ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -275 //とろけてしまったのだった/デンドロビュウム・ギンギアナム。…そこに//02





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





樹々は、…まっ。

   はにかむように

      一緒だよ。どん

待ってて。客の

   はにかむような

      どんな、に。とおく

顔は数回、

   きみの共謀を

      たとえ。ふたっ

見ていた。樹々。彼女が見せた

   凶暴にさえ

      ふたり、離れても

携帯の写メで。かならずしも

   ぼくは、思っ

      も。ても、猶も

あたらしい携帯が必要と思わなかった。鎌倉とは完全に切れた。いま、取り立ててつながるべき相手はなかった。惜しむべくもまっ。…と。「待ってて」と、

   微風、だ

樹々。ささやき、

   きみ、は

意味深に笑んだ樹々に、今日の日付けを思い出した。糞尿まみれの女を連れて?と。どこに?高明。プレイ内容は知っている。聞いた。詳細に、樹々の見た

   きみの世界では

      花を咬め

風景はかならず

   きみの視野では

      曼殊沙華色の

高明の見た

   その風景には

      花を。孤独の

風景であるべきだった。のみならず、匂いも、手ざわりも、味も、感覚も、なにもかもすべて。強いたのは樹々だった。いまや、完全にその感覚は

   感じて…ほら。

高明の

   感じて…ほ

ものだった。錯覚。一緒にいられない、ひとりプレイ終了を伺うその待機の時間から笑い話の報告がはじまるでの間、高明はいたたまれない嫉妬に

   惜しみなく

      充分、ぼくらは

苦しむ。のりこんで、

   なすりつけるような

      満たされていて

ぶちのめしてやりたかった。彼等が抱くのは高明の、まちがいなく彼の自分だけの女だった。客ども。不当な奴ら。彼等のすべては愚劣だった。どこへ、と。行こうか。高明。知らない。いまだに、まともに

   金で女買う

横浜周辺で遊べる場所を。常に

   能なししかもクソやろうどもの

バイクで

   ち・かす拾って

通り過ぎるだけだった。夜の稼働中に立ち止まった場所は、指定のホテル周辺のみ。昼間は疲れきって寝た。なぜ?樹々は、その年齢の希少さの故にすさまじい人気だった。すさまじい数の、だからすさまじい犯罪者たちの存在をすさまじく、

   クソじゃっぷ、ども

高明。そして

   くされジャッ

樹々は

   我々は離脱する

      あついんだ

笑った。だれでもいい、女を

   凡庸な衰微から

      皮下脂肪さえ

抱きたかった。高明。雪の下では毎日、高子が用を足した。樹々は迎賓館ちかくの安いアパートで、そこもどこも全身、ただ休めているのを必要とした。かならず夜は朝まで回転だから。気を利かした、しかし肉体に飽和した樹々が、手で自分の肌に排泄させてやる以上の、明確な肉体が高明は欲しいと思った。イブの予定は明け方まで続いた。ゴムをいつもより余計に持たせた。襲って、

   小刻みに、やがて

      ふるえているのは

誰か、急襲。やっちゃう?高明は

   ふかく、あさく

      きっと、ね?きみの

いつか

   とめどなき激動

      涙だから

思案していた。そこ。樹々が仕事しているあいだに。逮捕?実際、どうせ、高明にもう未来はなかった。謂く、

   しぃっ。いっ

   え?…いま

   何時ぃっ。いっ

   え?…いま


   凍える大気に

    匂い。なぜか

   冴え、冴えて

    明確に嗅がれた

   冴えすぎて

    凍結。匂いの

   失笑。ぼくは

死にかけている、ぜ。おれは

   失笑。きみを

      やらせてよ。…ってか

    その無臭。…と

     愛。喰らえ、愛

   すべてをしっ

      ぶち込まっ。まっ

    名づけられた無臭の

     愛。においたつ、この

   失笑。じぶんを

      ずっぽし、と、さ

    その匂いさえ

     愛。あふれかえ、え、愛

   すべてをしぃっ

滅びかけている、ぜ。おれは

   凍える大気に

    くさっ。さっ。さぜか

   冴え、冴えて

    明確に嗅がれた

   冴えすぎて

    凍結。匂いの

   失笑。ぼくは

秋子。雨。12月。

   冷え切った

鎌倉。警察署はただ、

   雨なのです

無能を

   生きてんの?

      やがて我々は

さらした。もはや

   死んでんの?

      倦怠の中に

連絡をも

   微粒子その

      ながい吐息を

寄越さない。担当の

   かさなりあい状態?

      吐き散

北村巧巡査部長にはこちらから連絡する。情報はない。云った、巧は、もう鎌倉周辺にはいないのではないか。秋子。なら、どこに?巧。東京とか?

   じょうほう、…ねっ。そ

      きれいな

         未知であった!

無能。秋子には、

   ったら、ら、それは

      意外に、きみ

         なかった。…道は

彼が本気で

   さっします。さっ、も

      声。きれ

         未知であった!

動いているとは思えない。学校さえも、秋子には失踪を無視しているとしか思えなかった。高子とはもう口をきかない。あるいは、きくべくもない。語るべきことがなにも

   そんなわれらの

なかった。雪の下の

   閉塞状態

竹の翳りのした、無言をかさねていく自分たちの、かさねられた無言が秋子をさらに

   やつれてゆく

      踏め

焦燥させた。話すべきは

   音もなく、その

      急速度。すべる

高明の失踪

   ぼくらの冬は

      鳥翳を

それ以外にはなにもなく、情報がなければ語られるすべがない。ただ、町で顔をあわせる近隣の女たちが、案じるという以外の実体のない言葉を稀薄にかさねた。ビラを、と。その

   いたぶるかに

女たち。5人にひとりが

   雨が、ふと。

云った、配ったら?ビラを。駅前とかで?よくやってるじゃない?行方不明の。…拉致かも、と。北朝鮮?また?あるいは

   沈黙しない

      気配。…あっ

犯罪に巻き込まれた可能性が、

   わたしは、絶対

      笑ってた?

案じられていた。高子と、しかも無言がかさなればかさなるほど、麻布台と、および付帯する雅秀への嫌悪がどうしようもなく正当に思えた。もはや秋子に壬生の一族は憎悪の対象でしかない。親密な憐憫、または赤裸々な共感とともに、秋子は高子をも赦さない。ネット。あくまでもローカルな失踪事件だったが、誰かがあえて取り上げたようだった。13歳という失踪年齢と、その出自がいわゆるネット民の興味を惹いたらしく思え、秋子には

   見よ。いま

      違うんだ。すこしも

         共感は

自分たちがついに、

   散乱。無数の

      わたしは猶も

         いつも

見世物に堕したかに、その

   きみだよ。…見

      渇いてさえも

         冷淡だった

無縁の見世物を

   これが、き

      喉も。こころも、

         叫喚は

おもしろがった。深刻な侮蔑とともに。たとえば2チャン。さまざまスレッド。事件に巻き込まれた説。うち、生存・死亡説ふたつ。ここでも北朝鮮拉致説。家族が殺した説。床を剥いでみろ。女を寝取られたやくざによる暴行説。壬生コーポによる隠蔽処分説。つまり、消された、と。さらにオカルト、神隠し説。単なる逃亡説。ぜんぶ狂言だった説。フィリピンに帰った説。さらされた写真。個人情報。卒アル。罵詈雑言。差別的表現。見たという情報。どこで?歌舞伎町。ホスト説。ガソリンスタンドではたらいていたのを目撃した情報。博多にいた説。青森。仙台。なぜか隠岐の島。沖縄。広島。そのなかで、山田樹々の名を

   援交だってよ

      動悸。または

知った。すぐに

   先公と同衾

      息切れ。ややもすれば

忘れた。自称、山田樹々のともだちが、中学の同級生が男と逃げた、と。しかも男は富豪財閥の嫡子、いま、ある暴力団に監禁拘束されている云々。Mコーポ御曹司。…って、それ壬生?草。雨。12月。草。秋子。11日。草。持て余していた。リビングに降りてきた草。高子を。秋子は林檎の草。皮を剝いていた。めずらしく草、ひさしぶりにアップルパイ草。を焼く気だった。高明草。は嫌いだった。6歳?

   ほら、あっ

      しゃぶりつくかに

         他人を、そこに

7歳?素直に

   あーんって、あっ

      受け入れよ

         語るかに、そこに

吐きそうな顔をし、くさっ

   あーっ。あっ

      愛を

         自分をも語れ

腐ってる。くさっ。そうくさっ。云った。笑った。そのとき、秋子は。たぶん、そこにいたなら高子も。もてあました。高子を。ダイニングのテーブルに、背を向けたまま、そこで皮を剝き続けた。稀に身動き。高子。リビングのテレビをつけた。その

   やめ、やっ

      あー

音声。音。ノイズ。明るく、煽情的な、…と、

   やめ、…え?

      あー

耳。秋子。耳に、

   やめ、やっ

      あー

怒号。叫びそうだった。秋子は。振り返り、そこに高子を殴打してぼろぼろにしてやりたかった。わめきそうだった。その秋子は。謂く、

   ここで、猶も

   たもつ。冷静を

   そんなけだもの

   飼う。わたしを


   苛む。その

   冷静が、しかも

   衝動をすこしも

   癒しさえ、そこ

わたしが壊れたら、最後のことばを聞いてくれますか?

   ここで、猶も

      絶望だと、もう

    いや、わずかにも

     すさまじい数の

   たもつ。冷静を

      断言してよ

    見えな見えな見えななにも

     嘲笑を。その

   そんなけだもの

      信じないけれど

    痕跡をさえも

     無数。の、どよめきを

   飼う。わたしを


   苛む。その

      だいじょうぶだよ、と

    不毛。なにもかも

     いつ?解決を

   冷静が、しかも

      励ましてみてよ

    ひたすらな、なにを

     だれが?救済を

   衝動をすこしも

      しないけど。相手になん、ん、

    いま、叫ぼうと?

     手助けのひとつも

   癒しさえ、そこ

耳をふさげ。…です。最後のことばは

   微動。あなたは

   そこ。に、微動

   微動。猶も

   微動。あなたは







Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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