ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -290 //とろけてしまったのだった/デンドロビュウム・ギンギアナム。…そこに//17
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
椿。29日。1月。その着信は
だれ?
琉偉。ちょうど椿は、その日
なぜ?
由比が浜のいつものカフェ・レストランに雅秀といた。そして水葉と。…なに?と。水葉だけが、そこにその椿を咎める、そんな気配の眼に、
氷が、ね
きみはただ
見やった。…いいよ、
いっ…。と
きみの風景に
と、
溶け、崩れ、
溺れるがいい
椿。「そのかわりすぐ来いよ。お前」…ちょっと、と、やがて、出てくる。おれ。水葉にだけ言い捨て、出て行った椿を雅秀は気に留めない。トーアの3階。水葉の舌の感覚だけにいそがしかったから。「穆?」と。信号のそこ。電話。椿。穆に。ふり返ればそのまま水葉の部屋が見える。柔順な
逢いたくはない
琉偉。そこに「どこ?
きみにも、だれにも
あいつ」かたわら、
逢いたくはな
椿の「そ。高明。壬生」顔を見上げ、まだ椿に「わかる?…今日のアポ」不遜を気取る自信はない。そしていちいち復唱させるかたちをもって、椿は琉偉にスケジュールを教えた。午後6時。…てか、「お前、学校は?」椿。ふと、われに返って琉偉はおもわず中学生の顔をした。「おれ、すか?」
落ちてくるよ
ふきこぼれるように
「今日、木曜日じゃね?」
暗い空さえ
生きてみないか?
「もう、6時ですよ」…そ、か。椿。そして笑って、「おれ、結構さ、こういうとこ、可愛いよな」本気で琉偉に媚びてはしゃぐ。謂く、
耳なりがときに
なぜ?むかし
その後遺症で?
波さえも鳴り
耳なりがときに
あくまで、それら
なぜ?むかし
散乱しつづける
その後遺症で?
騒音。ほら
波さえも鳴り
純粋無垢なアホづら、さらさないでくれる?…かな、
耳なりがときに
聞こえないんだ
いつまでも、それら
滾るか、に
なぜ?むかし
いま。たぶんあやうい0.1秒程度
立てられつづける
たわむれるか、に
その後遺症で?
きみのまるい声が
雑音。ほら
沸き立ちあうか、に
波さえも鳴り
樹々。11日。そこに、
笑ってよ
世界は、ただ
2月。樹々は
わたし
憩いを。無慈悲に
ふと、さびしさを知った。雍也。迎賓館裏まで送った、そのバイク。乗ったまま、雍也。顎をしゃくった。じゃ、ね。と?雍也。晴れ。見上げればもう8時に近い朝に、樹々。11日。高明のことはもはや時々にしか思い出さない。終わって、午前、部屋に帰った時にだけ思い出す。たしかにわたしはかつてふたりで
かつて
気づき。…だよ
わたしたち
ここに
たしかに
うしなってはじめて、…って、
わたしは
帰ってきたのだ、
かつて
気づく。…だよ
わたしたち
と。だからその時に、惰性とは言えくちびるは言葉を吐きかけた。と、唐突にすでに忘れ、もう、なんら思い出しようのない言葉を。謂く、
印象。感傷?
ふと、ね?でも
もう、きみは
生きてないんだっ
印象。感傷?
生きられないよ
死んだ?…じゃね?
きみは、普通には
じゃね?…死んだ?
きみの速度が
印象。感傷?
やばいよやばやばいよなんか、顔。おもいだせないよ。もう
死んじゃったんだ
いま、どこですか?
追い越してしまう
罵詈雑言。さえ
やられちゃったんだ
逢いたいよ。いま
きみ自身をさえも
うかばないままに
あいつら、と、で
だれのとなりにいる?
見捨て去ってしまう
悲嘆落胆も
あいつにも、で
ってか、じぶんの顔さえ
印象。感傷?
死んでもいいよ
死んだ?…じゃね?
きみは、だれにも
じゃね?…死んだ?
思い出されないから
印象。感傷?
印象。感傷?
ふと、ね?でも
もう、きみは
生きてないんだっ
2日。雨、2月。が、
…え?
死屍が
降りそうな、そんな
…は?
ガス爆発
朝。水葉。雅秀がいま、椿と部屋を出ようとした背後、携帯をさわった。先行するのは椿。ドア・ノブをつかみかけ、ふとそこに振り返り、だから水葉を、
花のように
愚弄しないで
ごめんね
と。思った。
匂い立つ雨が
やさしくしてよ
無意味に、なんか
水葉。
花のように
見下さな
ごめんね
違った。椿は。彼は水葉をとおりすぎ、つきあたりに窓、だから空を?無言。椿。だから水葉。彼女はそれとなくその、かみあわない目線に笑みをくれた。雅秀は、気配。背後、気づかないをふりをする。水葉は頸を
そうだよ
あっ。豚。くぐる
凝視
かたむける。
おれは
あっ。豚。およぐ
沈痛
ひだりに、
きみが好き
あっ。豚。とぶ
失語
すこし。謂く、
赦す、と。なぜ?
きみは、いつでも
ささやかせ、しかも
赦しきらせない
赦す、と。なぜ?
だいじょうぶだよ
あ、と。その
目舞い。一瞬
きみは、いつでも
きみ。雨なら、きみが
唐突な、…なに?
横にすべるかの
ささやかせ、しかも
ぼくを守るよ
印象。の、ような
さわがしい。そこが
赦しきらせない
こころはいつでも、こわれそうだったと謂う事実を。かくしとおすのだ。わたしたちは、ふと、
きみの、なぜ?
こころは、どこを
さまよい、どこを
目指すのだろう?
きみの、なぜ?
心配ないって
失語、を。その
鬱が。一瞬
こころは、どこを
きみ。嵐なら、きみが
きみさえも、…なぜ?
とおりすぎるかの
さまよい、どこを
ぼくのために死ぬ
既視感。の、ような
さわがしい。雌が
目指すのだろう?
穆介。2月15日。その午前7時。渚の背を指先になぜた。六本木。室内。一面の窓に、朝のひかり。謂く、
さわがしいから
ひかりが。猶も
きみも。その
気配も、いまは
さわがしいから
孤立を。そこ
ひかりが。猶も
我々は、すでに
きみも。その
うかがい、肌に
気配も、いまは
見たくない。きみも、朝のひかりの。朝のきみにふれたひかりも、ふれられた鮮明なきみの、そんなきみさえも
さわがしいから
ひかりが。猶も
きみも。その
気配も、いまは
さわがしいから
まばきの、きみの
孤立を。そこ
澄んでゆく
ひかりが。猶も
そのかすか。ひびきも
我々は、いとおしみ
ぼく。あなたは?
きみも。その
聞こえていたかの
その傷みに
研ぎ澄まされてゆき
気配も、いまは
雨。2日。椿運転の
見ろよ
耳たぶを
車。その
華麗な
ふれるように、射した
助手席にのりこんで猶、
あやういカーヴ
一瞬のひかりに
おさまらない。雅秀。その
見ろよ
知れ、かなしみを
忿怒は。間歇的な、…激怒。突発的な、…激情。だから…激怒。思い出しては…激越な。暴発する、…激怒。そんな、…頼むよ。「まだなの?」
「高明?」
残像が。…さ
動揺を
「まだ、クソ餓鬼見つかんない?」
「きのうの今日じゃん」
きみの、ほほ笑み
さらしていたん
「でも、山田ならできるでしょ?」
「やめてそういういきなりのモチベーション管理。捜索範囲ひろすぎんくね?東京あたり、新宿あたりだろうけどね」
残像が。…さ
鳥影が
「情報ある?」
「ない」
おれを泣かせて
不規則な
「なんで、…新宿?」
「行くわけないじゃん」笑った。椿は、「クッソ田舎もん。いきなり北区にはいかないから」…てかさ。椿。「ころしちゃったら?」
「高明を?」
「うざくね?すでに」と、知っている。そこに「駄目だろ。それは」椿。雅秀の答えは。「悲しむやつ、」だから、「いるから」雅秀。その声に先行して頬がゆるんだ。笑み。存在。だれの?焦燥。なんの?雅秀。なぜ?ある。たしかに、執拗に、いつ?焦燥。どこ?ただ
あざやかすぎて
冴えてるぜ
雅秀にだけに
呼吸さえ
眠りもせずに
焦燥が。思わず雅秀は椿に固有の鈍重と無能とを見た。謂く、
知らない。わたしは
結局は、なにを
どうしたい?猶も
ささやき、その名
さけた。わたしは、他者。かれらの目を、
どうしたい?猶も
風景。知っている
ただ、わたしは
見はしなかった
ささやき、その名
流れすぎてゆく、と
いまや、あるべき
目にふれることもなく
つぶやき、その名
その事実なら
未来。そのために
見捨てられる色彩
どうすれば?いまも
よぎった。わたしに、未来。くらい、それ。
つぶやき、その名
どうすれば?いまも
最終的に、おれを
どこへ?知らない
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