散文と旋律の無い複数の音声のための12の幻想的なフーガ ...for oedipus rex /b；...for oedipus rex #016

以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください

#09//あたたかい？きみは/そこに、その/背中と翼を/あたためていたから//

愛撫を？と。まどう。波紋は。首筋に、息？だからふりかかるけもの。翼ある獅子とつややかな蛇尾のけものの息吹きにはなにも、官能と謂うべき気配をはいまだあたえられもしないままだったから。もはや耐えがたいほどに冴えた恍惚に、赦しがたいまでの昂揚の波を、ひとり波紋がわななかせていながらにして。花びら。舞う、それら数枚がふたたび彼女の眉をくすぐりかけた瞬間、そして名づけた。波紋はひそかに、その両性具有のけものを、スフィンクスSphinxと。それ。張り詰めた腕を、いまはむしろやさしげに硬めていたいきもの。なすすべもない体臭の、複雑な傷みを波紋はかたくなに芳香と解釈していた。あまりにもやわらかな胸のふくらみに、あえて頬をうずめこみはしなかったまま、あるいはなまぬるい、あいまいな翳りは波紋を猶もつつみこみ、肉体のほとんどを青く

　　　微風。…うっ

　　　　　　ええ、わたしたちは

昏ませさえして

　　　微風、あ

　　　　　　ええ、しあわせですか？

いたのだが、

　　　微風。…いっ、

　　　微風、う

　　　微風。…うっ

　　　微風、あ

　　　…ええ、

　　　微風は。そして

　　　微風は。やがて

　　　わたしたちをも

　　　花。花。花たちの

　　　色彩を以て

　　　　花

　　　埋葬するかに

　　　　花

　　　　　微風は。まるでここに

　　　かくしおおせて仕舞うのだろう

　　　　　　感じる？風の

　　　　花

　　　　　わたしたちに、ええ。ささげているかに

　　　が、

　　　が、

　　　　　　匂いを。やや

　　　　感覚。この

　　　　　花

　　　が、

　　　　　　鬱がかるよろこび

　　　　傷みにちかい？

　　　　　花

　　　が、

　　　　　　そう

　　　　感情。の、よう

　　　　　花

　　　が、それでも

　　　微風に。なおも

　　　　な。悼むかに

　　　微風に。いまでも

　　　　わたしみずからを

　　　風化しきれない傷みをは

　　　　あなたをも。これら

　　　どうすれば？

　　　色彩を以て

　　　　花

　　　埋葬し得ない

　　　　花

　　　　　微風は。まるで、すでに

　　　傷みをは、だれが？なにもの

　　　　　　破滅。これら

　　　　花

　　　　　わたしたちをは忘れていたかに

　　　が、

　　　が、

　　　　　　花たちは、え？いわば

　　　　感情。この

　　　　　花

　　　が、

　　　　　　仮死とでも謂うべき、あざやかな

　　　　傷みにちかい？

　　　　　花

　　　が、

　　　　　　肉片。すでに

　　　　肌ざわり。の、よう

　　　　　花

　　　が、それでも

　　　微風は。そして

　　　　な…ええ

　　　微風は。やがて

　　　　な…わたしはすでにあ

　　　つつみ込むのだ

　　　　なたに滅ぼされてい

　　　花。花。花で

　　　ろう、

　　　　あっ！

　　　が

愛撫を？と。ふと

　　　愛撫を？

まどう。波紋。その

　　　息も。この

　　　　　　愛撫を？しかも

首筋にふりかかるけもの。その翼ある

　　　息さえも。この

　　　　　　醒めたこころに

獅子、つややぐ

　　　見て。いまや

蛇尾の

　　　花々たちは

けものの息にはなにも、な

　　　窒息してゆく

すこしも、お

　　　愛撫を？

　　　　　　言わないでおくよ。いまは

わずかにも、…ええ。せめてもの…え？ここに

　　　花々は

あるべき

　　　窒息してゆ

官能。かすかな気配をも、

　　　花々は

　　　　　　または、愛撫を？

息吹きをも

　　　愛撫を？

　　　　　　なにも。あえて、言わな

ほのめき、

　　　微風たちは

いっ

　　　失速してゆ

または

　　　微風は

　　　　　　あるいは、愛撫を？

ほのめかし程度にもあたえられはしないままだったから。もはや耐えがたいほどに

　　　やがて、なんらの

　　　　　　そう

　　　　　　　　　見えるものなど

冴えた

　　　違和もなく。ただ

　　　　　　慥かに。…ね？わたしは

　　　　　　　　　もう。なにも

恍惚に、

　　　湧きあがってゆくかの

　　　　　　死屍を。いま

　　　　　　　　　聞こえるものなど

赦し難いまでの、…そう？昂揚の

　　　ふりそそいでいるかの

　　　　　　抱かれているのだ

　　　　　　　　　もう。なにも

波を、

　　　聞こえた？この

　　　　　　死

波紋は

　　　と、吐息が

　　　　　　固有の

ひとりわななかせていながらにして。だから、…微動。

　　　死

　　　　　　ららら

　　　　　　　　　わたしだけが、ええ

舞う花びら。…微光。だから、

　　　わたしの。単独の

　　　　　　きっ。きっ、

　　　　　　　　　ここで死んでいた

それら数枚が、…と、

　　　死

　　　　　　ららら

　　　　　　　　　わたしこそが、ええ

ふたたび波紋の眉をくすぐりかけた須臾、吸い込まれた息に波紋はおもわず名づけたのだっ

　　　しかも死と謂う

　　　　　　中傷！

だっ

　　　事象はいかなる

　　　　　　棘を、薔薇。局部粘膜に

だっ

　　　抽象でもない

　　　　　　押し込むかの

った。ひそかに、その両性具有のけものを

　　　中傷

スフィンクスと。または

　　　花々の。やがて辛辣な

単にけもの、と。

　　　嘲笑

張り詰めた

　　　花々は、やがてわたしの

腕を、いまは

　　　哄笑にゆれた

むしろやさしげに硬めていた彼。いきもの。なすすべもない

　　　あたたかな、そう

　　　　　　この

体臭が、

　　　感じられますか？まだ

　　　　　　名状し難いものどもよ。その

感じさせずにはいら…あっ。れ、なかった、なにか

　　　体温を。そう

　　　　　　名づけ難いものどもよ。その

あっ。複雑な傷みを

　　　さめてゆく、そう

　　　　　　語るがいい。その

波紋は、あっ。かたくなに

　　　感じられますか？いまも

　　　　　　名を

芳香と解釈していた。あまりにもやわらかな

　　　攻撃的な

胸の

　　　嗜虐的な

ふくらみに、あえて

　　　侮辱的な

頬をはうずめこまないでいたまま。だから

　　　圧倒的な！

　　　　　　ら、

　　　　　　　　　花々たちよ

なまぬるい、だから

　　　軽蔑的な！

　　　　　　ら、

　　　　　　　　　名前を、わたしに

あいまいな、だから

　　　飛躍的な！

　　　　　　ら、

　　　　　　　　　知られない花々

翳りに、…だ

　　　ら、

　　　　　　ら、

　　　　　　　　　ら、

波紋は肉体のすべてをただ青く昏ませた。諦めるかに

　　　あたたかい？きみは　；contrapinctus à 4

　　　　あ、

　　　そこに、その

　　　　あたた

　　　　　あたたかい？きみは

　　　背中と翼を

　　　　　　あた、…きみは

　　　　そこに、その

　　　　　笑って。願い

　　　あたためていたから

　　　太陽に。むらさきの

　　　　　　見ているのだった。もう

　　　　あたためていた。その

　　　　　聞いていたいから。いちども

　　　やがて滅びる

　　　　　　微熱さえない、その

　　　　肌は。息吹きは。もう

　　　　　きみに聞こえはしなかった

　　　陥没してゆく

　　　　　　わたしを。もう

　　　　発熱しないこの

　　　　　笑い声を

　　　太陽に。その

　　　日射しに

　　　　　　憐れみさえ、も。せ

　　　　肉体を

　　　　　わら、

　　　茜射す

　　　　わたしの

　　　　　ら

　　　あえて、日射しに

　　　　亡骸を

　　　色彩のある

　　　ひかりに

　　　か、

　　　ひかりに

　　　いっ

　　　微風。…そう　；canon à 4；01

　　　　ひかりに

　　　微風は、ひたすら

　　　　か、

　　　さわやかに、わたしを

　　　　いっ

　　　あなたをも、いま

　　　猶も？

　　　つつむべきだ。…から

　　　　微風。…そう

　　　　　ひかりに

　　　放置しておく

　　　　微風は、ひたすら

　　　　　あっ

　　　あえて、うとましく

　　　　さわやかに、わたしを

　　　　　ひかっ

　　　さわがせつづける

　　　の、…だが

　　　この

　　　風を。くびすじに

　　　　　　かっ

　　　　支配した。完璧な

　　　　　微風。…そう

　　　ざわめきを、髪に

　　　　　　ひか

　　　　幸福？…に、似た

　　　　　微風は、ひたすら

　　　震動を。たえがたい

　　　　　　あっ

　　　　懊悩として

　　　　　さわやかに、わたしを

　　　それら、かすかさに

　　　慎重な

　　　鬱を。わたしは

　　　　綺羅めきに

　　　あなたは？やや

　　　　咬まれた。わたしは

　　　繊細すぎる鬱。その

　　　　あなたは？

　　　散乱をあきら

　　　ら、

　　　微風。び、

　　　　　　微風。…そう

　　　　鬱を。わたしは

　　　　　取り残して仕舞う、うっ。かに

　　　い、

　　　　　　微風は、ひたすら

　　　　繊細すぎる鬱。その

　　　　　しかも、微光は

　　　いっ

　　　　　　さわやかに、わたしを

　　　　散乱をあきら

　　　　　滞留している

　　　い、…ええ。そう

　　　微風。…そう　；02

　　　　　　傷めて仕舞う、が

　　　　め、ら

　　　　　風は。くびすじに

　　　微風は、ひたすら

　　　　　　どう？そこで

　　　　らめ。…ら

　　　　　ほふった。綺羅めきを

　　　なよやかに、わたしを

　　　　　　なにを、あなたは

　　　　らき、あっ

　　　　　ざわめきたつまま、…ええ。綺羅

　　　あなたをも、いま

　　　いまにおいてさえ？

　　　いたぶるべき、…から

　　　　　　見てるの？やがて

　　　　微風。…そう

　　　　　め、ら

　　　シカトしておく

　　　　　　太陽が陥没するまえに

　　　　微風は、ひたすら

　　　　　らめ。…ら

　　　あえて、めざましく

　　　　　　ふれて。…ええ、

　　　　なよやかに、わたしを

　　　　　らき、あっ

　　　さわがせつづける

　　　の、…だが

　　　これら

　　　風を。こめかみに

　　　　　　め、ら

　　　　制圧した。完璧な

　　　　　微風。…そう

　　　ざわめきを、髪に

　　　　　　らめ。…ら

　　　　幸福？…に、似た

　　　　　微風は、ひたすら

　　　震動を。ゆるせない

　　　　　　らき、あっ

　　　　逡巡として

　　　　　なよやかに、わたしを

　　　それら、かすかさに

　　　軽妙な

　　　鬱を。わたしは

　　　　綺羅めきに

　　　あなたは？やや

　　　　辱められた。わたしは

　　　あきらかすぎた鬱。その

　　　　あなたは？

　　　散乱をあきら

　　　ら、

　　　微風。び、

　　　　　　微風。…そう

　　　　鬱を。わたしは

　　　　　取り残して仕舞う、うっ。かに

　　　い、

　　　　　　微風は、ひたすら

　　　　あきらかすぎた鬱。その

　　　　　しかも、微光は

　　　いっ

　　　　　　なよやかに、わたしを

　　　　散乱をあきら

　　　　　溶解してゆく

　　　い、…ええ。そう

　　　微風。…そう　；03

　　　　　　だいなしにする、が

　　　　め、ら

　　　　　風は。こめかみに

　　　微風は、ひたすら

　　　　　　どう？そこで

　　　　らめ。…ら

　　　　　打ち込んだ。綺羅めきを

　　　ひそやかに、わたしを

　　　　　　なにを、あなたは

　　　　らき、あっ

　　　　　ざわつかせたまま、…え？綺羅

　　　あなたをも、いま

　　　いまさら？

　　　ふれているべきだった。…ら

　　　　　　感じてるの？やがて

　　　　微風。…そう

　　　　　め、ら

　　　捨て置いて、…うっ

　　　　　　太陽が陥没するまえに

　　　　微風は、ひたすら

　　　　　らめ。…ら

　　　あえて、いたましく

　　　　　　ふれて。…ええ、

　　　　ひそやかに、わたしを

　　　　　らき、あっ

　　　さわがせつづける

　　　の、…だが

　　　あるいは

　　　風を。ひたいに

　　　　　　め、ら

　　　　拒絶した。完璧な

　　　　　微風。…そう

　　　ざわめきを、髪に

　　　　　　らめ。…ら

　　　　幸福？…に、似た

　　　　　微風は、ひたすら

　　　震動を。うけいれがたい

　　　　　　らき、あっ

　　　　苦悩として

　　　　　さひそやかに、わたしを

　　　それら、かすかさに

　　　執拗な

　　　鬱を。わたしは

　　　　綺羅めきに

　　　あなたは？やや

　　　　放擲された。わたしは

　　　はなやぎすぎる鬱。その

　　　　あなたは？

　　　散乱をあきら

　　　ら、

　　　微風。び、

　　　　　　微風。…そう

　　　　鬱を。わたしは

　　　　　取り残して仕舞う、うっ。かに

　　　い、

　　　　　　微風は、ひたすら

　　　　はなやぎすぎる鬱。その

　　　　　しかも、微光は

　　　いっ

　　　　　　ひそやかに、わたしを

　　　　散乱をあきら

　　　　　飽和している

　　　い、…ええ。そう

　　　微風。…そう　；04

　　　　　　手遅れにした、が

　　　　め、ら

　　　　　風は。ひたいに

　　　微風は、ひたすら

　　　　　　どう？そこで

　　　　らめ。…ら

　　　　　ゆらがせた。綺羅めきを

　　　かろやかに、わたしを

　　　　　　なにを、あなたは

　　　　らき、あっ

　　　　　ざわめきつづ、…ええ。綺羅

　　　あなたをも、いま

　　　しかも、…ええ

　　　通りすぎながら、…あ

　　　　　　苦しんでいるの？やがて

　　　　微風。…そう

　　　　　め、ら

　　　見棄ててゆく

　　　　　　太陽が陥没するまえに

　　　　微風は、ひたすら

　　　　　らめ。…ら

　　　あえて、いらだたしく

　　　　　　ふれて。…ええ、

　　　　かろやかに、わたしを

　　　　　らき、あっ

　　　さわがせつづける

　　　の、…だが

　　　あえて

　　　風を。頭頂に

　　　　　　め、ら

　　　　承認していた。完璧な

　　　　　微風。…そう

　　　ざわめきを、髪に

　　　　　　らめ。…ら

　　　　幸福？…に、似た

　　　　　微風は、ひたすら

　　　震動を。すくいようのない

　　　　　　らき、あっ

　　　　絶望として

　　　　　かろやかに、わたしを

　　　それら、かすかさに

　　　ばかばかしい

　　　鬱を。わたしは

　　　　綺羅めきに

　　　あなたは？やや

　　　　容赦ないその制裁を、わたしは

　　　快活すぎた鬱。その

　　　　あなたは？

　　　散乱をあきら

　　　ら、…綺羅

　　　　　　ら、

　　　　め

　　　　　え？

　　　めた。ん？

　　　微風。び、

　　　　　　微風。…そう

　　　　鬱を。わたしは

　　　　　取り残して仕舞う、うっ。かに

　　　い、

　　　　　　微風は、ひたすら

　　　　快活すぎた鬱。その

　　　　　しかも、微光は

　　　いっ

　　　　　　かろやかに、わたしを

　　　　散乱をあきら

　　　　　微動をさらす

　　　い、…ええ。そう

　　　あたたかい？きみは

　　　そこに、その

　　　あた

　　　あっ