ユキマヒチル、燦濫 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi // ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、/ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、//散文と詩;21





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





宇夢。12月。ふと、

   ノイズ

      いたいっ!

         爪。…が、

曇り空に、バルコニーに出て鉢植えの葉牡丹。その

   あ、…と。ただ

      の。の、の?

匂いを

   隙も。返り見る

      ノイズ

嗅いだ。

   なく。なにもな

      の。の、の?

酸い。謂く、

   唐突な、だから

   印象?…に。すぎない?

   生まれてこなければ

   と。つぶやき、こころに


   やわらかな衝撃が

   にじんでゆくのを

   どうすれば?ここ

   寒いよ。午前は


   唐突な、だから

    嘘だろう?それは

   印象?…に。すぎない?

    猶も。わたしは

   生まれてこなければ

    しあわせだった。あきれるくらいに

   と。つぶやき、こころに


   やわらかな衝撃が

      きみに、ふと

    嘘だろう?それは

     傷みを、さえ。も

   にじんでゆくのを

      わたし。ね?恋してから、ね?

    猶も。しかも猶も

     あまやかさに。そっ

   どうすれば?ここ

      そう。なやんでばかりい、い、

    すてばちなくらいにみちたりていた

     だっ。変えちゃうん、だっ。きみは

   寒いよ。午前は

夭子。3月。まだ、その月は

   舐めていい?

      恥ずい?

         あいまいな

まだ13歳の

   あま皮

      恥ずい?

         嘲笑

高明。右手の甲を施術してやりながら、ふと、これみよがしに膝間付いて、ゆび。くすりゆびの爪にだけ、そっと、

   やわらかに

      雨だよ

キスしてやった。うわめに

   やわ、わ、

      あしたは

高明の一瞬の動揺と、そしてほぼ同時にくずれていった笑みを見る。つきさしてやりたい。針を。たとえばそのひたいにも。そして深刻な

   やわわ、な

      洪水です

         舐め、

歎きのある吐息を、

   やわら、しい

      だから

         え?あま皮を

耳は

   やわかし、い

      海が。すべての

         舐め、

聞きたい。謂く、

   そう。そう。そ、きみの

   ゆびさきはやや

   錆びた味。皮膚が

   うるおっているまま


   そう。そう。そ、きみの

    生きてる?あなたも

   ゆびさきはやや

    無数の細胞を

   錆びた味。皮膚が

    どよめかせながら

   うるおっているまま


   そう。そう。そ、きみの

      やめてよ。その

    傷むだろうか?いま

     わたしはすこしも

   ゆびさき。やや

      不安を、ふと

    ゆびを。その、…ふと

     病んでんじゃないから、さ

   錆びた味。皮膚が

      かくしたような、目

    あま咬みしたら

     すこやかだった。視野は

   うるおっているまま

夢。と、だから夢と知る

   すこやかに、花

      笑って

夢。見た。香月は、

   花は蜂たちを

      やさしく

2007年。もう、その

   蜂の羽搏きは

      笑って

12月に、…何日?病室。体調不良がやまない。病室、夢。と、だから夢と知る

   擬態せよ。雨を

      やさしく

夢。見た。香月は、だから

   すこやかに、花

      したた、た。…え?

車椅子を押しているのがだれかは、もう

   花は蜂たちを

      え?したた

知っている。あえて

   え?…これは

      花ですか?

返り見るまでも

   雨がふる

      花たちの

ない。まして背をうかし、そして頸をあげるまでも

   わたしにだけ

      雨ですか?

ない。ましてましてややや前かがみになってよじった上体に顎をつきだし、…とか?必要

   雨はふ

      え?…これは

ない。なにも。知っているから。なにも、と、そしてあやうくその身を前におりそうになって、自分の損傷した不自由の不可能性に思い当って笑う。どこで?その、笑いの発作的な笑いは香月にはあくまで反映されないまま、だれが?なら、笑ったのは、

   しょせんは、やがて

      え?これが

だれ?

   つぶれっちまうさ

      雨ですか?蜜いろに

香月。高明に

   自重に、さ

      これが。え?

ちがいない。それは。車椅子を押しているのは。想えば高明に執着しつづけているとは言えない。もうじぶんは。と、香月。そう認識している。結局のところ、比喩として、あのときに時計が止まってしまったとして、その針のうえに恋があったなら、比喩ではなくしょせんは動く針の上で、何回転したところで恋と言えばただ、その恋以外になにがあり得るのか。それだけ。だからそれだけがそこに孤独に取り残され、ない。すべは、すべさえ、それ以外のすべなどすでに

   雨さえも、…と

      すすりあげようと

ない。だから単なる

   わたしにだけ

      だれだ!

必然、と、

   雨さえも、…が

      たくらみ失笑したの、は

夢。と、だから夢と知る

   すこやかに、花

      したたりそうだった

夢。見た。香月は、

   花は蜂たちを

      え?したた、

あまりに地表はなめらかだったに違いない。だから、真っ平な氷面を滑走するかに視野はわずかなゆれもぶれもない。その容赦ない明瞭が不安をさえ香月に嗅がせて

   すこやかに、花

      蜜が。もう

夢。と、だから夢と知る

   花は蜂たちを

      自重に、その

夢。嗅いだ。香月は、その唐突な匂い。なにか、泣きながら糖分過剰なカフェイン入りの果肉を口蓋いっぱいに突っ込まれた、と。そんないやらしい苦悩のある匂い。高明、ではなくそれは藤。いま、頭上にいっぱいに垂れ落ちた、果ても見えない無際限な藤棚の、むらさきづいた花々の芳香、と、…まさか。疑う。…ほんと?と、笑う。その、笑ったじぶんは夢の彼女には反映されない。もう、彼女はひとり狂気していたから。むごたらしかった。じぶんの、その、留保なき破綻は。敗残。夢。と、だから夢と知る

   すこやかに、花

      まみれるがいい

夢。見た。香月は、

   花は蜂たちを

      おぼれるがいい

花。いつか気づき、そして最初から咲き誇っていたむらさきの花を、嗅いだ。そして花々の香りをも、と、狂気した、香月を視界ごとだれかが腕に抱き上げた。知っている。それは高明だったに違いない。重い?と、だから重い?重いよ。…もう、こんなにもおぞましくやつれていてさえ、

   すこやかに、花

      ね?自重に

夢。と、だから夢と知る

   花は蜂たちを

      たえられず、蜜

夢。思った。香月は、いま、視野の外のじぶんはすさまじい劣化を肉体にさらしていたに違いない。容赦なく。かつ、見るも無慚に、夢。と、だから夢と知る

   すこやかに、花

      蜂たち。それらの

夢。見た。香月は、

   花は蜂たちを

      悲鳴は?

時に下から湧き上がるかに舞い散り吹き上がる金色の飛沫は、あれは、あれらは、これは、これらは、たしかに香月が吐き捨てた唾液の撥ねた飛沫だったろう、と夢。と、だから夢と知る

   すこやかに、花

      埋まってゆくよ

夢。見た。香月は、

   花は蜂たちを

      埋葬?

見ないのだった。高明。その腕に抱いているはずの彼を。かたくなに、だから視線をあわせさえずば目線さえまじわるはずながらそこ。あくまで昏い翳りと処理し花。花。あくまでむらさきの花を。花。花を、そして知った。すでに腕はわたしを残して立ち去ってしまった、と、

   すこやかに、花

      悲鳴は?

夢。と、だから夢と知る

   花は蜂たちを

      最後の

夢。見た。香月は、その、もはやだれも残らなかった、または今後立ち寄るはずもないそこで、ひとり仰向けのまなざしにひたすら藤を見ていた。むらさきづいた、その、それら厖大なむらさきの…色彩。花。上にまっすぐに見た花は、切れ目に点々のみどりに散った紫の点描の氾濫にすぎない。これは、と。思った。香月は夢に、これはわたしの埋葬だった?と、…生きている。まだ、わたしは

   すこやかに、花

      たえられはしないから。その

夢。と、だから夢と知る

   花は蜂たちを

      自重にさえ

夢。つぶやく。香月は、

   咥えこんだまま

      と、…だから

生きている。まだ、たしかにどうしようもなく、わたしはしかも生きている、と。90歳まで生き延びる気がした。たとえそれまでに、人類すべてが滅び去っても。謂く、

   根拠のない、…で

   たぶん不当な

   懊悩、が。それが

   ふる。ふりそそいで


   厖大だった。もう

   耐えられないほど

   まぶたを、わたしは

   もてあましていた


   根拠のない、…で

      いつから?わたしは

    生きろ、と。だから

     ひくつ、では、ない

   たぶん不当な

      稀薄な、途方もない

    永遠に、とか?

     諦め、では、ない

   懊悩、が。それが

      退屈のなかにいた

    いいよ。そう云うなら

     わたしはしずかに恢復している

   ふる。ふりそそいで


   厖大だった。もう

      いつまで?だれもが

    生きろ、と。生き

     ひたん、では、ない

   耐えられないほど

      押しつけがましく

    感じとりつづけろ、と

     あなたに、あいたい

   まぶたを、わたしは

      善意をさらした

    いいよ。それなら

     わたしは改善されている。猶も

   もてあましていた










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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