ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -255 //曼殊沙華を。ふと/踏みかけて、そこ/かかとの先。その//08





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





笑った。山田椿。彼は水葉。その

   あ、…

      翳り。背後に

病室に入った

   いま

      かたむかせ

すぐさまに、

   ゆれた。こころが

      たしかに、背後に

見舞い。曇り。6日。笑わない。白濁。水葉は笑わない。その左手側窓。見上げれば、白濁。空が、傷み。笑うと傷い。その

   白濁

      空のしたで

         暴力衝動

顔面筋肉が実は

   なじるかの

      豪雨にやがて

         と、…なんで?

全身にまで

   白濁

      花は怯えて

         破壊衝動

接続されているという容赦ない事実を、傷み。だから水葉は

   傷み

笑わなかった。「花蓮、

   傷み、が

お前、」と、

   傷み

椿。「やめて」その、ふいに出しかけた大声が水葉の腹部に傷みを裂いた。息を

   はっ。は

      苦痛こそが

つめた。椿は

   はっ。は

      わたしそのもの

呆気にとられ、…なに?と、「やめて、その」なにお前いきあり「本名、や」ぶちきれまくってんの?そう「それ、」やっ「やだから」椿がつぶやきかける前に、「だから」やっ「やめて」水葉はやっ。言った。…やばっ。椿。思わず吹いて、「病んでる?」その「お前」屈託もない笑い声に、同室の患者数人が知らないひとの顔を「…てか、」した。「可愛くね?本名の方がさ。可憐ちゃんってさ。まじ、お前けっこう莫迦?」

   はしゃいでいるしか

      完璧。その

「煽るだけなら帰ってくんない?」

   きみは、その

      純度100パー

「マーシー来てんの?」

   かなしみを、もう

      見事な犠牲者

「壬生さん?」

   さわいでいるしか

      笑ってよ

「てか、まじ、病院病室病床で病的なバック?」

   きみは、その

      完璧。その

「知的レヴェルさすがに低すぎてない?」

   不安をも、もう

      圧倒的クオリティ

「まんぐりがえし?やめろそれは」

   おちゃらけているしか

      リアルに犠

「てか、」と、「…知ってる?」そして椿は勝手に丸椅子に座り、ベッド、その指先で椿のひたいに髪をもて遊んでやった。あらがわなかった。水葉は、あるいは「あいつ、さ。てか」面白かった。もう「マーシー、な?やつ」同室の患者たち。その家畜じみた「怯えてんの。なんか」シカトが。本当に

   ぼくらは、ね?

      衝動

いま「笑う。笑えね?あの小僧」

   牙を砥ぐしか

      暴力衝動

ここで、たとえば「不起訴じゃん?小僧」椿を

   きみたちのせいだ

      陰湿さのある、

膝間づかせ、「マーシーまで狙ってくんじゃね?的な?」

   ぼくらは、ね?

      なまぬるさのある、

舐めさせてやったら「そんな?てか」どんな

   爪を砥ぐしか

      破壊衝動

顔を?色褪せた「人殺しじゃん、やつ」

   きみたちのせいだ

      衝動

小動物たち。「どの面下げててめぇ勝手に怯えてんのタコ」

「迷惑だよ」…ごめん。唐突に、「し、」と。椿。声をひそめ、「知ってる。おれ。存在自体が迷惑だよね」ささやいた。思わず水葉が椿を見ると、「知ってる。おれ、生まれてきたこと、マジ、後悔してる」椿。その、唐突な真摯な歎きが水葉を恐怖させた。同時に、感傷的かつ前のめりの共感をさえも。謂く、

   爪さえ。な

   左。そ、…ええ

   わたしは、いま

   ほほ笑みかけて


   ゆびさき。なぜ?

    奇妙に明晰な

   左。その

    感じていた。孤立を、わたしは

   どっちっけ?ききゆび

    触感じみて、まるで

   極度。の、できすぎの

なに?孤立。その対義語は。正確で、しかも誠意あるそれは?

   やさしさ。ただ

      聞く。耳が

    だから、会話。わたしたちのそれが

     しめってんじゃん?やや、な

   やさしさ。ただ

      見る。網膜が

    それぞれ、それぞれのただ

     なに、さわっ

   やさしさ。ただ

      知る。ぬくもりを

    独り語だったか、に

     洗ったん?手。その

   やさしさ。ただ

それは誠意ある、しかも正確で、対義語は。その孤立。なに?

   爪さえ。なぜ?

    触感じみて、ま

   左。その

    感じていた。孤立を、わたしは

   いつくしみ、そして

    奇妙に明晰な

   いたぶっているかの


   ゆびさき。な

   左。そ、…ええ

   わたしは、いま

   せせら笑いかけ

雅秀。6日。こころ。曇り。傷ついた、

   焼ける

      頭髪

こころ。雅秀。病院へ

   凍りついた

      たとえば、ですよ?

行く椿の車から、

   焔に、その

      眉毛

水葉。その

   尖端が

      もしくは、で

マンション前で降りた。思った。良かった、と、晴れていなくて。なぜ?かくされようもない青空は、なぜ?いま、自分にはなぜ?苛酷すぎると雅秀は

   なぜ?ぼくら

      今日も強烈な

         泣きそうなく、く、

思った。水葉の

   出逢っちゃっ

      きみの想いが

         泣きそうなく、

部屋。ベッドわきに胡坐。そこで買ってきた焼酎を飲んだ。水葉の見舞いには行かない。自分の、真摯に案じている顔の接写の写メだけは送った。顔、だせなくても、と、

   ここにぃるよ

どんなにとおく、

   こころにぃるよ

離れても、マーシーは、

   ひとりぢゃなぃよ

いつも、ミーだけの、

   こころにぃるよ

そばに、いるね、

   ここにぃ

と、顔文字、および絵文字。ほぼ句読点代わりのそれら。ラッキー・アイテムだった、あまり好きではないロレックスに時間の経過をいちいち思った。もうすぐ、病院に

   いま、こころ

      ひとつの、…花。とは

つく。もうすぐ、病室に、

   暗いこころも

      空間その裂けめの

と。そしていつ、その

   花を咲か

      仮構された…花。とは

椿が病室をあとにするかはもちろん分からない。おどろくほど短い気もする。そもそも落ち着きのない椿が、基本病者と管理者しかいない病院などに長居できるとは思えない。予測つかなさが雅秀を

   立ちバックでも?

焦燥させた。すでに焦燥なら雅秀に喰いついていた。その骨にまでも。掻きむしっていた。悔恨が。まさに

   わたしは絶望

      びしょぬれの、その

すさまじかった。水葉を

   絶望こそが

      足もとで

守ってやれなかった。傷つけてしまった。水葉が感じた傷みを、そして恐怖を

   肉体に!

思った。

   神経に!

壊れそうだった。頭部が、

   こころに!

背骨ごと吹き飛んでしまいそうだった。メール。ベッドから俊敏に形態を取って、思わず、雅秀。すきだ、すきだ、だいすきだって、いま、ぼく、すっごいさけんでしまいたい。顔文字、および絵文字。送った。激情が、喉を熱くした。愛していた。まごころだった。雅秀は顔を覆って、そのままベッドに背をのけぞらせた。謂く、

   忿怒。もはや

   不可解。わたしは

   どこでいつから

   わたしたちは?

もはや笑うことも目を逸らすこともできない、なにかだ。…なに?おれは、

   忿怒。もはや

    触感。と、して。いま

   不可解。ちがった

    唐突に、皮膚が

   こんなはずでは

    あまりに鋭利に

   もっと、わたしは


   わたしたちは

    触感。と、して。いま

   幸福な未来を

    赤裸々。体毛が

   見ていたはずの

    ただ鋭敏に

   どこで、いつから?


   吸い込み、空気

    触感。と、して。いま

   それでさえ

    無造作に、細胞が

   もう、すべて

    あまりにはげしい

   なにもかも、そこに

立ちバックはやめていただけますか?病室で、縫合した裂傷が開口しますから。…あんがっ、

   忿怒。もはや

      記憶。たとえば

    触感。と、して。いま

     終わり、と

   不可解。ちがった

      あなたが、まだ

    皮膚。唐突に

     破綻。だから

   こんなはずでは

      無傷で、そこに

    あまりに鋭利に

     なぜ?わたしたちの

   もっと、わたしは

やめろっつてんだろタコ…あんっ

   わたしたちは

      記憶。素直に

    触感。と、して。いま

     終わり、と

   幸福な未来を

      あなたが、まだ

    体毛。赤裸々に

     関係の、だって

   見ていたはずの

      笑ってくれていた、そんな

    ただ鋭敏に

     もう、わたしたちは

   どこで、いつから?

アブノーマル性交はやめていただけますか?病室で、ノーマルな裂傷が激昂しますから。…あんがっ、

   吸い込み、空気

      記憶。故意に

    触感。と、して。いま

     終わり、と

   それでさえ

      あなたが、まだ

    細胞。無造作に

     崩壊。だから

   もう、すべて

      いたぶる。ぼくを

    あまりにはげしい

     なぜ?わたしたちの

   なにもかも、そこに









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

0コメント

  • 1000 / 1000