ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -280 //とろけてしまったのだった/デンドロビュウム・ギンギアナム。…そこに//07





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





3日。1月。北村

   きみは

      …ねぇ。そっと

巧。見る。山下龍平巡査長。彼を

   ひそかに

      泣いてていい?

返り見、その

   薔薇をくわえて

      不幸だから

電話。その

   夏の荒れ野に

      まだ

秋子。その

   走る猿を

      ぼくらが

電話。壬生秋子。午前

   讃えよ

      …ねぇ。そっと

9時。電話を切ったあとで、「失踪事件。…壬生高明。の、保護者」

「無理ですからね」同調。というよりはげしい「むこうの、…だから」共感。巧。というか若干の「なに?心労?」嘆息。巧。というかんじの性急な「心痛?心、しん、し、」同調。巧。というその「わかりますよ。はげしく。って、謂っても」憤慨は素直に龍平のこころを刺し、共鳴させ、

   びっ

      こわがらないで

微動。

   かすかに

      だいじょうぶ

に、

   びっ

      おどろかないで

ふるわせた。「民事でしょ?」

「家出。ただの。ふつうの。事件性ない。それ、もう説明したんだよ。ただ、いま、結局、手がかりなくて?ネット?沢井綾子事件。あれとまとめていま、インターネット?すごいことになってるらしいよね?それで、」

「でも、民事ですから」

「ふたり、どっかで暮らしてると思うよ。意外に。実は。関連性ある派だから。おれは。…東京あたり?」巧は、…業務外。つぶやいた。そして「…か、」追随に笑う龍平の「無理心中?」柔順を、ただの無能とそっと判断していた。謂く、

   衰えてゆく

      声。きみは

    考えなければならない

     沈鬱。瞑想的な

   …と。想わない?

      いつでもかんだかく

    いま、真摯に

     唐突に、ふと

   ぼくら。病む。かつ

      笑い、だから

    わたしは。やがては

     赤裸々な怒りに

   衰えてゆく

築いたのだろうか?壊したのだろうか?わたしたちは、…衰微。

   なにが、と

      声。どうしても

    眼を見ひらくはずの

     かたむく。まだ

   明確もなく、その

      耳なれなくて、ただ

    あの子に時代。こどもたちに

     意味のないまま

   微弱。衰えを

      居心地のわる、だから

    なにを我々は残せ

     意味をなさずに

   見止めつづけつつ

与えたのだろうか?奪ったのだろうか?わたしたちは、…衰微。

   衰えてゆく

      声。ぼくは

    なにを奪い、なにを

     こころ。わたしの

   …と。想わない?

      ときどきおもわず

    軽蔑されるのだろう?

     正直なこころが

   ぼくら。病む。かつ

      逸らす。眼を

    やがて、その

     落胆。微妙な

   衰えてゆく

高子。17日。その日、

   狎れた、よ

1月。唐突な

   孤独感も

雪。出て行った。秋子は。朝から。返って来ない。昼も。だからその

   ひとりじゃない、感も

朝食。高子は、

   慣れていた、よ

ちかくで買ってきたインスタントヌードルを、常食。もはや、秋子。そして高子の。あかさない。秋子は、高子に。行き場所を。皿も洗わずにリビング、ソファに寝転がった。予兆があった。せつなさ。唐突な。その発作的なせつなさの熱狂が、ほんの数秒後に自分を襲う、その。高子。だから子供じみて身をまるめる。じみて?こども、じみて?懐疑。高明はそんな、こどもじみた姿勢で眠りはしなかった。いつも大の字にあおむけか、まっすぐなうつぶせ。ねじった、

   崩壊?

      いなかった、のだ

頸。大人の

   そう?すでに、最初から

      だれも。あなたも

固有の流儀?

   崩壊?

      いなかった、のだ

懐疑。堪えがたく、その高明への思いがせつなさの発作に高子の骨髄を焼いた。信じていた。高明を。いとしかった。だきしめたかった。高明は、こんなことでくじける子ではなかった。きっと普通に、やがて普通にしあわせにあるに違いない。いまを笑う未来を、と。高子。彼女は鮮明にそこに思った。謂く、

   きみを、愛、と

   まるできみを

   求めているかに

   いま、愛、と


   ささやきかけの

   それ。くちびるを

   咬みしめるかに

   いま、あま咬みを

そして慈愛を。見捨てながらにも。

   きみを、愛

    めずらしく、この

   まるできみ

    こころが、ひたすら

   求めて

    しずかでいたから

   いま、愛


   ささやきかけ

    ときとして、この

   くちびるを

    こころが、それでも

   咬み

    さわぎだすから

   いま、あま咬み

そして放棄。廃棄。いつくしみの横溢のなかに、

   きみを、愛、と

      ふるえる。しかも

    めずらしく、この

     想われた。と、奇妙に

   まるできみを

      予期。予感。感覚

    こころが、ひたすら

     わたしが猶も

   求めているかに

      なに?わたしは

    しずかでいたから

     孤独でいられるとは

   いま、愛、と


   ささやきかけの

      訪れるまえにすでに

    ときとして、この

     それでいて、むしろ

   それ。くちびるを

      予期。予感。感覚

    こころが、それでも

     ちがう。解放感というのとは、

   咬みしめるかに

      既視感。…なに?

    さわぎだすから

     安堵、と、でも?

   いま、あま咬みを

1日。だから、

   無意味。ふいに

      ちがうよぼくは

12月。琉偉。呼び出した。木原巽を、

   笑いたくなったり

      決して、あなたを

雨。禿山に、

   する?…きみ

      殴ったりしま

雨。「原田って、」と、まばたく。巽。「なに?」その返り見た眼の迷いのなさに巽は眼を逸らした。ただ、「なに?」詰問じみていた年下の声に、巽。彼はなんでもない、と。そこにそう打ち消すつぶやきの自由さえ「チャカ、」喪失。「あんだよ」琉偉。消滅。変質。そのころにはすでに巽と琉偉との力関係は逆転していた。本物、と、そうだれもが認識した東京の

   キレまくり

      ぶちこんだって?

         超克

椿と

   やりまくり

      へし折ったって?

         へたれ小僧の

つるんでいた。13歳と

   前科もち

      挙動まじクセすげぇ

         克己

いちいちつるむ椿に、その巽には懐疑の隙がない。巽は世界の中心で、鎌倉は巽の世界のすべての中心で、そこが地方の小都市と知る知識と、その世界軸たる事実とは矛盾しない。巽には。もはや、琉偉はあやうい起爆剤にすぎない。…って、「チャカ?」

   かちゃっ

「チャカ」

   どきゅん

「チャカ?」

「莫迦?お前」琉偉の、現状を知り尽くした狡猾を巽は憎んだ。孔掘って、と、さ。「埋めてさ、かもふら。ら。かもふら。ら。…アシ、つくとあれじゃん」

「錆びんじゃね?」思えば、巽の論理は琉偉にも常識だった。素直に、「どうしよ?」

「学校は?」と、その「学校?」思いつきの「体育館。あそこ、」あまりの明晰さに、思わず「用具室?」おののく。ふと「の、横。トイレあんじゃん。あそこ」おれはいま、犯罪にあきらかに

   だいじょぶ

      なんか体臭

荷担している。

   違うから。おれは

      くさくなってね?

巽。「オッケー」

「あそこ、基本だれも入んないじゃん」

   かちゃっ

「くっさくね?」

   どきゅん

「かもふら。ら。カモフラージュ的な?」…オッケー、と。「誰かに言ったら、おれ、お前始末しなきゃいけねぇから」つぶやく。情熱のある

   瞑想。やがて

      人生さっ。これが

うわ眼。

   辛辣に迷走

      青春さっ。これが

琉偉。…言わねぇよ。「パクられたくなくね?おれだって」数日で、一部学生に琉偉の銃器所持は、内密のかたちで拡散された。…くさっ。明けた2日。朝イチ、トイレの用具入れ内、そのバケツにポーチごとぶちこんだ。その琉偉。巽。「ぱくんなよ」琉偉。巽はそれ以上関わりたいとは思わない。琉偉は巽の裏切りを確信している。戦争かな、と、そのうち。そう、琉偉は笑みのうちに覚悟した。謂く、

   見なかった。この

      影。くろい

    生き延びてゆく

     知ってるぜ。もう

   眼。生まれてから

      光沢。にぶい、その

    おとしめることで

     やりあうしか、もう

   いま。この

      疾走。ふと

    はずかしめることで

     ねぇから。取り柄

   瞬間にいたっても

鼠およびゴキブリは殲滅されるためだけに生まれてくるのだよ。…害虫だから

   裏切り者

      聞こえた気がした

    倫理。または

     おれら壊れた

   かれら。容赦なく

      かさ、さ、さ、ささ

    作法。それが

     ぶっ壊れた猿。残骸

   信じられなく

      マジ?…けっこう

    お前らの。だから

     ダンスっきゃなくね?

   辛辣な加害者

そしてやや陶酔的奔放なつややか。表皮。…ゴキブリの

   見なかった。この

      離れてんだけど

    おれは、ただひとり

     クソだから。ってか

   影。それ以外には

      かさ、さ、さ、ささ

    投げた。軽蔑を

     人類本質クソまたはクソ以下

   いま。この

      耳。たしかに、…マジ?

    くれた。嘲笑を

     的な?やばっ

   瞬間にいたっても








Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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