散文と旋律の無い複数の音声のための12の幻想的なフーガ ...for oedipus rex /b;...for oedipus rex #009



以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください



#04//奈落。ひらき/ひらか、ひらかれきった/開口。奈落に/際限もない//

おおわれてゆくのだった。花々に、肩は、その。けものの。肩も。胸は、その。波紋の。胸も。翼は、その。けものの。翼も。そのゆびさきも、波紋。と、あなたは?…ほほ笑みもないままに翼ある、獅子のけものはささやいていた。すでに、水と水とをこすりあわせたかのひびきで、知っていると。あなたはもう、知っていた。たしかに

   あまりにも

と、

   わたしを。深刻に ;cotrapunctus à 4

   あり得ないほどに

   冷酷なまでに

   わたしを。そう、あなたに


   これ以上知るべき

    あばかれていた?

   なにも。知り得

    知られていた?

   知らなければならないなにものをも、もう

    見抜く動的な須臾もなく

   知らないくらいに


   知っ

      いい?すべて

    やめて。だからもう

     あした、太陽が

   知っ

      あばきたて、なおも

    ゆびを。その、3本の

     昏み、深刻な陥没を

   知っ

      背後に影を踏んで仕舞っても

    ふるわ…ね?せるのは

     見せたとしたら?

   知っ


   わたしを。深刻に ;antiphona

    猶も?きみは

   あり得ないほど

    ほほ笑みを

   冷酷なまでに。…そう

    さえ、を。え?

   わたしを。あなたに


   も、…え?

    さらけだ…え?

   え?…猶も

    させら、え?ささげよとさえも

   なやましくさえ

    ささやいていたね?すでに

   うかべていさえ


   わたしは。辛辣に

    さ、え。…ええ

   あり得ないほど

    ええ

   容赦も、ないまでに…そう

    ええ。…猶も

   いつか、燃えあがる


   ならば、きみは

    樹木の翳りに。あなたは

   わたしのゆびを

    ささげるがいい、と

   舐めているがいい。これら

    耳打ちしていた。…ね?

   降りやみはしない


   わたしを。あなたに

    雨に

   あり得ないほど

    花々の、雨。雨のような

   明晰に、…そう

    雨に、花の。…そう

   あなたは。わたしに


   お、

    死にかけた、息を

   お、…そう

    執拗に、なおも

   ほほ笑みを

    吐きかけつづけていながら

   ほほ笑みを、さえ


   わたしを。慎重に

    え?

   あり得ないほど

    え?…猶も。ふれないすれすれに固定したまま

   赦しのきざしもなにも感じられはしないまでに…そう

    浮かべつづけ、微笑。この

   くちびるを、舌に


   わたしをさえ、…ええ

    あなたは舐めて

   ええ

    ささげるがいい、と

   ええ。やがて

    命じていたね?わたしに

   絶望さえ、…え?


   わたしを。深刻に ;cotrapunctus à 4

    え?

   あり得ないほど

    ええ、させて

     聞かせて。あなたの

   冷酷なまでに。…そう

      すさまじい

    仕舞いなが、…見よ

     風景を。その

   わたしを。あなたに


   知りつくされて。なにも

      綺羅めきたちの

    わたしたちは、猶も

     あなたが、見出した

   これ以上知るべき

      洪水。綺羅だつ

    深刻な、だ!この。息吹きに

     風景を。そして

   知り得るなにをも

      綺羅めきたちの

    もう。苦悩さえ、しな

     轟音を。耳の

   知らないくらいに


知っていた。

   声を、あなたの

      あっ

         かなしいの?きみは

おおわれてゆくのだっ

   声を、はっきりと

      あっ!…あ、

         かなしいのだろう?わたしが、もう

花々に、…た。その

   聞いていた

      あっ

         滅びたのだか

肩を。けものは、

   見ていた

      あざ

肩も。その

   わたしと、ともに。そう

      あざわらってるの?

胸をも。波紋は、

   ささやきつづけた

      やや、辛辣に

胸を。その

   わたしは

      いと

翼をも。けものは、

   見ていた。息を

      いとわしがっている?

翼も。その

   吐きながら

      やや無造作に

ゆびさきも。波紋は、

   見ていた

      好き?

ゆびさきをも。と、あなたは?

   そこに、と。わたしと

      花は、…花?これらの

ほほ笑みもないままに翼ある、獅子のけものは

   知っていますか?

      そう

         胸をかくした

ささやき、

   われわれはひたすら

      知っ

         花びらたちの

すでに、

   見つめあうのだ

      ええ

         見よ。発光の赤裸々を

だから水と水とを

   波紋。ひっ

      耳をすまして

こすりあわせたかの

   ひろがる

      耳もとに、その

鋭敏な

   はっ。波紋

      ささやきをあげよう

         微風にさえ

ひびきで。知ってい

   あっ

      いたぶるかにも

         香るのだね?きみの

る、と。あなたはもう、

   あっ

      さいなむかにも

         泣き伏したくなる

と、知っていた。

   あっ

      いじめるかにも

         くらいにせつない体臭は

たしかに、

   奈落。ひらき ;contrapinctus à 4

   ひらか、ひらかれきった

   開口。奈落に

   際限もない


   限りもない

    奈落。ひらき

   始末に負えない

    ひらか、ひらかれきっ

   陥没。落ちるのだ

    いっ

   奈落。ふかまりつづけてゆくだけの


   奈落。墜ち、

      ふかまりながら

    夜の雌と

     ひかりは、あれは

   落ち、

      ひたすらに

    黄泉の雄との

     雌なのだろう

   堕ち、

      ひかりに

    かさなりあった遠吠えに

     抱かれていたのだから

   ふかまり、どこまでもふかまり


   奈落。しずみ、

      抱かれていたのだから

    ひかりは生まれた

     黄泉に

   はてもなく無限に

      雄なのだろう

    だから、大気はすでに

     ひたすらに

   はてもない無限に

      黄泉は、あれは

    生まれていた。だから

     ふかまりながら

   無際限に。ち、墜ち、


   散り?落ち、

    ひかりは、大気に

   堕ち、

    かがやくのだから

   ひたすらに。もう

    だから、それらは

   ふかまり、どこまでもふかまり


   陥没。ふかみに

      与えたから、翼を

    墜ち、

     どうやら、蛇を

   落ち、ふかまりゆく

      もとめたようだよ

    落ちた

     愛したようだよ

   陥没。よりふかい

      どうやら、翼を

    堕ち、

     生んだから、蛇を

   ふかみに、堕ちつづけている

    

   孔。陥没。以下はその

      息吹き、息吹きを

    けものたち。ひとつの

     それは、あまりにも

   孔。永遠に

    肉体に、その

     強靭だったから。百度にも

   未完成でしかない陥没に

    蛇尾を、…百の。持ち

   吐かれた?その


   孔が、墜ち、

    百の蛇頭を!…肩に

   落ち、

    さわがせ、その

     破滅させたのだ。それ

   堕ち、容赦しないまま

      息吹かせあい

    けものたち。ひとつの

     みずからをさえも

   吐き出したものたちだ


   雑種。この

    赤裸々な

   わたしたちでさえも

    雑種。この

   すべてのかたちも

    完璧な

   雑種。この


   雑種たちは、不死なる奈落に

      屹立するかに

    屈辱的な

     赤裸々な

   滅びようもない陥没に

      深刻な陥没は。無限に

    永遠。永遠に

     雑種。この

   吐き出されたものたちなのだから

      ふかまりつづけて

    はずかしめられていた

     完璧な

   拒絶するかに


   破棄されたかに


   忌み嫌うかに

      完璧な

    さいなまれていた

     戦慄など、なんら

   吐き出されたのだから

      雑種。この

    永遠に。永遠

     苛酷な陥没は。須臾にも

   滅びようもない永遠に

      赤裸々な

    破滅的な

     感ずべくもない

   不死だった。雑種たちは、すでに


   落下。…の ;canon à 4;01

   速度。その

   猶も、しかも

   舞い上がるかの


   風景がわたしを飲み込むのだから

    落下。…の

   飛翔にひとしい

    その、速度の

   墜落は

    しかも、わたしは

   すでに


   つつんだ。あなたをも

      風景を、…ひかり

    だから、あきらかな加害者だっ

     落下。…の

   容赦なく、かつ

      咀嚼

    風景は、わたしに

     速度の。の、

   拒絶したかの

      翳り、…風景は

    飲み込まれ

     加速のままいまにおいてさえきみは

   そう。辛辣を以て、この


   落ちる

      落下。…の

    落とす

     わめくのだろうか?

   ひきずりこまれ

      その、速度の

    ず、り、こみ

     風景がわたしをも飲み込むのだから

   飲みこまれ

      速度それ自体の

    吐く。飲む。ふと

     あっ。あざやかな

   と、いたぶりを、この。鮮烈な


   肉体は猶も速度にすぎない

    悔恨じみた

   風景が、ひたすらな

    咀嚼のひびきを

   見せた加速に

    び。聞いて、微笑

   肉体は、すでに


   仮構でさえない


   落下。…の ;02

      崩壊。つまりは

    知っ、もう

     失意。そう

   速度の。その

      失速。を、…おっ

    われわれはすべてを

     あなたは、ええ。なにも

   しかも猶も

      唐突にさらしたりもするものだから

    知りつくして、い

     見えなかったよね?

   駆け上がるかの


   風景がわたしを飲み込むのだから

      ひろげなさい。口蓋を

    落下。…の

     い、

   跳躍にひとしい

      ひ、すすりあげるかに

    速度の、の、

     い、

   墜落は

      飲み込んで仕舞え

    しかも、ええ。わたしは

     い、

   すでに


   つつんだ。あなたをも

      風景を、…ひかり

    だからあきらかな、ん?暗殺者だっ

     落下。…の。た!

   躊躇なく、かつ

      咀嚼。と、

    わたしに風景は

     速度。その

   糾弾したかの

      翳り、…え?風景は

    飲み込まれ

     え?加速のまいっ。いっ。まにおいてさえきみは

   そう。苛酷を以て、この


   落ちる

      る。落下。…の

    落とす

     叫ぶのだろうか?

   ひきずりこま

      その、…れ。速度の

    ず、ええ。り、ええ。こみ

     風景がわたしをも飲み込むのだか

   飲みこまれ

      ら!速度それ自体の

    吐く。飲む。ふと

     おっ。克明な

   と、いたぶりを、この。やわらかな


   肉体は猶も速度にすぎない

    憤慨じみた

   風景が、ひたすらな

    唾液のぬめりを

   見せた加速に

    び。感じ、び。…でしょう?

   肉体は、すでに


   擬態でさえない


   落下。…の ;03

      瓦解。つまりは

    あっ、あ。もう

     嘲笑。そう

   その、やめて。速度の

      失速。を、…おっ

    われわれはことごく

     なにも、あなたは

   しかも猶も

      唐突にさらしたりもするものなんだか

    味わい尽くし、いっ

     ら。ふれられな、…よね?

   燃え上がるかの


   風景がわたしを飲み込むのだから

      ひろげなさい。口蓋を

    落下。…の

     い、ええ

   情熱にひとしい

      しゃくりあげるかに

    の、の、の。速度の

     い、

   墜落は

      飲み込んで仕舞え

    しかも、わたしは

     い、

   すでに


   つつんだ。あなたをも

      風景を、…ひかり

    だから、あきらか…え?な

     落下。…の

   妥協なく、かつ

      咀嚼。ええ

    風景はわたしに

     速度。その

   追放したかの

      翳り、…風景は

    飲み込まれ、れ、

     加速のまいまっ。まっ…においてさえきみは

   そう。理不尽を以て


   落ちる

      落下。…の

    落とす

     ため息を?…どう?

   ひきずりこまれ

      その、なに?速度の

    ず、ええ。り、え?こみ

     風景がわたしをも飲み込むのだか

   飲みこまら…え?れ

      速度それ自体の

    吐く。飲む。ふと

     うっ。屈辱的

   と、いたぶりを、この。強靭な


   肉体は猶も速度にすぎない

    激昂じみた

   風景が、ひたすらな

    歯頚の引き攣りを

   見せた、あっ。加速に

    び。厭い、微笑

   肉体は、び。すでに


   懐疑し得ない


   落下。…の ;04

      空中分解。…え?

    かっ、ええ。もう

     充足。なに?

   速度の、その

      失速。を、…おっ

    われわれはとおいとおい未来まで

     ね?なにも、あなたは

   猶も。しかも

      唐突にさらしたりもするのだから

    感じつくし、い

     できなかったよね?

   滅びてゆくかの


   風景がわたしを飲み込むのだか

      ひろげなさい。…らっ。口蓋を

    落下。…の

     い、

   全能にすぎない。なに?

      えづきかけたかに

    その、速度の

     い、

   墜落は

      飲み込んで仕舞え

    しかも、わたしは

     い、

   すでに


   つつんだ。あなたをも

      風景を、…ひかり

    だから、あきらかな慰撫者だっ

     落下。…の

   認知もなく、た!かつ

      咀嚼

    風景は、わたしに

     その、速度。その

   愚弄したかの

      翳り、…風景は

    飲み込まれ

     加速のまいっ。いっ…に、おいてさえきみは

   そう。卑劣を以て、この


   落ちる

      落下。…の

    落とす

     失笑してしま、…か?

   ひきずりこま

      その、れ。速度の

    ず、れ。り、れ。こみ

     風景がわたしをも飲み込むのだか

   飲みこま…ら。れ

      速度それ自体の

    吐く。飲む。ふと

     あっ。はれやかな

   と、いたぶりを、この。俊敏な


   肉体は猶も速度にすぎない

    歓喜?…じみた

   風景が、ひたすらな

    味覚を、舌の

   見せた加速に

    び。あざけ、び。微笑

   肉体は、…でしょう?すでに


   覚醒さえない


   落下。…の ;coda

   加速。その

   猶も、まだ

   湧き上がるかの











Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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