ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -256 //曼殊沙華を。ふと/踏みかけて、そこ/かかとの先。その//09





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





3日。正確には、4日。午前零時すぎ。高子。その日、

   屈辱的、な。やや

執拗に

   侮辱的、な。やや

舌をつかう高明に、高子は

   なぜ?

      うぶ毛さえぜんぶ

怯えを知った。なにか、

   彼女?

      剥ぎ取られ、そこに

隠している、と。舌が、

   なぜ?

      完全な全裸。そんな

自分ではなく、自分がその代理にすぎないという気配の赤裸々をふと思わせ、彼女が?と、あるいは喜び。自分たちの終わりへの?息子。その自立への?恐怖。破綻?崩壊への、なんの?傷つきやすい、それ。思春期への?関係の、やがて来たるべきあらたな局面、へ、の?

   唐突に、いつも

      祝福を

         なんだろう、ね?

憎悪。

   女は残酷に

      きみの前途に

         喪失、とは?

憤慨。

   なれちゃんだから

      祝福を

         なんだろう、ね?

屈辱。その

   わたし個人の

      きみの健全に

         獲得、とは?

女と並べるがいい。その

   過失じゃないかも

      祝福を

         なん、

女が如何にくだらないか、幼稚か、無価値か、莫迦でもわかるに違いない。つきつめてしまえば傷みをしか高子は知覚しなかった。激昂のまま高明を責め、いじめぬきたかった。できなかった。高明が傷つきやすいことならよく知っていた。顔をことさらに背けた。ひたすら頸を、ねじっていつづけた。盲目の、

   穢れた?

高明の唇が

   穢された?

頬を

   穢れた?

さぐりあてた。その肌ざわりと息の吐かれる感覚に、高子は何度か気がとおくなった。あまりの感情の白熱のせいで。高子はいま、高明に咬みついてやりたい。皮膚を咬みちぎり、だないしにしたい。謂く、

   なぜ。わたしは

   あなたに。すべて

   息をつめ

   発光。鮮烈な

ひかりよ。ひかりよ。閃光よ。ひかっ

   なぜ。わたしは

    見えない?そう

   思うのか。いま

    わたしも、なにも

   たしかに、しかも

    ひかり。その

   あなたを。ただ


   あなたに。すべて

    不足。わたしは

   わたし。その

    欠落。ただから

   すべては、やがて

    不在。耳をも澄まし

   息をつめ


   見つめていた

    ひかり。その

   わたしは。思わず

    わたしも、なにも

   発光。鮮烈な

    見えない?そう

   わたしはのけぞる

ひかりよ。ひかりよ。閃光よ。ひかっ

   なぜ。わたしは

      だれよりも

    ひかり。その

     荒れ。ふと

   思うのか。いま

      いつでも、きみを

    わたしも、なにも

     気になった

   たしかに、しかも

      そう誓ったね?

    見えない?そう

     肩。その

   あなたを。ただ


   あなたに。すべて

      思い出たち

    不在。耳をも澄まし

     傷い?…やめて

   わたし。その

      傷つけてばかり

    欠落。ただから

     秘密にしないで

   すべては、やがて

      苛立ってたよね?なんか、

    不足。わたしは

     痒い?…やめて

   息をつめ


   見つめていた

      きみの代わりに

    見えない?そう

     肩。その

   わたしは。思わず

      かなしみは、ぜんぶ

    わたしも、なにも

     気になった

   発光。鮮烈な

      だから、やさしく

    ひかり。その

     荒れ。ふと

   わたしはのけぞる

ひかりよ。ひかりよ。閃光よ。ひかっ

   発光。鮮烈な

   息をつめ

   あなたに。すべて

   なぜ。わたしは

綾子。6日。午前。6時。ふと、

   おう

自分が

   お。おう

目を覚ましていたことに

   おう

気づく。だから、目覚めた。その須臾の浅い唐突な

   あっ

      生きていてはいけない

茫然。血圧が

   あっ

      わたしは、いま

低い。いきなり

   あっ

      この瞬間すら

身を起こしたことなどいちどもない。指先がつめたい。綾子はまばたく。そしていきなりしゃくりあげて

   あっ

      …え?

泣く。謂く、

   いとしくて。すべて

   見えるもの。すべて

   ふれるもの。すべて

   感じたもの。すべて


   いとしくて。すべて

    放置しておけ

   いとしくて。ただ

    むしろ、きみは

   いとしくて。すべて

    わたしを。冷酷に

   いとしくて。ただ

それが傷でなくしてなんでろうか!なんで!なんで!なんで!

   包まれて。だから

      殺して。いま

    いとしくて

     飲み込むのだった。もはや

   ありがとう。せめて

      生きていら、…無理だ

    せつなくて

     巨大。飲み込みようのない

   言えさえすれば

      いま、ここですぐに

    かなしいほどで

     飲み込むの、…え?もはや

   よかった。それで

と、故に、わたしは明確なやさしさのひとであろう。…でしょ?

   いとしくて。すべて

   見え、え、え?

   ふれるもの。すべて

   感じ、い、いっ


   いとしくて。すべて

    完全意図的容赦なきシカト、で

   いとしくて。ただ

    むしろ、きみは

   いとしくて。すべて

    わたしを。冷酷な

   いとしくて。ただ

それが絶望でなくしてなんでろうか!なんで!なんで!なんで!

   愛してるんだ

      声さえも、声。も、

    いとしくて。いと、

     引き攣る。そこ

   好きなんだ、って

      出せないでわたしは

    せつなくて。せつ、

     あやうい歯茎が

   生きてることが

      だから吐息のやさしさに

    かなしいほどで。な。なか

     なぜ?いまさら

   素敵すぎたんだ

と、故に、わたしはいまや絶体絶命のいやしの吐息、…でしょ?

   いと、いっ

   いっ。い、いっ

   いと、おっ

   いっ。い、おっ








Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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