《浜松中納言物語》平安時代の夢と転生の物語 原文、および、現代語訳 首巻(散逸)あらすじ
浜松中納言物語
平安時代の夢と転生の物語
原文、および、現代語訳
首巻
平安時代の、ある貴にして美しく稀なる人の夢と転生の物語。
三島由紀夫《豊饒の海》の原案。
現代語訳。
以下は、現在、散逸して現存しない首巻に書かれてあるだろう、おおよその内容をあらすじ書きしてみたものです。
参考までに、まとめておきます。
濱松中納言物語
首巻(現存せず)
以下は、散逸した首巻の内容を推測したあらすじである。
かの人は式部卿の宮の御子息にあらせられなさった。
御かたち御ありさま、はては御才におかれられてもこの上もなく秀でていらっしゃられておられれば、御帝のご寵愛賜られることも限りない。
元服なさられれば源氏姓を賜られていらっしゃる。
御父宮のお隠れにかられなさられた頃、俗世をお棄てになられられようとなさられるものの、御母宮の御歎きもふかくてあらせられれば、御想い留めさせられなさって、この世に留まられていらっしゃられる。
やがて、御母宮の、宰相の君とお契りになられられ、お結ばれになられなさるにおよんで、亡き御父宮を、お偲になられなられお慕いになられられること、ただただ深く、かくありてお過ごしになられなさるころ、遠くも唐土の国に、御父君の御転生なされておられる御姿を夢にみられなさられる。
御心惑わされられて、唐土に渡るのを夢見られなさるものの、いまや中納言にあらせられなさる御身の上と、荒れた旅の道の上のご苦難に泣かれられて留められもなされられない御母宮の御心のゆえにその想いを果たすべきすべもなくていらっしゃられる。
宰相の君の、御みずからの娘君にてあらせられる大将殿の御姫君と結ばせて差し上げようと企まれるものの、中納言の御君は承ってさしあげようとはなさられもなさられないままに、とはいえ、かの姫君の御君をお慕いさしあげていらっしゃる御想いは深く、限りもなく、終日想いみだれられてのみいらっしゃられる。
ともかくも、大将殿の御姫君、御帝に睦まじられていただかれなさられて、そのうちにも世をはかなむばかりにておはせられるが、中納言の御君の、御父君をお慕いなさられることいよいよ深く、ついには御帝もご承諾になられて差し上げられなさる。
そのうち、ご出立のまえに、中納言の御君は、怪しい因果のなせる業のうちに、御姫君とお契りになられられるたのをは秘め事に、かくて、中納言の御君、唐土にお渡りになられなさったのだった。
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