散文と旋律の無い複数の音声のための12の幻想的なフーガ ...for oedipus rex /b;...for oedipus rex #010



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください



#05//聞いた?あなたは/声を。わたしの/聞いたね?あの/辛辣な謎を//

舌が、だから翼ある獅子のけものの舌が、…え?それ。手をのばせばゆびさきに、かろうじてふれるだろうくちびるの、ふかくに含まれているはずの…え?舌が、そして逆光に、ほほ笑ませたと思えたくちびるが、口蓋ふかくにかくしていたそれ。舌が、…え?波紋。彼女はいま首筋を舐めたと思った。事実、唾液を、明瞭な触感の現実としてうつしてすみやかに乾燥させはじめてさえも

   なにも

いたから。

   な、な、

そう、

   ね?


   すでに、如何なる

    解かれたのだから

   なんら、秘密は

    謎は。すでに

     そう、たしかに

   かくされたものは

      感じろと?歓喜を

    あなたがひとりで

     勝利だった。それは

   なかった。なにも


   あ!


   なかった。謎を

    謎めかせていた

   解いたのだか

    謎は

   ららっ。なんら、お前は

    謎めかされた

   もはや、…え?如何なる


   え?


   謎もなかっ

    ほほ笑みに、…た。ひとり

   さらさ、さ。れていた

    わたしは。すでに

     たしかに…そう?

   あばか、か。れていた

      あげろと?雄たけびを

    誘惑されてい

     孤独だっ…た!た!のだ。わたしは

   だから赤裸々な


   あっ


   息を

    あっ

   やわらかな

    はっ

   息を。お前は

    あっ

   こぼすのだっ


   たっ


   あっ

    夢のような、そう

   こぼれ、こぼれだし

    あなたに。だけ、に

     あっ

   あっ。こぼれ

      滅びたいの?…そう

    見蕩れていたい

     あっ

   落ち、あっ


   落ちるのだっ

    あっ

   散るかにも

    あっ

   かき消えるかにも

    あっ

   落ちるのだっ


   た。…ええ


   落ち、あっ

    媚薬のような、そう

   あっ。こぼれ

    ながし目に。だけに

     あっ

   こぼれ、こぼれだし

      いっ。消えうせたいの?…そう

    騙されていたい

     あっ

   あっ


舌が。だから、

   殺したんだ

      あ、

翼ある獅子の

   きみは

      あ、

けものの。舌が、

   わたしを

      あ、

それは、

   たったひとりで

      あ、

のばせば、

   壊したんだ

      あ、

手を。ゆびさきに、かろうじてその尖端に、ようやく

   赦して。あなたを

      なかな

         な!

あやうく

   孤立させたね?

      ななかなかいで

         な!

ふれるだろうくちびるを、逆光に、

   あっ、と

ふと。

   声を、すらをも

ほほ笑ませた

   たてられる須臾さえもあたえられず

      あっ、と

と。そう思えたその、

   あっ、と

      猶も

と、ふと。

   息を、すらをも

      明晰なまなざしは

         あっ、あっ、あっ、

口蓋ふかくの、

   飲み込む一瞬もうばわれたままに

      あっ、と

         窒息。…と、すばやい

舌が。波紋は、

   あっ、と

      しかも

         痙攣を、…そう

思った。舐め

   わたしは

      と。そして容赦ないまま

         あっ、と

ん?舐めた、と。その

   気絶しているにちがいなかっ

      あっ、と

首筋を、舐めたと思った。ほそい舌が、事実、明瞭な

   あたたかな

      やめて

触感の

   ひややかな

      くすぐっ

現実として、唾液を

   蛇?

      綺羅を。翳りをも

         須臾の

うつして

   なめらかな

      背後にしゃぶっているのは

         懊悩。…そう

ひらめていた気配がたしかに

   蛇?

      翳りを。綺羅をも

         鮮烈な

あったのだか

   た?

ら。

   聞いた?あなたは ;contrapinctus à 4

   声を。わたしの

   聞いたね?あの

   辛辣な謎を


   耳打ちされて

      肺腑。あきらかな

    知っ、すべての

     破損。んっ

   ささやきかけられ

      大気はあきらかに

    すでに、謎は…え?

     ん、

   ほほ笑みさえして

      燃えていますか?

    解かれているもの、だ。そう

     破綻。んっ

   あなたは。ひとりで


   そうだろう?


   聞いた?あなたは ;canon à 4;01

    ひびきなど、なにも

   翼が、わたしの

    なかったかにも

   翼が、わたしに

    翼は、たしかに

   翼が、背後の


   そうだろう?


   わたしたちふたりに

      ひらめいたのに

    聞いた?あなたは

     見て。いまは

   あいまいな距離に

      ひびきは、すでに

    翼が、ふたりに

     花々たちさえもが!…だ

   やや、かたむいて

      ささやくように

    翼が、背後に

     さわがしいほどに

   ひらめいたひびき


   え?


   羽音を

      ささやきかけた、その

    あいまいな距離に

     聞いた?あなたは

   聞いた?

      くちびるを、いまは

    ひらめかせたひびき

     翼が、大気を

   羽音を

      とじているがいい

    聞き逃したのだ

     翼が、やさしく

   音響を


   聞いた?


   蛇尾。この

      聞いた?あなたは

    羽音を

     あいまいな距離に

   わたしの。うるおった

      翼が、ふたりに

    音響を

     うったのだった

   蛇尾。ふと

      ひびきをささげた

    あなたは、まるで

     ええ。撫ぜるかのように

   ふれる寸前にとまどっていたが、


   そうだろう?


   聞いた?あなたは ;02

      羽音を

    ひびきなど、なにも

     聞けばよかったのに

   翼が、わたしの

      音響を、…聞いた?

    なかったかにも

     あなたは、ただ

   翼が、あなたに

      羽音の。あなたは

    翼は、たしかに

     呼吸しなが

   翼が、…ら。背後の


   そうだろう?


   わたしたちふたりに

      はばたいたのに

    聞いた?あなたは

     見て。いまは

   なやましい距離に

      ひびきは、すでに

    翼が、ふたりに

     花々たちさえもが!もが!…だ

   やや、え?みだれかけて

      つぶやくように

    翼が、背後に

     うとましいほどに

   はばたいたひびき


   いっ


   羽音を

      言いかけ、なにか

    なやましい距離に

     聞いた?あなたは

   聞いた?

      言いあぐね、そう

    はばたかせたひびき

     翼が、いっ。綺羅らを

   羽音を

      あきらめるがいい

    聞き逃したのだ

     翼が、いっ。巻き上げ

   音響を


   聞いっ


   蛇尾。この

      聞いた?あなたは

    羽音を

     なやましい距離に

   わたしの。ざらついた

      翼が、ふたりを

    音響を。そう

     散らしていたの

   蛇尾。ふと

      だ!だ!ひびきに撃っ

    あなたは、まるで

     さわがしいまでに

   ふれる寸前でふれあぐねたが、


   そう?


   聞いた?あなたは ;03

      羽音を

    ひびきなど、な。なにも

     聞けばよかったのに

   翼が、ええ。わたしの

      音響を、…ささやきを?

    なかったかにも

     あなたは、まだ?ただ

   翼が、すでに

      羽音の。あなたは

    翼は、たしかに

     まばたきながら

   翼が、背後の


   そうだろう?


   わたしたちふたりに

      わなないたのに

    聞いた?あなたは

     見て。しっか…いまは

   やるせない距離に

      ひびきは、すでに

    翼が、ふたりに

     花々たちさえもが!が!

   やや、まどいさえして

      耳打ちしたかに

    翼が、背後に

     もう。いらだたしすぎるほどに

   わなないたひびき


   いっ


   羽音を

      つぶやきかけた、その

    やるせない距離に

     聞いた?あなたは

   聞いた?

      のどを、いまは

    わななかせたひび

     翼が、び。翳りに

   羽音を。…きっ

      ふさいでいるがいい

    聞き逃したのだ

     翼が、び。やさしく

   音響を


   び。…ん?

    いっ

   びきっ


   蛇尾。この

      聞いた?あなたは

    羽音を

     やるせない距離に

   わたしの。ささくれた

      翼が、ふたりに

    音響を

     かくしかけたのだ

   蛇尾。ふと

      微風をあたえた

    あなたは、まるで

     ふたりをともに

   ふれる寸前にさまよっていたが、


   殺して仕舞った ;coda

      渇いた。…わたしは

    滅びを。不滅の

     終焉を。そうだろ、おっ

   そう。仕舞うだ。…おう?

      絶滅を。ろ、完璧な

    不死の、り。…あなたは

     いっ!最後を。この

   殺して、…あなたは

      死を。破壊を

    わたしに。破滅を

     わたしは餓えた

   わた…謎は


   すでに解かれて仕舞ったのだか

    ええ、

   ら。猶も


   やめて。もう ;canon à 4;01

   見つめないでください

   と。なぜ?…失語

   すでに


   あなたはわたしを誘惑しおおせ

      かがやいて!…いて

    やめて。もう

     や、

   わたしは完璧に

      え?き、いっ

    見とれないでください

     や、

   ささげられてい、…ね?

      綺羅めいて!…いて

    と。な、…失語

     や、

   わたし自身に


   や、や

      わたしは完璧に

    共食い?…の

     やめて。もう

   お願い。もう

      ささげられてい、…ね?

    ようなあくびに

     見つけないでください

   やめてください

      そう、…え?わたしたちに

    綺羅めきがふるえ

     と。…あ、失語

   すでに


   手のひらのうえに

   ひかりが翳り

   とどこおり、ふと

   顫動。微弱に


   そして、あなたは

      やめて。もう

    や。やっ

     し、かけた瞬間の

   そらしてはならない

      見つめないでくだ

    あ、やっ

     と。…失語。突然の

   わたしから、猶も

      と。…失語

    やっ。…ん、その

     あなたは目をふさいでいるがいい

   お、


   お、

    …どう?

   おお!


   やめて。もう ;02

      あなたはわたしを誘惑しおおせ

    まなざしの、その。すべてで

     や。やっ

   見つめないでくださ

      全能?…いっ。なにも

    わたしを、うっ。殺すの

     あ、…だ

   と。なぜ?…失望

      できなかったにひとしく

    あなたは

     やっ。野蛮な

   すでに


   わたしはあなたを誘惑しおおせ

      かがやいて!…いて

    やめて。もう

     すきですか?吐息が

   あなたは完璧に

      え?き、いっ

    見とれないでください

     あなたを、わたしは

   ささげられてい、…ね?

      綺羅めいて!…いて

    と。な、…失望

     だいなしにしておこう

   あなた自身に


   や、や

      あなたは完璧に

    共食い?…の

     やめて。もう

   お願い。もう

      ささげられてい、…ね?

    ような痙攣に

     見つけないでください

   やめてください

      そう、…え?わたしたちに

    ひかりがあつまり

     と。…あ、失望

   すでに


   手のひらのうえに

   翳りが綺羅らに

   雪崩れこみ、ふと

   顫動。微細に


   そして、あなたは

      やめて。もう

    や。やっ

     し、かけた瞬間の

   そらしてはならない

      見つめないでくだ

    あ、やっ

     と。…失望。唐突な

   わたしから、だ!猶も

      と。…失望

    やっ。…ん、その

     あなたは口をおおったがいい

   お、


   お、

    …しあわせ?

   おお!


   やめて。もう ;03

      あなたをわた。た、あ!誘惑しおお…え?せ

    まなざしのすべてで

     や。やっ

   見つめないでください

      完全な幸福!なにも

    ほふるのだ、あなたを

     あ、

   と。なぜ?…失神

      あたえられなかったにすぎない

    わたしは

     やっ、つ。やつれた

   すでに


   われわれは完璧に陥没しおおせ

      かがやいて!…いて

    やめて。もう

     好き?花が。…ですか?

   増殖を、…無造作に

      え?き、いっ

    見とれないでください

     あなたを、わたしは

   見えますか?…ね?

      綺羅めいて!…いて

    と。な、…失神

     だいなしにしておこう

   制御され得ない


   や、や

      すべて、辛辣に

    共食い?…の

     やめて。もう

   お願い。もう

      ささげられてい、…ね?

    ような嗚咽に

     見つけないでください

   やめてください

      そう、…え?わたしたちに

    翳りがにじみ

     と。…あ、失神

   すでに


   手のひらのうえに

   綺羅らのひかりに

   浸蝕。…ふと

   顫動。微妙に


   そして、あなたは

      やめて。もう

    や。やっ

     し、かけた瞬間の

   そらしてはならない

      見つめないでください

    あ、やっ

     と。…失神。突発的

   わたしから、猶も

      と。…失神

    やっ。…ん、その

     あなたは頭部を引きちぎるがいい

   お、


   お、


   お、










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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