散文と旋律の無い複数の音声のための12の幻想的なフーガ ...for oedipus rex /b;...for oedipus rex #007
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください
#02//あなたが、もしも/わらってくれるなら/せめて。すこしでも/笑みをくれたなら//
あきらかな蠱惑。蠱惑としてあからさまにすぎ、おもわずわらって仕舞いそうになるくらいにあまやいだ芳香に、波紋。だから彼女の鼻孔はすでにむせかえっていた。うつくしい、けものはあおむけたままの波紋を腕に抱いたまま、猶も、けっして手放そうとはしていなかったから。あまつさえ、彼に翼はひろがり、つつむかにおおきく直射を、…紫。あの日射しの鮮明をふりはらっていた。…恐怖?加虐への。まさか。すこしも、わずかないたぶりの可能性をさえなにもほのめかさず、ただ獅子の体躯は四肢を折り、たおれこむかに坐ってけものは、たとえ嘴のある獰猛なものたちにその肩を抉られようと波紋を地に落としはしないだろう。彼の、ひと形の上半身はたしかに、これみよがしにもたくましい。波紋の背中を、四肢の胸と前足の獣毛とがくすぐった。わずかに、それら獣毛は匂いたつ気がする。だから、贅肉など須臾にも寄せつけはしない胸の、人肌のなめらかさの、一致しようもないあまやぎとともなって獣毛は、目舞いさえした芳香の複雑の正体をつくっていたにちがいない。もはや、翼ある獅子と蛇尾のけものの背後、とおいとも、ちかいとも謂えない距離に別の、ことさらに悩ましい狂暴なものたちの明瞭な咆哮は聞かれていた。波紋はただ、しかも翼ある獅子と蛇尾のけものの胸に、安堵と憩いにのみ身を
見
まかせているしかない。
見てい
たしかに
い。
夢を、ええ。見ていた
見てい、…え?夢に
夢を。夢には
見ていた。夢に
ふかい夢だった
あさい数秒に
だから、その夢に
叫んだ。わたしが
われを忘れて
叫び
なじるかに
そう。どう?
あなたは
叫ん
まるで、いたぶり
わたしはあなたにうつくしいだろうか?
あまりにも
だっ。叫ん
なぶりつづけているかに
どう?そう、
うつくしいから
で。…いっ
ええ、
もう
われを忘れて
あきらかな
や…まばたか
あきらかな
なに?芳香に、だから
その、…な。ないで!や
咆哮を。わたしは
鼻孔が。すでに
まばたきをいちどもしないままだった
わたしだけ?
むせかえっ…その、
燃えあがる、ええ。見つ
聞いていた
彼。翼ある獅子と
見つめて。虹彩に
うつくしい
燃えあがるかに
蛇尾のうつくしいけものは波紋を
瞳孔に。わたしを
うつくしすぎた
わたしを
猶も
見つめて。眸に
花のような
ええ。焼き尽くすかに
抱いたまま腕に放そうとはしない。あおむけたまま
燃えひろがるかに
はなやかな
波紋は、やや
燃えあがるかに
けものは、きみは
と、ふと羞恥に咬まれかけ
われわれは!すでに、
爪に、いま
とぐろを。俊敏な
あいまいな上目に、
放った。火を
つちを。やわら
綺羅めきを、鱗。蛇の
人の、雄の
火を放たれたん
ら。搔いているのだろう?
とぐろを。容赦ない
顔だちの、…彼。その顎に、
われわれはすでに
ふかく
うるおっ。空中に、綺羅
あどけない無言のかたむきを見ていたのだった。知っている。彼に
太陽は、ここに
赤い。あ
いま、背中に翼は
あるいは、太陽と
青い。あ
ひろがり、つつむかに
呼んでおくべき
緑の。お
おおきく、紫の
恒星は。猶も
しろい。い
ひざしの
自重に、しずかに
黄色い。え?
直射をふたりだけのためにふせいでいた
ええ。つぶれてゆきながら
凄惨な、あっ
と、波紋は知っている。加虐など、翼ある四肢と蛇尾のけものにはわずかにも
好き?
どうぞ
ありえない。その
あなたは
好き?
危険性の希少すら。たとえ
匂いが、血の
あなたは
嘴のある
くちびるに。その
血が、匂いも
辛辣なものたちに肩を
生肉と生き血を
くちびるに。その
抉られても、かれ。のけぞりかえっても?…翼ある
すするのでしょう?
色彩。べたつきも
獅子と蛇尾のうつくしいけものは張りつめた腕に、波紋を地に落としたりはしないだろう。みずからは
あなたは、だから
渾沌。あるいは
破壊?
翼の付け根に
蛇と鳥と
無限の
ええ。大地とは
厖大な血潮を
獅子とそれ以外の無数のものたちから
奈落。あるいは
在って留保なく在ったそれらは
噴きあげあがらも。波紋の
生まれたのだろう
無限の
海も、風も
背中を、四肢の
なやましい息を
強度。あるいは
破壊?
胸と前足の獣毛が
吐きながら
制圧するかの
そう
くすぐった。わずかに、そこに獣毛は
渾沌。ゆらぎあい
ぬけめなく
匂う気がする。蛇尾はいまだ
屠殺されたのだろう。いわば
海に、風にも
姿をは、波紋に
仮定として、…と
と。…仮構として
見せないままに、辛辣な
大地に
穢されたのだろう。いわば
口臭をだけはたしかに
すみやかに
奈落。落ちつづけ
伝えていた。だから、人の肉体の肌の匂いとにじみあい、獣毛も蛇も、その匂いのすべてをのこさず目舞いさえする芳香の
抱きたい?でも
ひとつの
あなたは、もう
契機としてのみ
抱きあげて仕舞っ
ささげあっていたのだろう。翼ある彼の背後、
ささやきは
波紋。はっ
とおいとも
きみに
ひろがってゆき
ちかいとも謂えない、なにか
残酷でさえある
ひろが
どうしようもなく鋭利な距離に別の、
咆哮だろうか?
ひろがってゆく
なにか
ささやきは
波紋。はっ
悩ましいだけの別のけものの明瞭な咆哮を聞いていた。波紋は。ただ
犬?
叫んだのだろうか
みずからの羽搏きにざわめきはじめながら
翼ある獅子の
吼えたのは
蛇が?その
食べた?あれら
けものの胸に、身を
犬?
うるおう舌をふるわせて
肉を。山羊の
まかせているしかない。その、
二匹の
叫んだのだろうか
羽搏きにざわめかれさえしながらも
深刻なまでの安堵と、そして
そう
日射し。あなたかな
不穏でさえある
どう?
右のつまさきに
憩いとともに。
そう
尖端に
いわば
あなたが、もしも ;contrapinctus à 4
わらってくれるなら
せめて。すこしでも
笑みをくれたなら
わたしはなんでもできるのだろうね?
いっ。やさしい息吹きが
焼けばいい?ゆびを
しなやかすぎた
そう。なにも
曠野に、どこにでも
かなしいくらいに
肉体に
なかっ…動揺は、もう
ありふれた鬼火で
まぼろしの
とまどって
野蛮な息吹きを
昂揚も、そう
だれにも見られは
たかぶって
こわいくらいに
ひとり、あまりにも
しなかっ、…ええ。それら
わなないて
息吹きを。強靭な
恍惚も、そう
いわば不在の
鬼火で、ありふれた
おろかしいまでに
肉体に
なかっ…恐怖は。あっ
曠野を。にげ得る
ね?あざやかすぎた
そう。歓喜さえも
余地もなく、…焼けば?
それら息吹きに悩んでいたん
ふるわせている。ゆびを、わたしは
笑みをくれたから
あなたが、声に
わらってくれたら
見つめられ、あなたに
火を放つ
裏切りを?そう
あなたはたしかに
咬みちぎって仕舞わないうちに
火を
あなたがわたしを
うつくしい。ほら
わたしが、あなたを
火を放つ
締め殺して仕舞わないうちに
嘆かわしいくらい
そう、われわれの
火を
あるいはきみへの
ん?
…ええ
裏切りを。そう、
知っていますか?…あっ ;canon à 4;01
ねぇ、たしかに
鞏固な、この
世界。そう
世界とは
知っていますか?…あっ
誘惑し、われわれを
ねぇ、たしかに
誘惑していた
知っていま
だから、煽情であった
と、かたむいた
無防備に、むしろ
知っていますか?…あっ
まなざしのさきに
ほほ笑みのうちに
ねぇ、たしかに
きみは。唐突な
見つめあっていて
知っていま、ま
傷みを見ていた
ほら、かなしいまでに
知っていますか?…あっ
と、かたむいた
誘惑し、われわれは
すこやかな風が
ねぇ、たしかに
まなざしのさきに
誘惑者であっ、…あっ、だから
きみに、肩越しに
知っていま…ね?
見た。花々を
世界を、あ。たぶらかし
わなないたのに
知らなかったね?
微風も
それら、色彩は
あっ
きみは、すこしも
崩壊していた。もう
ただ、いたましい
あっ
微風も
手のひら、すれすれに
ため息であっ
あっ
わたしをも
気絶したがい
さ、せた
いっ
知っていますか?…あっ ;02
失神してゆく
われわれが、これら。すでに糾弾した
不可能だろう?わたしの
ねぇ、たしかに
見て。巨大な
世界は
無罪認定は。きのう
凄惨な、この
懊悩を、空に
花びらにうずもれよ
殺したん、…世界を
世界。そう
世界とは
知っていますか?…あっ
詐称し、われわれを
ねぇ、たしかに
詐称させていた
知っていま、…ん?
だから、無謀であっ
と、…た。ひらかれた
ないのだよ。この
破廉恥に、むしろ
知っていま…あっ
瞳孔。網膜に
あなたも、ひとつぶの
ほほ笑みのうちに
ねぇ、たしかに
きみは。繊細な
涙をながした須臾などは
口づけあっ
知っていますか?
翳りを見ていた
ほら、うとましいまでに
知っていますか?…あっ
と、ひらかれた
詐称し、われわれは
残酷な陽光が
ねぇ、たしかに
瞳孔。網膜に
詐称さ、…さ、だから
きみに、足もとに
知っていま…と、
見た。花々を
世界を、あ。ちょろまかし
陥穽を。ふいに
知らなかったね?
疑いも
それら、色彩は
あっ
きみは、それでも
崩壊していた。もう
ただ、いたましい
あっ
疑いも
ゆびさき、至近に
あえぎであっ
あっ
わたしをも
狂気すればい
さ、せれ
いっ
知っていますか?…あっ ;03
失神してゆく
われわれが中傷した、すでに。これら
あり得ないだろう?わたしの
ねぇ、たしかに
見て。ふかすぎる
世界は
無罪放免は。きのう
辛辣な、この
自虐を、空に
花びらにうずもれよ
滅ぼしたん、…世界を
世界。そう
世界とは
知っていますか?…あっ
許容し、われわれを
ねぇ、たしかに
許容していた
知っていま、ま、ま
だから、あっ。承認であっ
と、とざされた
ないのだよ。この
赤裸々に、むしろ
知っていま…あっ
まぶたのうちに
あなたも、かすかに
ほほ笑みのうちに
ねぇ、たしかに
きみは。鮮明な
涙をうるませた須臾すらも
ええ。ふれあいつづけて
知っていますか?もう
まなざしを見ていた
ほら、せつないまでに
知ってい、い、…あっ
と。とざされた
許容し、われわれは
やわらかな花が
ねぇ、たしかに
まぶたのうちに
許容してやっ、…やっ、だから
きみに、頭上に
知っていますか?
見た。花々を
世界を、あ。落とし入れ
舞っていたのに
知らなかったね?
花々も
それら、色彩は
あっ
きみは、あざやかな
崩壊していた。もう
ただ、いたましい
あっ
色彩を
表皮。ぎりぎりに
窒息であっ
あっ
わたしをも
見棄てるがいい
させ、え、
いっ
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