ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -269 //自生していた、その/サフランは、もう/滅びていたよ。その//08





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





ね?と、その

   楽園を

      夢見さえした

ささやき声を、「なに?」

   幸福を

      燃えるまで。夜が

聞いた。高明は、「はじめて?」樹々。ささやく。樹々。だから、ベッドで。明りは消し切らなかった。蛍光灯。その、オレンジ色の豆球照明が色づけ、樹々の

   ふかく

      ふりそそぐ

からだを

   あるいは、

      色彩たち

明かした。高子の

   あさく

      わたしの睫毛を

それはほぼ

   表面を

      ふるわせながら

見なかった。見るすべも

   抉るかに

      ふりそそぐ

なかった。そこ。

   ふかく

      色彩たち

高明は、そのときの視覚に飢餓があった事実にようやく気づいた。だから樹々を

   これです

見た。10日。その

   このようなものです

からを、

   こんなものです

夜。樹々。しげしげと、

   これです

9時。すがるような、樹々の眼つきが不穏だった。「なに?」

「はじめて?」…だよね、と。樹々。ベッド。仰向けのまま須臾、ふと放心し、すぐさまこれみよがしに大人びて「まだ、」つぶやいた。「考えて見れば、さ。ちっちゃいんだもん」

   きみに、なぜ?

      出していい?

「おれ?」

   保護者づらした

      声。出してい

「犯罪だよね。ジュージュは、」

   いつくしみを

      出していい?

「おまえも、じゃね?」笑う。遅れて、自分でそこに着衣を解きながら、「…から、おれも、

   歓呼の時、だ

じゃね?おまえも、まだ

   われわれの

餓鬼だから」他人ごとじみた、その

   歓呼の時、だ

樹々の顔の不可解と声の素直な笑いを、高明は

   結ばれるんだ

      愛という語の

見ていた。高明が

   はじきあうんだ

      過剰評価が

唇をうばい、樹々を

   飛び散りあ

      戦争行為を生んでゆく

むしろよろこばすために故意に貪って、餓え。これみよがしに餓え。頃合いに、くちびを放した須臾、…わたしは、さ、樹々。「はじめてじゃ、」つぶやく。「…ない。」樹々は、「いいよね?べつに。気にしないよね。もう、大人じゃん?壬生くん」まばたきをはげしく、…莫迦。高明。あざけりをただ、意味もなく樹々にきざして、怯え。惡意のある喜びが自分にあきらかなことに怯えを、怯えかかり、怯えを、「赦せねぇ」…てか、

   だれですか?

      情熱的に

         おっ。発熱、を

何回した?そいつと。

   いま、きみを

      あなたのケツで

         しろよ。いま

答えを

   ほほ笑ませかけた、の

      躍動的に

         おっ。発熱、を

茶化しかける樹々の口を「今日一日で、」ふさぎ、「おれがその回数越えるから」舐める。高明はやがてそのこめかみを。謂く、

   きみのために

      教えて。好きなのは

    これが、そう?

     息を、故意に

   抱く。きみを

      薔薇。かすみ草。朝顔

    好み。きみの

     吐いた。きみは

   きみが、もう

      どれ?

    これ?それ?あれ?

     なぜ、ぼくは

   後悔ないように

わたしたちはまさに、うずもれなければならない。もう、なにも見えない、かに。

   きみのために

   きみのために

   きみのために

   きみのために

わたしたちはまさに、歓喜なければならない。それ以外、なにも感じられない、かに。

   ぼくのために

      教えて。好きなのは

    待っている。ぼくは

     まぶた。故意に

   抱く。きみを

      白。赤。青。黄色

    明日を、そこに

     閉じら、…ゆっくり

   ぼくが、もう

      どれ?

    すこしの冷酷もないままに

     なぜ?ぼくは、

   逡巡しないように

焦燥を、

   燃えるような

      こめかみ

4日。

   あまりに巨大な

      すこし

空。見上げられたその

   青。ひたすらに

      野蛮な疼痛

空も、焦燥を、

   青い閃光

      眉じり

雨上がり。

   ぼくは、もう

      すこし

空。ただし

   見蕩れるばかりに

      清楚な

晴れるきざしはなくただ広がっていた白濁。焦燥を、

   孤独なのだ

10時。午前。空。見上げられた、

   わたし、が

高明。彼は行かなかった。学校など、

   来いよ

      火を放て

一度学校に

   いますぐ

      ぶざまだけの

行きかけ、高明は椿に

   ここに

      すべての都市に

電話した。原宿に来い、と。椿は云った。笑った。だから高明は八木夭子の部屋で待ち合わせた。焦燥。4日。11月、

   …え?

      雨の匂いに

         もっと、切実な

椿。笑んだ。彼。さきに来ていたビラ・ローザ。その

   ここ、どこ?

      失神していたんだ

         傷みを

ドアを明けたのは

   …え?

      ブーゲンビリア

         もっと、迫りくる

椿だった。ひさしぶりじゃん。と、なんか、…「2週間ぶり、くらい、じゃ、」ないですか?高明。…そ?「そっか?」そ?…そんな気、

   そ、そ、

      う。…うっ

しねぇな。「いつも

   そ、そ、

      う。…うっ

こころのなかにはお前がいるから」笑って故意に、椿は背筋をのけぞらせていた。高明。過失。笑ってやる礼儀を忘れた。無言。夭子。その

   くさくね?

施術の

   薬品?

部屋。丸椅子にすわって、無言。ただ、やさしく高明に笑みをくれ、…っと。名前を、だれ?覚えていなかった。ただ数回の施術で、顔は忘却すべくもなかったものの、…って、と、

   …え?

      そそそ

まじ?椿。

   ええ

      そうそうそう

壬生高子が

   …え?

      そそそ

高明。自分の子供を身ごもったと、もはや夭子の目線さえいつか高明。考慮をはずれ、早口に高明。話しきったとき、「って」と、「まじ?」

   おれには焦土が

      走れ、いま

         同情しそう?

「まじじゃなかったら、言いに来ないですよ。おれ、こんな」

   ふさわしいのさ

      野獣のように

         憐憫くれそう?

「クソきったねぇビルまで?」せせら笑う。そこに椿は、「お願いします」なに?「おれを、」なに?「救ってください」な、と。ついに吹き出して「救うって、」笑った。「なに?」

「おれ、を、だから、救いだして」

   求めているんだ!

      血管のなかを

「って、というか、さ。おっかさんのベイビーちゃんが、やばいってんじゃん。だったら、」

「だから、」

   新鮮な空気を

      およぐカササギ

「じゃ、突き落としちゃえよ。スーパー連れってて。エレ、エス、え、カ、え、レーター。か、あれ。ああいうの、うしろからちょこんって。じゃね?どんぐぁら、」

「そういう」

「がっしゃ、」

「問題なんす」じゃ、「…か?」さ、と。おもむろに声をひそめて、「どういう問題?聞かせて。おれ、若干ナイーブかつセンシティブかつイノセント系ノーブルなあくまでスチューピッド・ボーイじゃん?」…楠には?と。さんざん一方的な高明の張り詰め声のそこに、「知ってんの?」椿。…あいつには、

   やめてよ

      沸騰すれば?

         無理だよ

細め、

   おへそで

      海。見捨てられたその

         クソ餓鬼じゃん

眼を、

   失禁すんの

      夜中に、そっと

         それ無謀

細め、椿は、「云ったの?」耳打ちを、「…楠?」高明。「…なんで?」

「琉偉には?」

「だから関係なくないすか?」やばっ、と。ほくそ笑む。椿は、「こういう、」ふいに、「さ。ゆとり系草食的交遊関係?マブっす俺らくらい言ってんかったっけか?お前ら。いいね。このはげしい現代的曖昧なややうっとうしいクソ稀薄感」

「ちゃかさないでくだ」

「にげちゃえ、」ささやく、

   え?

      こわれっちま、ま、

その「お前。

   マジで

      くだけっちま、ま、

家出。

   莫迦ですか?

      ふっとんじま、ま、

逃げちゃえよ」椿の

   え?

      死ねば?

微笑を至近に見ていた。そこ。眼。高明は。謂く、

   見ないで

   見ないふりで

   見ないで

   やめて

知っていた。おとなたちは、常にみずからの愚鈍。その虜であった。

   見ないで。そこで

    愚劣を。あなたが

   見ないふりして

    あまりに素直に

   見ないで。うざくない?

    さらすものだから

   笑いをこらえた

無慚なものさ。世界って、って、世界ってなに?

   あなた。ひとり

      なかった。なにも

    さらしものにして

     わからない。自分が

   返り見さえすれば

      なかった。求めるもの

    さかさづりにして

     救済されるというその救済の

   背後。ひとり

      そんな、わずかにも

    さらっちまおうぜ

     具体的内容が、ぼくには

   お利巧なふりをし

悲惨なものさ。世界って、って、世界ってな

   見ないで。そこで

    卑劣を。あなたが

   見ないふりして

    ただ赤裸々に

   見ないで。うざくない?

    さらすものだから

   笑いをこらえた

知っていた。おとなたちは、常にみずからの無能。その虜であった。

   見ないで

   見ないふりで

   見ないで

   やめて








Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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