(無旋律の音声のための)祈りのない賛歌とパルティータ//キスをしたね?/率直に、あえて/はずかしげもなく…え?/言ってしまえば//詩;01





Ⅰ.詩5篇


   キスをしたね? ;hymnus;01

   率直に、あえて

   はずかしげもなく…え?

   言ってしまえば


   影を。ええ、ぼくたちは

   踏んだのだ。え?滑走し

   すべり、あ!なめらかな

   影。やがてはなやいだ


   影を ;intermezzo

      それら

    そう。きみは

     影を

   影に

      それら

    ほほ笑めば、いっ

     影を

   影に


   キスをしたね? ;organum à 2-4

      なに?いま

    きみは、…そうだ

     あり得な、ええ。まさか

   率直に、あえて

      滑走を見せて

    仮定せよ。わたしが

   はずかしげもな、…ね?

    祈っていると、ただ

   言ってしまおうか?


   影を。ぼくたちは

    しあわせを。きみの、あの

   滑走!踏んだのだ

    いつか、底知れない

     影を。ぼくたちは

   すべりよく、なめらかな

      キスをしたね?

    雨の日にでも

     滑走!踏んだの

   影。はなやいだ、…ん?


   影を ;intermezzo

      ひとりあそび?…ふ、

    あっ。きみは猶も

     見て!おれの

   影、…なんの?

      すてきだね?ふ、

    ほほ笑めば、あっ

     壮絶な、…え?

   影を


   恥じらいもなくに、 ;organum, capriccioso à 3

    キスをしたね?

     なんでだ?きみを

   だ!そうだ!だっ

    もえがるような、…それは

     傷い?ぼくが

   キスを?だった!

    あっ!愛

     ここにいたから?

   ええ。言ってしま

    率直に、あえて

     きみは、ね?だから

   率直に、いっ

    はずかしげもなく言っ

     いっ

   影を。ぼくたちは

    影を。いっ

     いっ

   素直に、ええ

    え?われわれは

     いっ

   滑走!影が

    踏ん、いっ。だ

     いっ。いいえ、傷い?

   踏んだのだ。あまりにも

    あっ。滑走し

     いっ。ぼくが

   すべりよい、なめらかな

    すべり、な!

     ここにいたから?

   な!…影を、と。ふと

    なんてはなやぎ

     すぐそばに、きみの

   ぼくたちはより添いあいさえし

    なめらかな、しかも

     きみは、ね?だか

   ええ。影を ;attacca;intermezzo

    わたしのために、きみは

     空間のすべて

   そう。影を

    ほほ笑んでいよ

     あふれか、罵声にこそ

   え?影を

    いまも。…ね?

     だからあふれかえっているばかりだったな

   キスをしたね? ;attacca;organum à 4

      ら。鳥?…いえ

    涙を、だ。うかべて

     ば、

   率直に、あえて

      そう?ら。あの、なに?あれら

    だ、仮定せよ。と、

     らば、だ

   はずかしげもな、…ね?

      ら、疾駆し去った翳りら、あっ。は

    わたしがあなたを

     ば、やめて

   言ってしまおうか?


   影を。ぼくたちは

      キスをしたね?

    見守っていたのだ、と。あの

     わたしたちには、もっと

   滑走!踏んだのだ

      だからぼくらは

    ええ。底知れない

     やさしい歌が似合うのだよ、と

   すべりよく、なめらかな

      恥ずかしげもなく

    雨の日にでも

     ささやいてほしい

   影。はなやいだ、…ん?


   走り去った!なに? ;quatrain

   翳り。覚えてたの?

   キスを。あの日

   耳を覆った轟音をも


たぶん。…ね?わたしたちはしゃべりすぎていたのだ。いつも、返り見た沈黙の須臾にも ;recitativo


   考えてごらん、それは ;hymnus;02

   はなやいだ森だ

   花々が、だから

   すさまじく、あれら


   ささやきを。散らし

   はなやぎの森。その

   ひびきのなかに、…もう

   焼け落ちていっ。花も


   ね?考えてごらん、それは ;organum à 4

      ね?…ええ。それら

    ね?はなやいだ森だ

     ええ。考えてごら、ね?

   はなやいだ森だ

      ひびきを!…え?

    ね?花々が、だから

     はなやいだ森だ

   花々が、だから

      はなやかな、…どう?

    すさまじく、ね?あれら

     花々は、だから

   すさま、…そう。あれら


   ささやきを。散らし

      考えてごらん、それは

    はなやぎの森。その

     ささやきを。散ら

   はなやぎの森だ。その

      花々が、だから

    ひびきのなかに、…もう

     森は。はなやぎ、そ

   ひびきのなかに、…もう

      すさまじく、あれら

    焼け落ちていったのだ。花も

     ひびきのなかに、…もう

   焼け落ちていっ。花が?

きみは、きみの顔をせめて暗示せよ ;recitativo

   あれは、そして ;hymnus;03

   夜。けものたちさえ

   夜。あえて

   よそおわれた眠りに


   落ちた。月を、その

   俊敏な降下を

   見たのだ。かれらも

   舞い上がりはじめるすべての土という土、…を


   あれは、そして ;organum à 4

      ひかり。さまざまな

    巧妙に、しかも

     ええ。傷つけは、し

   夜。けものたちさえ

      え?ぼく?…いえ

    誠実で、やがて

     ないから。な、な、けっし

   夜。あえて

      それはいわば

    深刻に。かつ鋭利にかたむき

     て。ええ、わたしたちの

   よそおわれた眠りに


   落ちた。月を、その

      だれでもないものなんだ。ほら

    見よ。砂は

     しかもやさしい吐息で、あっ

   急降下を!俊敏な

      ひかりのなかで

    砂さ、え?しろい砂さ、し

     きみは。…わかる?ぼくらは

   見たのだ。かれらも

      泳ぐかの…と、

    霞のように

     ね?ここにいるから

   舞い上がるすべての土という土、…を


   あれは夜。けものたちの ;quatrain

   夜。仕掛けられた眠りで

   月を。その降下を

   ただ、夢として、…ええ


きみは、なおも追われるままわたしに。そう、笑いかけてみるのだ。…が、 ;recitativo


   きみが、だから ;hymnus;04

   唐突に…おお!

   さらしはじめた

   速度を。きみだ!


   わたしが流しかけた涙をも

   返り見ず、あえて

   ぼくらは。やがて

   沈黙にさえ、そう


   きみが、だから ;organum à 4

      飛沫。ん?

    唐突に…おお!

     きみが、だから

   唐突に…おお!

      きみが、そう。だれ?

    さらした、あっ

     唐突に…おお!

   さら、見るがいい。あっ

      横目で?いま

    速度を。きみだ!それは

     さら、あっ

   速度を。きみは


   涙をも!わたしの

      きみが、だから

    返り見ず、あえて

     流しかけた涙をも、この

   返り見ず、あえて

      そして加速。急激な

    ぼくらは。やがて

     返り見、あっ

   ぼくらは。やがて

      さら、流さなかった涙をも。…ね?

    沈黙にすら模倣された。そう

     ぼくらは。やがて

   沈黙にさ、…ええ


たぶん。…ね?わたしたちはしゃべりすぎていたのだ。いつも、と、飲み込んだ沈黙の唐突な須臾にも ;recitativo


   わたしたちは、そっと ;hymnus;05

   こころみた。そう

   鳥翳を、その

   疾走を、そこ


   つまさきで。踏もう、

   と。失踪を

   すでに果たしさえした!

   ひなたで。あの


   鳥翳を、…鳥? ;intermezzo


   わたしたちだけの ;organum à 2-4

    え?…もう

   こころみを。そう

    いいんだ。きみは

     わたしたちだけの

   鳥翳を、その

      あざやかすぎて、さ

    ちから尽きても

     こころみを。そう

   疾走を、そこ


   つまさきで。踏もう、

      ちょっと。恥ずか

    そう?猶も

     と。失踪を、あの

   と。そう、…わらっちゃ

    わたしに、横目で

     ひなた。かがやかしい

   すでに失踪されていた

    やがてあざやか、…あっ

   ひなたで。あの


   鳥翳を、…鳥? ;intermezzo

   疾走を、…いや。だれも


   すさまじい音響を ;organum, capriccioso à 3

    きみは。いなかった。きみは

     すさまじい音響を

   ひびきを。だから

    そうだろう?すでに

     ひびきを。だか

   圧倒的な、…え?

    きみさえも

     もはや支配的、…え?

   孤立。ぼくたちは

    立ち去っ、…でしょう?ね、

     轟音に、ええ

   こころみた。そう

    ただ、芳香。ひたす

     孤立。そう

   わたしたちだけの

    臭気?またはかすかな

     こころみよ。われら

   疾走を、そこ

    の、記憶を。お

     孤独。そう

   ひなたの綺羅の

    だけ、…気配も?

     われわれだけに赦されたはずの

   充溢!稀薄すぎた横溢に

    のこして。もはや

     疾走。…ええ

   ええ。思ったの、ええ。だ

    きみが存在したという事実さえ

     またも孤立とは

   が、

    ええ、疑わ、…え?

     夢見られていた

   が、

    微笑

     はなやぎにすぎない

   ん?


   鳥翳を、…鳥? ;intermezzo

    ひびき?

   疾走を、…いや。だれも

    羽搏き?

     鳥翳を?

   逆光も。ひなた、

      鳥?

    え?

     失踪を?

   あの


   わたしたちは、そっと ;organum à 4

      疾走を、そこ

    ひそかな、…ね?

     音響は、あっ

   こころみを。そう

      鳥翳を、その

    ほそい、ほら

     綺羅めきたち!ついに

   鳥翳を、その

      そう?模倣しようと?

    息を。やがては

     満たした。ぼくらをも

   そこに。疾走を


   おっ


   つまさきで。踏もう、

      あえてひなたで、あきらかな

    吐きながら。ええ

     無数の!

   と。失踪を

      すでに果たされてきってい、…ん?

    われわれはいつか

     そう。そうだったん

   すでに果たしていさえしたあの!

      失踪であった。完璧な

    耳を、羽搏きに

     際限もない!

   え?


   鳥翳を、…鳥? ;quatrain

   疾走を、…いや。なにも

   見なかった。逆光も

   羽搏きも。ひなた、あの










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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