小説《堕ちる天使》イ短調のプレリュード、モーリス・ラヴェル。連作:Ⅳ…世界の果ての恋愛小説(完全版)




この短い小説は、もう一つの《堕ちる天使》の続編、というよりは、そのまま続いている同じ物語です。





物語の内容としては、人種的にはフィリピン人なのだが、日本生まれの日本育ちというある女性がいて、そして風俗街と薬物に身を持ち崩していくのだが、そんな女性を愛してしまった《私》が見い出す風景とは…と、言った感じのものです。


最初に言っておくと、破天荒なストーリー展開などはありません。

ただただしずかで、壊れそうに危うい心象風景が続いて、見あげられた空はいつか夕焼けて紅蓮に染まっていた、というだけの物語です。



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これから何かが始まる物語ではなくて、すべてが終った後、すくなくとも、それを見つめる人にとっては、自分はもう終ってしまった人間だと認識されて以降の、その、いわば《最期の風景》を描こうとしたものだからです。


そう言う意味では、これらの連作《雨の中の風景》は、基本的には末期の眼差しが見た風景を、ただ、せめて美しく描こうとしたもの、なのかも知れません。


読んでいただければ、うれしいです。


2018.11.10 Seno-Le Ma







Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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