシメヨ
劣等生の、
ホサナ
あらゆる意味での校内カースト最下位に所属した彼女の唯一のとりえは、ふれるのも危険な信吾たちに廻されて仕舞ったことだけだということを。信吾は
「…ね。」
学校ですれ違った瞬間に、不意に
綾子は囁いた。私が何度目かに
…あ
彼女に
と、そう、かならずすしも、私を
抱かれてやった後で、私の
呼び止めたわけでもない、あくまでも
耳元に
やわらかな
唇を添わせて、その
声を立てて、そして
首筋の体臭と髪の毛の匂いを
自分が私に、そんな
私の鼻のさきにだけ
振る舞いを曝して仕舞った自分を
撒き散らしながら、彼女は
羞じた。
「なんか、云ってよ。」
…羞恥。目をそらしもせずに、気付く。私は
自分の言葉に戯れるように
私たちの耳が、
鮮明に、
休憩時間の学校の
なにかを
音響。空間に、散漫に点在していた
謀んだ眼差しを敢えて作って見せて
音響の群れを
もっと…
聴き取っていたこと。
と
私と、彼とは
「…ね。」
顕かに無関係な、他人たち
もっと、例えば、と
見知った、彼等、何の関係も無い
彼女がその母親に
人体の群れの
髪の毛を掴まれて、うちの外に
息遣いと、眼差しが
引きずり出されるのを見た。通りがかりの
すれ違い様に私たちを捉えた。彼が
日曜日の午後に、彼女の
なぜ、茂史と言う年下の
あばら家のような家屋の前で
私の同級生を、集団での
「…未来の話とか。」
リンチの上で
囁く。彼女は、…もっと
指の骨を骨折して仕舞った、その
いっぱい、もっと
理由が、直接的に
「わたしに話して」
判った気がした。彼は
と、その、散々泣き叫んだ後の
私をも同じように、自分の
茫然とした眼差しは、決して
暴力で、自分の色彩に
私を含めた彼女の
染め上げて仕舞わないではいられないだろう、と
周囲を見ようとはしなかった。母親の
その確信が
罵声から私は眼を背け
私の眼差しに
周囲にたちずさんだ、近所の人間たちは
鮮明に兆した。知っていた。一瞬の
ただ
振り向き様に
自分の眼差しが何を捉えて居るのか
誰かを意味も無く殴打して仕舞いそうな
それさえ認識できないでいる
そんな、剝き出しの
当たり障りの無い
暴力性、のような、衝動性?
茫然とした気配の中で、眼差しの中の
それら、やわらかく
汗まみれのふたりの人間の暴力的な
繊細で、あまりにも華奢で
ふれあいを見詰めたが、
むしろ瀟洒な
眼差し。ただ
信吾の眼差しの中で、私は
眼に映るもの総てを、歎き
美しい。顕かに
悲しみ、追い詰められて、非議の声を
私は、そして、見る。彼が
誰に向って叫べばいいのかさえ
終には
見い出せないたゞ暗い、その
私から眼差しを背けて仕舞ったのを。彼の
母親の
為に、一人で
犠牲者のそれに
憐れみながら微笑む。私は、彼にだけに。…形態。
大日本ハ皇国也
見い出していた
信吾は、眼をそらした、その
万世一系ノ天皇上ニ在シマシ
私は、その、全身が映る姿身に映った
繊細な
肇国ノ皇謨ヲ
…日差し
眼差しを、下方のどこかに
紹継シテ無窮ニ
私の姿。ユエンと私が使っていた
投げ棄てて、彼は
君臨シ給フ皇恩萬民ニ
嘗て
曝していた。私に
遍ク聖徳
その両親にあてがわれていた広い
彼の、余りにも
八紘ニ光被ス臣民
バスルーム附きの謂る
崩壊した形態。
亦忠孝勇武ノ祖孫相承ケ皇国ノ
マスター・ベッド・ルーム、と
開け拡げられた
道義ヲ宣揚シテ天業ヲ翼賛シ奉リ君民
そう呼ぶべきなのだろうか?古い
口蓋が、その内臓器官を総て
一体ヲ以テ
朽ちかけた、まるで
ひっくり返して
克ク国運ノ隆昌ヲ
廃墟のような、そして
溢れかえって
致セリ 戦陣ノ
日差し、…眼差しの中に
複雑な細胞の群れの色彩を
将兵宜ク我ガ国体ノ
私に捉えられた、それ
曝した。彼の
本義ヲ体得シ牢固不抜ノ
素肌を曝した、シャワーを浴びたばかりの
皮膚らしい赤黒い
信念ヲ堅持シ誓ツテ皇国守護ノ
血まみれの肉塊。頭部の
紫がかった
大任ヲ完遂センコトヲ
真ん中の殆ど総てを占領した
表皮に、でたらめに、擦り切れて、丸まった
期スベシ
肥大化した片一方の眼球だけが、何故か
牙のような
忠孝一本ハ
哀しくも無いのに、何の
歯が無造作に散乱して居るのが
我ガ国道義ノ精粋ニシテ忠誠ノ
必然性も無い滂沱の涙を垂れ流し
無意味に
士ハ又必ズ
下半身に崩れ落ちた
何の規則性も無く
純情ノ孝子也戦陣深ク
あまりにも巨大な頭部は
わななくのは
父母ノ志ヲ体シテ克ク
楕円形の表面に、皮膚を
それは
尽忠ノ大義ニ徹シ
食い破った筋肉の
彼がいま、何かを咀嚼しているから?
以テ祖先ノ
血まみれの、飽くまで新鮮な
そうなのだろうか?…見る。私は
遺風ヲ顕彰センコトヲ
息づかいを見せ附けて、その
信吾に微笑みかけながら、不意に
期スベシ敬礼ハ
見慣れた風景。人体の
ふれた日差しに
至純ノ服従心ノ発露ニシテ
形態
瞬いた。ユイ=雨が不意に、声をたて笑った。白い素肌をそのまま、ためらいも無ければ、羞恥もないもないままに曝して、…確かに。
潤の部屋の中で、私たちの眼差ししかない以上、彼が好き放題肌を晒そうが、あるいは、いまその腹を引き裂いて自分の内臓を引きずり出して仕舞おうが、彼は自由であるに他ならなかった。
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