ユキマヒチル、燦濫 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi // ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、/ほ。舞い散る。…ほ/ほ、ほ、ほ、ほ、//散文と詩;01
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
身をまかせた。それ以外すべがなかった。四肢は力をうしなった。壬生高明。彼はその女、だからユイ‐シュエン。その、
きみは、す
え?
り、だ。終わ
したがるままに
すき?ぼくが
え?
ち、の。ぼくた
腕。と、
なぜ?もう
だ。聞こえて、る
それ。腕に、
感じられ、な
ん、だ。耳は
ゆびさき。と、
傷み、など
こだます。四方に
それ。ゆびさきに、
わたしは、すこし
ざわめきを
手のひら。と、
かたむけた。頸を
だ。聞こえて、え、
それ。手のひらに、
なぜ?なにも
え?…ね、耳は
胸。と、
感じられ、れ
敏感だった。猶も
それ。胸に、
恐怖、さえ
ノイズを、…やや鬱な
腹部。と、
すこしも、わたしは
だ。聞こえ、だ、…え?
それ。腹部に、
どこ?きみは
発熱が、耳に
脇。と、
なぜ?きみが
微熱が、耳に
それ。脇に、
見えな、な、な
微音の群れを
ふともも。と、
翳りさえ、その
だ。聞こえ、え、え、
それ。ふとももに、と、肉体。それら、すがり、もてあそびかつ、なぶる?破壊を?
とめどもない、…ね?
むしろ壊してしまおう
つかみとれなくて
と?ひとおもいに、その
つかみきれなくて
あたたかな、
とほうもない、…ね?
暴力的なまでに容赦なかった羽交い絞めの拘束。もう、ユイ‐シュエン。その四肢。力の加減を知ることができずに高明。血まみれの。いまも猶もいくつも抉った刺し傷から暗闇。室内。血、を。だから鮮血を
ひらかれた
なに?いま
感じたよ
流れださせているはずの
あなたは
あふれかえらせた
味、を。ね?
その
傷をひらき
臭気。べたつく
鉄。錆びた、その
高明。肉体。遅い。たとえいまさら如何に真摯になにをなにに祈ろうと救われることなどないことは、
終わりだ
夜が、まだ
知っている。
ぼくたちの
終わらない
ユイ‐シュエンは。明白だったから。それだけではなかった。すでに、溢れ、流出するのは、血だけでは。可能性。たとえば、…も。あるいは現在。も、それも。すべて、容赦なく喪失される洪水をユイ‐シュエンは抱きしめて必死だった。抗い、かつ
なにをしているの?
ぼくは、もう
体温。わたしの
抗うすべをは
わたしは
ふんだ。翳りを
わかる?この
見出さないまま。仰向けに、ベッド。うえに乗ってしがみつきながら、なにを?と。痙攣。あたためようと?間歇的な、なに?きみを、ふるえ。それとも、なにを?締めつけ、肉体。その微動。奪い、呼吸を、奪うかにきみに、と。せめてもの
殺してあげたい
ほら。まだ
すみやかな
苦しまないで
生きて。あなたは
やさしい窒息を、
忘れて。傷みを
もがいて。むしろ
最後の、きみへの
失神。あまやかな
黄泉返っ
気づかいとして?知らない。ユイ・シュエン。彼女はみずからの四肢の意志をさえ、そして
見て。ぼくは
知らない。
ひらいてる?
色彩。
目は。瞳孔は
出血。その、
見てる?ぼくは
厖大な失血は夜のぶあつい暗滅にうめつくされたまま、猶も。猶も。猶も。あたたかだ。ベッドは。色彩をは、肉体に、あかしはしない。月明り、
まなざしが
喉は、いまも
窓。3月3日の
翳った
ささやいてるかな?
…明けた、4日?わからない。時刻など。青み。そのひたすら深い褪せた闇の深刻に、目は、いまだ生きのびた肉体をほのめきとしてしか捉えない。見て、と。思う。ユイ‐シュエンは、見て。
きみは
ね、ね、滂沱、の
ほほ笑んでいるのだ
なぜ?
わたしを
涙を。あふれだす
め、に。きみのた
高明。その
きみは
ね、ね、滂沱、の
ほほ笑みかけたのだ
瞳孔が、さっきからとめどもなくひらきゆきつづけていると想えてしかたなかったから。飲み込まれてゆく、
なに?これは。いま
名を。ささやいて
が、波
と。腕が、溶ける。そして
見出しているもの
せめて、わたしの
波。が、波
彼の…溶ける。頸を
なぜ?これは。いま
名を。ささや
が。波だち、
締めるかにすがり、
知らない。その
わたしは、…本当に?
涙が?わたしに
頬に?波たちの
知らない
なに?これは。この
わたしは
わたしがいま
涙が?
と。…見出されたもの
頬に?
涙が。いま
波たちの。…波だつ
涙が。いま
波たちの。その
とめどないかにも
涙。あたかかな
とめどないだけの
温度が、さわ
とめどなく
褪せた。血が
なに?これは。この
見て。あなたは
あたかかな
体温が。冷え
いま。たしかにわたしが
失っても、猶も、…なにを?
涙が、さわぐ
倦んでいた。神経が
と。…見出しているもの
視力を。たとえ、あなたがその
温度が、そこ
知ら、ら、ら
わたしは
涙が?
頬に?頬。頬に?
知っている。だれに、
え?…いま
いる、よね?
高明が刺されたのかは、
唐突に、ふと
まだ、まだ、
ユイ‐シュエン。
胸が、この
そこに、…ね、
彼女は。
あたたまっ…え?
きみは
ドン・シ‐ユ。やさしい彼。いつでもやや昏いまなざしに、それでも実はただ素直でまじりけのないほほ笑みをくれたにすぎない、兄。そのドン・シ‐ユ。それからタン・リ‐キョウ。彼。または、彼女。ユイ‐シュエンよりもむしろ女らしいこころの、そして過剰に鍛えあげられた肉体の男。いじめぬくのが趣味なのだ、
と、と。…好きだよ
と。ユイ‐シュエンは
隠せない、あなたの
思ったものだった。だから
繊細が。とても、も
英雄的な自虐。彼等が、いざとなれば躊躇なく血の匂う、仕事を果たしてしまうことならわかりきっている。ひょっとしたら、イャォ・シュ‐ア。彼女。リ‐キョウの彼氏のあの少女さえも、ふたりの周囲に監視の眼くらいはひからせたていたのかも知れない。かわいらしいイャォ・シュ‐ア。目。ながい睫毛の、
ささやく声が
悩まし気な造作に、しかし
フラットにゆらぐ
抜け目ないかがやきを見せた双渺。いまさら、彼等をユイ‐シュエンはにくむ気になどなれない。と、赦すと謂うその、和解の気配もまた生じるべくもなく。ただ、ユイ‐シュエン。違う、と。彼等に、
過失だろうか
笑っちゃ、ちゃい、
そうじゃない、
これは。わたしたちは
そ。あり得ない、この
と。ただ
過失に墜ちたの?
お。不可解を、この
歎きの飛び散る否定の空疎をだけ
錯誤だろうか
風景の、の、
撒く。ほんの数か月、高明。監禁という名の同棲。稲村が崎。あの海のひびき。樹木たち。濫立の切れ目にひとめ見た高明。背を向け、高明。海のほうに
感じていますか?
さわ、わ、わ
あ、…と
高明。うなだれ、
あなたも。臭気を
さわがしい、のだ
まぶしかった。ふと
木漏れの、
海の、潮。ほら
さわ、わ、わ
木漏れ。須臾の
だから綺羅めきと翳りのあてどないゆらぎに覆われていた彼。推し量るまでもなく、想うにじぶんとそう年も変わらない少年を、まなざし。見て、見たときに、まなざし。ユイ‐シュエンはすぐさまに
わたしは、ね?
見て。いまも
失語した。と、
かわいらしい、よ
わたしが、ね?
茫然はなく、須臾にも、あきらかな轟音。明晰な饒舌。周囲に溢れ返ったささやきの群れらの
わたしが。それら
無数に、もう
ささやいている
轟音。なにを
むれが。わたしの
自生した。わたしは
ささやきつづけ
語るというでもなく、かつなにも聞き取らないじぶんのざわめきにすでに慥かにユイ‐シュエンは彼だ、と。知った。彼が、彼だ、と。事実もう
あなただ
ユイ‐シュエンは高明に
あなたは
恋していた。
ほら。…ね
そのときには、いまだ
あなただ
名前も覚えきってはいなかった少年。彼も、振り返り見ればついにおなじく、おなじ恋に落ちることも、ユイ‐シュエン。その全身には明瞭だった。あまりにも赤裸々で、赤裸々すぎてふと、…なに?失笑を、…なぜ?ユイ‐シュエン。まぶた。まばたき、まばたいたことも気づかないままに少年を見つめ、もう、彼。その端正なはずの顔さえ薔薇にむらがった蔦と銃のタトゥーに染め上げてしまった不穏な
ほら。あれが
たやすい。…の、だ
色彩を。かたわらで、
わたしだよ。ほら
恋とは。こんなに
イャォ・シュ‐アはそっと
わたしが、ほんとうの
たやすい。…の、だ
ユイ‐シュエンにやさしく
なるのだ。わたしに
莫迦馬鹿しいほど
耳打ちしつづけている。その言葉。そのあきらかな音響。それらさえ、なにも。言葉は、
奪われた!
なにも。とどかない。
失っ、失わ
そこに、その
奪った!
ユイ‐シュエンには。
気づいた。…なに?
知らなかった、と
だから、いままで
恋とはなにか、を
知らなかった、ね
恥ずかしい、とさえ
知らなかった、よ
ないよ。わたしには
きみがいないから
懊悩。逡巡も
知り得なかっ
気づいた。…なに?
ナチュラルだ。いま
無防備なほどに
探してる?きみは
知らなかった、と
オーガニックで
わたしはすなおに
だけを。わたしだ、けを。…見て
だから、いままで
ピュアでクリーン
女でいられた
わたしだよ。これは。ほら
恋とはなにか、を
知らなかった、ね
知らなかった、よ
きみがいないから
知り得なかっ
恋。これが、恋
燦燦と。綺羅
匂う。四方に
綺羅めき、綺羅ら
鳴るのは波たち
氾濫を、綺羅
潮の臭気に
綺羅めきに
恋。これが、
知った。ひたすらに
恋だ。これは
綺羅めきたち
わたしの、恋だ
燦燦。氾濫し
恋。これが、恋
綺羅めきに
知った。まなざしに
氾濫。燦燦と
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