ジュリアン・O、浸蝕。そして青の浸蝕 ...for Julian Onderdonk /a;...for oedipus rex #031



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください



(承前)

それに、波紋は成功しは

   夢。あまりにも

      あざやかに

しなかった。背後、

   誠実な

      やや、やつれた

その

   夢。夢に

      その

異種間雑種の

   見てもいい?

      色彩をささげよ

けもの。

   きみを

      わたしに

知っていた。それが波紋に焦がれていた。しかも、波紋自身より、

   生きていい?

      美と、わたしたちが

         び

くらぶべくもなく

   いい?

      呼ぶものは、それは

         敏感すぎて

うつくしい、そうとしか

   い、

      屈辱を以て

         び

言えない

   き。生きていい?

      いちどもだれにも

         微弱を、そう。きわめきった

完璧な、

   いい?

      経験されたことなどなかったのだと、

         び

あり得ないけものの美の奔放の

   い、

      云って、いっ。おこうか?

         微音

野蛮。いま、

   び

      おんっ

         び、

翼ある獅子の、

   び

      おうんっ

         び、

蛇尾のけものはあえて女のふりをして

   やめて。わたしは

      すまっ。ま、せ

波紋。その

   失神しさえ

      とぎすませ

肉体を肌に

   して、しま

      きみは。…わっ

まさぐって倦まない。女の肌。かつ、獅子の毛羽立ち。波紋は、須臾も赦されず青い、曠野の惨状をのみとおい目に見た。だれも、命じも強いもしなかったまま。そう、

   ぼくは、ね

      眠りに落ちて

         ふ

と。

   きみのため

      目覚めかけ、いまだ

         ふれよ

思う。波紋は、

   強く、な

      目覚めはしない、そんな

         ふ

好きにすればいい、と。

   ぼくは、ね

      須臾にさえ、もう

         ふるえよ

永遠の

   すべて、いのちは

      雷鳴!

お前は永遠におれが滅びたあとにおいて、

   不死でな

      眼球。その

風化したあと、その

   なければなら

      なまぬるい

とおりぬけた風に

   ら。ら。ら、ない

      底に。…ふと

痕跡ものこらなかったのち千年の千乗のかなたにおいてさえも、ひとり

   が、

      雷光!

むせているにちがいない。お前自身の

   そうでしょ?

      鼻孔。その

永遠に。だからお前の不死に倦み、倦み疲れ、狂えさえしないまま冴えた知性の覚醒のただなかに、

   やさしい

      あ

         めだよ。だ

お前は。あ、

   と息を

      あ

         めだよ。ぼくは

と。あっ!

   ため息を

      あ

         み。みたいに、き

と。ああっ!

   ゆびさきに

      あ

         じょうずにはわらえないん

と。そうだから。そうで、

   つまんであげたよ

      あ

         めだよ。だ

そうでしかないはずだから。あれら、野蛮な、他のおなじ無数のさまざまな異種間雑種の神々たちすべてとおなじくに。嘲笑?と、

   失笑?と、

      ふっとば

いつも

   きみは

      爆笑?と

思う。背後の声、けものの、音声として聞き取れないぶ厚いざわめきのわななきに、しかし知っ

   知っ

      知っ

         …しぃっ

ている。むしろ歎きと、だからけもの。翼ある獅子の、蛇尾のけものはひたすらに頸筋の至近に聞こえない声でささやきを、ただ波紋にだけ漏らしつづけていたのだった。云わなかった。いちども

   はっ

波紋は

   はっ

腕が

   あなたは

      ら

         色めく

傷いとは、

   わたしのものだか

      り

         午前よ

春雨に。

   ら

      ら

         ら、

みずからに禁じたわけでもなく、姿勢の持続に、持続させたままあえて声にだけ、持続をみだすかすかな労苦をこころみるのも耐えがたく、あるいはすぐに根をあげ、春雨をわらわせもした真魚とはあざやかな対比をつくる。筆さきは、俊敏と停滞の捉え難い交錯にカンバスに翳りを這わす。その

   ふみ、そうで

      そう?

床。そこに

   ふまれ、だれにも

      感情はすべて

揺らぐ

   ふまれ、な

      ひからびましたか?

微動の

   れ、なかったそれら

      きのう。あの

翳りの

   微妙な

      微細な、そんな雨

色彩を真魚は、いつか疲労に耐えかねたかにおとされたまなざしに

   雨に

      それは

         色。あざやかに

追っていた。床に

   色彩は。しかも

      食用に

         失神。まるで

足をくずし、

   しなかった。滲みはじめたりは

      ふとりまくっ

         頭部。撃ちぬかれたかに

すわり込み、もう、

   雨に

      た!虹だっ

         色。あざやかな

フローリングに沁み込まされはじめたくるぶしあたりの鈍痛を尻骨にさえ感じはじめて。雨。そのやや右向こう、真魚が顔をあげさえすれば、シーレーノスSīlēnosの行進。一瞥には、あるいは醜悪な風景にすぎない油彩画が見える。ピーテル・パウル・ルーベンスPeter Paul Rubensの手による、所謂ナチス略奪絵画、…の、模写。ですらない、贋作。真筆は戦争の末期に

   これって、…ね?

      と、なぜ

焼失した。真魚が、

   すっごく、…ね?

      あなたは、あっ。やや

郁乃管理の

   価値あるものだから

      と、せせら笑う目を?

コレクションから持ち出したものだった。祖父の遺産と謂うだけであって、美術にかならずしも執着を持たない旧姓八木の郁乃。実家は赤坂氷川神社の至近。氷川坂沿いにいまは土地をビルにして、下4階をオフィスとして貸している。八木秀郎、雅号を松影、彼が取り扱った無数の贋作の、いくつか手放さなかったもののひとつだった。もとは克哉のマンションのリビングの壁に飾られていた。元代々木に遊びに来た春雨に、実家から持ちだされた贋作を見た小学6年の春雨は、見、

   まるで、色彩など

見て

   ないかのふかい

数秒をすごし、なにも言わずにそのまま暗くなる前に

   色彩。それら

      沈黙?

帰って

   まるで、色彩で

      ないだけだ。…いや

         うつくしい、と

いっ

   ないかのふかい

      ざわめきが。そう

         呼ばれるべき資格など

いったが、…あれ、

   ないだろう?

   どう?

   あなたがたが

   うつくしいと、そう


   ささやかれるべき理由など

    ないだろう?

   価値など。可能性も

    どう?

   事実としても

    あなたがたが

   なにも


   ないだろう?

      のさばる猶予など

    風が、ふうっと

     あなたが、ええ。残した

   どう?

      息づく場所など

    ふっと。う、

     数秒前の…ん?

   あなたがたが

      増殖。その必然さえ

    うっと。ふううっと

     記憶?の、よう

   うつくしいと、そう


   ささやかれるべき理由など

      ないだろう?

    吹き遁げるまえに、もう

     な。…え?残像を

   価値など。可能性も

      どう?

    ふっと。う、

     なに?思わずもてあそびはじめて仕舞う

   ん?事実としても

      あなたがたが

    うっと。ふううっと

     と、そんな

   なにも











Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

0コメント

  • 1000 / 1000