ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -271 //自生していた、その/サフランは、もう/滅びていたよ。その//10





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





10日。夜。9時。高明。樹々。行為はすでにただ、

   はっ。はっ。はっ

      赤裸々なまでに

真摯をこそ

   きみが?ぼく?

      いよう、よ。無防備で、

さらした。そこ。樹々が

   はっ。はっ。はっ

      莫迦らしいくらい

うえになった。知っているすべてを教えようとした。あるいは映画かなにかの、すくなくとも樹々にとっての最高のそれを体位ごと、身のこなしごと模倣しようとし、どうでもよかった。高明は。そんなことは。高明。樹々。彼女のほうからにぎりしめた手のひらが、かたく結ばれて放されないことに顕かな、自分たちの純愛を

   おしつけがしくない?

      体液

         愛なんだ。落ちる

知った。もう

   はずかしくない?

      噴出。その

         愛の、そのふかい

どうしようも

   重くね?じゃっかん

      寸前

         傷みと歓喜に

なかった。愛していた。しあわせを、と、樹々に。高明はそれだけを純粋に願った。避妊はなにもしなかった。感情の純度に、

   体液。が、さ

      べたつかね?

それはもう、

   うざいよね?

      きたなくね?

ただ、

   なんか…

      めんどく

違うとしか思いないまま二度体内に樹々は知った。謂く、

   どうせ、すべては

   壊れるから、ね?

   どうせ、その目は

   咎めるから、ね?

死亡。ぁんで欲しーんだよこんなもん。タコ。

   どうせ、きみは

      嗅ぎだす。…と

    最初の、夜。または

     なんか、やや

   きみは、やがて

      唐突な瞬間に

    いぶき。純情な

     やわらかくなってない?

   どうせ、きみは

      体臭。きみの

    最後の、夜。だから

     入ってる?まだ

   きみは、やがて

しょせん、脂肪の膨張じゃね?

   咎はおれだけに

    覚えていて。ずっと

   投げつけるがいい

    忘れないでいよう。この

   罪はおれにこそ

    思い出づくり。ね?

   なすりつけなよ

しょせん、脂肪のなりあがりじゃね?

   どうせ、きみは

      ふいうち。あくまで

    最後の、夜。だから

     正直、なんかさ

   きみは、やがて

      瞬間。みじかい、

    気配。ナイーブな

     飽きたっぽい。実は

   どうせ、きみは

      厭う。なぜ?ぼくは

    最初の、夜。または

     こういうの、もう

   きみは、やがて

死亡。ぁに金はらってんのこんなもん。タコ。

   どうせ、あしたは

   憤るから、ね?

   どうせ、その喉は

   糾弾を、ね?

9日。英雄。だから山田椿は英雄に呼び出されたまま、由比が浜。その

   海って、さ。やっぱ

海辺の

   しょせんは、さ

カフェ・レストラン2階に

   海だよね。やっぱ

行った。英雄はすでに勝手にハンバーグ定食を食っていた。どうでも「お前、」良かった。「まだ不登校?ってか、ぜんぜん、最近」

「だれっすか?」

   瀟洒な風が

      ノイズ。口

「聞いっ。って、ねぇとか。…行って、」

「だれ情報すっか?」

   瀟洒な花を

      咀嚼。そこ

「琉偉ちゃん」

「あいつ、全然」

   瀟洒にゆらせ

      ノイズ。口

「…だったっけか、な?」

「関係なくね?」…莫迦?椿。そうささやきそうになった自分を咬み殺し、しかも、こぼれそうなせせら笑いをさえかみ殺し、椿。口もとはもう、なかば以上は失敗をさらした。その事実は猶も考慮せず、ささやきそうになった自分を咬み殺し、しかも、こぼれそうなに勝手にお前追い詰められてんの?沈黙。英雄は。椿は猶も、おかしくてしかたない。自由が欲しい。せめて思いのまま、笑い転げられる切実な自由が。…はずくね?と、やがて英雄は不用意なタメ語を故意に使った。わずかな逡巡のあとで。…って、「なに?」

「あんな、…おばさんじゃね?」

   残酷なぼくらは

      あなたのそばで

「水葉?…じゃなくて、」

「偽名?あいつ」

   残酷な夢を

      笑ってたいなっ

「夭子。…か。あいつ」

「偽名?しかも、偽名?クソ。まじ偽名?クソ。まじクソ。マジはずい」あくまで真摯な英雄の激昂に、椿はひとり孤立しているしかない。英雄は口を、丁寧に拭いてしかも、濡れナプキンを「おれ、もう」折り畳みながら、「怖くないんすよ」云った。意図して「おれ、あいつ」まわりに人がいさえすれば聞こえる、そんな「高明、もう、」音量で。「殺せますよ。迷いなく」

「いいじゃん。お前、ナチュラル・ボーン、キ、キ、キ、」

   ためらいなく

      陰りが、そっと

         不可解

「マジっすよ。おれ。なんか冷静なリアルっすよ。おれの」

「キ、で、なに?」

   容赦なく

      鼻梁を、そっと

         不思議

「なんですっか?なんでやりたいんすか?あんなの。小僧じゃないっすか。すっげぇ、イージーっすよ。おれ、もう完全、」笑った。椿。声を立てて。背もたれにのけぞりかかり、そして憤慨。英雄は。まだ、椿が自分の覚醒を本気にしてはいないと知った。そう思った。意外だった。赦し難かった。もう、そのスキン・ヘッドの頭部いっぱいに自分の事実をなすりつけてやりたかっ「てか、」た。椿。急激な「なんで、さ」冷淡を戻し、「知りたいの?そんなの」

「いいすよ。所詮、他人じゃないすか。つるんでっけど、つるんでたとして、すみません。悪気、ないっす。つるんでても、でも現実、俺らひとりっすよね。最終、ひとりっすよね?俺ら、人間?そういう…ってか、そんなん基本どうでもいいし。他人さんの

   聞き耳を

      真実。…だよ

理由。あくまでね。

   わたしは。それら

      すべて

おれ、あくまでやんちゃ、

   声。わたしの

      ことばは

やりたいだけっすからね。こういう

   声に、ふと

      真実にむせぶ

性格なんで。結構すでに

   聞き耳を

      真実。…だよ

マジなんで。ふつうに

   わたしは。それら

      いつも

いっちゃってる系のやつなんで。そこんとこで、

   声。教えた

      ことばは

椿さん。おれら。なんか、

   声は、わたしに

      真実に傷む

ひびきあってんじゃんね?

   聞き耳を

      真実。…だよ

って、いう、そういう、…感覚?

   わたしは。それら

      すでに

おれの?

   声。知った

      ことばは

そういうの、おれ、

   声に、わたしは

      真実を、しか

なんか俺的にすでにすっげぇクリアーんなってっし」…てか、

   聞き耳を

      真実。…だよ

と、「おれさ、」椿。「困らせたいんだよね」つぶやく。まるで、独り語散るかに。「マーシーくん。あいつ、困らせたい。…から。べつに嫌いじゃねぇんだけど、なに?小学生、が、さ。好きな子いじめる的なってそんなん俺やったことあったっけか?…から、さ。あいつ、…ね?大切な奴なの。あの小僧。やつの。マーシーの。だって、小僧、いろいろひっかきましてくれそうじゃん。事実、そうじゃん。ある意味結果だしてんじゃん。ってか、お前の、あれ、想定外。ま、眼に見えてんじゃん。おっかさんのほうじゃ、ちと弱いよね。おばさん…」と、なに?ふいに椿はわれに返って声を

   混乱が、いいよ

ひそめた。故意に

   渾沌が、いいよ

さらに声を慎重にし、「なに、いま、」と、「ほしい?」英雄に、しかも「刃物系?それともさ、」親密に「弾丸系?」笑んだ。謂く、

   速度を。わたしは

    速く。ひたすらに

   疾走。ただ

    だれより、なにより

   それそのものでありたいと

    ひたすらな加速

   与えた。わたしは

って、冗談だよ。基本、

   仮定を。わたしに

      もはや盲目的な

    だれより、なにより

     きみたちの形骸の、やや

   仮説。ひとつの

      速度。その

    なにより、だれより

     上方をわたしは

   仮説されたその

      家畜でさえあれ

    だれより、なにより

     通り過ぎただろう。やや

   わたしの形姿を

って、冗談だよ。ぜんぶ、

   速度を。わたしは

    尖端に。すべてに

   疾走。ただ

    だれより、なにより

   それそのものでありたいと

    先走った先に

   与えた。わたしは

11日。夕方。6時すぎ。霞。山岸

   きみにも?

      好き。…ってか

霞。駅前。

   ねぇ、雨は

      意外に、わたしは

雨。…お母さんから、

   きみにも?

      白濁。その風景が

さ。「だれ?」

「ジュージュ。樹々の」樹々はまばたく。「ジュージュの?」

「なんか、きっついね」笑った。霞。学校の友達。「ジュージュ、見捨てられてんの?」

   さよなら

      汚らしいんだ!

         純粋無垢な

「ママに?」

   永遠に

      穢れてるんだ!

         絶叫、さ

「全然家、帰って来ねぇし、学校来ねぇで学校、うっせぇしで、結果、電話。カッシー、意外にさ、完全潔癖部外者じゃん。知らねぇよ的な。連絡つく?みたいな。連絡してって、伝えてね、的なあれ、マジすさんでね?やばっ。ジュージュって、」そこに「そうなん?」樹々は、むしろ

   匂う。いま

      あめあがりには

なにも

   すべてが飛沫に

      やさしい風、が

言わなかった。ささやく得る言葉を探しもしないで、そして自分がいつかもてあましはじめた沈黙に、…じゃね?と、「だったら、そうなんじゃね?…てか」笑む。むしろ冷淡に眼は、「他人じゃん?」その「関係なくね?」霞を咎めるかにも、だから

   ちっちゃいころから

      どこへでも

         旅に、…ね?

霞は思わず

   うちら、いっつも

      きみなら

         出よう、よ

怯えた。樹々は

   いっしょだったよね?

      走っていけるよ

         ほんとの自分と

いま、

   ちっちゃいころから

      だれとでも

         しあわせ探し、に

感じるすべてを嘲る。そのとき、そこに。謂く、

   あげない。きみには

   微笑。やさしい

   そんな、きみには

   消えて。お願い

だいじょうぶ、だよ。だったよ。だよ。だった。だいじょうぶ、

   あげない。きみには

      踏んだ。みずたまり

    誰もが、もはや

     風。しっけた風に

   微笑。やさしい

      を、…お?…お。お、お、

    冷淡が智慧と

     いま、匂った

   あげない。きみには

      踏み、みずたまり

    思い込んでいても

     雨が。ふと

   微笑。やさしい


   双樹。たとえば

    信頼。…ね?

   翼。鳥たち

    その言葉。わたしたちは

   その右。ひだり

    まだ、覚えてる

   鏡。あなたは

泥水さえも、わたしたちを穢せない、のだから。

   双樹

      いっぱい、あなたは

    …ね。信じてる

     わたしに、それでも

   翼。鳥

      笑えていますか?

    元気?いま

     笑っててくれたときの

   右。ひだり

      あなたは、いっぱい

    …ね?信じてる

     あんな感じで

   鏡のむこうの

ダイヤさえも、わたしたちを傷つけられない、のだから。

   鏡。あなたは

    信頼。…ね?

   その右。ひだり

    その意味。わたしたちは

   翼。鳥たち

    まだ、知ってる

   双樹。たとえば


   あげない。きみには

      波紋を。みずたまり

    誰もが、もはや

     雨の匂いに

   微笑。やさしい

      を、…お?…お。お、お、

    冷酷が防御と

     いま、思い出す

   あげない。きみには

      無数の。みずたまり

    信じていてさえ

     きみのを

   微笑。やさしい

だいじょうぶ、だよ。だったよ。だよ。だった。だいじょうぶ、

   あげない。きみには

   微笑。やさしい

   そんな、きみには

   消えて。お願い

待って、と、

   消えて。いま

      どこですか?

高子。

   不安よ。わたしの

      次の震源地

11日。

   こころから

      どのへんですか?

夜。思った。前々日には、ただの外泊と。前日。その夜。ふたりでひたすら、鎌倉を歩いて歩ける歩みの限りに探し回った。いなかった。どこにも。だから、秋子。その

   ふと、きみは

      どこですか?

夜。9時。

   顎をつきだし

      次の爆撃地

午後。雨。云った。秋子は、「警察に、もう。だから明日、さ。もう、早い方が、」高子に。秋子。見た。一瞬の、高子。その細め、しかも秋子から逸らした

   どこ?

      見上げれば

         発見。腐乱死体

まなざし。

   きみは、いま

      サハラ砂漠では

         の、犠牲者?…犯人?

茫然?

   どこを

      星の雨

         発見。白骨化死体

思惟を?わからない。秋子にはその眼の表情がただ、眼球の無機質をのみさらして見えた。「明日、朝イチ、」

「待って」と。高子。11日。夜。いきなりわれに返ったに見えて秋子は言葉を

   あまりに多くの

      無造作に

飲む。

   沈黙を

      笑えばいいのさ

高子。「待って…」…いつまで?その声を咬み殺した粉砕の触感が秋子。名残るまま「いつよ?」叫んだ。秋子が、しかも猶もささやく「いっ」微音で。「いつまでよ。こうしてるうちにも、だって、どうする?手遅れに」

「叔父さんが、…ほら」息を飲む。「いま、」高子は「昨日、」ふいに。「ほら。もう、知ってる。叔父さんも、だから」

「って、」

   こわいよ。すべてが

「だから、もう伝えて」

「だれ?」

   こわいんだ。かつ

「もらっ。だから、さがっ」

「だれよ。それ」

   いたたまれな

「雅秀さん」…え?と。そして秋子は自分の耳の聞き取ったひびきを、そこに言語とも思えなかった須臾を、そこに、ただ、持続させた。って、と、「だれ?」

「雅秀さん。おじさん。いま、さがして」

「莫迦?」声。それが逆に秋子の喉にあかるく鳴って、まるで歓喜の感情があったかに、「あんな…高子。あんた、莫迦なの?」

「悪くしない。彼は、

   信じて、いた

      そう。たしかに

意外に、

   だれ?

      かつて、わたしを

悪いひ、

   わたしは。無防備に

      破壊した

彼は、

   かれを。かれらを

      そう。たしかに

だから、」学校にはもう

   なぜ?信じ、て

      かつて、わたしを

通達していた。その11日。早朝に。電話はもちろん秋子がした。…じゃ、と、「ごめん」秋子。「言う。わたし、いま、…明日、警察に」

   待って

「でも」

   行かないで

「わたしが」その四音を殊更に舌に叩きつけ、「わたしが、わたしの決断として、云うから。あんたじゃない…」ふと、「もう、駄目」秋子は、「あんた、もう、おかしくなってるよ?」その髪を「だいじょうぶ?」撫ぜた。拒否。高子は、しかし、言葉も挙動もそのあるべきかたちを忘れ、だからそこ、肉体はひたすら秋子のゆびさきに柔順だった。高子。その微笑が、せめても秋子にすがっていた。謂く、

   いくつの季節を

   きみと?いくつの

   雨。または

   台風。地震を

狼狽を。見たら、あなたは、笑いますか?わたしを、

   いくつの季節を

    ふと、もらす

   きみと?いくつの

    失笑。…に、似た

   いくつの季節を

    微笑。歎きのある、

   きみと?いくつの

あなたがかつて見捨てただれかの子供がいまや、行方不明、です。

   きみと?いくつもの

      見なかった、だから

    なに?きみは

     さらしたのだ

   きみと?いくつもの

      わたしの、ほら

    わたしのそばで

     裏切りもなく、ただ

   きみと?いくつもの

      そんな風景を

    きみは、いま

     固有を。それぞれの

   きみと?いくつもの

あなたがかつて厭うただれかの子供は最初から、行方不明、でした。

   いくつの季節を

    ふと、かたむけて

   きみと?いくつの

    頸。…に、ながれた

   いくつの季節を

    髪は、わたしの

   きみと?いくつの

やさしくしかって。そして、ささえて。すくなくとも、あなたは、

   いくつの季節を

   きみと?いくつの

   雨。または

   台風。地震を









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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