小説《堕ちる天使》イ短調のプレリュード、モーリス・ラヴェル。連作:Ⅱ…世界の果ての恋愛小説(完全版)
これは、5連作の中のふたつめの作品です。
渋谷を舞台にした、19歳の少年と、ふたつ年上のある異国人種の女性との破滅的で、痛々しい恋愛の物語です。
《移民問題》というのがありますが、日本のそれはもっと複雑なものだと想います。
いまや、日本くらいその《移民》と呼ばれる人たちによって成り立っている国も珍しいわけで、そこには新しい差別の問題をも含めて、非常にデリケートな問題があふれています。
この作品ではまだそのあたりのことにはふれられてはいません。
単に、人種としてはフィリピン人と呼ばれる必然性がある(つまり、お父さんもお母さんもフィリピン人だから)、日本生まれ日本育ちのある《日本人ではない》女性の物語が、恋愛小説として語られるだけです。
堕ちる天使
《イ短調のプレリュード》、モーリス・ラヴェル。
Prelude in A mainor, 1913, Joseph-Maurice Ravel
《雨の中の風景》連作:Ⅱ
↓ 下のリンクら、どうぞ。
恋愛小説とはいうものの、救いようもなく行く当てもない心情のかさなりをこまかく描いた、基本的にはストーリーらしいストーリーもないものになっています。
だれかを愛する、と言うこと自体に想い悩んだという方になら、少しは気に入っていただけるかも知れません。
読んでいただければ幸いです。
2018.10.21 Seno-Le Ma
0コメント