ジュリアン・O、浸蝕。そして青の浸蝕 ...for Julian Onderdonk /b;...for oedipus rex #086



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。



#05//ええ。われわれは/いちども、ただ/ささやきいがっ/ええ。ささやき以外に、//

夜。真魚。携帯メールで状況はもう、しかもほぼ同時進行で知っていた。あらためて

   ねぇねぇ

      ん?

午後

   あ!

      あっ

8時すぎ、

   ねぇねぇ

      んん?

…おかあさんは、

   あ!

      あっ

と、「いま、お風呂に入ったから」声。音声電話。あかるい声。と、テレビ。その聞き取れないざわめきにすぎない音声。父親と?真魚。彼は、いま、晩酌するタイプ?なら、

   きみを

      雑音にこそ、だ

         ね。ね、時に

そんな、

   思うよ

      だっ。まみれよ!と、

         見えるよう。目に

ややあたたかになったまぶたを時に娘のほうにかたむけたりして?明日、と、「両親と、ね?いっしょに、上京する」そう、…ね?波紋は言った。平日だった。仕事はどうとでも調整すると言うのことなのだろう。「おめでとう」電話が終わって

   やさしいね?

      悼むかに

春雨が、

   吐息

      執拗にあかるく

かならずしも聞き耳を立てていた気配もないくせに詳細まで察知しきり、だから、

   われわれの

笑んだ。

   鮮度を、この

真魚に。彼は、…莫迦。一瞬の返り見。目をそらす。と、沈黙。数秒。ようやく「どのつらさげてって、」ささやく。「そう、思う。

   だっ

      ん

おれはそう

   んだっ

      う

思う。おれに。

   おも

      んっ

おれ自身に。

   だっ

      う

それが

   んだっ

      んっ

いまの、正直な

   おも

      ん。うっ

おれの」

「って、それ」

「気持ち」

「やられちゃったこと?あの、」

「やりまっくったともいう」

「馬鹿」…ね?真魚。失笑。春雨の意図的なそれを無視し、いきなり真魚は振り返り見て、あきらかに執拗に凝視した4秒のあと、「男にも、」叫んだ。あくまでも「強姦被害って、さ。成立するよね?」ささやきの、

   絶叫!

      きみは、ぼくをも

         そばにいた

音量で。かつ

   容赦なく

      いま、そっと

         離れずに

慎重な

   絶叫!

      隔離する気?

         絶え間なく、…ええ

微音で

   え?

「そうだよね?」

   ええ。われわれは ;contrapunctus à 4

   いちども、ただ

   ささやきいがっ

   ええ。ささやき以外に、


   わ。わっ

    聞こえないんだ。ときに

   わ。わっ

    ささやきでさえも

   わ。わっ

    聞き取れないん

   わ。わっ


   ええ。われわれは

    ちがっ。…信じられる?

     聞こえないん

   いちども、ただ

    しかも、…さ。にくしみが

     だ。ときに、ん?あなたの

   ささやきいがっ

    抱けな

     ささやきでさえも

   ええ。ささやき以外に、


   わ。わっ

      ねぇ。お前は

    聞こえないん…ときに

     なぜ?

   わ。わっ

      声を。はっきり

    ささやきでさえも

     おれは、…え?そう。おれ自身にさえ

   わ。わっ

      ひびかせて。あっ、わたしに

    聞き取れないん

     裏切られていて

   わ。わっ


   悲しみだったら、あっ ;canon à 4

   そう。…どう?

   こころに、きみの

   さとられずにおけ、と


   せりあがる吐瀉は

    悲しみだったら、あっ

   けっして、虹には

    あけすけに。ええ、われわれは

   ならないのだ、か

    ええ!叫んだものだが

   らっ。…ね?


   われわれは、ええ

    せりあがる吐瀉は

     悲しみだったら、あっ

   いちども、ただ

    けっして、虹には

     そう。…どう?

   ささやきいがっ…ん?

    ふれられはしなかっ

     だから、これら

   い。ええ、ささやき以外に


   わ。わっ

      悲しみだったら、あっ

    ええ。われわれは

     寄り添いあって

   わ。わっ

      そう。…どう?

    叫んでさえいた。その

     間近に息吹く

   わ。わっ

      手のひらのうえに

    耳元で。きみの

     皮膚感覚に

   わ。わっ


   喉に、音声を発し得はしない

    わ。わっ

   ささや、…ええ

    わ。わっ

   もう、わがまますぎだね?…そんな

    わ。わっ

   声帯をも持ち


   傷みだったら、

      われわれは、ええ

    もう。わがまますぎだね?

     わ。わっ

   そう。…どう?

      吐瀉を撒き散らして仕舞うのでしょうか?

    喉に、音響を

     わ。わっ

   こころに、きみの

      せりあがってゆく

    発し得ない微光

     わ。わっ

   聞き取られずにおけ、と


   せりあがる胃液は

      微光。わっ

    傷みだったら、あっ

     もう。わがまますぎだね?この

   けっして、雨には

      湧きあがる

    われわれは無根拠に

     声帯の、この

   ならないのだ、か

      微光。わっ

    罵声をあげたものだが

     発光は

   ら。らっ、ね?


   ええ。われわれは

      わ。わっ

    せりあがる胃液は

     傷みだったら、あっ

   わずかにも、ただ

      わ。わっ

    けっして、雨には

     そう。…どう?

   ささやきいがっ…ん?

      わ。わっ

    ふれられはしなかっ

     だから、これら

   い。ええ、ささやき以外に


   わ。わっ

      傷みだったら、あっ

    ええ。われわれは

     親しみあって

   わ。わっ

      そう。…どう?

    罵声をあげた。その

     破廉恥に息吹く

   わ。わっ

      手のひらのうえに

    鼻先で。きみの

     皮膚感覚に

   わ。わっ


   喉に、音声を発し得はしない

    わ。わっ

   ささや、…ええ

    わ。わっ

   もう。なんか、頑固すぎだね?…そんな

    わ。わっ

   声帯をも持ち


   激怒だったら、あっ

      そう。われわれは

    もう。頑固すぎだね?

     わ。わっ

   そう。…どう?

      胃液を、ええ。撒き散らして仕舞うのでしょうか?

    音響を、喉に

     わ。わっ

   こころに、きみの

      せりあがってゆく

    発し得ない微光

     わ。わっ

   かんづかれずにおけ、と


   せりあがる体液は

      微光。わっ

    激怒だったら、あっ

     もう。頑固すぎだね?この

   けっして、微風には

      湧きあ、あっ…がる

    われわれは俊敏に

     声帯の、この

   ならないのだ、

      微光。わっ

    すすり泣く?…ものだ、が

     発熱は

   から。…ね?


   ええ。われわれは

      わ。わっ

    せりあがる体液は

     激怒だったら、あっ

   須臾にも、ただ

      わ。わっ

    けっして!けっして!微風には

     そう。…どう?

   ささやきいがっ…ん?

      わ。わっ

    ふれられはしなかっ

     だから、これら

   い。ええ、ささやき以外に


   わ。わっ

      激怒だったら、…あっ

    ええ。われわれは

     接近しあって

   わ。わっ

      そう。…どう?

    すすり泣いていた。その

     すれすれに息吹く

   わ。わっ

      手のひらのうえに

    こめかみで。きみの

     皮膚感覚に

   わ。わっ


   喉に、発し得はしない

    わ。わっ

   ささや、…ええ

    わ。わっ

   もう。理不尽すぎだね?…そんな

    わ。わっ

   声帯をも持ち


   悔恨だったら、あっ

      え?われわれは

    もう。理不尽すぎだね?

     わ。わっ

   そう。…どう?

      体液を撒き散らして仕舞うのでしょうか?

    喉に、音響を

     わ。わっ

   こころに、きみの

      せりあがってゆく

    発し得な、なっ。…い、微光

     わ。わっ

   返り見られずにおけ、と


   せりあがる内臓は

      微光。わっ

    悔恨だったら、あっ

     もう。理不尽すぎだね?この

   けっして、蝶には

      湧きあがる

    われわれは執拗に

     声帯の、この

   ならないのだ、か

      微光。わっ

    悲鳴をあげさえしていたものだが

     発散は

   ら。…ね?らっ


   ええ。われわれは

      わ。わっ

    せりあがる内臓は

     悔恨だったら、あっ

   最後にも、ただ

      わ。わっ

    けっして、蝶には

     そう。…どう?

   ささやきいがっ…ん?

      わ。わっ

    ふれられはしなかっ

     だから、これら

   い。ささやき以外に


   わ。わっ

      悔恨だったら、

    ええ。われわれは

     狎れあいさえして

   わ。わっ

      そう。…どう?

    悲鳴をあげていた。その

     そこなわれてゆく

   わ。わっ

      手のひらのうえに

    頭頂に、きみの

     皮膚感覚に

   わ。わっ


   喉に、発し得はしない

      音響。と、

    わ。わっ

     悲しみだっ、あっ。たら

   ささや、…ええ

      突然、聞き取られなどはしなかった

    わ。わっ

     そう。…どう?

   もう。絶望的だね?そんな

      轟音を、そう

    わ。わっ

     たやすく、ぼくたちは

   声帯をも持ち


   ええ、…












Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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