ユキマヒチル、燦濫 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi // ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、/ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、//散文と詩;35





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





香月。その母親が鼻先に切ったケーキをスプーンに器用に救い取り、…ほら。「どお、ぞっ」

   なんども。わたしたちは

      治癒。と、

微笑。香月はその

   恢復してゆく

      再生。と、

微笑のためだけに笑みをうかべてた。謂く、

   閉めて。ほら

   カーテンを。まだ

   あなたの微笑が

   まぶしすぎたから


   閉めて。ほら

      ときには、ね?

    見たいもの、あるの

     健常とは、なにか

   カーテンを。

      あなたにだだをこねたい

    なに?蝶

     機材につながれていないということだ

   閉めて。ほら

      叱られてみたい

    青空に、蝶

     あやうい、ね。やや

   カーテンを。まだ


   見つめて。ほら

   わたしを。いま

   あなたに微笑が

   まぶしすぎたはず


   見つめて。ほら

      たくましく、ね?

    ほしいいもの、あるの

     感傷にひたりたいなら

   わたしを。

      わたしはいまも恢復している

    なに?砂

     早朝をのみ選ぶがいい

   見つめて。ほら

      と、きみに知らせたい

    月の海の、砂

     あやうい、ね。やや

   わたしを。いま


   そう。そう。そう。

   いいよ。いい、…ね?

   ん。ん。ん、…ね?

   そう。そう。そう。

まだ12歳の高明。その3月。しのびこんだという意識は

   壊す?…いや

      見ようよ。ふたり

         名づけ得ない、あえて

ない。事実、ドアは

   癒す?…いや

      風景を。見るべき

         感情に、その

いつものように半開きになっていたのだから。昏がり。そこに、

   やめて。嘘は

      くぐりぬけ

寝たふり、

   ほのめかし、と

      通り抜け

と。高明には

   誘惑は。あいまいな

      匂いが。あなたの

そうとしか思えなかった女の肉体を抱いてやる。無抵抗だった。赦し?むしろ、高明は切実な希求をそのやわらかな重い脱力に感じ取っていた。上から、だきしめれば自重とかさなり、その肉体は容赦ない不器用をのみさらす。もてあます。女たち。秋子をまで含め、女たちはいつでも高明に餓えていた。高子の、ひたすら鬱屈した、時にいたましくさえ想えたまなざしの切迫は、想えばもう猶予が

   倒壊を?

      違うから。ぼくは

         おとなに

なかった。

   瞬時に、完璧な

      奪わない。ただ

         なる。もう

とはいえ、意外だった。それが

   決壊を?

      与え、そして

         だったから

今夜で、しかもその

   あるいは、すでに?

      赦し、奪われ

         おとなで、あ

扉を決壊させたのがじぶんのほうからだったとは。とまれ、肉体がかさねればそれでなにがどうとなるでもない、あるいは高子にとっては絶望の、気安さが高明をいくらかはおちつかせた。感じた。もう、眠るふりの下で慎重に、ふれあうすべての肌すべての部位すべてのささいに触感を刻み込む高子のいじらしさ、または

   匂いが。この

      籠る?いま

愚かしさ、そしてその

   部屋中に、きみの

      匂いも。わたしの

ぶざまと

   体臭が。この

      いま。ここに

痛ましさとを。思った。いま、と。あなたは幸福のいちばんの底に墜ち、まさにおなじそこ、おなじその時に苛烈な絶望の無数の棘にいたぶられる、と。その夜に

   聞かなかった。あなたの

      歓喜?

         すこしも

高明は、その

   声など

      悲鳴?

         ふさぐまでもなく。口を

体内でやや

   聞こえなかった。なにも

      恍惚?

         すこしも

遅めの精通を経験した。謂く、

   行き止まり?

   だった?そこは

   吹きで、で、出た

   はじまり。ふたりに


   あなたに。それは

   あきらかにすぎ

   はじめら、ら、られるべき

   なにもないことが


   行き止まり?

    失意。そして

   だった?そこは

    落胆が。だれでも

   吹きで、で、出た

    そうなの?こんな

   はじまり。ふたりに


   あなたに。それは

    失望。マジで

   あきらかにすぎ

    こんなものなん

   はじめら、ら、られるべき

    そうなの?莫迦げてる

   なにもないことが


   行き止まり?

      いいよ。あなたは

    滑稽でさえ、な

     嘘くさい。おれの

   だった?そこは

      できるかぎり、もう

    ないから。わたしは

     感情のすべてが

   吹きで、で、出た

      しあわせになって

    笑い出せもしない

     おれには、むしろ

   はじまり。ふたりに


   あなたに。それは

      いいよ。あなたは

    皮肉でさえ、な

     見ない。昏い

   あきらかにすぎ

      視野のそとで。ぼくの

    ないから。いまだの

     あかるさの欠損。に、

   はじめら、ら、られるべき

      朽ちてしまえば

    吹き出せもしない

     敏感に、ゆび。肌が

   なにもないことが

樹々。その

   日射しは。そっと

      色彩

         わたしたちを

夏。記録的天候不良の

   灼いてしまえば。と、

      あざやかな

         この存在を

冷夏。しかし、

   いい、と。ふと

      色彩

         その肌を

海。樹々と樹々は朝から由比が浜に出かけた。砂浜、曇り空にとりあえずは背中。肌をすこしでも焼こうとし、声。の、

   耳を、…ね?

      散乱の

群れ。去年よりは

   すまして

      ノイズ

すくない。去年、来年はもっと遊んでやるのだと樹々と誓った。若すぎる年齢が、…15歳。あるいは障害になることは事実は謂え、犯罪?夏のひかりはすべてを無垢にしてしまうものでなければならない。声。と、そして声の群れ。の、なかから莫迦!と。甲高い年上の男の声がして、ジュージュ。その樹々がふと、顔をもたげないまでにも目をひらくと、

   ゆれが

      よ。見た、

          いつから?

影。…なんにん?自分たちに

   わずかな

      よ。見え、

          あなたは

影を落としたかれらに、樹々。

   ゆれが

      よ。見た、

         わたしを

ジュージュはすぐさま顔をあげて、ふたり、と。若い。…って、年下?右手。ジュジューの樹々を返り見れば、俊敏な樹々。ジュジューはもう膝をつき、背中をこれよがしに彎曲させていた。二の腕。に、押し付けた胸。つぶれ、過剰なデフォルメを、胸。それは、と。わたしのほうが大きい。ジュージュの樹々は、すくなくともひとつのよりすぐれた自分の武器を、やがて立ち上がるまではあえて秘密にしておこうと「ふたりって、」

   いいんじゃん?

      所詮は

思う。「東京の子?」その

   よくない?

      夏だ。夏は

長身のハンサム・スポーツマン系。かたわら、やや居心地悪げな繊細貧弱系。その腕にはたぶん、タトゥー・シール。樹々と樹々は、やがて交互に、え?と、つぶやき、そして

   海だ。海は

      ある。わたしたちが

         あげる。聞かせて

あかるく

   所詮は、

      うつくしくあるために

         声を。かわいい

笑った。少年に交互に、めくばせしながら。謂く、

   ささやきあうのだった

   わたしたちは。すでに

   親友だったから

   あやうい至近に


   うわさしあうのだった

      共謀を、しようよ

    夏。その夏は、

     落とし入れあわない?

   どっちが、どっち?

      たくらみあおう

    いくらさら。肌をさらしていて、さえ、も

     ほら、舌なめずり、とか

   どっちを、どっちが?

      共犯者として

    眠るのだ。タンニンは

     笑って。かわいく

   眼に、たくらみの


   ジュジュー、と

    どっちが、いい?

   ささやき、ふと

    共有する?…莫迦

   ジュージュ、と

    どっちにしますか?

   つぶやき、樹々と


   ほほ笑みあうのだった

      のぞきこみ、あって

    夏。その夏は、

     たぶらかしあわない?

   どっちが、どっち?

      さぐりあっちゃおう

    いくらなが。涙を流してみても

     ほら、損得勘定、とか

   どっちを、どっちが?

      加害者たちとして

    な。乾きはしな、な

     好き。いま、その角度

   気配に、冒険の


   ささやきあうのだった

   わたしたちは。すでに

   親友だったから

   あやうい至近に








Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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