ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -312 //ぃいんばんっ。…と/なんですか?名づけた。その/あやうい突起。…を//05





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





沙門西光。…しかし、

   散乱

      あかるい視野に

         翳り

さ。笑った。ふと、

   綺羅らの

      声は。あかるく

         なめらかな

4日。庭を雅秀と散歩しするうち、そのまま神社のほう、海に出ながら「見たくなかった?」

「なに?」

「こういっちゃ、不謹慎。しかし、ほら、朝の、だからやや曇った、…だから綺麗な、複雑な、あざやかな朝焼けがこう、空にあって、鳥居があって、海が空の色を映してて、そこに原田の婆さんの謂う天女さま、よ。もう、いま、こう落ち着いてみたら、な」と、「どう?」そして思わず雅秀は声を立てて笑ってしまう。「一幅の絵よな。正直、見ては見たかったかな」笑った。つられて、そこに西光も。海は雅秀の眼の前にもいま、も。光る。謂く、

   見ている。いまや

   海を。綺羅めきを

   散らしつづけた

   海を。無限の


   見ている。いまや

    ひびき。なに?

   海を。綺羅めきを

    なにというでもなく

   散らしつづけた

    ひびき。なに?

   海を。無限の

絶望などと。たわむれる余地は、わたしにはなかった。

   見ている。いまや

      気をうしないそうに

    ひびき。ひびきあい

     語らなかった。もはや

   海を。綺羅めきを

      と。その

    ひびきつづけて

     わたしも。だれも。ここに

   散らしつづけた

      息を吸う、口蓋

    ひびき。ひびきあい

     なにも。なにごとも、すでに

   海を。無限の

3日。高明。午後9時。樹々はホテルに入った。孤独。身ぐるみ剥がれた、

   驚愕。ふと

      気づかないよね?

そんな。

   眼を剥く

      だれも、わたしが

孤独。その

   驚愕。ふと

      流した涙も

肉迫。

   あざやかな

      知らんぷり、じゃん?

急迫。

   驚愕。ふと

      だれも、わたしが

切迫。椿に

   切実な

      垂らした失禁

入れた。電話を、「…って、」椿。背後に「なんだよ。小僧」騒音。クラブ?爆音。いきなり椿はノイズ。大声に爆音。笑った。「椿さん?どこ?いま」

   ノイジーな

      見当たらないんだ

「東京」と、高明。縋った。「助けて」

「金?」

   ぼくら

      見あたっ

         絶望です。ええ

「違う」

「女?」

   ノイジーな

      見えなくなってん

         絶望的な、…そんな

「じゃなくて」

「薬はじめんの?」

   ノイ

      見えなっ

         絶望なのです

「叔父貴」と、その仲裁を乞う高明を、椿は笑った。「怒ってねぇよ。もう。マーシー、普通だよ」

   だけじゃん。だけ、だけ、

「それ、椿さんにじゃん」

   だけじゃん。だけ、だけ、

「電話入れてみ?自分で」とまれ、高明は仲裁を椿に約束させた。疑った。口先だけにちがいない。そもそも、明けた朝には忘れているに違いない。さらに、…グルじゃね?と。すべて。

   殺せよ。むしろ

      息を背後で

信号の赤も黄色も青も、その

   生殺しかよ。むしろ

      吸い込みかけた

点滅さえもが

   クソかよ。むしろ

      他人。タコ

陥穽に見える。謂く、

   愚劣を見る

   ひとびと。無縁の

   卑劣を見る

   ひとびと。冷酷な


   知れ。せめて

    売るんだろ?最後には

   いま、世界は傷みに

    おれを。善人顔の

   いま、世界は危機に

    苛酷な豚ども

   激怒と悲嘆に

だから、わたしは喉をおおきくひらいてみるのだ。

   いま、世界は

      都市。空間

    厭わしい。息吹きも気配も

     色彩。形態

   いま、世界は

      触感。臭気

    おれ。いま。忿怒

     醜悪。ずぼら

   いま、世界は

      不用意な芳香

    クソども。匂いも目つきも

     他人ども。都市

   いま、世界は

だから、わた

   知らんぷり。死ね

    なんでそんなに卑怯なの?

   いま、世界は傷みに

    おれと。すれ違い

   いま、世界は危機に

    無能な豚ども

   激怒と悲嘆と


   愚劣を見る

   ひとびと。無縁の

   卑劣を見る

   ひとびと。冷酷な

3日9時。水葉。その

   声。そして

マンション。テレビを、

   笑い声。声

椿。見ていた。報道特番。暗躍。チャイニーズ・マフィア。画面。いたたまれないほどの至近距離で。かならずしも近眼ではない。ただ、興味があった。至近に見つめられた地デジの液晶画面映像その解像度について。時代の最先端。毛孔は?…ね、と。だから背後の

   声。そして

      聴覚って、…蝶

水葉の声に

   笑い声。声

      あったっけ?…蝶

振り返る。椿。切った電話。その「それって、さ、」直後。「壬生くん?」

「まだ興味あんの?」笑った。水葉は。声を「あいつと」立てて。「やりまくったらしいじゃん」

「な、…わけない。な、」

「うっそ。」

「は?」

「見たよ。おれ」笑った。ふたたび、だから水葉。吹き出し、しかも邪気もなく、…カメラ?「盗撮してねぇから」椿。「勘違いしないで」

「…って、なに?その定義」

   声。そして

      聴覚って、…蝶

         ありったけ、の

「撮影はしてねぇよ」

「データ残ってんじゃね?」

   笑い声。声

      あったっけ?…蝶

         ぶつけろ。情熱

「知らねぇよそんなん莫迦」

「あれ、」…さ。そして、そこに水葉はささやく。「マーシーも、見てるよね」

「見たよ。一緒に。見せられた」

「ぶち切れてた?」…莫迦。失笑。椿。ただ浅いその「彼は、さ」失笑。「変態さんだから。あくまでも。…から、喜んでたんじゃん?」

   嘘だよ。それは

      鬱。やや

「笑ってたとか?」

   莫迦だよ。やつは

      ブルー。淡く

「おしゃぶり画像?引き攣ってた」意味わかんね、そう笑った水葉に、椿はまばたく。思わず、「無理すんな」その「お前、」深い声を吐く。まるで「もう、無理すんな」すさまじい深さで、深く深く水葉を憐れむに似たすさまじい深…って、水葉。「なに?」

「自分、大切にしろってこと」

   そう。…われわれは

      鬱。やや

「その展開、すさまじく意味不明だね」

   唐突に、こころに

      はげしくブルー

「正直になったほうがいいよ。自分に」

   そう。…歓喜を宿す

      鬱。や

「じぶんの日本語、理解できてる?」

「壬生くんは、さ」と。その剃り上げた頭部を両手て撫ぜながら、椿は「もう、ある意味」ささやく。「自由だよ。もう」身構える。水葉は、なぜなら「実際、もう利用価値ない。マーシーには。…だから」それは椿がいきなりぶち切れる寸前によくやる仕草さだったから。「彼は、自由」

「やめて」…え?と。水葉。眼の前、ふいに怯えた水葉にむしろ、椿は

   いひっ

と惑う。…って、「なに?」

「殴んないで」…無理。そうつぶやき、笑いかけ、至近。水葉。その椿にひざまづくかたちのまま、眼を剥いた水葉のひたいに浅いキスを「赦さない。」くれた。「…お前、」椿。そして「むしろ有罪」笑った。ただ、あどけなく綺麗に。水葉はまばたく。謂く、

   淡い。ひかり

   ひかりが淡く

   濃い。きみに

   翳りはより濃く


   淡い。ひかり

    感情。…が、ほら

   ひかりが淡く

    芽生えはじめる、そんな

   濃い。きみに

    可能性?を、さえ

   翳りはより濃く

反射光。を、いま。わたしにささげよ。

   深く。色彩

   きみ。表情を

   深く。あざやかに

   抉った。わたしを


   深く。色彩

      なぜ?あなたはいつも

    あたえずに、ほら

     ささげたい?わたしに

   きみ。表情を

      じょうずに。違和感

    やさしいきみのやさしさが

     すべて。を、わたしに

   深く。あざやかに

      散らすのだった

    失語感?を、さえ

     あなたは。むしろ

   抉った。わたしを

彼。3日。午前6時。殺しはしなかった。性欲の処理だけはした。奪ってはいない。与えたのだから。そう彼は認識していた。だからそうした。その家。松濤の丘の上。一家の父親は不在。理由は知らない。また興味もない。家政婦は存在するらしい。痕跡。しかし、不在。日勤ということ。母親。年齢は50前後。1度の交配。娘に縛らせた。猿轡。あくまでも柔順。娘は。息子。ひとり。茫然と。男は殺しても惜しくなく思える。例外なく卑怯で卑屈で唐突に暴力的だから。あるいは、

   ひびきは、ただ

そもそも欠損のある

   壁と壁と壁

生き物なのではないか。しょせん、

   ここらへんにだけ、

雄は。娘。自由な四肢。完全に柔順な、彼の下僕。スパゲッティを造らせた。実際、上手だった。手もとはあやうい。限界を超えた恐怖。それは思考能力の、すくなくとも俊敏をは確実に破壊する。自利的な本能をも。かならず、恐怖は自己犠牲的なけなげをあらわす。彼。その学習結果。娘を殴打した。そしてその眼の前で、サバイバル・ナイフを突き刺した。自分の手に。抉った。痛かった。それが

   ひびきは、ただ

      停滞。しかも

なに?なんの

   壁と壁と壁

      ゆれ、ふるえ、つづけ

意味が?痛みと

   ここらへんにだけ、

      滞留。しかも

負傷。これから強奪される彼等にそれらは捧げられていた。あくまで唐突な想いつき。衝動?怯えた。娘は。素直に家に案内した。殺さない。決して。もう。あの色黒の哲学者に教えられたから。それは真実と思われたから。娘の手当された腕に傷み。ようやく素直に、傷みらしい傷みを腕は拡げた。血はなんとか止まった。スパゲッティはうまかった。褒めた時、娘はことばに著しく遅れ、ついに言い得ず、あまりにもあどけなく

   なにを、わたしは

      なんかさ。な、なん

         見えるよ

笑んだ。彼は

   見ていますか?

      目って、さ。じょうずだね

         見えてるよ

立たせたまま、彼女への3度めを試みた。最後まではできなかった。娘。笹原優里亜。18歳。その後頭部にかかる彼の息を聞く。匂う気がする。その息。汗。知っている。弟は

   なにを、わたしは

      なんかさ。な、なん

         生きてるよ

自分を見ている。頭を

   経験していますか?

      人体って、さ。じょうぶだね

         死んではいな

さかさまにした、そのソファの脇で。優里亜。息を吐く。臭い?思った。わたし、息、と、臭い?その壁に跳ね返る自分の息を聞く。謂く、

   激怒していた

   すべてが。まなざし

   風景。わたしは

   取り残されたまま

匂い。血の、

   激怒していた

    至近に。あやうく

   すべてが。まなざし

    肌さえ。あやうく

   風景。わたしは

    いま。あざやかに

   取り残されたまま

匂い。肉体の、

   激怒していた

      違う、と。猶も

    至近に。あやうく

     いない。だから

   すべてが。まなざし

      思っている。これはあくまでも

    ひたすら、あやうく

     わたしは。しかし

   風景。わたしは

      だれか他人の風景にすぎない

    あざやかに。あやうく

     ここには。だれ?

   取り残されたまま









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

0コメント

  • 1000 / 1000