ユキマヒチル、燦濫 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi // ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、/ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、//散文と詩;22





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





雨の中、高子は急ぎ足に帰って来て、その

   くずれ、る

      日射しが

         見るがいい

沙羅樹院から。午前

   くずれ、た

      と、ふと

         微笑を。この

10時。宮島。玄関の引き戸をあけようとした瞬間、そこにも高明の翳る恥ずかしいゆがみの醜態を見た。笑み、

   くずれ、る

      と、ふと

         声を立てて

ほほ笑み、そして、

   くずれ、た

      目じりに

         笑うべきだった。わたしたちは

笑んだ高子は頬のうすい笑みを色彩のない翳りにささげた。まだ、いつでも高明がそばにいることは、いまだ誰にも告白していない。言えば彼が、消えてしまう気がして。謂く、

   くずれた。きみは

   とろけるように

   撥ねるように

   朝の大気は


   すがすがしい。…と、

   やわらかな土を

   ふんでいながらも

   ささやきかけて


   くずれた。きみは

    翳りは。翳り

   とろけるように

    え?不在の。まなざしに

   撥ねるように

    翳りが。翳り

   朝の大気は


   すがすがしい。…と、

      知ってる?わたしが

    声は。声

     そのとき。ゆびさきが

   やわらかな土を

      きのうの夜。ふと

    え?不在の。喉に

     リビングの、ドア。その

   ふんでいながらも

      思い出した。あなたを

    声が。声

     把手にふれかけ

   ささやきかけて


   くずれた。きみは

   とろけるように

   撥ねるように

   朝の大気は

朝、詩織。呼び出された。高明に、その

   かすかに、わたしは

      好き?猶も

         さらさら、と

9時すぎ。表参道の

   くすりゆびを立てる

      わたしが

         髪を。ふと

歩道橋。真ん中、立ち止まり、肱をつき、下のほうに目線を投げた彼に声をかける前に

   街路樹に

      鳥よ。その

         さらさら、と

笑んだ。今日は

   投げよ。ひかりを

      飛びあぐねた、

         髪を。ふと

どうしようもなく高明がやさしくしてくれそうな、と。そんな予感があった。…なぜ?謂く、

   裏切る、…でしょ?

   きみは。たしかに

   せつないわたしの

   願いをも、…ね?


   はぐらかす、でしょ?

    ない。なぜだ?ただ

   きみは。たしかに

    満ち足りたこと、が

   せつないわたしの

    あなた。に、一秒さえも

   期待をも、…ね?


   だいなしに、でしょ?

      風が、さ。さ。…ほら

    ない。なぜだ?なにも

     散逸している。ここでも

   きみは。たしかに

      吹きあげる、が、いい

    感じ取れたこと、が

     都市は。すでにあいまいな

   せつないわたしの

      つま先のほう、から

    あなた。に、居心地の良ささえも

     臭気を散らして

   一瞬をも、…ね?

ね、と。高明。12歳と

   秘密だ。それは

      え?

         なまぬるい

3ヶ月。

   ぼくたちの

      え?

         冷気。人工の

夏。「してみせてよ」ささやく。高子に、…いつも、と。「してるじゃん?おれ、見ててあげるよ」高明。午前10時。あくまでも、たぶんふれあいそうな近さの自分たち以外には聞こえない、声。ひそやかな

   声を。いっぱい

      存在。渇きの

微音。じぶんの

   立てて仕舞え

      痒みにも似て

ためだけに入れてく、それ。フレッシュのグレープフルーツジュースを入れてく、…秋子。流行り。それは、高子とふたりのドメスティックな流行り。砂糖抜き。入れてくれた高子は、リビング。ソファに身を投げたかたわらの高明を、と、

   え?きみは

      見えていますか?

         ん。やさ

見、と、見て

   わたしを見てた?

      そこに。なにが

         やさしいのだった。陽光。窓越しに

見えず、見直しようやく高明をその双渺は捉え…え?た。と、え?微笑。高明。彼は快活に。邪気もなく返り見られた。数メートルの背後。頸。から、胸元にねじられた感覚。ダイニング。やや離れたそこには秋子がテーブルを拭き上げた。謂く、

   知っている。ぼくは

   たやすいのだ。いま

   あるから。この

   手のひらのうえに


   すべてが。ぼくらの

   あやういすべてが

   でしょ?ぼくは

   いい?たわむれてみても


   もてあそんでも

    だいじょうぶ、だ

   もてあましても

    わたしたちは。まだ

   みんな、こんなにも

    すこやかなまま、だ

   かよわいのだ、から


   知っている。ぼくは

      なぜだろう?なぜ

    すみやかな目を

     黙ってるの?きみは

   たやすいのだ。いま

      わたしたちはこうして

    流し目を、…ね?

     ささやくべきなにをも

   あるから。この

      生きてるの?ともに

    なに見えてる?

     見出せな、な、

   手のひらのうえに


   すべてが。ぼくらの

      ほら、ね。大気に

    すばしっこい、その

     ささやけばいいのだ

   あやういすべてが

      塵。綺羅めきながら

    動揺を、眼が…ね?

     黙ってろ、と。きみが

   でしょ?ぼくは

      離散してゆく

    なに、見えてる?

     性急な、な、

   いい?たわむれてみても

12月。だから14歳の高明に、その

   来て。ここに

      あたたかいのだ

電話。樹々が…逢えない?

   来て。ここは

      いれば。きみさえ

つぶやいた。「どこ?いま。いくよ?どこでも」

「楠は?」

「関係なくない?」

「ジュージュ連れっても」と、「いい感じ?」ふと、おもわず口をついたじぶんの悪意に、高明はむしろひとり怯えた。と、巨大な昏い悪辣が目に見えた気が「いいよ」して。樹々。「ジュージュがそんなに拘束してんなら、それはそれでいい」

   沈痛。…な

      いいかな?

         午前の風は

「ひっぱたかれるよ」

   な。声で

      おもわず、わら

         すてきでしたか?

「関係なくない?」

   沈鬱。…な

      笑ってしまって

         あなたにだけは

「キャット・ファイト?」

「そういうの、好きなんだ」…地獄の底でも?と。やがて、

   来て。ここに

      あたた、た、

ふたたび「どこ?」

   来て。ここは

      いれば。きみさえ

つぶやきかけた樹々の息の性急にかぶせて、ふと。高明はそうつぶやいていた。謂く、

   よこしまを。きみは

   じぶんの、よこしまな

   よこしまに。そまり

   いまだにきみは


   気づかない。…まま

   よこしまに、ぼくの

   眼の前で。きみは

   見せつけただろう?この


   よこしまを。きみは

    誠実なのだった

   じぶんの、よこしまな

    きみの風景に

   よこしまに。そまり

    きみ自身こそが。あくまでも

   いまだにきみは


   気づかない。…まま

    加速し、その

   よこしまに、ぼくの

    うわすべりのきみのあやうい表面で

   眼の前で。きみは

    風景のすべてが。あくまでも

   見せつけただろう?この


   よこしまを。きみは

      矛盾と錯誤と

    誠実なのだった

     信じないで。決して

   じぶんの、よこしまな

      いい匂いした、ね?

    きみの風景に

     おれを。値しないから

   よこしまに。そまり

      ん?いまさっき、なんか

    きみ自身こそが。あくまでも

     きみが信じる、に、は、

   いまだにきみは


   気づかない。…まま

      懊悩と決然と

    発熱し、その

     立てないで。聞き耳を。

   よこしまに、ぼくの

      笑えたね?じょうずに、

    やや鬱にきみのナイーブな表面で

     値しない。きみは

   眼の前で。きみは

      ん?きょうは、なんか

    風景のすべてが。あくまでも

     おれが笑んでやる、に、は、

   見せつけただろう?この










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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