ユキマヒチル、燦濫 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi // ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、/ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、//散文と詩;06





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





嘘だ。…と、その月、

   奇蹟、と。思わず

      負けるな

午前。柴田香月は

   つぶやく暇もなく

      がんばれ

まばたく。夢?と。その病室。視野に、いきなりひとりあらわれた壬生高明に、香月。彼女は言葉をなくしてしまった。高明は

   健常。…とは?

      そんなにまでして

         とは?死。…

ひと眼、香月を

   なに?

      ぼくらは猶も

         なに?

歎く。14歳。その、

   生。…とは?

      生き延びるべきなのか?

         とは?破壊。…

11月の高明。謂く、

   なぜ?あなたは

   わたし。の、この

   焦燥のあるまなざし

   の、そこで。その


   微笑を?なぜ?

    あなたは、わたしの

   微笑を?いまさら

    与えた。焦燥を

   微笑を?なぜ?

    まなざしに、この

   微笑を?いま猶も


   なぜ?あなたは

   わたし。の、この

   焦燥のあるまなざし

   の、そこで。その


   きえさりそうな、…と

    微笑を?いまさら

   鮮明で。しかも

    微笑を?なぜ?

   やや傷ましげ。で、

    微笑を?猶も、いま

   あやういだけ。…の


   きえさりそうに

   鮮明な

   傷ましげに。やや

   あやういだけの


   なぜ?あなたは

    消えてよ。きみには

   わたし。の、この

    ないんでしょう?わたしを

   まなざしの焦燥。その

    抱きしめる、勇気

   ななめで、微笑を?


   きえさりそうに

      くやしがるがいい。きみが

    失せてよ。なにも

     感情のないそのまなざしにも

   鮮明な

      わたしを。きみこそが

    ないんでしょう?わたしを

     まだ。かわいい?まだ

   傷ましげに。やや

      壊した。…と、そう思っていてあげ

    奪い去る勇気は

     きみのこころのわたしは猶も

   あやういだけ、の

12歳の高明。…と、

   いきなり、さ。

      落ちる

気配がして

   大声で、さ。

      ひかりら

返り見た。…笹。

   笑いたく、さ。

      ひかりが

竹。浅い

   そんな鬱、さ。

      落ちる

竹林。だから庭。その6月の午後6時。楠の小坪の清潔な家で遊んで、帰ってくればそこ。眼の前、雪の下の和風住宅はあまりに陰惨な気がした。古くはない。かならずしも、その築年数は。表の通りへ出、周辺の家を見廻してもむしろ、まあたらしく気が効いて見える類だった。住み慣れすぎたから?と、ないしは、と。

   ゆれています

      と、唐突な

         どしゃぶりだろう

女たち。

   影たちが

      覚醒感。と、

         あさっては

ふたりの、家屋に住み憑くあの女たちの肌が、好き放題発散した湿り気のせいで?と。高明。彼は玄関前、その砂利を踏む。鳴らす。謂く、

   あざけるように、ほら

   いつくしみ、ほら

   いつくしみながら

   あざけり、きみたちは


   だからわたしは息をつめた

    知ってる。わたしは

   ときに。ふと

    襲われ、被害妄想に。そして

   息をつめた。わたしは、だから

    戯れた。妄想と

   ときに。ふと


   あざけるように、ほら

      病んでるん、だ。よ

    知ってる。ときに

     蒸発している。その

   いつくしみ、ほら

      すこやかさ、には

    不安に襲われ、猶も

     湿度。女たち。の、その湿気が

   いつくしみながら

      出逢わないまま、に

    恍惚としさえも

     揮発。き、揮発


   あざけり、きみたちは

   あざけるように、ほら

   いつくしむ。いつくしみながら

   あざけた。きみたちが


   だからわたしは息をつめた


   あざけるように、ほら

      愛に。ぼくへの

    知っている。あなたは

     目。どうしようもなく、目

   いつくしむ。いつくしみながら

      愛に。きみが見る

    あなたも。あなたは

     くちびる。それら、が

   きみたちはあざけり

      愛すべきぼくに

    素直なだけなのだ。ただ、

     なまぬるい息吹き、を

   わたしはだから息をつめ

まばたく。と、いきなり、それ。ゆるんだくちびる。微笑?の、

   くちびるに

      ゆがむ。やや

…失敗?だから、

   ゆるみ。を、

      あどけなく。ゆ

なぜ?詩織。板倉詩織。…シオリ。彼女は高明のまぶたちかくで、声。まばた。その

「見ないで」

「…って、」

   とと、と。おっと

      やめて

         しろいんだ。壁は

ささやきを、高明は

「ね、なんで、さ」

「じぶんじゃん?」

   あぶなく、おれ

      ささやかないで

         黒い、その

まるで、とおくの

「見るの?なんで、」

「さっきから、」

   かわいいじゃんって

      やめて

         テーブル。と、

あいまいな、微

「って、ぜんぜん、…ほら」

「逸らしてる。ずっと」

   とと、と。おっと

      ささや

         しろいんだ。壁は

微風がこすらせた葉と葉

「さ。その気も、さ」

「ね?なんで、」

   無意味に、おれ

      やめて

         古い、丸い

葉々の、ただたよりな

「ないんじゃん?ね、」

「おれを、さ」

   なまめかしいじゃんって

      ささやか

         クッション。アイボリー

ないノイズだったか。に、

「違う?まだ、」

「見つめる勇気、ないの?」

   とと、と。おっと

      やめて

         しろいんだ。壁は

と、微弱な

「嘘つくの?…それ」

「怖いの?」

   笑っちゃう。おれ

      ささやかな

         防音材を

微音。お。を、

「やめて。お願い。そういうの、わたしがいちばん傷つくよ」…莫迦?と。つぶやきかけた声を漏らしてやるほど高明には「わからない?」共感など、「…嘘」ない。詩織に、だからその「知ってるんだよね?高明は、もう」女。アーティスト、と。そう彼女は自称した。事実そうだった。職業画家。リチャード・ディーベンコーン Richard Diebenkornnのカタログの、具象のそれに近い大ぶりなタブローを

   微震だった

      点在

描いた。出逢ったとき、

   それは。網膜の

      ざわ

詩織は

   微震だった

      めき。ざわ

六本木交差点ちかくの地下のファーストフード店で時間をつぶしていた。だから、酔いつぶれかかった午前「…ね、」8時に。「知ってるよね?」詩織。その、もはや高明の注意がそれても猶、とめどもなかった独り語りにあらためて高明は気づき、

   そう。きみは

返り見る。その

   饒舌だから

部屋。詩織の、

   気絶する。そう

宮益坂うえ。青山通りちかくの

   ぼくだけが、

マンション「お願い。…」の、なか、「答えて。せめてなんか、」と、「云って」

「傷つくってことですか?…詩織さんが、」

「終わってる。…」ふと、

   ささやいている

      翳りが

一瞬の呆然のあと、

   ささやきあっ

      ななめに

われに返った詩織は「その話は、」吹いた。「もう終わってんじゃん。終わっ」

「なんの話し?」

「やばっ」失笑。そして「聞いてなかった?」ばげしい

   ささやいている

      壁にも

まばたき。数度。

   ささやきあっ

      ななめに

答えない高明を詩織はみずから「…って、」助けてしまう。「さ。知ってた。高明が、なにも、さ」

「怒った?」

   見よ!われら

      だ、よ。いまも

         隔離感

「聞いてないこ、…べつに。それ、基本いつもじゃん」

   恥知らずな

      傷むのだ。よ、

         ほどよい、その

「では、ない、かも」

   家畜を。見よ!

      だ、よ。いまさらの

         閉塞感

「やめて、」と。そして頬。高明の。それにやさしく両の手のひらを、かつ強引に添え、ことさらにじぶんを「でも、」見つめさせた「お願い。」あとで、「やめて。ね?」

   愛さ

      あ、あ、あ、

「なに?」

   恋さ

      あ、あ、あ、

「ほかの女のこと、」…さ、「考えるの」おもわず「…さ、」高明を鼻に笑わせた。「やめてね。」…さ、「それだけは」

「いま、おれが、

   知ってる。もう

さ。詩織さんだけ見つめてるふりして、

   見えるそれら

実は、さ。もっと

   すべてに、わたしは

もっともっともっといい女、

   知ってる。もう

ね?勝手に頭ん中でぐっちゃぐっちゃに犯しまくってたら、

   聞こえるそれら

さ。どうする?」

「吐く」

   体臭が。…わたしの

      な。泣きたい、

「やばっ」

「なに?」

   あまいでしょ?きみの

      な。はしゃぎたい、

「いま、むしゃぶりつかれた」

「そいつに?」

   やわらかな鼻に

      な。からかわれたい、

「大股開きの激やばゴージャス系」…死んで。ささやく。唐突に詩織は。もし、と、「ほんとにそうだったらいますぐ死んで。わたしも死ぬから。」指先。頬の。それはなまぬるい体温ごと、もう、高明に情熱の昂揚を隠さない。発情。

   く、く、

      いともたやすく

         いっ…なに?

自虐的な。しかも、

   ま、ま、

      こころは、すぐさま

         こっ…は?

…嗜虐的な?まぶたにむしろ

   ん。ん、

      こわれちゃうん、

         わこっ…え?

あわい朱を走らせながらも詩織は、目線。その、至近。かたくななまでに高明の耳たぶのやや上方を通りすぎさせつづける。見れば、じぶんが石にでも変えられてしまうと知っているかに。謂く、

   唐突に、降り

   降りはじ、降り

   立ち去ってしま

   と。立ち去っ、いわば


   降りはじめ、唐突に

    見つめるたび

   降りそそいでき

    きざした。全身に、この

   立ち去ってしまった、

    だから、躊躇が

   と。立ち去った、と。そんな


   唐突に降り

      見つめて。だから

    見つめるたび

     見つめてたいん。…だっ

   降りそそいでき

      やめないで。お願い

    きざした。全身に、も。この

     だ。だっ。もう、だっ

   立ち去ってしまう、と

      見つめることを

    だから、躊躇が

     逸らせないん。…だっ

   そんな、いわば


   失意。きみは

      知っている。あなたは

    見つめるたびに、だから

     滑稽に。わたし

   呼ばれざる失意

      愛しはしないのだ。決して

    ためらいがきざした。見つめることを

     わたしだけが、その

   求めざる失意

      わたしをは、しかし

    もう、逸らせないのに

     眼の前で、きみを

   それら、不意打ち











Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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