ユキマヒチル、燦濫 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi // ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、/ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、//散文と詩;28





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





高子。そこに、6月。2006年。朝、顔を洗いに向かった洗面台。鏡の右肩うしろに滲んだ高明の恥ずかしい翳りを見た。思う。ふと、どこ?

   屈辱など

      消えたよ!

         ふる。指は

そこは。…と、

   感じているべき

      地表すべてに

         ふるえ、か、

鏡のそこに?どこ?

   隙さえも、

      苦しみは

         ふる。指は

背後のここに?どこ?…に、きみは、と。ゆがむ。にじむ。色彩のない破廉恥。すべて、莫迦馬鹿しいいほどただ恥ずかしい。謂く、

   致命的、と

   なぜだろう?

   知るのだ。この

   眼差しが、ここ


   致命傷、を

   渇いてい、…ん、

   乾ききってい、…ん、

   血など。もう


   ん、ん。…ん

   んん、ん

   ん。んん

   ん、ん。…あっ


   致命的、と

      恥ずかしい。だから

    むせかえ、え、え、

     見せてあげたい。ほら

   なぜだろう?

      露出するのね?

    えるよう、な。しかも

     見て。あなたは

   知るのだ。この

      さらされるのね?

    に。たんに、きはくな

     どうしようもない

   眼差しが、ここ


   ん、ん。…ん

   んん、ん

   ん。んん

   ん、ん。…あっ


   致命傷、を

      くやしいくらい。だから

    のたうちまわ、わ、

     教えてあげたい。ほら

   渇いてい、…ん、

      剥きだすのね?

    る。かの、の、な。この

     知って。あなたは

   乾ききってい、…ん、

      あばきたてるのね?

    だ。ただ、あいまいな

     存在に耐えない

   血など。もう


   ん、ん。…ん

   んん、ん

   ん。んん

   ん、ん。…あっ

「どうですか?」

「って、」

   ぶちこみましょうか?

      テーブル。を

「どう?」

「なに?」

   奧まで。一気に

      爪。で

「だから、」と、

「さ。」

   ぶちこみましょうか?

      なぶ。る

「なに?」…麻布台?と。正則は思い附いて、そうつぶやきかけた。単純に高明の好みで入った洋食屋。スパゲッティを半分程度食べるのに正則は、嫌味以上の時間をかけてゆく。いちども正則と一緒に食事したことのなかった高明には、それ。彼の日常。もはや、じぶんのチョイスへの非難としか思えない。だったら、と。食いたいものくらい最初に云えばいい。嘲笑。高明。笑みのない

   嘘だ!おれが

      ぶちこみ、ま

         あざやかな

それ。麻布台に

   嘘だ!きみが

      奧まで。一気に

         倦怠をさえも

興味などない。ただ、口をついて出ただけの問いかけだった。麻布台の話しをしたければ、…彼が。「元気か?」それはそれで、「お前」いい。正則は、もう数度目のおなじ問いかけに高明を見、そしてふところ。取り出した保湿ティッシュで「って、」口を「元気ってほどでも、」拭いた。「ない。けど、ま。基本的には元気じゃないですか?」

「だいじょうぶ?高子、」

「高子ママ?知らない」

「だいじょうぶだよ」と、

   見つめないでよ

      舌先に

そして正則は

   バレるよ?あなたの

      すすりあげている

一方的にやさしい

   無能と愚鈍が

      さびしい甘味

眼を「広島の、…だから、」した。「廿日市の病院から、…あれ、もう宮島だろ?」

「宮島?」

「…だよ。お前、なに?」高明は、正則。彼がようやく高明にかかわる不審に思いあたったことを

   たれそう?

      錆。が

         なに?

知った。

   涎れと、および透明な

      歯茎に

         してる?きみは

おそすぎた。高明は

   体液が

      ひろがるか、に

         なに?

もう、それはそれでなにも言わないおとなの態度を気取っているものだとさえ、思い込んでいたから。理解のある、あるいはただ冷淡なだけの「いまは、」おとな。「親戚。の、うちに、います。…いま、で、いま、だから独立、みたいな?…男の子なんで。一応。ぼく」

   過去だ。もう

      笑えない?フォークの

「連絡は?両親、…お母さんに」

   きみには、おれが

      ぶっ刺す麺って

「しない、けど。だから」笑った。高明は「男の子なんで」…産後、は、さ。聞いた。高明は、その「あいつ、高子。産後、」正則の「結構、それなりに」ささやき。「苦しんでた。…でしょ?体調だけじゃなく、けど、」

「生んだの?」ふと、高明。墜ち入った。彼は、体温の褪せた裏切られの感覚に。正則。その発話には、やや以上にも遅れて。明確に、と。そう謂うわけではなく、なぜか「って、お前、」流れるか、「それも?」流されるかしたものだと「まだ?」思っていた。と、謂うこころの事実にも「いつから?お前の」気づいた。と、「独立って、」…分かってないよね?と、おれの年齢。同時にその、…あなたって。気づきにも「いつから?」失笑を。「男の子だった?女の子だった?」無理やり邪気もない快活な笑い顏に変え、高明はあかるい声をことさらにたてた。正則は一瞬、なにを謂われたかわからなに顔をし、…と、と。「いう、って、そう謂う、問題でも、ん。なくて、…」細めた「ん、」眼。その「ただ、いまは」正則。その「…いや。安定してるんだよ。どっちにしても」不用意な鬱。「母子ともに」

「生きてんだよね?」ささやく高明の明朗を正則は見つめるしかない。ふかい、ふかい、ふかい、やや浅の鬱の稀薄をだけ、まなざしにあばいて。謂く、

   鬱。その

   唐突な鬱さえ

   恥ずかしい。なぜ?

   きみだけが。この


   吸い込む大気を

   稀薄に思わせ

   ひとり、失語を

   自慰にも似せて


   恥ずい、から

   ら。マジ。いっ

   恥ずい、から

   ら。カス。うっ


   鬱。その

      もしもわたしが

    なれない、かな

     なに?いま

   唐突な鬱さえ

      きみだったら、もう

    ように。よ、あなたの

     歯が。歯が。そこ

   恥ずかしい。なぜ?

      自殺してる、ぜ

    そんなふうには

     ことば。咬んだもの

   きみだけが。この


   恥ずい、から

   ら。マジ。いっ

   恥ずい、から

   ら。カ。この


   吸い込む大気を

      もしもわたしが

    なりたくない、な

     なぜ?いま

   稀薄に思わせ

      きみになったら、もう

    ように。よ、あなたの

     歯に。歯に。そこ

   ひとり、失語を

      笑えもしない、ぜ

    そんなふうには

     ことば。咬みつぶしかけ、

   自慰にも似せて











Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

0コメント

  • 1000 / 1000