ジュリアン・O、浸蝕。そして青の浸蝕 ...for Julian Onderdonk /b;...for oedipus rex #085
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
(承前)
いっぱい、」…ね?「いままでたぶん、だれよりも」…ね?「傷ついてきたひとだから、」…ね?「いっぱい、」…ね?「いっぱい、やさしくなれるはずの、」…ね?「そんな」…ね?「ひと」…ほんとは、庸子。彼女は、…ね?「わたし、」…ね?「しあわせになっちゃいけない子なのに」娘に「…ね?」あえて無言の微笑をしか送りとどけ得ない。かたわら、雅孝は
泣きたい?
ここは、そう
微弱
冷静沈着をよそおいながらその実
泣きなさい
あなたのための
な、鼓動
こころの
笑いたい?
場所だから
微細
動揺をすべて、
笑いなさい
ここは、そう
な、窒息
うごかない表皮のうすい被膜一枚の下にあざといばかりにすべて明かして仕舞っていることをじぶんでは気づかない。聞いた。告白。波紋の。あの、
なんで?お前は
いいんだ
14歳の波紋の
しあわせになるために
だれよりも
だれにも明かされはしなかった
生まれたん
繊細過ぎた
殺人事件。
そうだろ?
女の子だったん
修学旅行で…正当防衛。行った六本木。旧防衛庁の裏のほうの翳り。夜。自由時間の、親友とふたりでの外出。と、いきなり殴打されたほほ。だれ?返り見れば、
だっ
女。ひたすら、
だれだっ
目を閉じればなんら、
だっ
記憶に残し得ないほどにととのい、ととのいすぎた顔。つくりもにじみた端正の、なまなましい
生きてる
あ
知っ、そして
肉々しさ。
ぶざまなまでに
あ
情熱が、なんら
女。女の
生き生きと
あ
温度上昇もしめさないまま
女のくせに?殴打。すべて、かならず頬を。かつ、かならず頬だけを。
これは、トマト
色彩。そう
親友。
殴られるために
健康な、…ええ。血ばしる、
小柄。ひたいに
変異した固体
色彩。そう、
できたにきびをその日、一日中気にしつづけていた少女。壁。手をつかされ、まくしあげらたスカート。なぜ?激情。温度のない、…なに?情熱。波紋に、激怒とはけっして言えないあまりにも冷淡な熱狂が、すでに
奔流?
きざした。
いいえ
と、
あまりに沈着な
思えばもう
吐息
爆発していた。暴発?閃光のなか、その、あきらかに見えている頭部。綺麗すぎる不穏な微笑の女の明瞭を、…なに?馬乗り。アスファルト。波紋。傷み。散乱。舞いあがるかの。鋭利な角度で叩きつけ「わたし、」叩き壊しつづけていた。「あれ以来、」ね?「ひとが、他人が、」ね?「なんかもう、」ね?「だから、ほら。男のひとふくめ」ね?「肉体関係?そういうの、もうあり得ない」ね?「こわかった。ずっと」ね?「でも」ね?「こわくないんだよ?真魚とは」ね?「手、にぎっても」ね?「られても。で、」ね?「キスしても」ね?「られても、それに」ね?「抱きしめられても」ね?「抱きしめても、いっぱい」ね?「だから、真魚がわたしの、はじめてのひとなんだよ。怖かったけど、違和感すごかったけど、真魚になら」…わたしは「我慢できた」駄目な子だよね?ほんと、信じられないくらい、「ごめんね?」違うから「わたし、」ちが、「お母さんたちが思ってる、」違うから「そういう子じゃ、ね?ないから。なかったから」
魂とは
ん?…逆光
「関係ない」
すさまじい速度で
赤裸々な
「だから、」
微動し続ける
ん?…発光
「もう、」
運動であっ
理不尽な
と。何年前の話よ?庸子。ささやく。思い切って、そのみごとな微笑を波紋は「もう、」見つめた。「いいんじゃない?…いや、よくない。よくないよ?でも、もう、いいんだよ」その、じぶんでもなにを云っているのかわからないじぶんの言葉に庸子は唯一、ただしい鳴るべきひびきを聞いた気が「って、」し、「そういえば、」雅孝。「誰だ?その、」
「だれ?」…一緒にいたっていう「お前と、」その子。「あ、」だれだ?「もうひとりいたんだろ?おまえ、その子救いたいがあまりにそういうこと、そういうふうにしちゃったんだ、…と。そうだろ?その、だからその子も、だったら、な?おなじように、…だ。その子もお前みたいにいまも苦しんでるかも知れないんじゃないか?だか、…だったらその子の」
「きっと」
「ケア?こころの、ケ、手当も。…な?」庸子に「おれたちで」
音響。いま
体温が
流し目を、
わたしたちは
ね?触感として
雅孝は「ありがと。
ひびきあう
皮下に
…でも」
ざわめき
あやうく、やや
くれてやる。「だいじょうぶだよ。美玖はつよい子だから。…ね?美玖ちゃん。山田美玖ちゃん。ミーたん。おぼえてる?」15歳。波紋の失踪直後、その11月に島で頸を吊ったことをはすでに、鮮明に、すべて、雅孝は杉の樹木にぶらさがる遺体の
どうやって?
おっ。ひとりで
この子、…そう
撤去のさままで
こんなところまで
のぼっ。しかもひとっ
届きたかったの、で
思い出しながら、ふたりは
どうやって?
おっ。ひとりで
しょうか。お空に
波紋には伝えなかった。「わたし、」と。「しあわせになんっていいかな?」
「莫迦」庸子。「いいもなにも、しあわせになるためにみんな、うまれてくるんだよ」
「だめだ」いきなり
悲しみに染めるためには
音響
雅孝。真顔になった
きみを
噴き上がっていた
彼が「でも、」
生みはしなかっ
水流の
罵声。「おとうさん、でもこの子の決断よ、なにを云ってるの?」声をするどくしかけた庸子に言い切らせもせず、…水。雅孝。「出しっぱなしだ。おれは」立ちあがればあわててサッシュから庭に飛び出した。3秒後、庸子と顔を見合わせた波紋はすなおに、こころから母のために声を立てて
ねぇ、
笑った。
これらは、そう ;contrapunctus à 4
よみがえってゆく
回復。いわば
喉元の、この
わたしたちの
体温であっ
回復。赤裸々
ねっ
綺羅ら
あっ
繊細な、もっと
まざしら
あっ
微光が、…もっ。わたしたちには
散乱ら
あっ
ねぇ、ふさわしいでしょう?
回復とは、…ええ
ねっ
風化。風化し
くちびるは、ただ
綺羅ら
あっ
回復し得ない
もう、ふるえるばかりで
まざしら
あっ
痕跡をさえ
しまつにおけないのだ。…が
散乱ら
あっ
残りすらしない翳り
ねっ
と、かろうじて
手のひらに
形象化していた
まげたゆびのやわらかな
顫動を、やがて
あ。翳りが
葬り去ろうとここみろみてい
ねっ…た。傲慢でしょうか?
いけない、と ;antiphona
罪?…そう
わななきはじめて見えた
タンポポが
くちびる。おまえの
白い
くちびるの微動に
綿をいっぱいに飛ばして仕舞うのに
微細に、わたしは
罪?…そう
いけない、と
いかなる罪が?
なぜ?または
あなたは、そっと
なにが?そう
睫毛をゆらした
だってそうだろう?
その、ゆれの
そう、われわれには
微細と、かつ
言わないでおいて
微細な綺羅めきに
いいという事実が
わたしは思わず
秘密?
嫉妬する
を、あえて
むしろ、どうしようもないほど
つくるという意味ではなくて
ここちよく
そうだろう?
もっと、すこやかに
だって、そ。微動。そう
嫉妬させてくれさえすれば
あやうい、その
あなたは。そうで
と、感じられた
なければならないのだ、
あきらかな
と。罪?…ええ
あやうさを孕む
蜜をいっぱいに匂わせて
くちびる。おまえの
タンポポが蝶を
微動に、くちびるの
拘束するのに、
微妙に、わたしは
罪?…そう
目を逸らして仕舞う
いかなる罪が?
が。逸らして仕舞って
あなたは、そっと
いたのだ
わたしにだけに
が。いまや
その意味のなにも捉えられない
直射。あかるすぎる
流し目を、くれ
須臾の
と、容赦ない ;canon à 4
有罪。われわれの
有罪性を。そう
加害をすこしも
しないで、巧妙に
と、容赦ない
生き延びたものなど
有罪。われわれの
いない、の。でしょう?
有罪性を。そう
ね、…俊敏に
雲が、あっ
あげつらっていられるのなら
と、容赦ない
あえて、返り見さえ
ば。…どう?
有罪。われわれの
しなかった、…雲が。頭頂
わたしたちは
有罪性を。そう
あやうい上方に
あかるい翳りを
と、容赦ない
もっと、すこやかに
微風が、もう
ざわめかせている
有罪。われわれの
ほほ笑んだりもできるはず
むれにさえなって
わかる?
有罪性を。そう
だ、…ね?いまも
緩和させて仕舞っ、…ええ
気づいてる?しずまる
肌が。すべての
見逃しつづけて
いっさいのまざしが
あかるい翳りを
肌が。いまだけは
いて、仕舞っ
明晰に、そう
ざわめかせている
ほてりをも
われわれは
色彩を拒絶した
わかる?あれら
緩和さ、…ええ。風化を
ほてりに
と、容赦ない
雲が、あっ
肌が。すべての
もう、痕跡さえ
有罪。われわれの
あ!あえて、返り見さ
肌が。いまだけは
存在させない
有罪性を。そう
な。あ!…かった雲が。雲
発熱。いたたまれな
微風。赤裸々な
略奪をわずかにも
しないで、巧妙に
あ。そう…ええ
と、容赦ない
微風が。…ん、
生き延びたものなど
あ。どう?いまや
有罪。われわれの
ん?
いない、の。でしょう?
あ。ざ、やかすぎた
有罪性を。そう
ん?
ね、…おおらかに
雲が、あっ
光暈だろう?
せせら笑っていられるのなら
と、容赦ない
あえて、見あげられさえ
圧倒的に
ば。…どう?
有罪。われわれの
しなかった、…雲が。頭頂
ほのかな
わたしたちは
有罪性を。そう
あやうい上方に
すこやかな翳りを
と、容赦ない
もっと、なめらかに
微風が、ええ!もう
ひろげかけている
有罪。われわれの
ほほ笑んだりもできるはず
塊りをつくって
わかる?
有罪性を。そう
だ、…ね?いまも
風化させて仕舞っ、…ええ
気づいてる?ひそまる
肌が。すべての
見逃しつづけて
いっさいのゆびさきが
すこやかな翳りを
肌が。いまだけは
いて、仕舞っ
明確に、そう
ひろげかけている
ほてりをも
われわれは
触感を拒否した
わかる?あれら
風化さ、…ええ。喪失を
ほてりに
と、容赦ない
雲が、あっ
肌が。すべての
もう、名残りさえ
有罪。われわれの
あ!あえて、見あげら
肌が。いまだけは
感じさせない
有罪性を。そう
な。あ!…かった雲が。雲
違和。受け入れられな
微風。発作的な
破壊をなんらも
しないで、巧妙に
あ。そう…ええ
と、容赦ない
微風が。…あ、
生き延びたものなど
あ。どう?いまや
有罪。われわれの
あっ
いない、の。でしょう?
あ。き、らかすぎた
有罪性を。そう
あっ
ね、…唐突に
雲が、あっ
光暈だろう?
あざけりさえしていられるのなら
と、容赦ない
あえて、見ようとされさえ
決定的に
ば。…どう?
有罪。われわれの
しなかった、…雲が。頭頂
にじむ
わたしたちは
有罪性を。そう
あやうい上方に
なめらかな翳りを
と、容赦ない
もっと、あかるく
微風が、もう
ゆらめかせている
有罪。われわれの
ほほ笑んだりもできるはず
殺到さえして
わかる?
有罪性を。そう
だ、…ね?いまも
喪失させて仕舞っ、
気づいてる?落ち着く
肌が。すべての
見逃しつづけて
いっさいの舌たちが
なめらかな翳りを
肌が。いまだけは
いて、仕舞っ
明瞭に、そう
ゆらめかせている
ほてりをも
われわれは
味わいを拒否した
わかる?あれら
喪失さ、…ええ。緩和を
ほてりに
ええ
すでに
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