ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -254 //曼殊沙華を。ふと/踏みかけて、そこ/かかとの先。その//07





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





水葉。「見えなかったので、」と、

   やめて

      あたたかな

博人。そこに「わたし。

   そこで

      やわらかな

…それに、」平田

   さえぎらないで

      欲しい。いま

博人。「気が、

   わたしに

      日射しが

どうっ。だから」5日。「咄嗟に、」

   てんっ

早朝。「咄嗟、

   どうっ。おっ

じゃ、

   てんっ

ないですか?」病室。水葉の傷は深かった。しかし致命的ではなかった。奇蹟的に、

   ほんっと、もう

      神様、が

         だっ。稀有、だ

と、

   かんがえられなっ

      だから与えてくださっ

         稀れに見る、み、

看護師。

   なっ。…ほんと

      神様、が

         稀れにある、あっ

30代。

   ほんっと、もう

      だからさしのべっ。べ、

         だっ。稀有、だ

女。臓器損傷は

   んもっ。も、ほんっ

      声。早口に

最小限で

   ほんっ。と。んもっ

      ひそめられたその

済んだ。「咄嗟だったんで、なにも」博人。被害者の、急激にやつれてしまったということが顕かな顔をはじめて肉眼で見ていた。しかも、むしろすこやかさが皮膚一枚のしたにうすく張って見え、知った。この女は

   持っている

      増殖

意外に強靭な

   肉体は、むしろ

      細胞たち

肉体を

   貪欲。その

      躍動

持っている。恢復は早いに違いない。水葉謂く、自分にわかることはなにもない、と。加害者少年の顔かたち自体、もはやまともに思い描くことができない。いきなりだった。たしかに椿に向けられた攻撃と思えた。微動だにしなかった。攻撃を身に受けたのは自分だった。理解できないが、事実には違いない、そんな意味のことをひたすら

   いつしか、わたし

      沈鬱な、しかも

どうしようもなく

   とりつかれた鬱を

      ラブ・ソングでも

懐古的かつ

   いとおしみ、いつか

      聞かせてくれま

感傷的な口調で。「もしも、」と。水葉。「だからもしも、願い。わたしの、だから、犠牲者の、願い。というか、それがいま、赦される、とか?だったなら、だから、だれも。もう、

   まさか!

だれも、

   莫迦な!

傷つかないように、

   赦しを?

してあげて

   わたしは

…ください」ふいに、

   まさか!

そして、

   断ち切れ。いま

      いいじゃん。すっげぇ

水葉は涙を

   憎しみの連鎖を

      いい奴じゃ、わたっ

こぼした。すくなくとも噓を、この女はいますくなくとも云ってはいないと博人はそこに解釈した。謂く、

   ふるえ。その

   睫毛。また

   目じり。…と

   まぶた。それさえも

見て。やや、発熱。だから微熱。

   ふるえ。その

    なにを?あなたは

   ふるえ。その

    わたしは、いま

   ふるえ。その

    なにを?ささやき

   ふるえ。その

睫毛は、…もの。わたしのものであった。その

   ふるえ。その

    じょうずに、まるで

   涙を。また

    噓を、…え?つくかに

   ふたたび。…と

    ささやき。こころの

   恥ずかしげもない

微震、を。

   不遜。やつれを

      飛沫。の、ように。ふと

    うぬぼれ、そして

     感じた。温度を

   猶も不遜な

      散り、飛沫。その

    みずから、すでに

     …の、飛沫。散り

   傲慢?きみは

      感じた。温度を

    知っている。うぬぼれと

     ふと。飛沫。の、ように。ふと

   うつくしいと?

微震、を。

   恥ずかしげもない

    じょうずに、まるで

   ふたたび。…と

    噓を、…え?つくかに

   涙を。また

    ささやき。こころの

   ふるえ。その

まぶたは、…もの。わたしのものであった。その

   ふるえ。その

    なにを?ささやき

   ふるえ。その

    わたしは、いま

   ふるえ。その

    なにを?あなたは

   ふるえ。その

見て。やや、発熱。だから微熱。

   まぶた。それさえも

   目じり。…と

   睫毛。また

   ふるえ。その

警察当局の判断としては、概ね椿の見解が採用された。すなわち、山田椿とタトゥー・アーティスト八木夭子は肉体関係があった。いわゆる「やりとも」であって、男女交際と呼ぶべき以前の交流である。八木夭子は放逸だった。周囲にストーカー的男が多数いた。ただしストーカー的事象の因はそもそもの八木の放逸にあると思われる。いわゆる「たぶらかしてよろこぶ」という精神状態で、そのうちのひとりが15歳、中学3年生、加害者原口英雄だった。思うに原口と八木には肉体関係があったと思われる。原口と山田が店舗兼住居ビラ・ローザ3階で顔を合わせる偶然があった。原口は激昂し、八木に山田の詳細を問いただしたと思われる。また、山田は壬生雅秀のいわゆる舎弟であって、鎌倉で相当の知名度があった。また、もうひとりの「やりとも」如月水葉、本名橋本花蓮との交流もあって、鎌倉訪問は頻繁であった。原田にとって山田の行動追尾は比較的容易だったと思われる。山田は壬生雅秀の要請で壬生高明の後見人をかねており、その関係で壬生高明の友人、原田琉偉の兄、原田英雄と交流があったものと思われる。おそらく凶器の短刀は非行少年相手の交流のなかで山田自身が原田兄弟に手渡したものと推察される。水葉は起訴しない意向だった。執拗に

   ちがうのだ

原口の両親は

   あやまち

被害者に直接面会と

   あやうい、こころの

及び謝罪の機会を

   あやまち

求めつづけた。

   ちがうのだ

過失、と。博人には

   なにも、まだ

思われた。山田椿ふくめ、すべての関係者が

   だいなしにされてなど

かならずしも特出的暴力的人格とは

   ちがうのだ

思えなかった。故に、

   欺瞞ですか?

微細な過失の

   自己欺瞞ですか?

集積の結果、

   ちがうのだ

と。水葉は加害者両親または本人との直接面会をはかたくなに拒否した。起訴されない事実もあり、博人は事件性がないと判断した。むしろ、学校等教育者が手を下すべき問題に過ぎない。原田英雄。5日。自宅謹慎。両親はことさらに

   終わりでは、ないよ

      胸を張れ

やさしい。琉偉は

   はじまり、だ

      きみよ

ひたすらに

   …った、よ?

      もっとたくましく

沈黙を守る。英雄に対して、ことさらに。午後8時。籠った自室の

   傷だらけの道を

      失敗作

         踏んじゃえば?

ノックを

   きみ。きみが

      病んでんの?

         ぶちゅっ。…と

返り見た。父親。原田龍。…いいよ。と。はげしく気を使いあうささやき声の雑談に、ふと、我に返ったように龍は「お前の」ささやいた。「人生。…いいから。お前の、だから、おれたち。な。おれは、

   苛酷、と

      知っていた。あらためて、いま

だから、

   言葉に、じぶんの

      苛酷、と

世界中。それ、

   苛酷、と

      知っていた。はじめて、いま

敵?敵に、な。廻っても。わかるか?おれたち。だけは。おれたちは、だから見捨てない。お前を。見捨てられない。おれは、見捨てたくない」勝手に号泣しかける龍を

   棘まみれの前途を

      手遅れ

         燃しちゃえば?

英雄は

   ぼくら。ら、が

      終わってんの?

         ばふっ。…と

もてあました。軽蔑した。かつ素直な感動に涙を禁じ得なかった。だから英雄も泣いた。謂く、

   涙、だ。これ

   それは、これ

   これこそが

   涙、だ。見て


   涙、だ。これ

    辱めないで

   これこそが

    処罰して。無罪?

   涙、だ。これ

    恥辱にすぎない

   これこそが

訣別。こうしてわたしたちは無垢な、無防備な、無謀な思春期を、葬り去るのだろう。やがて、

   感じて。いま

      覚えている。まだ

    辱めないで

     生きたいのだ。むしろ綺麗に

   わななき。顎に

      肉を裂く。また

    辱めないで

     風に。清浄な、

   味覚。ほら

      骨を打つ、その

    辱めないで

     のだ。洗われていたい、の

   頭部皮下すべてに


   涙、だ。こっ

   ぶぅ。こっ。ぶ

   これこそが

   涙、ぶっ。み。…いっ


   ぶぅ。だっ。こ

    辱めないで

   これこそが

    糾弾してよ。つるしあげ

   ぶぅ。だっ。こ

    だいなしにして

   これこそが

惜別。…まさか。だからもはやきれいにいわゆる憑き物が落ちてようやくさらされた素顔、に、やがて、

   気づいて。いま

   発熱。血管に

   傷み。ほら

   やわらかなそれが

訣別。…とはいえ、赤裸々な顔面の剥がれ落ちた赤裸々を踏む?かに、風化、しない、まま、踏む?やがて、

   ひろがってゆく

      きよらかな

    感じている。わたしだけすでに

     犯罪者だぜ

   わかる?ぼくは

      いぶきが。けがれなき

    静謐を。ただ

     キレっキレだぜ

   泣いている

      けはいが。いま

    こころ。が、そこにさわぎたつそのままに

     やべぇ奴だぜ

   まさにぼくが







Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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