散文と旋律の無い複数の音声のための12の幻想的なフーガ ...for oedipus rex /b;...for oedipus rex #011



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください



#06//これらは、そう/奈落に。深刻な/陥没に。孔が/吐き出して仕舞ったものた、//

おおわれてゆくのだった。花々は、肩の、その。けものの。肩も。胸の、その。波紋の。胸も。翼の、その。けものの。翼も。そのゆびさきも、波紋の。ゆびさきの、あなたは?…と、翳りに。ほほ笑みもないままに翼ある、獅子のけものはささやいていた。すでに、水と水とをこすりあわせたかのひびきで知っていると。波紋は

   知らな

もう、

   なにも。すこしも

知っていた。たしかに

   わから

      そう?

    嫌らしい息吹きを

     もう。さ

   ら、

    吐かないでくだ

     って、さ。飽きれちゃうくら

   ら、

    ひたいの至近で

   ら、


   死とは?知らな、

    な、なん

   そう。わたしは

    わずかにも

     ふ。ふ、

   あるいは、あなたは?

      なに?

    な、知ら

     しぃっ!…ええ

   そう。われわれは


   不死であった


   まぎれもなく。いちども

   須臾にも、みずからは

   ふれはしないから

   しぃっ!


   死には

      ふれは、し

    死。それは

     感じは

   みずからの

      見出しは

    あるいは、すさまじい

     聞かさ…聞き取りは

   死には

      知りは

    謎だったろうか?

     嗅ぎ取りは

   みずからは


   あっ、…


   死には。知られな、

    不死であっ

   そう。わたしは

    あっ

   あるいは、あなたは?

    不死であっ

     し、

   そう。われわれは


   しぃっ!


   不死であっ

    あっ

     しぃっ

   あっ、…まぎれもなく。た。いちども

    あっ

     不死であっ

   須臾にも、みずからは

      ええ。そう

    あっ、いま。…た

     え?

   ふれはしないか


   しぃっ!…ら、


   なやましいばかりの

      不死であっ

    あっ、いま

     見つめていても

   ほほ笑みを、きみは

      そう。すべては

    あっ

     きみは、わたしを

   くれていたのだね?

      不死であっ

    あっ

     いいんだよ。もう

   わたしに。この


知っ、…花々は

   知っ、

おおわれてゆく。

   花々に

      知っ、

たしかに、その

   おおわれてゆく

      花々に

         知っ、

肩に。けものは、

   すべて、知っ…肉体は

      野蛮な花ども

         花々に

            知っ、

肩に。花々をその

   われわれは

      ええ。見て

胸に。

   叫ぶ。やや

      いまや…見える?すさまじい

波紋は、胸に花々のその

   陰鬱なひびきで

      発光。どう?

翼に。

   われわれは

      綺羅めきあって

けもの。彼は、翼に花々をその

   失語。やや

      ええ。見て

ゆびさきに。…いっ、

   歓喜した息で

      いっ。窒息しそうな、いまや

波紋は、ゆびさきに花々をあなたは?

   われわれは

      発光。どう?

…と、ほほ笑みもないままけもの。翼あるその獅子のけものは

   語ればいい

ささやいていた。すでに、

   だれかに、まるで

あり得ない水と

   だれにでも語るかに

水とを

   語ればいい。だれかに

こすりあわせたかの

   ひとりで、まるで

精密な

   だれにでも語るかに

ひびきで。知っ

   色彩は

      おっ!失神せよ

知っている、と。あなたはもう

   仰ぎ見られた

      おっ。空よ

と、知っ

   色彩は

      おっ!すみやかに

知っ、波紋。たしかに

   これらは、そう ;contrapinctus à 4;テュポーンTȳphōn

   奈落に。深刻な

   陥没に。孔が

   吐き出して仕舞ったものた、


   た、

    あっ!

   そう、


   くすぐらないで

      これらは、そう

    誘惑?なおも

     吐き出して仕舞ったものたちだ

   あなたは、ふたまたに

      奈落に。深刻な

    きみは、たしかに

     返り見る須臾もなく

   われた、ん?舌で

      陥没に。孔が

    あっ!うつくしい

     吐き棄てて仕舞っ…仕舞っ…ええ。た、ものた

   頸を。…ちだ!わたしの


   雑種たち。翼ある

   蛇。九十九の

   蛇尾を。ざわめかせ

   蛇。それは


   足だった。かれの

      ざっ。雑種たち

    蛇。九十九の

     あらゆる声の

   みぎ足は、その

      雑種。ざっ

    蛇尾を。ざわめかせ

     声を!声という声!声を

   九十九の

      ざっ、

    蛇。それは

     喉は吐き棄てた

   蛇尾を、…歩ん


   さわがしく

    ざっ

   さわ

    ざっ

   わ、さ

    ざっ

   わがせ、…ぎ。あい


   足だった。かれの

      いっ。異物たち

    蛇。九十九の

     双渺は、しかも

   そのひだり足は

      異物。いっ

    蛇尾を。ええ、ざわめか

     あざけりながらも

   九十九の

      いっ、

    蛇。かせ、…え?それは

     涙をながしたんだ!

   蛇尾を、歩ん


   さわがせ、…ぎ。あい

    いっ

   さわ

    りっ

   わ、

    ひっ

   さわがしく


   怒号を。かれの

      きぃっ。畸形たち

    蛇。九十九の

     いつでも巨体を

   そのみぎ腕は

      畸形。いっ

    蛇尾を、わ!ざわめか

     もてあまし、骨は

   九十九の

      きっ、

    蛇。…せ、それは

     曲がっ曲がっ曲がっ…ええ。て、吼えた

   蛇だった。舌を


   さわがしく

    ん?

   さわ

    ん?

   わ、さ

    あっ!

   わ。がせ、…ぎ。あい


   怒号を。かれの

      だっ。異種たち

    蛇。九十九の

     筋肉。すでに

   そのひだり腕は

      異端。だっ

    蛇尾を。ざわめかせ

     張り詰めすぎた極致の果てに

   九十九の

      いっ、

    蛇。それは

     自壊してゆき

   蛇だった。双渺を


   さわぎ、…が。せて

    なんという、この

     だ!

   さわ

    すがすがしい、いま

     だっ

   わ、さ

    大気を!

     だれ?

   わ。がせ、…え?ぎ。あい


   いっ


   綺羅めく

      見て。いまや

    と息が、ふと

     ら、綺羅

   鱗にむらがる

      凶暴だった。この

    かがやきはじ、じ

     ら、

   綺羅めく

      微風さえ、もう

    しまったかにも

     めて、…あっ

   綺羅らは綺羅めき


   翼はひたすら

   はばたきの撒いた

   強風に、蛇の

   ざわめきをかくし


   口蓋は、…た。焔を

    けだものたちは

     あ!

   飼っていたか

    すさまじい…ら。寝息に

     あ!

   いつでも、そう。粘膜は

    まどろむもの

     けだ…だ。ものたちは

   爛れていたの


   だ。あっ


   吐きながら

    みずからの

     すさまじい朝を

   火を

    肉を、…そう

     むかえるもの

   放ち…だ。ながら

      けだものたちは

    爛れさせたね?

     いかなる、ええ。朝にも

   火を


   お!


   焔を

      焼き棄てつづ…おお!けた

    歯をも

     間もな…須臾の。間もなく

   焔を

      体液。唾液をも

    舌を、…もう?も

     焼き棄てつづけた

   焔を

      一瞬さえ待たずに

    ん?焼いていたん

     血を。血を。血をすら

   焔を


   ざっ


   さわぎ…が。せて

      ざっ

    なんという、この

     残念な、さ

   さわ

      ざっ。雑種ども!

    さわやかすぎ、ああ!

     ぼくらの形態を

   わ、

      ざざっ

    風。…ん?微風

     ら。ぼくらは

   さわが。が。せ、…ぎ。あい


   いっ


と。そしてこれらはあれら、けもの。無数の束なる蛇の下半身に翼をひろげたけものたちの残した記憶だ。…雄?うませはしても、結局はいちどもうみはしなかった以上は雌ではいなかったのだろうその…なぜ?ええ。または ;recitativo


   これらは、そう ;contrapinctus à 4;エキドナEchidna

      いつ?あの

    吐く?

     なん、…この

   奈落に。深刻な

      太陽は、な!不穏に

    吐きそう?

     冴えきっ、これら。…った

   陥没に。孔が

      つぶれるのだろう?

    え?飲みこみますか?

     飛沫を!

   吐き出して仕舞ったものたちだ


   あ!

    ええ

   え?


   蠱惑。ただ

   幻惑以外に

   すべを持たない

   蠱惑。かの女は


   その

    魅惑。ただ

     ふ、

   そこに

    誘惑的である以外には

     ふ、

   その

    須臾にも、なにも

     ふ、

   たしかに


   うつくしい、…笑んっ。顔に

      あ、

    あり得ない

     ふ、…そう

   え?ほほ笑んだものだっ

      あ、

    蠱惑。…た。ただ

     ふれれば?

   下の半身に

      あ、

    吐くかの、おお!息を

     ふれて

   綺羅を、…れ。めざましい


   なんという!


   綺羅めきのむれを

      あ、…もう

    幻惑。ただ

     れ。ふれてしま…れ。えば

   綺羅らの氾濫

      あふれだすかに

    蠱惑。ただ

     あなたは、舌を

   綺羅らぎのむれを

      え?体液を

    息を。ええ、吸うかの

     みずからのそれを

   綺羅らの糜爛


   んっ


   蛇の鱗は

      ことご…すべての毛孔たち

    魅惑。ただ

     咬みちぎるのでしょう?

   なやましいばかりの

      わ、わ。ことごとく

    蠱惑。ただ

     みずから

   うるおいの綺羅を

      ら。したたるべきだから

    窒息するかの

     厭うかに、ええ

   放ちつづけて尽きはしないか


   ら

    やめて

   ららっ


   くちびるに、なやましい

      涙に、たしかに

    あえぐかの

     嫌悪に、ふいに

   翳りに、…あっ。凶暴な

      いつでも虹彩は、そう

    しゃくるかの

     咬みつかれたかに

   咆哮をささ。ささ。ささ。…ん?やき

      や!発火しつづけてあるべ

    えづくかの

     引き攣けさえし

   羽搏いたのだ


と。そしてこれらはあれら、けもの。蛇の下半身に翼をひろげたけものたちの残した記憶だ。…雌?うみはしても、結局はいちどもうませはしなかった以上は雄ではいなかったのだろうその…なぜ?ええ。だから ;recitativo


   交配は、そう ;contrapinctus à 4;交配

    いつ?

   奈落に。深刻な

    いつ?

   陥没に。孔が

    いつ?

   ひろがりはじめるだろう時を待つうちに


   孔よ

    見よ。いまや

     いつ?

   いたましい

    ゆっ。突起してゆっ

     いつだ!

   孔よ

    陥没を。…ほら、

     い

   はずかしい


   孔よ

      わらってしまう、ね?

    見よ。いまや

     いっ…ん?

   あり得ない

      ぼくたちは、ね?

    ゆ。陥没してゆっ

     いつ?

   孔よ

      ときには、妙に

    突起を。…ほら、

     らっ

   ふせぎ得はしない


   奈落に、しだいに

      意味もなく、ええ。わらっ

    数千億の

     なじんで…ゆ。ゆく

   陥没に。もはや

      いっ

    朝が、そう。昼と

     きわだち。めざましく

   落ちてゆくはずの

      いっ

    夜が、数万

     きわだって仕舞う

   太陽のしたで


   落ちてゆくはずの

      いっ

    数千数百

     混淆。すさまじい

   奈落。らっ

      あっ

    数十億の

     明晰に刺された

   開口し、やがて

      いっ

    数億倍に

     渾沌。もはや

   ふかまるはずの


   ふかまるだけの

      あっ

    かさなりをかさね

     なすすべもなかっ

   奈落

      あっ

    かさ…らっ。ね、つづけた

     屹立。それは

   無限に

      いっ

    急激なぃっ。須臾に

     ん?倒壊にすぎない

   落ちつづけるはずの


   太陽の下で

   むさぼるように

   愛を

   事実、その


   太陽の下で

    ほら

   むさぼるように

    わたしは

   愛を

    ここだよ

   事実、その


   太陽の下で

    ほら

     わ。ここだよ

   むさぼるように

    これが、…ら

     ほら

   愛を

    ら。わたしだよ

     ええ、そう

   事実、その


   太陽の下で

      えあっ

    ほら

     ら。これ、…ら

   むさぼるように

      ら

    ら、

     らっ

   愛を

      ら

    らっ

     わた

   事実、その









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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