ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -319 //いいですか?耳を/ふさいでも。ないし/聞こえないふり、とか?//03





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





1日。午後1時。電話を高明は、また、3時。だから警察署へのまた、5時。ほぼ2時間ごとに被害届け取りさげの電話を入れようとする。切った。無言電話。高明。返り見、樹々に、…できっ

「え?」

できねぇ。「なんか、」な。「すっげぇ、」な。「無理」…だいじょぶ?ささやいた。頭のなかでだけ、樹々。なんか、もう

   失笑を

      目を!

         冴えてるぜ

頭、

   思わずわたしは

      話せ。見て

         ややスモーキーなまま

わるくなってない?その

   咬みつぶし

      目を!

         澄んでるぜ

最初、午後1時。声をひそめていた。高明は。かれらに振られた部屋。ベッドルーム。6畳。壁。そのむこうに水葉。水葉は寝返った。いまや雅秀たちの下僕だった。高明を監禁していた。あるいは樹々さえいつ自分を裏切るかわからない。しょせん、彼女も願い。彼女だけはしあわせで願い。いたいはずだから願い。切実な、

   願いを

      愛が

唾棄すべき、人間たちそれらの

   星に

      ふりそそぎますように

願いを、ぼくらは。根本的愚劣。高明は、いままさに知ったその事実の容赦ない鋭利と抜け目なさをあやうむ。吐く息さえいま危機に直面する。謂く、

   終わらないよ。ぼくは

   あるんだ。ぼくは

   確信が。たしかに

   飛び立つよ。ぼくは

はがみを、す

   終わらないよ。ぼくは

    経験ねぇよ。まだ

   あるんだ。ぼくは

    絶望など。老いぼれじゃねぇ

   確信が。たしかに

    知らんくね?タコ

   飛び立つよ。ぼくは

じだんだを、ふ

   終わらないよ。ぼくは

      知れ。我々は

    経験ねぇよ

     老人たち。死んで

   あるんだ。ぼくは

      知らないやつら

    絶望など

     降っちゃうよ。ケツ

   確信が。たしかに

      はばたく以外に

    知らねぇよ

     上で。死屍の

   飛び立つよ。ぼくは

1時半すぎ。逡巡。電話を、高明。穆に。…おれ、「壬生くん?」

「マジ、はめられた」

   語れ。ひざまづき

「…って、」

「マジ、つんだ」

   すがれ。ひざまづき

「だれに?」椿、それから雅秀、あるいは水葉。または樹々にしてもすでにあやしい。雅秀の苛酷な暴力に、むしろ鈍重なまなざしでしかも他人事じみて…ない。怯えを表現し…ない。ていただけだっ…ない。た。こころが、…ない。そう思った。だから、

   ないよ

      すこし、お願い

あやしい。そう

   希望が

      黙れない?

思った。穆さえも?「じゃ、さ」と。穆。その声の焦燥のない余裕の日常的気配に高明は穆の恵まれすぎた幸福の至高を見せつけられた。もはや

   いい気になんな、

侮辱されたに

   …よ。タコ

他ならなかった。「こっち、

   ないよ

      ね。明日は

         夢を。ぼくは

来たら?」

   明日が

      どしゃぶりかもね?

         見ない。もう

「逃げて?」

「それしかなくない?…なんか、実はまだ、おれ、いまいち話、読めてないんだけど」笑った。穆。意味不明な長電話。恋人の、あえてむずがらない賢い

   あるよ

      ここ

後頭部を、

   ここに、

      これ

なぜた。

   愛

      ここ

謂く、

   ときには、ぼくは

   傷を。きみ。その

   こころに。ぼくは

   残酷なまでにも


   好きだから。きみが

    いっぱい、さ

   傷を。ぼく。この

    くっだらない話

   いまにも、ぼくは

    しない?クッソ

   裂けそうなほどにも

おれの肛門の毛の、…え?

   傷いんだ。ぼくは

      わたしたち。世界で

    いっぱい、さ

     籠りは。殻に

   傷だ。ここ。その

      ふたりだけ。と

    つっまんねぇ話

     むしろ。ぼくらは

   存在が。ぼくら

      仮構を、しかし

    しない?クッソ

     さらすのだ。外気に

   苛酷でしかも、うつくしい

おれの肛門の毛の尖端をだけ、舐めろ。

   花。はな。は、

   かさねた。花弁を

   花。はな。は、

   ゆらいだ。色彩は

2日。高明。午前9時。…もう、と、さ。樹々は「警察、やってっかな?」ほほ笑んでやるしかない。そこ。眼の前。その、

   莫迦?

高明。かれが

   カス?

あまりに無力で、そしていたいけなかったから。高明。だから警察に電話を入れ、その会話。聞く。樹々は。深呼吸。高明。饒舌。高明。なんどもくりかえされる樹々への

   そんなに、おれ

      花に

返り見。

   クソなの?

      たとえば

高明。

   そんなに、おれ

      水仙に

不安。

   価値ねぇやつ?

      祈りを

高明。

   そんなに、おれ

      花に

焦燥。

   うざってぇのかな?

      たとえば

高明。ふいに

   そんなに、おれ

      鈴蘭に

かれを襲った歓喜。発作的な。高明。落胆。

   嫌われてんの?まじ?

      祈りを

高明。陰鬱。

   そんなに、おれ

      花に

高明。無理、と。「あー、そ。そっすか。なら、いいっす」いじけた声。その声とともに勝手に電話を気って、「無理」と。樹々に。奇妙に、あかるくうわついた笑顔。なぜ?

   終わった

      わおっ。お、

         終わっ

懐疑。そこに、樹々は。「あいつら、クソ」高明。「警察?…の、」

「あいつら、マジ」

   しあわせを。きみの

      まだ、…ね?

「ひと?」

   願ってていい?

      まだ、…ね?

「マジくっそ使えねぇ。被害取り下げ?届け、取り下げ?みたいな?」まるで、あなたは「無理だって」他人事だね、と。樹々。その「放置しとくじゃん。そしたら、おんなじ被害に逢うやつ、また、でるから。…とか?」高明に、ふと思った。「でも、言ってた。奴ら」

「なんて?」

   クッソやばっ

      ここに、まだ。おれは

         きみと

「もう、2、3日」

   クッソきもっ

      立っている。ここに

         ささえあいながら

「壬生さんたち?」

「で、さ。奴ら、」歓喜。もはや眼を覆いたいばかりの赤裸々で、容赦ない歓喜が高明に

   なぜ?

      発狂?

きざしたのを、樹々は

   きみは、まだ

      すでに

見ていた。「だから、

   生きてられるかな?

      譫妄?

彼等、一応、仕事じゃん?」

「警察?」

   あ。うそっ

      縛れ

         焦燥が、おれを

「なんか、調べ入れてたらしいじゃん。から、さ」

「それ、」

   いま、空が

      なぶれ

         いたましいほどに

「もうすぐ、さ」

「警察がってこと?」

   泣き叫んだなんて、

      ぶち壊せ

         苛むのだから

「ガサ入れ?すんじゃね?あと2、3日待ってろ的な。だから、取り下げ受理しねぇってか、こっちが出してこっちが戻せってんの、それ拒否る権限って奴らあんのかよ?」

「じゃ、高明は」

   叫ぶよ。わたしは

      愛だ!ここには

「もはや、これ」

「それでいいの?」

   しあわせだって

      愛だ!ここにも

「国家的暴力的な?マジくそ」と。そして、高明はそこに笑っていた。樹々。そのまなざしが翳る。謂く、

   見ている。わたしが

   ひとり。ひたすら

   疲れてゆくのを

   疲弊を。…そこ

閉じよう、よ。ほら、

   見ている。わたし

    そうね。そ

   ひとり。ひたす

    だね。そうね

   疲れてゆく

    そ。そ。そ

   疲弊し、…そこ

閉じよう、よ。ドアを

   見ている

      まるで。等しい

    そうね。そ

     すごくね?ほら

   ひとり、ひ

      を。ことば。わたしは

    だね。そうね

     すっげぇ、やさしく

   疲れて

      と。失っている、の

    そ。そ。そ

     すっげぇ。笑えてる

   疲弊…そこ

穆。1日。午後

   おれはもう

      発狂寸前

         かも。…いいかも

2時すぎ。椿。…かれ、

   暗闇以外を

      真摯な孤独

         慣れるよね。…ってか

と、「って、」いま、

   見ないのだっ

      激情内攻

         いんじゃね?べつに

と、おれに、「だれ?」

「椿さんのお気に。壬生くん」

   で。は。はっ

「あのタコ?どしたん?」

   はっぴー、で

「電話ありましたよ。彼から」

「なんて?」その

   他人です。いつも

      え?わたし

椿。声。あくまでも、

   勝手に死んで

      背中につばさが

あなたにはもう、唐突にかつて存在していた興味がすみやかに失せたようだ、

   他人です。やつも

      生えた?え?

と。穆。椿の声に、思わず笑った。「なに?」

「てか、椿さんのお気に、彼、相当、…叔父貴。って、壬生コーポの社長?」

   で。は。はっ

「みたいな。最近、ね。ま。ただのタコ」

   はっぴー、で

「が、…に、思いっきし詰めまくられまくったみたいな?」…知ってる、

   傷いんだよね。なんか

      わたしたちは

と。椿。ようやくそこに、

   存在が。もはや

      ささやきの影に

椿は笑った。「おっさんから聞いた。さっき」

「どうします?こっち来たら?的な。そういう、なんか、おれ、云っちゃったんですけど。駄目だったら、おれの電話だったら出ると思うんで、もう一回修正しますよ」…いいよ。ふと、椿は穆に「そのままで」こころが傷んだ。事実穆ほど「桜木町で、奴、」献身的な誠実を椿に「追い込む?更に。慰める?」笑った。椿。「おまえ、」問う。「どっちがいい?」だから穆は

   そんなこころに

笑うしかない。「好きにしてくださいよ。

   こころのすきまに

椿さんの。基本、

   風。清潔な

椿さん案件じゃん?これ」

「ありがとな」唐突。その「いつも、お前。マジ、」ささやき。穆は「くっそ、ありがと」柄になく思わずこころをふるわせていた。そんな自分をふと笑った。やがて、椿のために笑んだ自分をやや好きになる。穆。謂く、

   もてあそびさえ

   もはや、彼

   少年。ふれれば

   壊れるのだろう、彼


   もてあそびさえ

    しぶといんだ

   もはや、彼

    意外に、いまだ

   少年。ふれれば

    活き活きと

   壊れるのだろう、彼


   だから、稀薄に

      おおくの時間を

    死にかけながら

     あったよね?おれら

   思い出のように

      すごした。我々は

    滅びかけ、もう

     なんか、異常に、さ

   思ってあげた。その

      ほほ笑み。無意味に

    崩壊しかけて

     思い詰めたころ

   現状の傷みを

吼えろ!最後に

   だから、稀薄に

    生きてるよ。まだ

   思い出のように

    ぴくぴく。びくびく

   片時のあいだに

    息をしているよ

   だから、稀薄に


   彼の窮状を

      ほほ笑み。無意味に

    叫ぶ声さえ

     そうだよね?おれら

   愁いてあげた。その

      すごした。我々は

    茶番じみ、もう

     これでいい、のさ

   片時のあいだに

      おおくの時間を

    消えかけながら

     楽しくない?…実際

   だから、稀薄に

咬まないで!…お願いですから。

   もてあそびさえ

    もう駄目なんだ

   もはや、彼

    明確に、すでに

   少年。ふれれば

    終わってるのに

   壊れるのだろう、彼

吼え

   もてあそびさえ

   もはや、彼

   少年。ふれれば

   壊れるのだろう、彼










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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