散文と旋律の無い複数の音声のための12の幻想的なフーガ ...for oedipus rex /b；...for oedipus rex #012

以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください

#07//あなたもまた/翼あるけものだ/あなたもまた/蛇尾のけものだ//

花々におおわれてゆくのだった。肩を、その。けものの。肩も。胸を、その。波紋の。胸も。翼を、その。けものの。翼も。そのゆびさきも、波紋。彼女のゆびさきも、と。あなたは？…そう、ほほ笑みもないままに翼ある、獅子のけものはささやいていた。すでに、水と水とをこすりあわせたかのひびきで、知っていると。あなたはもう、知っ。…たしかに

　　　やがて、これらは　；contrapinctus à 4；導入

　　　　　　ささやいてごらん

　　　　吐瀉物であった

　　　　　叫ばないの？もう

　　　これらは、ら。やがて

　　　　　　ささやきに似せて

　　　　ら。それらは

　　　　　今日は。…ね？もう

　　　やがてひらきゆき

　　　　　　悲鳴を、あなたは

　　　　いっ。吐き出され

　　　　　やめたの？

　　　ひらきはじむべき

　　　孔が

　　　　ひらき

　　　　　あ

　　　はずかしい

　　　　やがて、…あ。開口

　　　　　あ！

　　　孔が

　　　　ひらき

　　　　　あ、

　　　歎くべき

　　　孔

　　　　　　ら。ひら、ら

　　　　見て。あの

　　　　　ひらき

　　　孔は

　　　　　　ひ

　　　　みずから、ひ。押しつぶされ

　　　　　やがて、いっ。開口

　　　孔

　　　　　　ら、ひ

　　　　だいなしになってゆく

　　　　　い。ひらき

　　　孔は

　　　あ、

　　　ひらき

　　　　　　ひびかせてごらん

　　　　吐き棄てら…ええ。れた

　　　　　絶叫は、きみの

　　　やがて開口し

　　　　　　どう？わたしたちさえ

　　　　ら。あれらは

　　　　　だか、微風のよ…だから！うに

　　　ひらき、孔に

　　　　　　見棄てて仕舞えば、この

　　　　ら。吐き散らされ

　　　　　ざわめいて、ええ

　　　えづきながらの

　　　陥没に。無限なす

　　　　　　世界はだれをも

　　　　踏みにじられて

　　　　　ちっ。墜ち

　　　奈落に。奈落なす

　　　　　　見つけなくなるね？

　　　　墜ち

　　　　　落ち

　　　孔の、ちっ。ふかまり

　　　　　　ね？…墜ち

　　　　落ち

　　　　　堕ちてゆく、急速の

　　　ふかま…ち。り、つづける陥落に

　　　ちっ

　　　はじきだされたものたちの

　　　　　　落ち、ちっ

　　　　堕ちて

　　　　　ちっ。彎曲を描いた

　　　からまる蛇と

　　　　落ちつづける孔の

　　　　　ちっ。微風の…だから！ように

　　　蛇と蛇とに

　　　　いわば排泄し棄てた

　　　吐き出されていたものた

　　　ちっ

　　　　ええ

　　　ちだ

　　　　え？

　　　そう、

　　　排泄物の

　　　　異質の

　　　排泄していた

　　　　異形の

　　　　　ちっ

　　　廃棄の塊り

　　　　　　いっ

　　　　異端の

　　　　　ちっ

　　　畸形のものた

　　　ちっ

　　　　あっ

　　　ちだ

　　　　あっ

　　　そう、

　　　わたしのような

　　　わたしにひとしい

　　　畸形を、まさに

　　　さらすしかないものた

　　　ちっ

　　　　い

　　　ちだ

　　　　いいえ！

　　　そう、

と。これらはそして犬だった。あかい生殖器をながく、しかも巧妙にかくして双頭の、蛇尾をさわがせ犬だっ…ええ。しなやかに。った；recitativo

　　　が、　；contrapinctus à 4；オルトロスOrthros

　　　　　　あっ

　　　　あの犬。双頭の

　　　　　異質であっ

　　　が、

　　　　　　あっ

　　　　そして蛇の

　　　　　異形であっ

　　　が、

　　　　　　あっ

　　　　足に、器用に

　　　　　異端であっ

　　　が、

　　　とぐろを巻いはっ。…た

　　　　這う。えづきながら

　　　たくましはっ。…い、腕と

　　　　這う。目舞いながら

　　　犬の顎とはっ。…に

　　　　這う。しゃくりあげなが

　　　まえのめ…ら。りに

　　　這う。はっ、えづきながら

　　　　あの犬。双頭の

　　　　　這う。はっ、しゃくりあげながら

　　　あれは蛇の、蠱惑の

　　　　そしてはっ。…蛇の

　　　　　這う。はっ、目舞いながら

　　　女の、ふかまりすぎた

　　　　足はたくはっ。…ましい

　　　　　這う。はっ、えづきながら

　　　鼻孔の昏みが

　　　垂らしたものだ

　　　　　　恥ずかしい。そう

　　　　這う。鱗は、はっ。その

　　　　　這う

　　　吐き棄て、そう。はっ

　　　　　　信じられないくらいに容赦なく

　　　　はっ。うるおいは、辛辣な

　　　　　這う、はっ。…かに

　　　投げうたれ、そう

　　　　　　恥ずかしく、ははっ。そう

　　　　芳香を散らした

　　　　　這う。う、はっ

　　　叩きつけられた地表にはげしく跳ねた、あの

　　　恥ずかしい肉だ

　　　　見て。空は

　　　肉の恥辱と

　　　　やがて、奈落に

　　　屈辱。または

　　　　昏んでいったよ

　　　羞恥。悔恨と

　　　嫌悪にすぎない紛い物なの

だ！と。これらはだ。だ！そして犬だっ…だ！った。あかい生殖器をながく、しかも巧妙にかくして双頭の蛇尾を萎えさせた犬だっ…ええ。たの、しなやかに。っだ；recitativo

　　　そう、だから　；contrapinctus à 4；交配

　　　すべての犬は

　　　真紅の毛並みを

　　　ほこるべきだっ

　　　た

　　　　すべての犬は

　　　　　そう、もう

　　　た

　　　　真紅の…どう？毛並みを

　　　　　もう、手遅れだろう？

　　　った

　　　　ほこるべきだっ

　　　　　ええ。そう

　　　た、…から

　　　それは真紅の

　　　とぐろを巻いた

　　　毛並みの鋭利を

　　　誇りさえした

　　　そう、だから

　　　　あ、あ、

　　　すべての犬は

　　　　あ、あ、

　　　ふたつの歯茎を

　　　　あっ！

　　　わななかすべきだっ

　　　た

　　　　すべての犬は

　　　　　そう、…どう？もう

　　　た

　　　　ふたつの歯茎を

　　　　　もう、どうしようもな。な。…ん、いだろう？

　　　った

　　　　わななかすべきだっ

　　　　　ええ。そう

　　　た、…から

　　　双頭の犬は

　　　なめらかに、舌を

　　　蛇のそれにも

　　　巧妙に似せた

　　　そう、だから

　　　　あ、あ、

　　　すべての犬は

　　　　あ、あ、

　　　まさに恐怖を

　　　　あっ！

　　　撒き散らすべきだっ

　　　た

　　　　すべての犬は

　　　　　そう、もう

　　　た

　　　　まさに恐怖を

　　　　　もう、見ていられないだろう？

　　　った

　　　　撒き散らすべきだっ

　　　　　ええ。そう

　　　た、…から

　　　ひらめかせ、舌の

　　　痙攣に、もう

　　　唾液の飛沫を

　　　散らしさえ、…そう

　　　丸太じみていた

　　　　けっしていちども

　　　骨格を

　　　　正気づかなかっ。かっ。かっ

　　　凶暴な、ええ。だけの

　　　　犬以下の畸形

　　　筋肉でおおった

　　　おお！

　　　野生のけものは

　　　　二本の足で

　　　　　咆哮を、あの

　　　双頭の喉に

　　　　地表をえぐり、えぐりながらに

　　　　　蛇尾が吐き棄てる

　　　遠吠えに

　　　　とびあがるかに

　　　　　咆哮を、きみは

　　　大気をふるわせつづけていたが

　　　ん？

　　　疾走したのだ。あの

　　　　　　やめて。肉と

　　　　のたうちまわっているかのように

　　　　　傷みを感じた。あの

　　　おそるべき犬と

　　　　　　骨とが

　　　　もあてそび、たわ…わ！むれ

　　　　　けものの疾走していった残像に

　　　闘者の肉体。その

　　　　　　ん？戦争している

　　　　はしゃ…え？い。でいたかに

　　　　　網膜は

　　　雑種。ざっ！あまつさえ

　　　ざざっ！

　　　蛇尾のとぐろを

　　　　見て。滑稽な

　　　もてあましながら

　　　　恥辱を。あの

　　　尻のとぐろに

　　　　暁の雲の咬みつくかにも

　　　つんのめりながら

　　　そう、だから

　　　すべての犬は

　　　いびつな血筋を

　　　よろこぶべきだっ

　　　た

　　　　　　あ、あ、

　　　　すべての犬は

　　　　　そう、もう

　　　た

　　　　　　どう？…あ、

　　　　いびつな血筋を

　　　　　もう、あり得ないだろう？

　　　った

　　　　　　あっ！

　　　　よろこぶべきだっ

　　　　　ええ。そう

　　　た、…から

　　　あの、蛇の

　　　　　　た

　　　　ふれ、あっ

　　　　　ええ。そう

　　　女の魅惑の

　　　　　　あっ

　　　　あ。ふれ

　　　　　そう

　　　微笑のひたいを

　　　　　　た

　　　　ふれ、だっ

　　　　　もう

　　　尻にしいてみた

　　　ふんづけてみた

　　　　あふ、あっ

　　　肛門をなすり

　　　　れだっ。ふれ

　　　蛇尾は頸に

　　　　あふ、あっ

　　　とぐろを巻いた

　　　そう、だから

　　　すべての犬は

　　　双頭の、その

　　　それぞれの時に

　　　おたけびを

　　　　そう、だから

　　　　　そう

　　　恍惚を

　　　　すべての犬は

　　　　　そう

　　　発光を

　　　　もう。狂気している

　　　　　そう

　　　のけぞりかえってわななくべきだっ

　　　た

　　　　　　歓喜した。あの

　　　　そう、だから

　　　　　そう、もう

　　　た

　　　　　　蠱惑の、そう。蛇は

　　　　すべての犬は

　　　　　もう、あざける喉さえ引き攣るだろう？

　　　った

　　　　　　蠱惑の、…え？？女は

　　　　狂気しているべきだっ

　　　　　ええ。そう

　　　た、…から

　　　べつべつに

　　　　満たされた。あの

　　　吐き出されてゆく

　　　　みだらな肺腑を

　　　それそれに

　　　　窒息させて

　　　九十九度に

　　　ひとつひとつに

　　　　のたうちながら

　　　撒き散らされた

　　　　清涼な体毛を

　　　白濁の、海に

　　　　すべて、ふるわせ

　　　蛇の蠱惑の女はひとり

　　　しずめてしまっ

　　　　引き攣るのだった

　　　　　すべての犬は

　　　肉体を。その

　　　　た。たっ

　　　　　這いずり回って

　　　しなやかな

　　　　た、

　　　　　いるべきだっ

　　　蛇の足をも

　　　だ

　　　　　　あっ

　　　　繊細な獣毛は

　　　　　すべての犬は

　　　だっ

　　　　　　あっ

　　　　繊細な綺羅めきに

　　　　　牙に唾液を

　　　った

　　　　　　あっ

　　　　繊細な微動を

　　　　　散らすべあっ

　　　だっ、…から

ええ。きみの妹は焔を吐いたよ。あの、なやましい吐息をこぼした時に　；recitativo

　　　あえて、あの　；contrapinctus à 4；キマイラChimaira

　　　山羊の肉体に

　　　蛇尾のとぐろを

　　　しならせつづけた綺羅めきに

　　　いらだち、あの

　　　　あえて、あの

　　　みずからいらだつ

　　　　双頭の犬に

　　　深刻な獅子の

　　　　身を…ねぇ、まかせただろう？そ

　　　頭のけものは吹き散らす

　　　そう、

　　　蛇の蠱惑の女の頭髪に

　　　　不穏な雌を

　　　　　あえて、あの

　　　吐き棄てられた、その

　　　　蛇は、あるいは雄だったから

　　　　　双頭の犬に

　　　ゆがんだ背筋の

　　　　両性具有の

　　　　　またがっ…ねぇ、た。だろう？そ

　　　ゆがんだままに

　　　そう、

　　　交配を

　　　　　　あえて、あの

　　　　息を吐きながら

　　　　　辛辣な体液に

　　　蛇の、おっ。蠱惑の

　　　　　　ええ。双頭の犬の

　　　　窒息しながら

　　　　　息吹きを。犬の

　　　女と、沈み込む

　　　　　　屍を、ねぇ。むさぼって仕舞っ…ん？たのだろう？

　　　　息を吸いながら

　　　　　うばいながらも

　　　双頭の犬との

　　　ええ、

　　　交配を

　　　　き、

　　　やがて、陥没を

　　　　き、

　　　さらすはずだった太陽の

　　　　き、…双渺は

　　　すこやかな閃光を

　　　ええ、

　　　見やりながらも

　　　　綺羅らかな日射しの

　　　逆光に

　　　　綺羅らかすぎた

　　　　　せせら、わら

　　　いらだちながらも

　　　　　　もう、ららっ。どうしようもない

　　　　綺羅らかな日だっ

　　　　　ら。うの

　　　失笑に

　　　え？

　　　散らすのだった

　　　　　　猥雑な

　　　　た

　　　　　だ。綺羅らかな

　　　焔を。くちびるを

　　　　　　声を

　　　　あっ

　　　　　だ。綺羅らかすぎた

　　　ただれさせながら

　　　　　　喉に咬み殺す

　　　　だっ

　　　　　だ。綺羅らかな

　　　わななくのだっ

知っ、…ええ、た。花々に

　　　そう

　　　　　　花々は

おおわれてゆくのだっ

　　　花々は。すべて

　　　　　　色彩で、その

だっ

　　　ふられるために

　　　　　　かくした。かっ、…その

だっ

　　　咲くのだろうか？

　　　　　　花々を

た。その

　　　花々は

　　　　　　そう、

肩を、…おう。けものの。

　　　孔を、ゆびさきで

　　　　　　花

　　　　　　　　　綺羅めきは

肩も。その

　　　ふさいでごらんよ

　　　　　　孔？

　　　　　　　　　ななめに、色彩を

胸を、…おう。波紋の。

　　　孔を、まぶたで

　　　　　　開口

　　　　　　　　　屠殺したのだ

胸も。その

　　　ふさいでごらんよ

　　　　　　やや嗜虐的な

　　　　　　　　　綺羅めきは

翼を、…おう。けものの。

　　　孔を、ひたいで

　　　　　　花

　　　　　　　　　ななめに、翳り

翼も。その

　　　ふさいでごらんよ

　　　　　　孔？

　　　　　　　　　蒸発したのだ

ゆびさきも、…おう。波紋の

　　　孔を、くちびるで

　　　　　　開口

　　　　　　　　　綺羅めきは

ゆびさ、もう。あなたは

　　　ふさいでごら

　　　　　　やや躁の

　　　　　　　　　ななめに、映り

…と、さ！ほほ笑みもないままにけもの。翼ある、獅子のけものは

　　　叫ぶかに

　　　　　　やしかに！それは

ささやさ！いてさ！いた。いっ、すでに、

　　　叫びあげるかに

　　　　　　悲鳴であっ

水と

　　　叫ぶかに

　　　　　　であっ

水とをこすりあわせたかのひびきで。知っている、

　　　きみの哄笑を

　　　　　　どうだ！この

　　　　　　　　　わたしはわたしは

と。あなたは

　　　聞いた気が…ええ

　　　　　　すこやかさは

　　　　　　　　　叫びの残した

もう、

　　　そう。やや、

　　　　　　どうだ！この

　　　　　　　　　残響のように

知っ。たしかに

　　　あなたもまた　；contrapinctus à 4；スフィンクスSphinx

　　　翼あるけものだ

　　　あなたもまた

　　　蛇尾のけものだ

　　　ゆたかな乳房は

　　　　時に、その

　　　鳩の胸をも

　　　　時に、あなたの

　　　失望させたが

　　　　産声の、ええ。その時に

　　　遁走させたが

　　　あなたもまた

　　　　いつもの翳りが

　　　　　時に、その

　　　牙のあるけものだ

　　　　地表に這っ…あっ！た

　　　　　時に、あなたの

　　　あなたもまた

　　　　逃げ去るかにも

　　　　　産声の、ええ。その時に

　　　爪を砥ぐけものだ

　　　いたましい男根は

　　　　　　時に、その

　　　　いつもの翳りが

　　　　　あなたはじぶんの

　　　雌のむれたちを

　　　　　　時に、あなたの

　　　　樹皮に走っ…走っ

　　　　　顎を。え？掻きむしり

　　　失笑させたが

　　　　　　産声の、ええ。その時に

　　　　逃げまどうかに

　　　　　のけぞりながら

　　　加虐させたが

　　　あなたこそは

　　　　　　うまれたのだった。あの

　　　　いつもの翳りが

　　　　　時に、その

　　　獅子の体躯に

　　　　　　あなたは、すみやかな

　　　　あなたの肛門に

　　　　　時に、あなたの

　　　腰を埋めたけものだったか

　　　　　　雲が…ら！駆ける日に

　　　　逃げこむのだっ

　　　　　産声の、ええ。その時に

　　　あの、しぃっ！獅子に

　　　双頭の犬は

　　　　　　時に、その

　　　　いつもの翳りが

　　　　　あなたはじぶんの

　　　交配したのだ

　　　　　　時に、あなたの

　　　　あな…な。たの口蓋に

　　　　　瞼を。ひっ掻き

　　　あの、ひっ！蛇の

　　　　　　産声の、ええ。その時に

　　　　殺到したのだ

　　　　　嘔吐しながら

　　　蠱惑の女と

　　　かさなりながら

　　　あの蛇の

　　　蠱惑の女を

　　　孕ませながら

　　　産み落とさせながら

　　　　　　え？声帯のない網膜すらも

　　　　ざわめきつづける

　　　　　声を！…え？すべての

　　　あなたを。蛇の

　　　　　　鱗らも。その

　　　　わきあがるかに

　　　　　蛇が。…あっ、その

　　　咆哮の無数を

　　　　　　声を！すべての

　　　　ざわぎたちつづけ

　　　　　声帯のない喉すらも

　　　うとましみながら

　　　ら、