ジュリアン・O、浸蝕。そして青の浸蝕 ...for Julian Onderdonk /b;...for oedipus rex #090



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



#09//そう。それは/顔。あまりにも/新鮮な、わたしの/猶も。わたしを//

波紋。壬生の両親と、初日のいたましいだけのいたたまれなさをたがいに掠らせあい、自覚もないうちに傷めあった夜のあと、二日目にようやくの自然な

   絶対に、

      蠢動

憩い。と、

   もう。お前はもう

      ん?

睦みあう、しかも慎重なまでに稀薄な時間の

   だいじょうぶだよ

      いのち。この

生起。無数の、…やがて

   絶対に

      躍動

微妙で、微妙すぎて赦しがた…やがて、むしろ惜しみあいながら彼等が島に帰っていった三日目の正午ちかく。その夜。はやく寝るようにうるさい真魚が、強いるまま落ちた眠りに波紋は夢を

   はくっ

      白濁?

         見よ

見た。目の前で、

   はくだっ

      いいえ。すがすがしい

         純白の

沙漠?白い、

   波紋。はっ

      すこやかな

         見ろよ!

繊細で微細な発光をにぶく、無数にせりあげていた地表に雲もなくただ圧倒的にしろいだけの

   はくだっ

      白濁?

         ただ純粋な

空。錯覚?目の、…と。波紋。彼女はその

   女たち

      らら

視野じたいを

   ら。これらは

      ひかり。ららっ

疑う。

   女たちが排泄していた

      らっ。反射。らんっ

女。ひまざづいて、

   ささやきの…らっ。むれの

      あ!

斜め左を向いている

   結晶だろうか?

      ららっ。…ええ、

女。ひらかれた口蓋は嘔吐する。大量の黒い花々を。抜けめさながある。なぜ?まるで、…厖大な!鯨が、潮を噴き上げたかに。…どうだい?巨大すぎた噴水装置の、あるいはしかもその故障した須臾をも思わせ、どうだ!知っている。もう、ずっと

   しゃく、ああ

      破廉恥ですか?

         色彩。…あっ

そうだっ

   え?

だったから。女は

   咀嚼

      こんな、容赦ない

         の。死?破滅

やがて、

   え?

て、耐えがたい嘔吐の耐えがたいえづきを無造作にあげて、それら

   しゃく、ええ

      至近に

         色彩。…あっ

無数の

   え?

しゃくりあげのさなかに吐瀉された花々を貪りはじめるのだ。無理をして、しかもみずからを肉体的にも追い詰め、それぞれの筋を克明に傷つけさえしなが…貪り。ら、手づかみで?まさか。手など

   あっ

      俊敏であれ

存在しない。

   あっ

      きみよ

女には。

   あっ

      唐突であれ

くちびるを、

   あっ

      きみよ

ほほをまで黒い

   あっ

      急激であれ

花粉に

   あっ

      きみよ

汚しつづけ、ずっと

   あっ

      鋭利であれ

そう。もう、百年もそう。だからこれから百年も、またはそれ以上にさえもこれらはこうであるに違いな

   確信

      のけぞりかえっ

         なに?この

い、と。

   に、満ちて

      た。これら

         失踪

夢。…ん?その

   もう、ぶざまなほどに

      歯頚。ぶしつけな

         不明

夢。…ええ、その

   満ち溢れてさえいて

      白目を

         解決されはしない

顔。…あっ。完璧な

   確信

      剥いて、ひん剥い

         なに?この

不在。…ん?その

   に、ゆがみ

      て。これら

         赤裸々な空白

顔。

   え?

      え?

変死?

   顔

2000年?

   変死

      顔?

旧防衛庁跡地?

   2000年

      変死?

         顔。そう

ふと

   旧防衛

      2000年?

         顔。その

            顔?

思いつき、調べた。真魚は寝息を立てている。立ち上げたパソコン。インターネット。検索。わけもない。見た。そこに

   なに?

      血

顔。思い出すことが

   この

      味覚。かつ

実質不可能な、

   既視感。圧倒的に

      血

ととのいすぎて思い描けもしない

   辛辣なまでに!煽情的な

      触感。かつ

美貌。あの女。たしかに14歳の波紋が、山田美玖の目の間で殺して仕舞った女。波紋。あえて、すくなくともまだ叫ばない。だいじょうぶ、と。波紋は。そして波紋は腹に

   生きて!

      落ちついて!

         元気?

手を

   生きて!

あてた。

   そう。それは ;contrapunctus à 4

      微光。あざや

    ん?

     あ。あ、

   顔。あまりにも

      や。…あっ

    そう。それは

     ん?

   新鮮な、わたしの

      ん?

    顔。あまりにも

     そう。それは

   猶も。わたしを


   ついに無罪に

      そう。それは

    新鮮な、わたしの

     顔。あまりにも

   残したままに


   え?


   顔。圧倒的な ;antiphona

      そう。そ

    知っていたね?

     え?

   この、ええ!鮮明さを

    もう

     ええ、そ

   見て。あまりにも

    じゃない?と

   取りつ…すがる?隙もない


   そんな、なぜか

    断絶を。この

   確信がわたしを

    ここに、この

   おののかせかけたん

    顔は。たしかに

   その…だっ!須臾に


   顔。赤裸々な

    ええ、わたしはこゆびを

   この、ええ!明晰さを

    咥えようとして

   見て。なすすべも、な。手の

    なぜ?あえて

   ほどこしようもない


   やめた。そう

    無縁。この

   やめておけ。いまや

    ここに、この

   あるいはすべては

    顔は。あきらかに

   不可能だから。ただ


   顔。わたしの

    ひたすらに自由な

   顔。ええ!わたしは

    可能性。それら

   顔。わたしが

    無際限の

   顔であるということは


   ざわめきの、これら

    どう?ならば

   無際限のうちに

    赦されていいの?

   すべては、いまや

    どう?いまや

   すべてが、ええ











Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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