小説。——櫻、三月の雪…散文。及び立原道造の詩の引用 /《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ 或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948 ■14



以下、一部箇所に暴力的な描写が在ります。

ご了承の上お読み進めください。

又、歴史的記録として過去の政治スローガンの引用乃至模倣が使用されますが、

特にそれらを特に顕彰しようとする意図も在ません。





櫻、三月の雪

…散文。及び立原道造の詩の引用


三部作

《‘In A Landscape’ ...John Cage,1948》Ⅱ

或る風景の中で。ジョン・ケージ、1948——Ⅱ

Zaraθuštra, Zartošt, Ζωροάστρης

ゾロアスター 



…ね。

と。

一言のその音声が耳に、…ね。

ね、

ね、

「——ね?」…さまざまに反芻されて、





4.輝いている。お前の裡に、それにも益して



「ね。」

…雪。

「なんで、…」と、清雪は

ユエンと

我ガ国ノ軍隊ハ

云った。私が

結婚指輪を買いに行った、その

世々天皇ノ統率シ給フ

泰隆に連れられて彼らの住む

あまりにも雑多な

所ニコソアル昔

青葉台の

バイクの群れをあふれかえらせた

神武天皇躬ツカラ大伴

住居を訪れたときに、そして、私は

そこ、…サイゴン。指輪を

物部ノ

その

選ぶ私に

兵トモヲ率テ中国ノ

言葉の先を、言い澱んだわけでもなく

…お前は、どれがいいの?

マツロハネモノトモヲ討チ

ただ、

Em chọn cáy nào?

平ゲ給ヒ高御座ニ

あくまでも自分勝手に言葉を切った、眼の前の

選んで、…と

即カセラレテ

十三歳の少年を見詰めた。「…必要ないよね?」

あなたが選んで。あなたが

天下シロシメシ給ヒシヨリ

ささやく。

私たちのために

二千五百有予年ヲ

清雪は、

自分では選ぼうともしないユエンに私は

経ヌ此間世ノ様ノ

私からその眼差しを外さないままに。知性、

微笑みやって、そして

移リ換ルニ従ヒテ兵制ノ沿革モ亦屡ナリキ

と。確かに、彼には

選び取った現地の金の結婚指輪を

古ハ天皇躬ツカラ

彼固有の

試しに彼女の指に

軍隊ヲ率ゐ給フ御制ニテ時アリテハ

鮮烈な知性が在ったに違いなかった。僕は、いま

差し込んでみると、まるで

皇后皇太子ノ代ラセ給フ

…と。此の世界の総てを

いま、この瞬間に

コトモアリツレド大凡

すでに

本当に

兵権ヲ臣下ニ委ネ給フコトハ

知って居ると、その

永遠の誓いがなされた

ナカリキ中世ニ

事実を鮮明に認識し、迷うことなく

指輪が指にはめ込まれたかのように

至リテ

素直に

わ、…

文武ノ制度皆唐国風ニ

曝した

…と

倣ハセ給ヒ六衛府ヲ置キ

眼差し、あるいは、

Can you marridge me ?

左右馬寮ヲ建テ防人ナド

と。

Really ?

設ケラレシカハ兵制ハ

想う。私も嘗て、彼と同じように

わざと派手におどけて見せて、…ただ

整ヒタレトモ

この世界の総てを、同じように

愛してる

打続ケル昇平ニ狎レテ

知り盡くしていた。彼と同じ年代の

その言葉をしか

朝廷ノ政務モ漸文弱ニ流レケレハ

時には。

彼女の眼差しは

兵農オノツカラ二ニ分レ

鋭利な

あくまでも

古ノ

知性そのものとして、…雨

くまで

徴兵ハイ

硫酸入りの雨が、

も、あく

ツ古ノ徴

…さ。

レ古ノ徴兵

昨日、富士山跡の

曝さなかった

兵ハイツ徴

そのものとして、…俺には、必要なの。

泰隆は云った。微笑み、此の、外資系の銀行に勤務する男は、その微笑のうちに、必ずしも私を赦してはいないことを鮮明に伝えていた。彼らの住居のは横浜の緑区にあった。駅から離れた立地を敢えて、泰隆は選んだ。そこが、地価の変動の殆ど無い立地だったからだった。彼にとって居住する場所とは決して不動産資産として捉えられてはならなかった。資産価値を投機的に飛躍させはしないが、決して損ないはしない安全性に長けて、そして閑静であることだけが彼の条件だった。馬鹿々々しすぎるほどに心地よいその住居に、明るく、清潔な日差しは冗談めかして本気で差し込み、彼は十歳近く年下の清楚な妻と居住し、子供はなく、幼い頃に半ば生き別れた姉とその息子を引き取っていた。美しい

仮に

どうやって弔ったのだろう?いまや

息子、

死んだ

手もふれ獲ない、汚染された

清雪を。

シュレーディンガーの猫は一切の留保も仮定も必要無く深刻な核

その

「清明さんにも、…」

廃棄物に過ぎないことを

瀟洒な猫の

と、

すべての物理学者は認めねばならない

「…必要なんだって。」そう云いながら、それ。眼の前で断りも無く独り語散る言葉。泰隆は決して、私にはその、かすかにおびえの在ることを兆した、やわらかい翳りをふくんだ眼差しを注ごうとはしなかった。必ずしも装った訳でも偽った訳でもない、自分の素直なやさしく気遣いにあふれた行為に、私への裏切りが隠しようもなく含まれていることを、彼だけは自分の心の中で鮮明に認識している、そんな、いずれにしても彼は、私を殴り、侮辱し、非難し、拒絶し、ありとあらゆる罵詈雑言で誹謗してしかるべきだった。頭のおかしくなりかかった薬物中毒の風俗嬢を、好き放題慰み者にして、孕ませ、迷うことなく棄てて仕舞ったのだから。






Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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