ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -310 //ぃいんばんっ。…と/なんですか?名づけた。その/あやうい突起。…を//03





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





宮島。午後。その、

   雑然と。やや

5時。雅秀。

   ざわざわ

高子。意識は

   雑然と。やや

はっきりしていると、担当の看護婦から。…昨日、

   わわわ

と、「の、…何時かな?…いや、でも、最初から意識は、ね?朦朧というんではなかったんかな?割合に、」

「つよいから」ふと、口をついてでた雅秀。自分のことばに、「…強すぎるから」雅秀は感極まり、…ん?と。看護婦。「しっかりされてて、でも、こう、…聞かれてる?」

   じゅ。にゅ。じゅ

      聞いてるよ

         感銘

「入水?」雅秀。

   にゅ。じゅ。にゅ

      澄まして、耳を

         ぶっちぎりの

「そのことの、そういうのは、まだ、な。こちらもそう謂うのは、あれだから。でも、きのう、5時?午後の。警察のかた、来られて、…から、な?それでこうふた、三人?…で、話さりょうたときにはちゃんと」と、だから秋子の名と連絡先を告げ、高子。そして明日の朝にしてほしい、連絡は。今日はもう、遅いから。と、そう

   泣きそうだ

      発狂を!

         ととのえて

告げたのだと

   きみが

      空が!

         寝息を

看護婦は

   やさしすぎて

      赤裸々に!

         整然とととの

云った。雅秀は話半分に聞いていた。なにか、口裏あわせがあるに違いないなかった。譫妄状態がうたがわれるべき患者の要請を警察が素直に聞くものだろうか?秋子は傍ら、雅秀の至近、より添うようにずっと、ただ口を覆っている。左手だけで。そしてあくまでも、

   夫婦のように

      えづく。えっ

         いのちを

なんら顔には

   連れ合いじみて

      えづく。うっ

         ありがと

表情が、

   ありがと

ない。

   生きていてくれて

声も。謂く、

   信じられないのだ

   願いが、ただ

   願っていたまま

   事実が。失われてはいないという


   信じられないのだ

    ななめに、あなたに

   願いが、ただ

    彼に。あなたにも

   願っていたまま

    見ていた。ひかり、を

   事実が。失われてはいないという


   信じられないのだ

      ひっぱたいてあげたい

    ななめに。いま

     みなもに、見た?

   願いが、ただ

      あなたを。事実

    ひかり、…が

     日昇を。…なにを

   願っていたまま

      そうするだろう。いつか

    ななめに。いま、も

     見たの?あなたは

   事実が。失われてはいないという

奇妙な感覚だった。裏切られたような、かつ。癒されたような、かつ。踏みにじられたような、かつ。取り戻した、…された?ような、

   事実が。なにも壊れなかったという

      目覚めた、いひっ。瞬間に

    ななめに。いま

     見たの?あなたは

   おどろき。おどろき

      事実、あ、いひっ。なたを

    ひかり、…が

     日昇を。…海は

   おどろきながら

      ひっぱた、いひっ。て、しまいたい。いつか

    ななめに。いま、も

     あなたに、なにを?

   信じられないのだ


   事実が。なにも壊れなかったという

    ななめに、だれもに

   おどろき。おどろき

    すべてに。わたしにも

   おどろきながら

    見ていた。ひかり、を

   信じられないのだ


   事実が。なにも壊れなかったという

   おどろき。おどろき

   おどろきながら

   信じられないのだ

わたし、ね、と、午後6時すぎ。「ごめん。ちょっと…」高子。その「おかしくなってた。わたし、」笑み。…ね、と。ことば。

   なにも

病室。

   いわなくても

声。あえて、

   いいんだ、

そして

   よ?

数分だけ、ふたりで、ふたりだけでしっかりと準備をし、その秋子。そして雅秀。なにも、なにもかも、かたくなに、だから咎める感情。責める気配。問い詰める衝動。それらとそれに類するすべての感情すべての気配または衝動をみずからに禁じた。雅秀。そして

   ええ。すべて

      やさしい、いまは

秋子。ただ、

   終わったのだ、から

      微笑に、すべては

赦されたのは微笑。ただ、

   終えられた、の、だから

      溶解を、し、かけ

それだけ。そうであるべきだった。だからやや間が抜けた見舞いじみて、気抜けした稀薄のみが病室に散った。極端な

   散乱。らっ

慎重と

   散乱。らっ

丁寧とを以て。高子。彼女はむしろ、それを

   ほっ。…と

      ささやくかの

         はっ

奇異にも

   ほほっ。…と

      ため息で

         はっ

思わない。だから入水についてふれるものなんどだれもいなかった。または鎌倉に残された未熟児のことも。ふと、話しかけられてもいなかった高子が聞きただしたわけでもない入水について語り始めた不用意な時、裂けた、

   しぃっ

と。思った。

   しぃづかに

雅秀は、

   しぃっ

必死に埋めつづけた沈黙を、ついに埋めつくし得なかった饒舌。無理やりの、自分たちの、だから隙。ほころび。倒壊。…の、不意を与えた自分たちの過失を呪った。ささやく。…ね?高子。くちびる。わたし、…と。

   なぜ?傷を

      が。わたしだけ

ね、…と、

   拡げていたいの?

      を。自虐

高子。「なんか、眠れなくて。…なんか。なにがどうって謂うんじゃないんだけど。神社。満潮で、ほら、月が、…ね?海に。…ね?ねぇ、すごく綺麗でしょ?…ね?泳げて行ける気がした。泳げもしないのに。沈んじゃうほうだもん。わたし、でも、…ね?考えてみたら、簡単じゃない?息継ぎが…ね?むずかしくて、疲れちゃうから足、…ね?ついちゃう。だったら、ほら。背泳ぎ?ひっくり返ってれば、…ね?いいんだっ、て。それで、…ね?すうぅっと、

   わたしは、ならば

      事実なら

         も。綺羅

むこうまで、月の

   なかったのだ

      たしかに、事実を

         ら。綺羅めき

…ね?真下あたりまで、わたし

   ならば、死ぬ気は

      語り、わたしは

         き。みなも

行ける気が…ね?した。もう、

   すこしも、…ならば

      事実なら

         も。綺羅

ね?」と、…ね?笑う。そこに「笑っちゃうでしょ?」秋子は。ただ高子のために。秋子が。高子。彼女はひたすらにあどけなく、ふたりを見返しそしてふたたび笑みをつくった。口もとに、…と、眼じりに。謂く、

   噓はなかった

   なにも。わたしは

   見た。月を

   見、見られた


   月は。わたしに

   息を、吹き

   吐き、吸い

   月を。わたしが

むしろ、わたしたちはむしろ、

   噓はなかった

    じゃなくて、逆に

   なにも。わたしは

    話したいんだ。べつに

   見た。みなもを

    聞かせるべきじゃないんだ、けど

   見、見られた


   みなもは。わたしに

    じゃなくて、べつに

   息を、吹き

    言い訳じゃ。…とか

   吐き、吸い

    理解して欲しい、とか?じゃな

   みなもを。わたしが

海中に巣をつくってあるべきだったのだろう、と。むしろ、わたしたちはむしろ、と。そんな、ふと

   噓はなかった

      なかった。すこしも

    じゃ。じゃ、なくて

     無限。ひかり

   なにも。わたしは

      怖れ。それがなかったわけでは

    違う。じゃ

     綺羅めき

   見た。綺羅めきを

      むしろ、すさまじい

    なくて。じゃ

     綺羅ら。散り

   見、見られた


   綺羅めいて。わたしに

      こころもとなさ?

    じゃ。じゃ、なくて

     散乱。ひかり

   息を、吹き

      絶望感。そんなもの

    違う。じゃ

     無造作にも

   吐き、吸い

      なにも。すこしも

    なくて。じゃ

     綺羅ら。ひたすら

   綺羅めいて。わたしが

12月。その

   深呼吸を

      ひとびと

3日。正則。雅秀は

   ときには、わたしも

      それぞれに

正則からの呼び出しを、もはや

   ふかい、息に

      かれらにも

奇異に思わなかった。まして、なにか企みの存在など。正則。品川の駅ビル。その喫茶店。雅秀が新幹線で移動するものと思い、その利便さにそこを選んだものと察した。性格。正則はこまやかな男だった。そして店の中に遅れて姿をあらわした正則は、知るとおりの、いつもの冷淡な男だった。高子の話ならもう、さすがに秋子が伝えているにちがいない。雅秀はあえて、それについてはなにも

   ブラック?

      心配しないで

         しろい顆粒が

ふれない。高子が

   砂糖は?

      咬みつきはしな

         雪崩れるかにも

宮島に、そのまま秋子を連れて移住してそれ以降、空いた雪の下には雅秀がひとり住み着いていた。宮島の、高子たちの住まいはかつて雅秀の兄が住んでいた家屋。非常に見はらしいのいい高台だった。海が見え、綺羅めき、その先に本州が霞んだ。雅秀は、ただ高子のためにその風景と室内のあかるさを「叔父貴には、」喜んだ。「ほんと、お世話になってて」正則。眼鏡越し。あくまでも淡白に笑む。雅秀は挨拶程度、かたどおりに否定する。また、おなじく挨拶程度に麻布台の最近を尋ねた。それを、あるいは詮索とも捉えるらしい正則に、雅秀はすみやかに

   うっ。…と

      ない。やめて

飽和する。いつでも、

   うひっ。…と

      息ができ、な

正則は雅秀を「これ、」疲労さ「本当なら親父がじきじきに打診するべきなんでしょうが」

「なに?…変わったことあったん?困ったこと、」

「いや、」

「とか?」

「今後の会社運営なんですが」と。ふと雅秀は笑いそうになった。知ったとおり、あくまでもよく知るとおりに正則はひとの話を聞かない。また、それに気づかない。あくまで自分を真摯とのみ知る性格的な愚鈍を、さらしてあわい軽蔑をかう彼の日常に、正則はあくまでも悪気もないまま気づかない。ささやくように、正則は

   くしゃみ

      かちかち

         ね?ちょっと

云った。壬生コーポレーション西日本。その

   唐突に

      きっ。き

         老けた?…違う

統括の打診。役職は

   背後。やや

      かっ。…ざっ

         絞れた。ん、

雅秀が決めてくれればいい。とまれ、その取締役として一括指揮してほしい、と。すでに、そんな雰囲気の話なら壬生の親父、つまりは雅秀の弟、風雅からそれとなく聞かされていた。正則としては、それがいわゆる青天の霹靂だったと知る。雅秀は知っていた。風雅にとって、正則は壬生コーポ全体を見るにはその人物が至らな過ぎた。結果、分割することにした。その、西半分を雅秀にくれてやる、と、そんな腹積もりだった。あの、武骨な肉体に必要以上に繊細な「…ええです」男は。あえて、そこ。じぶんに耳慣れない方言にふと答えた雅秀を、正則は、

   欲しいものなど

      取れ。きみは

厭うた。あるいは、

   なにもないから

      手を。わたしの

いじけて見えもした。その姑息が。もっとも、風雅が話すのはいつも地の方言だった。であって猶も耳慣れないのも事実だった。正則はそれを、その方言自体のひびきの野卑のせいと「…謂う、ことは、」解釈していた。「受けて貰えるんですか?」

「ええです。そりゃ、ふたつ返、…受けるも何も、わしにゃあ、あいつに、親父に、ね?壬生の。彼に恩しかないもんじゃけぇな」笑った。正則は。その「わしは、風雅が。だから、やれと、…な?」自分の言葉の「おまえ、」真摯を「兄貴、おめぇ、」あくまでも「兄貴がやれぇと。そう謂われるんなら、わしゃあもう、」虚偽とのみ、解する正則の「なんでも、」ちいささを雅秀は、ただ会社のためだけに切に憂う。謂く、

   翳り、を。その

   ななめの翳り

   翳り、を。そこ

   濃く。しだいに


   翳り、を

    しかし最後には

   ななめの

    裏切るよ。迷わず

   翳り、を

    きみたちを。わたしは

   濃くし

視野に、ひかり。と、翳り。それらの親密なたわむれを、と。

   知っている。わたしは

      約束しよう

    理由があるんだ

     手のひらに、…見て

   もうすぐ、滅び?

      約束はできない、と

    生き延びるべき、如何にしてでも

     ここに、未来が

   衰退?兆候は

      約束しよう

    たしかな理由が

     あるんだ。すべてが

   かくしようもない

こんなにも。かくまでも繊細な世界に、わたしは

   翳り、を

    だから最後には

   ななめの

    捨て去るよ。滅び

   翳り、を

    朽ちてゆくなら

   濃くし


   翳り、を。その

   ななめの翳り

   翳り、を。そこ

   濃く。しだいに










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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