ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -332 //すべて、の。すべて/春、夏、秋、冬、すべ/ささげたい。すべてのしろい花々を//03
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
用意できました、と。メール。椿。穆に見せ、笑った。ふたりで、って、椿。…だれ?「樹々、帰って来ちゃった?」…じゃ、と。穆。チェック、しますか。笑った。喫茶店。会計は穆が無理やり払った。未来に向けた、実りの多いミーティングだったから。謂く、
嘘。…でしょ?
どうやって?裏切り?
寝返り?なに
莫迦。…でしょ?
きみは、それでもしあわせになるべき子なんじゃないかな?
嘘。…でしょ?
素直で。また、いつも
狂気。恋は
なぜ?またひとり
どうやって?裏切り?
ここちよくて。そんな
狂気。と、でも?
傷つく。きみが
寝返り?なに
いい子だよ。ふつうに
狂気。きみは
きみだけが。ひとり
莫迦。…でしょ?
2月。その
え?
16日。ふと、
え、え、
…え?と。話しかけられて高子は振り向いた。雅秀。声が聞こえる。知っている。じぶんの喉が、声帯が、声が、だから高子は全身で雅秀と会話していた。たのしいと思えないほどに、自然にたのしく。振り返ってさえも、
え?
そこに高明の
え、え、
翳りはゆがむ。あいかわらず、色彩もないまま。謂く、
微光。見て
見なかったと同じ
強度。明晰に
やめて。もう
圧倒的ないかがわしさで。だから恥ずかしげもなくみにくいゆがみ、を。なぜ?みにくい、と。なぜ?…猶も
微光。見て
いいですか?きみを
明晰な強度に
陥没。無数に
見なかったと同じ
笑っても。きみは
見なかっ…やめて
咬みつくか。の、よう。に
強度。明晰に
ぶざますぎて。驚くほどに
微光。見て
陥没。うちがわに
やめて。もう
笑った。おもわず、
茶番だよ
茫然
引き攣っているのだ
穆。彼が、
茶番だよ
唖然
恐怖。真摯なその
さきに、…って、穆。「この子、だれ?」
莫迦?
「樹々です」高明。って、
死ねば?
穆。「お前、莫迦?」
「いや、」椿。「それが、さ。嘘じゃ」ようやく、「嘘じゃねぇんだ。これが」椿は笑って穆をなだめた。「この子も樹々。山田樹々」
「マジ?」
「名前いっしょなの。同姓同名。ってか、すっげぇ…離れ業」もう、「そうくるか」笑いを椿は「そうきたか、タコ」押さえられない。すでに樹々は
なぜ?いつも
がくがくがく、と。唇が
すすり泣いていた。高明。その
わたしだけ
わなわなわな、と。顎が
後ろで。拘束。殴打。すでに、だから高明に。「おれ、」と。高明。「もう、オッケーすよね?」
「マーシー次第、な?」
「もう、いいっすよね」答えず、言葉には、行け、と、椿は
なぜ?いつも
厳しい。わたしにだけ
この、世界は
手の甲を振る。1時すぎ。だから、
わたしだけ
世界は。この
残酷。わたしにだけ
4日。返り見、「終電、まだですっけ?」その尻を穆は
自由だ!
蹴飛ばした。走った。逃げた。高明は。樹々。見あげた。椿以外、だれも知らない。男が、全部で4人。前と同じ数。また?と。助けて、と。樹々。楠の名を、耳の奥で連呼し楠を、謂く、
また?ま。ま
また?ま。ま
また?ま。ま
また?ま。ま
壊せないよ。わたしは。…と、わたしたちは。クソには。ち・カスやろうのカスちん・には。
また?ま。ま
呼ぶ。よ
また?ま。ま
きみは
また?ま。ま
名を。まだ
また?ま。ま
声を。いま
また?ま。ま
きみの
また?ま。ま
聞こえた?
また?ま。ま
壊せないよ。わたしたちは。…と、わたしは。クソには。ち・カスやろうのカスちん・には。
また?ま。ま
また?ま。ま
また?ま。ま
また?ま。ま
椿。一度も。穆。一度。入れただけ。味見だけ、さ。しときますわ。一応、と。董紫釉、…ドン・シ‐ユ。2回。姚朱亞、…イャォ・シュ‐ア。器具を使用。暴力。その部屋。拘束。午前6時過ぎ。ドン・シ‐ユ。董雨萱、…ドン・ユイ‐シュエン。唐麗孝、…タン・リ‐キョウ、イャォ・シュ‐ア。残る。そこに。見張り。また間歇的な
ほら、見て
暴力行為。
これが、わたしたちの
4日。午後
世界、だ
7時。椿。もう、と。いいよ。好きにして。シ‐ユに指示。深夜、移動。公園。そこで更に暴力。遺棄。樹々。見上げる。ふと、空。…空?これ、空?草。生えてるけど。空?謂く、
空?そら、そ
渇きを
そら、そ。空?
求めていた
空?そら、そ
わたしが。ほら
そら、そ。空?
ほら。なにを?
空?そら、そ
渇いている
そら、そ。空?
訴えてい
空?そら、そ
微光、が。猶も。微
空?そら、そ
空?そら、そ
空?そら、そ
空?そら、そ
2月。その
え?
16日。ふと、
わたしは、イノチ
…え?と。おもわず高子は
え?
雅秀に、吹き出して笑ってしまいながら、…いいひと。もう、どうしようもないくらいいいひと。…と、ことさらにおどけて見せる雅秀にみにくい。と、
え?
だれ?たしかに、あきらかに
わたしはイ
知りつくしている明確な翳りはゆがむ。高明、と、…だれ?やがてかたわら、秋子の顔の微笑を見た。謂く、
微光。見て
見なかったと同じ
強度。明晰に
やめて。もう
圧倒的ないかがわしさで。だから恥ずかしげもなくみにくいゆがみ、を。なぜ?みにくい、と。なぜ?…猶も
微光。見て
いいですか?きみを
明晰な強度に
陥没。無数に
見なかったと同じ
踏みにじっても。きみは
見なかっ…やめて
しゃぶりつくかのよう、に
強度。明晰に
莫迦馬鹿しすぎて。驚くほどに
微光。見て
陥没。自重につぶれたその
やめて。もう
整形手術。その術後のように、樹々。その
見て
顔。その
微光、が
腫れ。もう、
見て
4日、夜明け前には自分では立てなかった。失禁の処理はユイ‐シュエンがした。やさしい子だった。水を頭からイャォ・シュ‐アがかけたとき、もう、と。「殺して。お願い。もう、駄目だから。もう、終わったから。もう、わたし、だから殺して。もう」聞き取れなかった。その
おおひれ
言葉は。だから、
おならい
ユイ‐シュエンは
もらめららら
後頭部を踵で
もらら。いら
蹴った。せめて、
もらひ
須臾でも正気づけるために。樹々。繰り返される短い失神。謂く、
ら、ら、ら、
渇きを
そら、そ。空?
餓え
ら、ら、ら、
渇き
そら、そ。空?
なに?
ら、ら、ら、
渇きを
そら、そ。空?
餓え
ら、ら、ら、
5日。午前11時。ユイ‐シュエン。そしてイャォ・シュ‐ア。そっと、
ほら、あれが
ほほ笑みかけてやる。その、
タコです。ブタです。カ
電話中の少年に。その、
ほら、あれが
泣きじゃくることに一瞬だけ、唐突に飽きた、か、の、
うつくしい
夢。夢のよ
少年。
きみは
くれますか?愛を
あぐら。
うつくしい
夢。夢のよ
ぢべた。土に。撒き散らされた、財布。金銭。鍵。ポケット・ティッシュ。レシート。その他。…て、「なに?」まだ電話を切らないうちに、顔をあげた高明は思わず鼻をすすりあげた。あまりにも、微笑。あどけない。そこに、ユイ・シュ‐エン。そしてイャォ・シュ‐ア。ふたりは、微笑。あどけない。あまりにも、ふと。シュ‐アが一度喉を鳴らして、そしてささやいた。…ね?と、「助かりたい?」
「なに人?」なまりはない。顔が、あくまで日本人のそれと変わりなくも猶も、あきらかな違いが気配にある。そう思う。「わたし?」
「日本人」ユイ‐シュエン。自分がついた、あるいは
でも、これって、さ
だれですか?
噓に、ユイ‐シュエンは
嘘じゃなくない?
きみは、
おもわずそこに笑ってしまう。謂く、
おなじだよ。ほら
渇きを
見ないで。だれも気づっ
求めていた
あなたと。ほら
わたしが。ほら
いま、わたしは
ほら。なにを?
わたしも。ほら
渇いている
気づかないで。だれもみ
うったえていた
おなじだよ。ほら
2月。山田樹々は死ななかった。頸椎損傷。そのための頸から下麻痺。また、頭部挫傷。そのためと思われる意識喪失。眼はひらく。口も開く。反応はある。しかし、知性がない。そんな状態。脳の一部に液化症状。過度なストレス要するに恐怖のためと診断。毛髪。極端な薄毛状態。皮膚の半分以上に、魚鱗状の爛れ。またはかさぶた化した湿疹。原因不明。推して精神的ストレス等に求めるしかない。もっともその精神は崩壊状態であって、現状ストレスを感じる余地はなくも思える。…と。樹々。まばたく。見る。口をひらく。謂く、
ら、
ら、
ら、
ら、
知っている。わたしはあなたがたが見下ろしつぶやく絶望的な言葉それら他人事の絶望に戯れて歎く戯れの冷淡な絶望の群れをも。
空?そら、そ
冴えている
そら、そ。空?
澄んで
空?そら、そ
なに?
そら、そ。空?
え?
空?そら、そ
冴えて
そら、そ。空?
澄んでいる
空?そら、そ
感じている。わたしはあなたがたが擦り付ける消毒液が引き裂く皮膚に沁み込み燃えあがらせる激痛の無際限。な、までの散乱。
ら、
ら、
ら、
ら、
2月。渋谷。道玄坂のマンションが高明とユイ‐シュエンの棲み処だった。ユイ‐シュエン。監禁の管理者。かつ、その恋人。車。シ‐ユの運転。その後部座席で、桜木町に連れ戻された頃にはユイ‐シュエンはすでに明確に高明に恋をしていた。謂く、
渇きを。覚え
わたしは、渇きを
隠し、癒しを
きみに、求め
あなたはたぶん、もう、わたしが好きだよ。
渇きを。覚え
だよ。わた。し。
しなくていい
愁い。ふかい
わたしは、渇きを
も。も。も。だよ
なにも。きみは
ややあさい、かなしみ
隠し、癒しを
だったよ。…だよ
うしなったひと。すべて
傷み。まなざしが
きみに、求め
2月。その
頬。微笑
マジ?
14日。
ほころびる。頬
おれに?
椿。今日が何の日とも知らないまま、渡されたチョコに椿は照れた。その、シュ‐アとリ‐キョウに。「うれしいじゃん。気、」と、「きくじゃん」水葉。彼女の
ささやきを
感動の
あたためあうよ
部屋。「あいつら、
やさしく
波紋。いま
わたしたちは、せめて
元気?」シュ‐アに。椿。「壬生。あいつ…と、」
「ユイ‐シュエン」リ‐キョウ。その名。つぶやいたそのひびきに、リ‐キョウは
なくした
波紋のように
喪失感を
うしなった
エモいよ。クッソ
かくさない。「そ、…」と、「っか」椿。「元気か。やつらは」ふと、リ‐キョウのためにことさらに笑み、「いいよ」ささやく。「ユイ‐シュエンも。…いいじゃん。べつに。いんじゃね?それはそれで。いままでいっぱい、あいつ。…おまえも。おまえら、だからみんなも、やっぱかなしかったし、くやしかったし、くるしかったし。だから、もう、
繰り返してやる
うつくしい
いんじゃん?
耳もとで
きみは
いいんだよ。しあわせになって、
なんどでも
かげがえのない
おれは、それで
あきるほど
ひかり。きみという
いいと思う。…って、
あきれるくらいに
ひかり。ただひとつの
それ」シュ‐アを、そして「だから。お前らも、だよ。お前らこそも、さ」リ‐キョウを「…じゃね?」見た。笑んだ。リ‐キョウは、ふと、その自分の笑みにも思わず、はにかむ。謂く、
なぐさめ、そして
いいわけのように
ささやきを。きみ
ささやいて。きみに
あなたこそ、と
わたしは。そこに
あなたこそが、と
そうでしょ?ともだち
やめないで。その、ささやき、を。
なぐさめ、そして
いいんだ。いい
いいわけのように
そうだ。いいんだ
ささやきを。きみ
いいんだ。だから
ささやいて。きみに
やめないで。その、ささやき、を。もう、なにも、なにももうささやくべきなにもなくまたすべてのささやきがむこうにすぎなかったことなどわかりあいきったちへいであってさえ、も。やめないで。その、ささやき、を。もう、
あなたこそ、と
だれもが、いつか
いいんだ。いい
いのりを。きみに
わたしは。そこに
せいいっぱい、みんな
そうだ。いいんだ
きみと、きみ。その
あなたこそが、と
しあわせになればいい
いいんだ。だから
恋に。愛に。ぼくは
そうでしょ?ともだち
…消しちゃって、と。椿。シ‐ユに、「…壬生?」云った。シ‐ユ。まばたく。すこしの
彼を?
雨が
驚き。やがて、
彼を?
雨が
歎き。「やなの?」
「でも」
泣くよ。きっと
雨は、ふと
彼を?
「なに?」
「ユイ‐シュエン」
泣き叫んでしまう
燃えあがるのだろうか?
彼を?
「あいつ?」
「かなしむ」じゃ、と。椿。「かなしくてさびしいなら、さ。お前がかわりに」笑い、その「抱いてやれよ」頬をやさしくなぜてやる。謂く、
できないよ。やつは
不幸にしか
切ってやれば?
彼女のために
きみは、きみを、きみ自身で、…ほら。取り戻すがいい。
できないよ。やつは
言わなかった。あえて
かなしむね。そう
好きだろ?きみは
不幸にしか
迷いをは。おれの
いまだけ、ね
ほしいんだろ?だから
切ってやれば?
逡巡は。おれは
わずかに、ね
彼女。その幸福が
彼女のために
3月3日。深夜。ノア道玄坂。道玄坂をまがった、エントランス石段の一番下。シ‐ユは前から高明を刺した。やあ、と。無言で手を振り、高明に近づいて。すみやかに。逃げた。迅速に。腹に、サバイバル・ナイフをは喰いつかせたまま、…手放していた。手は、血痕?わずかに。ナイフは、すでにつきさされたまま
さよなら。もう
ここだよ
永遠に
放棄され、
生きられない。きみは
場所。辿り着いた、きみの
永遠に
高明。茫然。傷み。抜かない。怖いから。ふれるのが。患部に?その異物に?すべてに。そのまま、高明はエントランスを入った。管理人。気づかなかった。彼は、帳簿を?うつむいたその
莫迦なの?
顔。皴。薄髪。怠慢。訴えてやる。思った。高明は。素通り。そして、
ここだよ。ぼくは
エレベーターで7階に
ここにい
あがった。ドア。
莫迦なの?
叩く。ひらく。内側から、
見つけた
悲しまないで
笑えてる?
目。ユイ‐シュ‐エン。目。絶句。見ひらき、
きみを
悲しま
やさしく、ぼくは
…いとしい。双渺。高明。うるおい。好きだ。高明。ユイ‐シュエンがいとおしい。抱きしめてもらいたい。謂く、
ここ?ぼくが
いいよ。きみで
んだ。った。き
ありがと。きみが
辿り着く場所
ありがと。…ね
きみだったんだ
いてくれて、ありがと
ここ?ぼくが
きみで、ありがと
んだ。った。き
いいよ。なにも、
息をつく場所
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