平成末年のフット・ボール…ワールド・カップとサッカーを考える。③グァルディオラ・ジンクス
平成末年のフット・ボール
…ワールド・カップとサッカーを考える。
③グァルディオラ・ジンクス
故郷で、えらい災害が起こっているときに、こんなことを書くのも気が引けるが。
とりあえず、できることもないので、若干の呵責に苛まれながら。
今回の優勝国は、どこか。
候補は二つある。イングランドか、ベルギー。
なぜか?それは単なるジンクスあての、しょうもない予測に過ぎない。
歴代の優勝国を見ると、
ウルグアイ×2回(1930/1950)
イタリア×4回(1934/1938/1982/2006)
西ドイツ・ドイツ×4回(1954/1974/1990/2014)
ブラジル×5回(1958/1962/1970/1994/2002)
イングランド×1回(1966)
アルゼンチン×2回(1978/1986)
フランス×1回(1998)
スペイン×1回(2010)
ちなみに、1934年のイタリア大会は、ムッソリーニ政権下のイタリアで行われた大会であって、八百長疑惑が根強い。
審判はイタリアよりのジャッジを繰返し、参加選手も、相当な圧力の下で戦わなければならなかった。
はっきり言う。たかが、サッカーである。国際政治でもなければ戦争でもない。なにも、好き好んで命を落とす必要性はない。そこまでファシズムを嫌悪するなら、サッカー本気にならずにレジスタンス活動にでも身を投じた方が早い。
ということで、かなりのデキレースだったはずだ。
なので、この大会は歴史的例外として除外しよう。
そうすると、驚くべきデータが上がってくる。
1938年、(34年を除けば、)イタリア初優勝
1958年、ブラジル初優勝
1978年、アルゼンチン初優勝
1998年、フランス、初優勝
いずれも、20年周期で、どこかの国が初優勝を飾っている。
特に第二次大戦で開催が中止され、戦後再開されてからに限れば、留保なく、初優勝ばかりがならぶ。
さて、現時点のベスト4。
イングランド、フランス、各1回。
クロアチア、ベルギー、未優勝。
つまり、このジンクスで言うと、クロアチアかベルギーか、と言うことになる。
私は、勝ち抜くのはベルギーだと想う。なぜなら、熾烈な戦いの結果、とはいえ、90分の中で見事に勝ち抜いているからである。
クロアチアは、デンマーク戦もロシア戦も延長の末PK。
そもそも疲れが溜まっているし、PKと言うことは、基本的には引き分けなのである。
試合自体は引き分けなのだが、ノックダウン方式なので、どちらかを負けにしなければならない。
故に、取られえるのは例えばサドンデス。どっちかに1点入るまで試合をする。
あるいは、PK勝負。
ワールド・カップの場合、この後者のほうが採用されている、ということだ。
PK合戦というのはサッカーではない。極端に言うと、どっちが勝ちか決めるために、コイン・トスをしようと言うのようなものである。
コイン・トスはあんまりだから、PK打ち合いで勝ち負け決めちゃおうぜ、というに過ぎない。
サドンデスならまだしも、PK勝ちというのは、要するに、引き分け。
勝ちきれなかった、あるいは、負けないのがやっとだった、と言うことだ。
反してベルギー。
なんで、日本が日本戦に結果負けたにもかかわらず日本人が感動したのかと言うと、びっくりするくらい日本がいい試合をしたからである。
あの、歴代最強たるベルギーさえ、ひょっとしたらPKまでもつれたかも知れない試合だった。
本田の判断ミス、とは言われるが、直接狙ったコーナー・キックが防がれてからの、「ここで決めちゃおうぜ」という本田の意向のもと、かなり前がかりになっていた日本の、当然の隙をついたカウンターで、ベルギーがやっと拾った勝利だった。
日本人的には、攻撃サッカー攻撃サッカー言ってきたんだから、サポーターは、本田のあれを叩いちゃいけない。
立派じゃないか。
サムライ・ブルーなんだろ?見事前むきに討ち死にしたんじゃないか。
あっぱれ。
それ以上、言うべきことはない。
逆に、ベルギーにとっては、2点ビハインドをひっくり返した勝利である。
これで調子が上がらないわけがない。
かつ、ブラジル撃破。
もっとも、ブラジルが自滅した説もあるが、最強国を打ち破ったのも事実である。
さて、次に対するは、まずフランスだが、確かに、手ごわい。
たぶん、ブラジルより強いかも知れない。が、フランスとて、格下から勝利を拾ってここまできただけだ、ともいえる。
ウルグアイはともかく、大体、チームとして崩壊していた、かなりボロボロのアルゼンチンにさえ3点も入れられてるじゃないか。
大丈夫か。
そもそも、フランスは優勝国だから、ジンクスによれば今回はない。
イングランドもそう。
つまり、優勝決定戦はベルギー×イングランド。
そして、優勝はベルギーと読む。
だが。
さらにジンクスはある。
グァルディオラ・ジンクスである。
2010年、FCバルサ黄金時代の監督は、もちろんグァルディオラ。そして、優勝はスペイン。バルサ主体の代表チームだった。
2014年、バイエルン・ミュンヘン。期待されたほどではなかったが、いまから想えば黄金時代ではあった。監督はもちろん、グァルディオラ。代表も、バイエルン・ミュンヘンの選手主体である。
さて、現在。もちろんグァルディオラのチームはマンチェスター・シティ。期待を超える黄金時代だ。
シティの選手主体のチーム、とはいえないが、いずれにせよ、そのジンクスから言えば、プレミアリーグの国に優勝カップが転がり込むことになる。
つまり、イングランド。
実際、大したチームじゃないはずなのに、ここまで危なげなく普通に勝ち進んでいる。
ひょっとして…と。
ということは、今回の優勝、どこが勝っても、このところ有力だったなにかのジンクスが崩壊する、ということになる。
ジャイアント・キリングどころか、ジンクス破壊の決勝戦、ということだ。
僕は、…心情的にはベルギーかな?
さて、どうなるだろう?
2018.0708 Seno-Le Ma
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