ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -279 //とろけてしまったのだった/デンドロビュウム・ギンギアナム。…そこに//06





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





董雨萱、…ドン・ユイ‐シュエンはふと、ひとつ年下の姚朱亞、…イャォ・シュ‐アに身をあずけてやった。その1月2日。結局のところ日本人と謂うしかないユイ‐シュエンは、正月の稀薄な祝祭感の、ようするにないごともない透明な退屈を愛おしみ、ことしがせめて穏やかなものであればいいと思う。とりあえずの拠点。神泉の部屋。いまだ新鮮味をのこした外光がシュ‐アを、またはユイ‐シュエンをもななめに打っていることは知っている。あえてユイ‐シュエンはまなざしに確認しようとはせずに、窓を見やった。と、しかも、なにを眺めるでもなく。ふつか空けたままの兄と唐麗孝、…タン・リ‐キョウをは、もはや案じさえしない。謂く、

   微光は。ほら

   冬に、微光は

   消した。すがたを

   ふれたものには

生きていて、いい?

   微光は。ほら

    ひびきが。微弱

   冬に、微光は

    微弱に、そして

   消した。すがたを

    あきらかに、ただ

   ふれたものには

存在してて、いい?

   微光は。ほら

      ゆび。が、きみ

    あきらかに、耳が

     なぜ?かたむいて

   冬に、微光は

      その、そこに、やや

    微弱に、そして

     わたしの髪が

   消した。すがたを

      かたむいて、撫ぜ

    ひびきを。微弱

     散る。肩ごしに

   ふれたものには

自殺未遂。3日。自殺未遂。その

   ちがうんだっ

      自在。かすかに

あとの、

   さけんだのです

      風よ。窓に

朝。

   むしろ。ぼく、

      自在。すこやかに

蓉子。香月に

   あいを。だから

      風たちよ。い

耳打ちした。そっと、「こうやって、…ね?」ささやく。その「乗り越えて、…ね?こうやって」声を、そして…ね?息を「恢復してくの。こころ、…ね?」吹きかける。

   こう、…ほら

耳に、「元気に…ね?

   こう。こんな

なってくの」舌の

   こんなふう、こう

…ね?傷。そして

   こう、…ほら

あいかわらずの頸椎以外になんの問題もなく、香月はその朝、すこやかに

   すみやかに

      こころが、さ

眠った。蓉子は

   かすめとる

      いたいの、さ

眠りから

   あざやかに

      恋かな?恋

あえて覚まそうとはしない。うたたね。10時からのリハビリは今日、休みだったから。再開のめどは医師さえ知らない。覚醒時、香月に問題はない。47音表をつかったまばたきに依る筆談ですでに

   いつ?

香月は

   いつ?

蓉子にわびていた。謂く、

   眠いな、って

   て、て、ときに

   吐きそうな、弱音

   しかってね。ママに


   眠いな、って

      いとおしんだ。きみの

    嫌だ。わたしは

     仮構している。すでに

   ときに

      その、すべて

    ひとりで、ここで

     と、唐突にさらさら

   吐きそうな

      やつれも傷みも

    耳を澄ましたくはない

     ひかり。ふりそそぐとでも?

   弱音。ママに

ささやいて。ふれて。そばにいて。やがてはきみを捨てて死ぬから。朽ちゆくままに

   笑顔を見せて

   て、て、ときに

   吐きそうな、弱音

   シカトして。ママ、ね?


   笑顔を、って

      かなしいほど、きみを

    嫌だ。わたしは

     ててて、て、て、

   ときに

      だいすきなこと、せめて

    ひとりで、ここで

     と、唐突にざらざら

   吐きそうな

      しんじていつづけて

    眼鏡をつけたくない

     ひかり。ふりそそぐならば

   弱音。ママね

つんだ、と。

   は?

思った。

   マジなの?

30日。

   は?

高明。晴れ。その

   そおゆうことなん?

1月。

   は?

琉偉。その

   クソうざくね?

あまりにもちいさな公園。真ん中ちかく。左に滑り台。右にブランコ。琉偉。拳銃を、その突き出した尻に投げつけた。ふくらはぎに撥ね、地表にも。二度。3度?恐怖。そしてそれが暴発しなかったことに思わず恩寵を感じた。まだ、

   死。そして

      風景。はじめて見るその

と。高明。俺は

   破壊。…絶望的、

      戦慄を?…風景

生きてる。そこに

   死。そして

      風景。はじ

高明は、

   イノチだ。これが

      復活。いきなし

         完全無欠

われに返った。琉偉は

   おれはイノチ

      おれさま、…復活

         強烈激烈

もう

   イノチの滾り

      復活。やっべ

         超超弩級

助からないに違いない。最低、障害は残る、と。恐怖。まだ、と、生きている。高明。生かされてる、と、その真摯な、絶望的なまでに明確な啓示。高明は、琉偉。尻をつきだして顔に、地表を舐める琉偉。その頭部に、琉偉。発砲しようかと

   ずどおおんと一発

      ドレッド・ヘアで

思った。拾う?

   かましちゃう?

      歌え。…愛

拳銃を?その挙動を思うに、すさまじい疲労がすでに広がった。まだ、だれもひとの気配はない。つまりは、これからひと目があつまるというにすぎない。貴重な須臾だった。高明は踵を返した。バイクに乗った。ふかした。オメェらが、と。ひとびと。周囲に息を殺しているはずの、発砲音に気付いて気付かないふりしたオメェら、おめぇこそが、殺したんだ、と、

   屠殺だ!

激怒。

   いびったの、…だれ?

高明。その

   虐殺だ!

彼等に。冷酷で無情で善人づらのきたねぇ奴ら。逃走。高明は。疾走。逃げた。あやうく、樹々を捨て置きそうになって、生活。その、いま生命線に違いなかった女。舌打ち。急旋回。クラクション。舌打ち。身を犠牲にし、現場近くに高明は

   叫びそうだ

      ラ、ぶっ。ってさ

待った。指が

   おれは、耐えがたく

      ラ、ぷすっ。ってさ

ゆるえた。硝煙。その

   叫びそうだ

      ラ、ぶへっ。ってさ

匂い。硝煙反応。粉っぽい異臭を樹々に気づかれないかと高明はあやぶむ。しずかだった。町は、あまりにも、不穏なまでに静まり返った。町は、あまりにも、いつもどおりに静まり返った。町は、あまりにも、朝。事件の、ないし事件的事象の痕跡の最初の発見者は、西側はすむかいのマンションの住人だった。銃。そして周囲に派手な血痕。…撮影?午前6時。ラニングの直前。ベランダから。銃声は、バイクの派手なパンクかなにかの音として近隣住民には認識処理されていた。謂く、

   …って、え?

   ね。見て

   だれ?あけて

   あけて行くそれ


   空。と、それを

    あおむけになれ

   だれかが名づけ

    きみも。ここでいっしょに

   空。と、それを

    見ないか?ほら

   呼んだわたしは

だれだだれだだれだ。頭痛を、頭部に与えたのは

   空。と、それ

      切実に、いま

    か?う、か?やがて色彩は

     つめたいよ。ただ

   だれかが

      自分の喉に

    暴力的に、ただ

     せつないくらいに

   空。と、それ

      ぶちこみたい。拳を

    燃えあがるのだろう

     つめたくて、さタコ

   呼んだ

だれだだれだだれだ。発熱を、頭蓋に与えたのは

   空。と、それを

    見ないか?ほら

   だれかが名づけ

    きみも。ここでいっしょに

   空。と、それを

    あおむけにな

   呼んだわたしは


   …って、え?

   ね。見て

   だれ?あけて

   あけて。まぶた。それ









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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