ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -285 //とろけてしまったのだった/デンドロビュウム・ギンギアナム。…そこに//12
以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。
また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。
高子は、31日。晴れた。その
翳り、に
12月。その
やさしげな
2003年。その
翳り、に
笑み。雅秀。カフェ・レストラン。海辺の。入り口をくぐった高子を見止めるなり、午前。10時半すぎ。笑った。高子は、その雅秀の素直な笑みに、あくまで添わせ、…食べた?笑った。え?もう、「なに?」雅秀は、「もう、お昼は、高ちゃん。食べたの?」困惑。高子。思わず背伸びしかけ、高子は店の壁に時計を探した。その
いっしょに生きて
ゆるやかに、
挙動に、
ゆけるよ絶対
時よ
カフェ・レストラン。椿ご用達。頻繁に通っていた、「何時?」そこ。「…いま」雅秀。そのすれすれのかたわら、すわりもせずに立ち止まったままの高子に、…そっか。独り語散た。「まだ、早いのか」と、そしてようやく高子はちいさな声に、みじかく
いくつかの
翳り、に
どう?…あなたが
笑った。雅秀。その
忘我の
やさしげな
まなざしに、その
邪気のない須臾の茫然をなぜか、
一秒たちが
翳り、に
見る世界。…どう?
好ましく思う。だから、雅秀。その虹彩。謂く、
なきものにしてしまうのだ
似合う。むしろ
きみは、ただ
雨。が、降るまえの
時間を、きみは
鬱な、やや。ひかり
無造作に。なんら
流れ去りなどしなかった
似合う。いきなり
か、…に。きみは
返り見られたその
そのあどけなさ
須臾のとまどい
無作為に。もはや
うばい去られなどしなかった
似合う。やや
か、…に。きみは
朝。肌寒いその
ときに唐突な
なぜ?懊悩。寝起きの
愚かさに。もはや
得られたものさえなにもなかった
似合う。突然の
か、…に。きみは
え?もの忘れ。その
ただ赤裸々な
唐突な失語
無邪気に。もはや
知ってる?いまも、おなじ日射しのなかに、いる、のだ。
なきものに
あなたは、これから
似合う。むしろ
ななめに、翳りが
きみは、ただ
しあわせになるべきだから
雨。が、降りやんだ
あなたに、ふいに
なきものに
ゆっくり、素直に
誠実な綺羅めき
なまめかしさをさえ
時間を、ただ
17日。5限目。午後。1月。雪。あくまでも、
暴力的なまでに
やめて
つまさきを。しかも
ふりはじめの
清楚な
ふまないで
かかとをも。しかも
雪。高倉晶子。学校。外の空気を吸いたい、と。晶子。あきらかな苦しみがあることは
どこに?
ぶち込まれる
知っていた。もはや、
だれに?
口蓋に
誰にというわけではなく。失踪者が
きみは
鼻孔に
いた。しかも
だれ?
衝動。の、むれ
ふたりも。警察は家出と判断した。それ以外のだれもが事件としか思えなかった。たとえときには蔭口中傷か好奇心まみれの噂話としてでも。たしかに壬生高明の素行は問題があった。なら、あの存在感のない綾子は?存在感のなさを晶子はその欠損とは想わない。より素直に中庸ということだから。知っていた。教員室で、教室で、あるいはカフェでもどこでもだれもが警察の判断にはあきらかな無理があると。学校。秋子。ただ外の空気を吸いたいと、しかも
見なかった
は、ない。雪よ
いいかんじ?
唐突に。
あなたを
純白であれ
いいかん、…かな
擬態。あくまでも、
知らなかった
それ以外
いいかんじ?
最初から高明も綾子も学校に存在してはいなかったかに唐突かつ意図的なこころの
うしろ姿さえ
きみの価値は、ない。
いいかん、…かも
擬態。不安は、自分の皮膚の外にはけっして拡がるべきはない。まして教室では。謂く、
思う。雪は
あしたまで、せめて
ふりつづけばいっ
なぜ?わたしは
思う。雪は
虚偽。または
あしたまで、せめて
偽善のむれ。その
ふりつづけばいっ
ただなかで息をしている、と
なぜ?わたしは
え?わたしの名前はなんだっけ?
思う。雪は
あしたまで、せめて
ふりつづけばいっ
なぜ?わたしは
思う。雪は
なにが?いったい
そんな実感が
押しつぶそうとしているのだ
あしたまで、せめて
できるというの?なにが
悔恨?せめさいなむ
わたしを。まさに
ふりつづければいい
なにが?いったい
とはいえ、いま。わたしに
無数に散乱した冷酷が無数の
なぜ?わたしは
雅秀は、
だいじょうぶ?
匂い
31日。ふと、
わたしは、たしかに
空間の
いとおしい、
じゅうぶん以上に
乾いた樹木の?
と。その女。12月。
きみに、やさしく
匂い
高子。2003年。その
笑えてますか?
ほのめかすかの
笑み。雅秀は、そして自分の感情に素直であろうと思った。…べつに、と、雅秀。「高ちゃんが、」
「高明ですか?」声。高子。その声はあくまでそっけない。冷淡?淡白な性格?あるいは、ただ言葉そのものに素直、と?思いつくまま、感情さえともなわさせずつぶやかれた、
ほら
ことば。そんな自然を、
微光。きみに
ことば。むしろ雅秀は、
ほら
ことば。故に、ただいたましく「…ないから。」思った。「なにも、高ちゃんが心配することは」
「してません。…実は、」
つまり、わたしは
真摯な、これら
「なら、」
「なんか、ぜんぜん…できない。心配。秋子さん、」
放棄。すでに
告白に、あえて
「なら、いい。逆に、」
「山崎…彼女は、」
と、いうことは
媚びを?真摯な
「そっちのほうが、」
「もう、彼女には」
すでに、わたしは
なぜ?にじませ
「…家政婦?」
「というか、…なんだろ。
なつかしさが
姉。または
知った。たしかに
なくてはならないひと。大切な
やや唐突に
妹。または
知った。明確に
人。大切に、ほんと、
わたしのこころを
恋人。または
知った。もはや
いっぱい、
さわがしていたのを
母。または
知っ、否定しがたく
大切にしてくれたひと」…信じきれはしないよ、と。そこに雅秀は高子を「高ちゃんに、」あやぶんだ。「高ちゃんが、おれが、だから心配なのは、一番はそういうところ」
抱きしめたい。その
「でも」
懊悩ごと、…いま
「信じやすすぎるから。他人は他人だよ。しょせん、って、その家政婦批判じゃないよ?…とか、おれを信じろとか?そんなのは言ってない。じゃなくて。むしろ、逆。おれさえ信じない、信じきらない、そういう、…なんだ?ずる賢さ?さかしさ?強さ、とも、言える?そういうのが、いま」
「無理」と。ふいに高子は声を立てて笑った。嘲りがあった。その虹彩に。と、
すぎさったんだ
稀薄な、あくまで
くちびる。
うしなったんだ
あかるい声って
頬にも。まるで
きえうせたんだ
癒される。なんか、
自分を嘲っているかにも、雅秀には見えた。気にしなかった。それならそれで、好きにすればいい。雅秀はいまや、たとえ水を顔を引っ掻けられても、高子をただ赦すに違いなく、いいよ。と。そう思っていた。ふと、…なに?ささやく。「なにが?」
「無理なの。わたし、そういうの」
「って、
生きられない
ずる賢く、
きみは。ひとりでは
さかしく、
一秒も、
って?」
「無理じゃない?知ってるじゃない?おじさんも。わたし、結局だれかにすがりつづけてた」…なに?雅秀。殊更に語気を、故意に雅秀は強めてやった。「それ、なにが問題?」
「だって、さ。もう、わたし」
なんどでも
匂い
「すがれば?みんな」
「30じゃない?もう」
わたしは、あなたに
雨だよ。きっと
「巻き込んで、で、すがっちゃえ。すがって、すがって、駄目になったら乗りかえればいい。なにが悪い?それの」
「卑怯じゃないですか。わたし、いままで」
叫ぶだろう
もうすぐ、雨が
「それもひとつの方法じゃない?」
「そういう卑怯な、だから」
きみはうつくしい
匂い。その、
「いいよ。おれは」
「意地汚いだけの人生」
と、慎重な
降るんじゃないか、…な?
「高ちゃんにすがられて捨てられたとして、それでいい。おれは。で、しあわせになるんだろ?高ちゃんが。そこまで大げさに言わないまでも、なんとかなるんでしょうが?なら、」
「穢いじゃない。自分勝手で、独りよがりで、自分が、だけ、が、よければそれでよくて、」
ささやき声で
匂い、が。停滞
ささやかな声で
「って、それ、むしろ人の一般的な生き方そのものじゃない?倫理、とか?モラル、とか?そんなの、自分のいい都合を勝手に正当化してるだけ。そうじゃない?そうじゃない奴なんて、いたとして滅多に逢えるもんじゃない。つまり、高ちゃんはなにか引け目に感じる必要、なにも
あ。いま
あたたかな息を
なにも、
あふれた
吹きかけ、きみに
ない」…そ、と、か。そこに…そっか。つぶやき、高子。彼女は目を細めた。表情をなくした、だからそのだからこそ、のその真摯な須臾。須臾の持続。須臾に、停滞?唐突に、それがくずれてあざやかな笑みが鮮明に…なに?浮かんだ。雅秀は「…だって、おじさん、」そんな高子を、たとえば「丸め込まれちゃう…」前髪のわずかな「だから、いっつも」ゆれにいたるまで「すがっちゃうの。わたし」好ましく思った。高子は雅秀の曖昧なまなざしをふと、謎めいて見た。謂く、
沈黙が。むしろ
その沈黙こそが
愛おしいから
沈黙。わたしは
指が。ふるえた。だから
沈黙が。むしろ
ん。やがて、そこ
その沈黙こそが
ひらかれたくちびるが
愛おしいから
なにを、あえて
沈黙。わたしは
沈黙が。むしろ
その沈黙こそが
沈黙が。むしろ
その沈黙こそが
ふるえた。爪が。だから
沈黙が。むしろ
気絶。もとから
なにを、いまさら
猶も。さがす
その沈黙こそが
意識もない、それ
くちびる。微震
あなたは、ことば
愛おしいから
髪がたれさがる
ん。やがて、そこ
ささやかれるべき
沈黙。わたしは
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