ユキマヒチル、燦濫 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi // ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、/ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、//散文と詩;31
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
11歳。高明。その
ほんとうに
日射しに
2か月目。
愛されていた
やわらかな。…わたしが
日曜日。午前
ぼくは
渇く。その
9時。今日は、すくなくとも午前中は楠とも遊びにでかけないことを確認すると、秋子。高子は生理痛と併発した偏頭痛のため、自室に籠る。秋子はリビング、ソファに高明を…今日は、座らせた。さ、「なに?」
「今日は、ママ。…秋子ママ、ね?これ、高子ママには、…あの子には、さ。秘密で」
「だから、」と、
まなざしは
いま?
と、唐突な
…なに?その
あいまいに
いま?
既視感は、
高明はもう
ふるえかけ、て
いま?
なぜだろう、と
気づいている。そこに、眼の前に正座して、故意にこども目線をつくってみせる秋子。あからさまな、もってまわった決然。それら、全身が自分になにを告げようとしているか。昨日、夜、気を効かして昨日、
あ。ぼくは
外は、猶も
夜、気を
笑いかけた
すがすが、…ね?
効かして高子がシャワーを浴びているすきに、…父親って、さ。「だれ?」ぼくの、さ。「高明の?」父親って、さ。「パパ?」どんなひと?学校の宿題。両親について作文を書け、と。そこ。秋子は高明の問いかけに…駄目。我を
いま?
早すぎ、やや
なぜ?
忘れた。「いま、
いま?
から。やや、まだ
なぜ?
駄目」
「なんで?」…困らせないで。と、その秋子の動揺に高明は、
赤裸々だ
知らない?
そう、と。つまり、
あなたは
どうしようもないくらいに。もう
困らせられるようなこと、
すでに
おとななん、だ
だ。ふと、秋子。その眼の前の明白な逡巡と悲痛を憐れんだ。自己憐憫?と。だから今日は、ぼくがぼくを憐れむはずの日?と、その、
赤裸々だ
聞こえる?
日曜日の
すべては
かすかに。ささやきは
高明。「まえ、
すでに
うわずりかけ、て
さ。外国。南の、そこで…南の島。とっても、海が綺麗な、…行ったこと、ないけど。そこ、で。だからようするに」
「フィリピンでしょ?」なんで、と。秋子。顔色をうしない、なんで知っ…って、「雅行さん、だっけ?広島の。あの人が言ってなかった?」…雅秀。嘆息。秋子。そして
莫迦よ
と、耳は
うわ、…え?
舌打ち。「あんなひと、
莫迦だよ
きみの。あたたかな
うわずる、その
嘘ばっかだから。存在が
無能よ
呼吸音、を
うわ、…え?
もう、嘘。ぜんぶ、
無能だよ
だけ、を?
かわいくない?その
全身いかがわ
卑劣よ
と、耳は
うわ、…え?
わ。しいから、」高明は
卑劣だよ
きみの。あどけない
声は。やや
笑った。「人を助けるために、だから、そこの、現地の、そういう恵まれない?ひとたち?の、お手伝い、」
「ボランティア」…で、と。秋子。彼女はいちど目を逸らし、そしてすぐさまことさらに高明を「ちょっとした、」見つめなおす。「だからちょっとした事故が。じ。…行き違い。い。わかる?こう、」…ね?「思い違い。お。こういうつもりだったんだけど、むこうはああいうつもりで、みないな?そういう、」…ね?「こころの、…で、」
「フィリピン人なんでしょ?だから、それ」
微妙に。…ほら
勇気、を
「だ、と。そう思うよ。たぶん、基本」
「じゃ、だれ?わかんないってこと?」
ひそめて。声を
出して。そして
「分かってる。基本的には、」
「むずかしい。ママが、いま、言ってる事」
かさね、ぼくらは
ほほ笑んでごら
「から、だからまだすこし、すこしだけ難し」…やめよう?ささやいた。次第に昂揚してゆく秋子を眼の前でもてあまし、高明は。見事なまでに冷淡な、そのやさしい声で。「ほんとのことだけ、教えてほしい」
「…そ。」と、ややあって、それなりに消費された沈黙のあと、秋子。ようやく秋子は、秋子。…そ。それだけ「そう、」ささやいた。そして、…そ。と、オッケー、微笑。「わかった。ママ、もう、ほんと、単純なほんとのことしか、ほんと、」言葉を「言わない。」ひとつひとつ選びつづけながら聞かせたその出生の経緯、…もっとも、それは秋子も姉から聞き知ったことにすぎず、さらには朋子も多くを推測たよったすぎなかったものの、複数名。に、よると思われる
熱風は、猶も
叫びを!
き。けっして、きみが
暴行。に、よると思われる
吹いてた?熱帯の
悲鳴を!
そ。発せなかった、そ
受胎、と。それは高明にも難なく理解できた。主部は、と言ってそれはほんの十数秒に簡略されたものにすぎなかったが、高明にはむしろみずからの固有の秘密というにはあまりに陳腐にも想えた。ありがちな、日常の秋子の暇つぶしのメロ・ドラマじみて聞こえ、十分近くの話。その後半はことごとく饒舌な秋子の、…酔ってる?如何に高明が生まれてから…じぶんに、じぶんたちが高明を如何に切実に…酔ってる?愛したか、
空疎だ。いま
まるでだれかの
に、
風景さえ
絵空事じみて
浪費された。高明は待った。ただ秋子が話しつかれるのを。ぜんぶ、言いたいだけ言って仕舞わなければ秋子が、ついには納得しないだろうというなまぬるい不憫が、すでに焦れ切っていた高明をかろうじて我慢させていた。頃合い。もう、くりかえしのみ多くなった言葉も、秋子。彼女の舌に乾きはじめた気がした。だから、高明は、…ありがと、と。つぶや…え?「ぼくを育ててくれて。秋子ママも、高子さんも、そんなふうに、
あげる。ほら
いい?これで
さ。…大変だった、
から、聞いて。ただ
この、こ
よね?ぼく、
ことばを。やさしい
声。この
これから、もうすこし
ことば。あなたが
こんなふう、で
大人になったら、ね?
聞きたいはずの
いい?これで
いっぱい、ね?
あげる。ほら
この、こ
秋子ママと、だから高子さん、
から、聞いて。もう
表情。この
も。もう、いっぱい、いっぱ、
ことばを。なんども
こんなふう、で
しあわせにしてあげる、いっ」…ね?「え?」
「ね?」…え?と。秋子。舌の付け根の奧で、…え?そのみじかい一音をなんどかつぶやきかけ、そして、まばたき。やがて、
見えている、のは
吐いて
ずっ
ふたたび
なに?これ
ゆっくり
一緒だよ。これからも
まばたき、
は、なに?見え
あたたかな
ずっ
…渇き。なぜ?
て、見
息を
遠く、どんなに遠くに離
網膜が。やがて、
見えている、のは
吐いて
ずっ
じゅうぶんに笑んで、笑みに自信がついたようやくに膝立ちの無理やり。秋子は高明を胸に抱きしめた。謂く
匂う、気が
わかった。なんか
まったくなんの実態。も、
いいかげんにしてほしい
気がした。匂い
そっか。これ?
実感。も、ない。それら
愛してる、ふり。を、
匂う、気が
これだったんだ
臭気も。…明確に
わたしを。…ばれてるよ
息を。つめ、その
わたしは見てい、い、
これ?これだ
見たこともない
だ、だ、これだっ
南の荒れ野を
たん、これだ
曠野を。南に
匂う、気が
わかった。なんか
まったくなんの実体。も、
ふりまわし混乱させつづけたわけ、だ
気がした。匂い
だから、彼女は
実在。し、もしない。それら
嘘。ごまかし。知らないフリ
匂う、気が
狂ってるん
臭気も。…確実に
わたしを。…ばれちゃったよ
息を。つめ、その
匂う、気が
気が、あなたの息の
匂う、気が
気が、臭気さえ、かす
沈むのだ。夕日、ひ、
これ?これだ
みなも。綺羅めき
だ、だ、これだっ
濃くなる色彩を
たん、これだ
見ていた。脳裏に
ちがう。それらは
ち、ち?ち、…は
ちがう。それらは
ち、ち?ち、…は?
網膜のおくに
これ?これだ
たしかに、わたしに
だ、だ、これだっ
見えた。それこを
たん、これだ
風景。あなたの
ちがう。それらは
有罪だ。もう
これ?これだ
しあわせになろう、よ
ぼくのじゃない。な、
情状酌量、の
だ、だ、これだっ
いいんだ。もう
ちがう。それらは
余地ない穢れもの、たち。が、
たん、これだ
無垢なのだった
ぼくのじゃない。な、
ちがう。それらは
ち、ち?ち、…は
ちがう。それらは
ち、ち?ち、…は?
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