ユキマヒチル、燦濫 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi // ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、/ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、//散文と詩;13





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





10歳。その高明は

   だいじょぶ?

      莫迦。もう…

7月。秋子。ふと、

   ほんと?

      心配しな、

背筋を傷めた彼女がやや右にかたむきながら町に買い物に出かけた午前9時、そっと

   日射しが、ね

見守った。いつも

   ななめに。あなたの

半開きのドア。無防備な

   背後にも、撥ね

高子。そこで、高子はふれる。じぶんに、ベッド。その上。仰向け。レースのカーテン。遮光のそれだけがひらかれていたあわい翳りと綺羅。それら。高子の着衣に、肌にまでもゆらぐ。頸は右に、窓の向こう。…なにを?執拗に眼は、だから見つめたままに。意味。その行為の、

   なにを?あなたは

      せつない?

それは、高明。

   そこに見えていない

      かなしい?

知らないうちにも

   なにを?だから

      たえられない?

もう、

   網膜に。その

      きもちいい?

理解している。頸から下は、その指先も腿も、唐突にたしかに餓えている。まなざしを飢渇から取り残して。双渺。ひたすら冴え、醒め、醒めきり冴えすぎた虹彩に、

   なにを?あなたは

      くち。が、ただ

         び、ややこころもとない

思い描く。なにを?失笑。

   そこに見えはしない

      茫然と?むしろ

         微震

声のない、その高明は。最初

   なにを?だから

      ひらかれたまま

         び、はがゆいだけの

見たときはそれは、

   網膜に。その

      くち。だけ、が

         微動

怖かった。やがて、数分後にはただ不快だった。二度目、困惑。三度目、憐憫。やがて唐突にあざけりを感じ、と、…だから。高明。だれ?だれのせい?数度目、もはや見馴れて高明は全能感を、…だれ?忘れられた記憶を…なぜ?思い出したような感覚のうちに、…だれ?感じはじめ、…ぼく?いい、と。もて遊べば、と、いい。高子。彼女に高明は妄想の自由を赦した。じぶんに対する、それ。許容する。見放すにひとしい

   選ばれた

      ない。なにも

         うつくしい、と

気配に、

   わたしは

      恍惚も。また

         つぶやいてごらん?

一生は、

   すでに

      陶酔も。また

         背後。わたしの

と。あなたの。

   選ばれていた

      不安だ。ただ、

         うなじのあたり

その一生の意味はこれからたぶんぼくに焦がれる徒労以外にはあり得ないのだから。高子の喉が、ふと、ふるえた。謂く、

   やさしさが、ふる

   ふるえ、ふりそそぎ

   わたしにも。ふる

   ここにも。こころに


   やさしさが、ふ

    愛。…を。まるで

   ふるえ、ふりそそぎ

    現在進行形の、それ

   わたしにも

    まるで追憶であったかに

   ここに。こころに


   やさしさが、ふ

      あなたにも、いま

    まるで懐古であったかに

     きみを。夢。夢に

   ふるえ、そそぎ

      いまも、ひかりは

    はぐくむのだ。いまも、それ

     見えた。きょうは、だから

   にも。…わたし、に、

      陽光は、きっと

    愛。…を。まるで

     泣きそうに、なった

   も。ここにも。どこにも

「花言葉って、…」と。

「花言葉?」その女。北崎香耶は

   あなたのせいだ

      孤独な

まばたく。と、

   その、あまりにも

      懐古、と、

…ちがう。

   ひ弱なまなざしが

      でも?きみに

高明。そこ。花屋の

   ささげて、…祈りを。しかも

レジ前。おもわずひとり

   充分、もう

      ささげるのなら

笑った。ユイ‐シュエンのために入った

   諦めきったていたかに

      花言葉。それを

六本木。交差点ちかくの店。入店の当初、入ってきたタトゥーだらけの少年を見て、香耶は思わず

   なにも、感じな

      なぜ?

         まどっていた

うつむいた。そうするより他に

   危険など。あなたに

      なぜ?

         わたしだけが

すべがなかった。店内には

   なにも。にもかかわらず

      なぜ?

         ひとりで

一応の監視カメラはあって、そして客はひとりもいない。スタッフのふたりは配達に出て行ってしまった。まよいなく眼の前に近づいた少年はレジ前、立ち止まると全身からその芳香を匂わせた。なにか、泣きながら糖分過剰なカフェイン入りの果肉を口蓋いっぱいに突っ込まれた、と。そんな、いやらしい苦悩のある匂い。あわてて顔をあげると、

   え?

      なる。…石に。と、

         あなたですか?

ただ、

   わたしですか?

      ふるえはじめる

         え?

どうしようもない気にさせたほほ笑みが香耶だけを見ていたのだっ…じゃ、

   え?

た。と、「じゃ、

   花言葉は、きみの

なくて、

   なんですか?その

…なに?」失笑を、だから高明はひとりで。「誕生花…か。今日の、2日の誕生花って、なんですか?」

「今日、ですか?」ふと、うつむきかけた少年に、「…彼女さん?」ささやいたじぶんの

   微笑だ

      わたしです

考えられない不用意を、

   わたしは

      その花は

と、須臾のあと気づいて香耶は真っ赤になった。「2日ってなんですか?」

「ストック。今日は、…だから、それ。昨日は杏子。花言葉は、」

   あ。いま

「花言葉?」

   きみが匂っ

「聞いたよね?…いま」香耶。彼女は唐突に、まばたきさえも忘れた。じぶんが吐く言葉すべてがただ場違いな過失と以外には想えず、助けてほしい、と。だからまなざし。双渺に、それが目的もなくその、眼の前の極彩色の少年にすがっていたのに「じゃ、」香耶。彼女は「なんですか?」気づかない。「花言葉、」笑みを、高明。「教えてもらえますか?」ややうすく、バイトらしいその女に高明はくれた。「絆。」と、「…愛の、」

   いたましく

      どう?

         もっと。もっと

「傷?」

   すくいようがなく

      なれそう?好きに

         あかるい顔で

「な。きず、…だから」香耶。つぶやくように。「愛の絆、…とか?」21歳。「だから、やっぱ、彼女さんにだったらいんじゃない?…ですか?とか、それからゆたかな愛、とか。そういう、」

「それ、杏子が?ストッ」

    わたしには、…ね?

       花は、ただじぶんの

「ストック?」

「…が?」

    似合うでしょう。ね?

       ためだけに咲く。の、

「ストック」と。…じゃ、と、高明は、それで。ささやき、香耶。彼女がしろに、あわく紫が匂ったそれらを選んだ。恐怖のせい?と。想った。高明は。それとも猶も、またもや女は焦がれたにだろうか?まぢかなわたしに、間近に焔にちかづきすぎたかに、と。高明。不用意なかるい鬱に、花束に巻いてゆく女のことさらに俊敏な指先の、あやういふるえをぬすみ見ていた。謂く、

   似合う、の。だろう

   か?あなたに、は

   花は。あなたに、も

   似合うの?肌は


   匂う

    恥じて。せめて

   あなたに

    日射しを。かくれ

   花は、似合

    ひそめられて。きみは

   あなたにも


   匂わせた。色彩を

      きみが好きな

    見止められる。…か、も

     だれ?

   不穏なあなたの

      好きだったひとは、

    だれにも。だれをも

     ふれあいましたか?

   不穏なうつくしさが

      だれですか?

    見止めてしまう。…か、も

     ふれあっていますか?

   咬んだわたしを


   放置した

    ひそめられて。きみは

   あなたは

    まなざしを。かくされ

   匂う。眼の前で

    怖れて。せめて

   笑み。…を


   放置した、の。だろう

   か?眼の前。そで

   あなたは。わたしに、も

   唐突な笑み。…を、

詩織。12月。噎せ返った。その「くさっ」

   見ないで

      不在

         いやらしく、きみは

芳香。高明の「やばっ」

   わたしは

      昂揚の

         匂いたち、…と、

その、「吐きそう」

   汚物だったのだ

      不在

         なつかしく、きみは

体臭。「反吐出そう」と、もはや耳に狎れはじめていた彼女の罵倒の言葉の汚さが、いつか高明から

   だよ。…む、

      あまりにも、きみの

         無理してる?

表情を

   無理だ、よ

      すくなさ。誤謬の

         必死に、さ。それが

奪ってゆく。やめて、

   だ、よ、…む、

      あまりに、きみを

         傷い。やや

と。無言。そしてもはや高明はほんとうに傷つきはじめ、詩織。その言葉。または、

   なんだ?こ

      不在

まなざし、その

   これは、な

      感情の

気配をさえ、

   なんだ?こ

      不在

嫌悪。と、…そして

   これは、な

      感覚の

崇拝?にも、似た、

   なんだ?こ

      不在

なに?依存してしまいたいという欲望のきざし。と、それら。ふと、尿道にゆるむ感覚がにじむかに。謂く、

   見ないでほしい

   わたしを。その

   ほほ笑み。の

   あやうい下方。ほら


   傷ついてゆき、

   わたし。ひとりの

   笑み。その

   いとおしい下方。ほら


   見ないで。見な、

      体温が。目。ふと

    眉の、その

     なった。ふと、な

   わたしを。その

      きみの体温が

    痕跡じみた

     泣きそうに、な

   あやうい笑みの

      感じられた、と。そんな唐突

    過失じみた

     おもわずひとりで

   ななめ下方。ほら


   猶も。傷つき、

      体臭が。目。ふと

    眉さえ、その

     ふるえかけた。その

   わたし。ひとりの

      体臭が。きみの、

    消失じみた

     傷み。…が、ゆびさきに

   笑み。その

      嗅ぎ取られた、と。唐突な

    瑕疵じみた

     ひとりで。おもわず

   いとおしい下方。ほら











Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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