詩的言語の技法、第3巻;詩9篇 -05 /Ⅱ. partita -01



詩的言語の技法、第3巻;詩9篇 -02 /Ⅱ. partita -01



   うたれよ。雨に ;sequentia à 4;01

      とは謂え、なおも

    うたれよ。花は

     そらしていよう

   花は。いつも

      見止めはしないのだが。その

    うたれつづけよ

     まなざしに

   色彩。その

      価値をなど

    ざわめきをつづけよ

     懐疑

   ただ、あざやかさのためだけに


   猶も


   うたれよ。雨に ;02

      とは謂え、あえて

    うたれよ。花は

     そらしていよう

   花たちは。いつも

      たたえたりしはしないのだが。その

    うたれつづけよ

     まなざしに

   色彩。その

      希少をなど

    きわだちをさらしていつづけよ

     傷み

   ただ、めざましさのためだけに


   いまは


   雨にうたれよ ;03

      とは謂え、なにも

    うたれよ。花は

     そらしていよう

   花は。いつも

      ささげたりしはしないのだが。わずか

    うたれつづけよ

     まなざしに

   色彩。その

      1秒をさえも

    さわぎあいつづけていよ

     不安

   ただ、あきらかさのためだけに


え? ;recitativo

 あれらは留保なき

ええ。そう、


   犯罪にすぎない ;contrapunctus à 4

      壊してあげる。ただ

    わたしたちの、そう

     もう、そんな

   じゃない?あれら

      容赦なく。あなたの

    まぶたに、しずかに

     見てられないじゃない?

   花々は、いまや

      おそれおののく

    ふりそそいでいたあの

     きみを、なんか

   色彩が誇られ


   あえて、きみさえ

      虹彩を見たい

    雨は

     わらって。せめて

   蘭?菊?百合?薔薇?

    雨は

     そして

   すべての花を

    雨

   見棄てるがいい


   ほら


   追放すればいい

    雨

   花たちすべてを

    雨は

     そして

   薔薇?百合?菊?蘭?

      眸を見たい

    雨は

     咬みきって。せめて

   うすあかりにさえ


   色彩が誇られ

      のたうちまわ、…ええ

    うるおわせつづけていたあの

     きみは。今日をさえ

   花々は、いまや

      守りつづける。あなたの

    網膜を、しめやかに

     生きる資格さえないじゃない?

   じゃない?あれら

      すべてを。ただ

    わたしたちの、そう

     もう、そんな

   犯罪にすぎない


ほふれ、と?花を。すべて、ことごとくの…え? ;recitativo


   花々なら、もう ;canon à 4

   埋葬されて

   忘れられ、あえて

   いまさら、だれも


   死者のすべては死者にゆだねよ

    花々なら、もう

   返り見さえ、も

    埋葬さ、…ん?

   しないのだが、ね?

    忘れら、ら。…て

   好きだね?きみも


   花が

    いまさら、だれが

     花々なら、もう

   花が

    だれがわれわれを

     埋葬さ。あっ

   花たちが

    花たちさえもが

     すべて、死者たちにゆだねよ

   絶句


   きみのためだけの

      花々なら、もう

    惨殺された

     死者たちのすべては

   海を、花々で

      埋葬さんっ、さんっ、

    好き?きみも

     ぼくらはそして

   海をも。波さえ

      発光している

    花が。好き?

     この眼を抉っ

   綺羅めかないよう


   に。

    いっ、

   ほふって仕舞おう

   

われわれはだから、すべてのゆびさきを刃物と仮構したん…じゃない? ;recitativo


   きみのためだけに ;contrapunctus, capriccioso à 3

    この、ね?この

     聞け。さざなみの

   海を、花々で

    抉ったら、ば。眼を

     ひびきは。ひびき

   海をも。波さえ

    わらってくれるの?

     さえ、え?

   きみのためだけに

    きみは。だから

     え?

   なぜなら、きみは

    この、あるいは肉体という張り詰めた脆弱。ね?この

     え?…もが

   必要以上に残酷だから

    腕をつぶしたら

     罵倒であった。苛烈な

   きみのためだけに

    わらってくれるの?

     ええ。そう、怒号にすぎない

   海を、悲惨で

    きみは。だから

     聞け。さざなみの

   海をも。惨劇で

    貪欲だから、ね。きみは

     ひびきは。ひびき

   きみのためだけに

    満足など、きみに

     さえ、え?

   満たしきってて仕舞いさえすれば

    も、さ。でも、さ。で

     え?

   満足?…いや

    好きなん、そんなきみが。だっ

     え?…もが

   きみのためだけに

    この、ね?この

     糾弾であっ、…充分以上に不当な

   世界のすべてを

    火を!火を!火を!舌に放ったら

     哄笑にすぎない

   血と恐怖と破壊と

    わらってくれるの?

     聞け。さざなみの

   きみのためだけに

    きみは。だから

     ひびきは。ひびき

   叫喚と苦痛で

    この、…いや。凶暴かつ野蛮であったことが?肉体は、ね。この

     いつも、か弱く

      精神のみ

       ただ

        留保なく

     さえ、え?

   満たし得たなら

    皮膚を、さ。ひきちぎっ、さ。て、さ。見せたら

     え?

   きみのためだけに

    わらっ。わらっ、…れるの?

     え?…もが

   海に、きみを

    きみは。だから

     暴力であった。苛酷な

   海に。その

    貪欲だからね、きみは

     嗜虐にすぎない

   きみの滅びた亡骸を

    満足など、きみに

     聞け。さざなみの

   浮かべて、そして

    も、さ。でも、さ。で

     ひびきは。ひびき

   忘れていてあげる。永遠に

    好きだ!そんなきみが

     さえ、え?

   きみをだけ


   雨に









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

0コメント

  • 1000 / 1000