ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -277 //とろけてしまったのだった/デンドロビュウム・ギンギアナム。…そこに//04





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





31日。1月。降らないだろうと、雨は。高明。かすかに、

   渇く

      はげしい雨を

窓。迎賓館うら、

   きみは

      降らせてみせろ

窓からすこしだけ見えた空に、高明。雨は、高明。今日も、高明。今日は?樹々。

   もう、さ。も、もっ

      やや鬱に

9時。樹々は、

   おなかいっぱいだよぉ

      雲が、やや

午前。その

   もう、さ。も、もっ

      やさしいひかりで

9時すぎ。昨日は苛酷だった。樹々。穆がおもしろいくらいにオーダーを入れてきて、高明はバイクで走り回った。樹々は股を拡げまくった。食事さえとらずに樹々は寝落ちした。目覚めるきざしはあるべくもなかった。空腹ではなかった。樹々稼働中の暇つぶし、高明はとりえず空腹を満たしつづけた。喰えば喰うほど腹がすいた。成長期だった。そんな時期だと、高明は自分がかわいかった。樹々の、

   愛を

      好きだ。きみが

眠るひたいに

   ぼくらは

      もう、こころ

唇を

   擬態しなければならない

      張り裂けそうなほ

おしつけた。離し難かった。離した。すぐさま、高明。ふたび額に吸いつく。謂く、

   刺さる。刺さり

   つき刺さり、つき

   刺さりつづけて

   愛。だからきみ


   愛が。きみは

   しずかな寝息に

   ぼくのためだけに

   すべてを捨てた

おれは。しかも猶も健康なのだった。

   刺さる。刺さり

    やや荒れた、なぜ?

   つき刺さり、つき

    その頬。やや

   刺さりつづけて

    頬骨のくぼみあたり

   愛。だからきみ

しかも。しかも猶も

   愛が。きみは

    涙を、きみは

   しずかな寝息に

    けっして、おれには

   ぼくのためだけに

    見せなかったよね?

   すべてを、捨て

生活は。おれの。しかも猶もまさにこれみよがしにも充実していた。…マジ、で、

   刺さる。刺さり

      出された?顔に

    やや荒れんげ

     孤独な気配が

   つき刺さり、つき

      好きじゃん?客とか?

    れんげの花を、ふと

     唐突に、わたしに

   刺さりつづけて

      どうせ、クオリティ低い系じゃね?

    にぎりつぶしたくぼみあたり

     与えた飢餓が

   愛。だからきみ

しかも。しかも猶も

   愛が。きみは

      お口でどうぞ、的な?

    涙を、きょうちくとう

     泣き叫ぶかにも

   しずかな寝息に

      何発だっけ?あれ

    って、さ。あの花

     好きだから、きみが

   ぼくのためだけに

      きのう云った数。お前が

    どんな花だったよね?

     そばにいてあげる

   捨てた。すべてを

椿。1日。見やった。楠は、入って来た琉偉を。見やった。琉偉。なんの屈託もなく、椿を、あたまをさげ、

   あれ?お前

      凍えていた

隣り。楠。その

   若干くさくね?

      毛虫たち。微笑

隣り。琉偉。座るなり水だけください、と、

   みっ

大声に、

   あ、あ、あっ

そして椿を

   みずだっ

笑わせた。9時。その

   だけくだっ

十数分すぎ。…てか、と、その「行かんくていいの?」椿。琉偉に。怯えた、と。見えた。その「どこ?」かたわら、「おれら、すか?」琉偉は、あまりに迅速な反応の楠が。「どこ?」

   きみの亡骸が

      髪の毛、

「学校」

   辛辣な放屁を

      ぬれてる?

「クソじゃないすか」琉偉。背を靠れこませ、その木製の椅子を軋ませた。「学校っすよ。

   わたしはいま

      吐くぜ

         って、求めてる?

所詮、

   凶暴だっ

      吐くぜ

         おれ。強さを

学校すよ」…お前、椿。「結構、」失笑。「日本語、」しかけ、もちなおし「あやういのな。なに人?」笑った。吹き出して。楠が。あかるく。ただ、あかるく。楠が。「元気?」唐突に、そう椿が云ったとき、…琉偉。ふとのぞき込む、かたむく上体に、椿。琉偉に。もう

   え?

      百合は愚鈍です

10時ちかくになっていた。知っている。楠は。いま、言葉を発する直前の椿が、その腕時計を見たのを。予定?って、「だれ?」

「…え?」

   いま、ぼくは

      やべっ。口が

         傷を負った

「元気かって、それ」

「兄ちゃん。お前の」

   きみの眼の前で

      おれ、なんか

         すべてのものたちよ

「おれんすか?あの、」

「あいつ、…」

   笑っていま

      くっせ

         生きろ

「引きこもりの」

「なの?お前の?なんだっけ?名前」

「おれの」と、「名前」琉偉。媚と嘲笑を上手に混ぜ、その笑みに「覚えてます?」…うまいな、と。椿。そこに椿は思った。かわいく、すなおに単なる能なしの莫迦になってしまえる。「忘れた。で、兄貴にさ、」

   ケツです

「なんすか?」

   ケツの孔です

「渡してほしいもん、ある」

「なに?」と、そこに琉偉がいぶかる寸前にはもう、楠はポーチをテーブルに置いていた。椿に預けられたそれ。膝にずっと抱いていたそれ。音を立てた。それ。ポーチが、テーブル。だから中の金属が、板材に。…なに?琉偉は

   かかつっ、と

      強くなれたよ

悟らない。楠は

   重さをすなおにかっ

      豪雨の中で

喪失感、および

   あばきたて、かかっ

      濡れたさなぎは

暴発または逮捕それら、あり得べきさまざまな負の可能性から解放された身軽さにふと、そこにふつうの息をしていた。それは楠に、なにかあたらしい自分に「…って」思えた。「え?」マジで、それ、「は?なに?」

「銃」ひそめもしない。声を。椿は。ふと右手の甲、そのわきの皿からナイフを取ると、…見てみ。

   したたるな

      匂い立つ

椿。「なか。

   穢すな

      雨にしめった

フルセット。弾も、

   肉汁よ

      思春期の

実弾。あるよ。

   なにも

      体臭。くっ

って、そのふたつっきゃねぇけど」笑う椿に、楠は昏い、侮辱的な笑みを送った。椿を軽蔑しているのではなかった。むしろいまだ銃を触ったことさえもない琉偉をだけ、楠。彼は朝、カフェ・レストラン前で迎えた車に、椿が降り立った瞬間になげられたポーチを受けた。胸に。故意に、椿はあわててみせ、その挙動。あきらかに遅れのあったその、

   なんですか?

表情。しかも、

   黄金ですか?

息。矛盾して。あぶねっ、と。「これ、」最初、「なんですか?」ほんの「…なに?」数秒、本気にしなかった。ポーチの重みと、眼の前にいるのが椿だという、それらの事実に楠は冴えた覚醒感とともに事実とたしかに知った。目視のまえ、すでに。「お前んじゃねぇよ」…琉偉に。ささやき、耳に、

   雨を見ながら

      神経が、いま

椿は。やさしく、

   窓辺。そこに

      傷み。あやうく

琉偉。まだ

   老人は、なにを

      首すじに、いま

自分のそこにさらすべき表情をさぐりあてない。琉偉。その

   歎くのだろう?その

      ふれかけ、しかも

陥没に似た

   ほほ笑みの周辺

      唐突な旋回

空虚。ふい。突き出た鼻に琉偉は鼻水をすすった。…やばっ。「おれ、風邪なんすよ」琉偉。「うつしたら、おれ、ぶちのめされます?」欠損。表情の不在と声のあかるさを、椿は欠損、と。ただそうとだけ思った。「いいよ。

   きみを、…マジ?

      はじめて知ったよ

         無能さ、が

べつに」椿。「やる。

   赦している

      おれ、意外に、

         耳の孔から

お前に。それ。

   おれ?なぜ?

      さ。小僧ども

         はみだしてるぜ

って、お前じゃ

   たんに無能な

      たわむれあうの

         ぶざまさ、が

…じゃ、ねぇんだ。それ、

   クソ餓鬼ども

      嫌いじゃなくね?

         毛孔からさえ

兄貴。…ひので?」

「ひでお」琉偉。そして「それ、」失笑。「渡せ。あいつに、兄貴に。そいつに、な?わかっしょ?莫迦でも。渡せ」それら、もう言葉を投げるごとに椿は興味を…なにに?失っていった。なんの?急激に、…なぜ?そこに、楠にも琉偉にも。ましてその兄貴になど。「お前、」と。思い出してふと、

   抱きしめたい

      行こうぜ!

椿は

   きみを

      楽園に!

云った。「駄目だよ」琉偉に、「べつに、お前が兄貴ぶっ殺して?そういう、発砲?したいっしょ。お前も。いいよ。けど、さ。親はやめとけ。親殺しって、あれじゃね?…っしょ?理由はともかくどうきはともあれともあれおれそういうそういうのそれやっぱそれそういうのまじちがくねっておもってるはっちゅうか、…ら、べつにいい。逆に、兄貴だったら」琉偉。その

   え?

右の指の前。琉偉のぶんの水を取って、椿は「やっちゃえば?」飲んだ。「やりたいんなら。ただ、」もう、

   清涼で

      きれいな、場所で

自分のは「煽りはしないけど」

   清潔で

      ぼくは、きれいに

飲み干していた。椿は水が

   清楚な

      発したい。怒号を

好きだった。味が清潔だった。たとえ水が猛毒であっても、椿はじぶんが猶も水を好む自信があった。すべてのソフト・ドリンク及びアルコール飲料愛飲者を、しらず知らずに軽蔑していた。謂く、

   考えて。もっと

   シンプルに。そして

   単純に。そっと

   きみは、やがて


   顔をあげ、ふと

      叫べばいい

    傷み。毛根

     あたたかな日射しで

   願おうよ。むしろ

      ひたすらに、もはや、なんら

    すべて、体毛の

     ひさしぶりに、さ

   見た。ぼくを

      救われようのない

    毛根のすべてが

     昼寝とか、さ。したい

   幸福を。他人の

苛酷。悲惨。凄惨。残酷。それらのごくごく至近でさえ、も

   ぼくらはもっと

   しあわせに、そして

   だれもが、きっと

   笑えるはずで


   顔をあげ、ふと

      聞こえた。声が

    うずくまる。毛孔

     かなしんでいる。もう

   願おうよ。むしろ

      ひたすらに、…だれ?なんら

    すべて、体毛の

     息。ひそめ、蝶

   見て。ぼくを

      救いを知らない

    毛孔のすべてが

     蝶たち。飛び立てなかっ

   幸福を。他人の










Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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