ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -245 //なに?夏の/花。なに?花。たとえば/朝顔はかたむいた//24





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





雨。6時。27日。しかも、

   いやだっ!

午前。だから夜通しの、

   雨。いまも

      無防備な

もはや

   無謀です。もう

      蝶。羽根を、…その

単なる嗜虐にすぎなかった

   雨。いまも

      むしるがいいさ

折檻。雨。椿。英雄はもう生きる気力さえ感じられないでいる自分の無謀な無防備を感じた。そこに。源氏山公園。その山頂近く。椿は濡れることを厭わない。あるいは、濡れる自分に傲慢な自己愛を感じているふうが楠にも見てとれた。会合に高明は参加しなかった。琉偉は樹木のしたの翳りで疲れ果てていた。湿気が体中にひどかった。もう、

   眠いんです

飽きていた。すべてに。眠かった。眠すぎて冴えた目のまま眠るような須臾が連続したりさえした。そもそも、英雄を呼び出したのは高明が不参加の報告を聞いた椿の激昂の思いつきにすぎない。ちょうどかたわらの楠の左手を絡めとって後ろ手に、ひきあげたその小指をへし折ってやろうとした。云った。むしろ

   眠いのです

琉偉に、「あいつ、

   怖くない

      の、なかに歌え

舐めてんの?」無言。琉偉は

   だって、あしたは

      歓喜を

恐怖しそれ以外に彼が

   はばたけるんだ

      豪雨の、

なし得る態度はなにもない。「舐めくさってんじゃんあのカス」と、そして

   まざっ

椿はふいに

   莫っ迦ー

笑った。大声で、…って、「そっか」独り語散る。椿。冷淡なほどのその真摯を

   急速に

      褪めた焔が

ふと、歎きにさえ

   そして、もはや

      醒めたままで

思わせ、「あいつ、さ」

   急激に

      褪めた色あいを

琉偉に、「やってんじゃん?いま、女と」

「樹々…」つぶやいた琉偉は、葉翳りのしたでまばたいた。足元を

   なぜ?ぼくは

      舐めた?

         直射、でしょうか?

雨がもう

   きみに嫉妬した

      しゃぶらせた?

         太陽光が

充分以上に

   なぜ?ぜんぜん

      舐めた?

         月蝕。やがて

しめらせていた。楠はせめて腕と背の筋肉が傷まないように、椿のするように体をあわせた。息をそっとした。雨が体中を打ち付けていた。「ちげぇよ。

   違うんだ

小僧」椿は、「おまえ、

   そうじゃな

莫迦だろ?」その楠の尻を膝に蹴り上げ、ふと

   おれたちむしろ

      さらさら髪が

息を吸う。「ママ。

   性欲ないんで

      びしょ濡れでした

そっちとじゃね?」笑う。椿。その明るい声の素直な邪気が、だから無邪気を散らしてむしろ、琉偉をひとり怯えさせていた。そこに。午前1時。やがて椿は雨のなかに返り見、琉偉に「呼び出せよ」

   残酷な

ささやく。…だれ?

   微笑。…かも

言葉。それら。喉をふるわせない、言葉。それら、見たから。充分、殴られ、蹴られ、椿の巨体に傷めつけられていく楠の半殺しを、その

   言葉。それら

      勝利だ

双渺は。「お前、

   ひびきあう

      きみは。きみだけの

兄貴いね?」…います。と、

   言葉。それら

      勝利だ

無言。どっちですか?沈黙。「いんだろ?呼び出せよ」と、そして琉偉。その「兄、」ひたすらに「わ、」無防備をのみ「って、」さらす。その「兄、」声を「あの、」聞き、「莫迦?」椿は言った。「八木さん、いんじゃん?わかんじゃん?壬生の小僧に彫ったじゃん?ケツも掘ったじゃん。掘り放題じゃん?掘りまく、…って、って、呼べよ。…って、あいつとつるんでるてめぇの兄貴いんじゃんわかんだろタコ」楠。すこし

   傷む

離れた

   雨に

地表。草。死んだをふりをしているように見えた。琉偉がそこに目線を投げさえすれば。琉偉はただ、椿をだけかろうじて見ていた。息を吐いた。椿が。楠はもう、指先をさえ

   悼んだ

動かしたく

   雨を

ない。「早くして」やさしく、琉偉に。椿。「おれ、また、なんか、切れちゃいそうだよ。ね?」午前1時半。見ているしかない。琉偉は。昏い。血も泥も見えない。しかし、英雄は

   傷いよ

そうだったに

   雨も

違いない。琉偉は想像しようとした。怖くてやめた。思った。言い訳を。ぼろぼろの英雄。その言い訳。如何にして?椿の掌が英雄の顔面を傷めるたびに、琉偉は焦燥した。また、椿にせめて訴えようと願った。見ていた。琉偉は。風邪をひかないように

   大人の男が

      中傷的に

細心の注意で、その

   じぶんたちを構うことに

      青空が

葉翳りに。

   ふと、唐突な

      まばたきの須臾に

午前2時すぎ。だから

   その幼児性への

      かがやいた

…え?

   嘲笑を

      中傷的に

6時。もう明るい。雨。空は、もう、そこに、…え?6時。そして椿は思い出したように、

   え?

      かなしみ。いま

         裂けそうだ

楠に

   なんですか?

      花と散れ!

         口蓋が

言った。「あれ、どこ?」恢復した楠ちょうど椿のななめ背後の樹木の根に、座り込んでいた。…あれって、「なに?」まるで旧知の、同年の友人じみて、楠は椿を見上げて言った。むしろ椿は唐突に、楠にただ柔順だった。「預けなかった?おれ。最初、おれの」と。云い終わらないうちに、俊敏な琉偉が俊敏に背負っていたリュックを差し出した。椿に、やや緩慢に「この、」駆け寄って。「これですか?」見た。椿は。琉偉。至近。腕の有効な距離。足は、どうだろう?もはや恐怖さえ、琉偉にきざさない。馴れた、の?おれ。そう、琉偉は自分のあざやかな剛毅に戸惑って、しかも

   馴れた、の?

      やばっ

笑いだしそうな自分を

   ぼくは、傷みにも

      クソ。犬の?…足もと

必死に

   好きすぎてもはや爆発しそな

      ややななめ

諫めつづけた。椿は

   ぼくは、気持ちにも

      やばっ

まばたく。そして頸をかしげ、やっと極上の笑みをその琉偉に不用意に投げた。…ありがと、ね。短刀。琉偉にもたせたままのリュックから短刀をとりだし、英雄に、そのうつぶせの頭のあたりに、椿は

   刃先に

放った。…やるよ。

   かたつむりを

疲れきった

   せめて

英雄はもう、反応さえ

   絶望。やや

      わかれ。わかれよ

しめさない。と、

   けなげな心境

      いま、全体毛が

思った琉偉の

   毛根に、ぼくの

      約30度の傾斜

まなざしに遅れ、ようやく英雄は我に返った顎をもたげかけた。突き出した、その尻におしつけられたそのままの顔面に。言った。椿。片膝をつきかけ、「やってみ」と、「壬生の小僧、

   死、と

刺してみ。そしたら、

   破壊、を?

さ。あいつから、

   求めて、と

って、あれ、

   だから

八木さん、

   ここに、ほら

な。あれ。あれから、

   わたしは

おれ。手、ひいて

   死、と

やらないわけでなくもないから。

   破滅、を?

って、わかる?

   求めて、と

小僧。聞こえる?

   莫迦。…あれ

小僧。生きてんの?

   ぶすじゃん?

小僧。逝ってんの?

   莫迦。…あれ

小僧。わかってんの?」かくやっ!と。「…小僧、」言った。身を起こしかけ、逆にそこに仰向けに全身を倒れさせながら、その

   え?

      わたしは全身華麗な傷み。いま、

英雄。「確約してください」

   え?

      わたしは永遠典雅な傷み。いま、

英雄。「確約してください」

   え?

      わたしは強烈瀟洒な傷み。いま、

英雄。「確約してください」

「は?」思わず椿は呆気に取られた。見つめた。数秒、そして笑いかけ、笑い声など響く間もなく立ち上がり、…や、椿。「やだ」失笑。「おれ、気分屋じゃん?結構。…さ。から、

   かくやっ

      あっ。や、

さ。しかもおれ、

   かくやっ

      ややっ。や、

さ。そういうおれ、

   かくやっ

      ぃあっ。あ、

さ。やっぱ、

   かくやっ

      あっ。や

さ。おれ、

   かくやっ

      やはっ。あ、

さ。意外とさ、好き、…」

   かくやっ

      やぃっ。あ、

んー…「好きかも。おれ、

   かくやっ

      ややっ。あ、

さ。おれ」そして「じゃね?」ななめ背後、琉偉は唐突に力の限りに明るく笑ってやった自分を、…だれに?見せつけていた。謂く、

   完璧に、わたしは

   完璧に、そこに

   完璧に、もはや

   全能だったから

世界はわたしにひたすらやさしい。…の、で、

   完璧に、わたしは

    圧倒的な、しかも

   完璧に、そこに

    すでにして妄想。または

   完璧に、もはや

    衝動的感情、と

   全能だったから

世界をわたしは共鳴のうちに、生んだ。…の、で、

   完璧に、わたしは

      わたしとは謂わば

    圧倒的な、しかも

     強烈に、いま

   完璧に、そこに

      永遠に苛まれつづけるが故に

    すでにして妄想。または

     大声で。…え?ぼくは

   完璧に、もはや

      いつしか恍惚と忘我とを身に纏いはじ

    衝動的感情、と

     叫びたいんだ

   全能だったから

すがすがしかった。たしかに、と、31日。綾子。午前。すがすがしかった。朝。たしかに、朝。朝は朝だったのだと、朝。綾子。窓を開けた。吹き込んだ。そう思った。風が。ただ無防備なくらいに新鮮な空気が、だから

   朝。ぼくたちは

      葬式です。やわらかな

吸い込んだ。だから

   いつよりも、だれもが

      夜を過ごせなかった

新鮮な空気を、だから

   孤立をさらす

      多足種たち、その

肺に。たしかにたしかな自分の肺に。なかった。可能性は。吸い込んで、しかも噎せ返ったりせき込んだり吐きそうになったり、そんな可能性は、なにも。もう、と。もう、窒息しちゃうくらい、もう、と。もう窒息し、に、くらい、に、いま、わたしはもう、窒息しちゃ、に。もう、わたしは、いま、もう、と。午前。

   かがやいて!

八時。

   わたし!

雨。はげしい雨が、樹木にその葉を打ち付けていた。謂く、

   うたがわしい。いまが

   夏と呼ばれ、夏

   そうであるべく

   夏である根拠

…を。妄想的に、しかも妄想という自覚もないまま、妄想していたがいい、と。きみは

   うたがわしい。いまが

    きみがいないから

   夏と呼ばれ、夏

    大量にきみで

   そうであるべく

    妄想してあげた

   夏である根拠

…を。なぜ?妄想的に、きみは、いつでもしかも妄想というひとり、やや自覚もないまま、かなしげに、いつか妄想していたがいい、と。笑ってい、きみは

   うたがわしい。いまが

      尾骶骨。および

    きみがいないから

     くさいんだ。たぶん

   夏と呼ばれ、夏

      ひだり背中に

    大量にきみで

     爪に。付け根が、その

   そうであるべく

      なぜ?傷み。あまやかな、が。

    妄想してあげた

     魚の匂いで。やや

   夏である根拠

夏。その

   裂く

      白濁。それら

夏。その

   裂け

      名づくべくもな、な、

2日。ほんの

   裂かれ

      色彩の氾濫

数分の。夏。高明は知っている。その日は午後から青空が赤裸々に広がった。曇り。その白濁の名残りさえもなく。謂く、

   理解できない

   わたしには、なぜ

   わたしが、そこに

   おののきを?なぜ


   おののきを

    記憶喪失。ふい、ふ

   容赦なく

    ふ。不用意に、そこ

   わたしが、そこ

    そ、そ、そ。眼窩の奥に

   容赦なく


   いとおしく、かつ

      じゃな、とりたてて。わたしは

    記憶喪失。ふいに

     感じなど。目舞い?

   いたましく、霧が

      感じたとか?なにか、

    不用意に、そこ

     やめて、その

   立つ。海は

      そういうわけじゃな、な、

    眼窩の奥に

     やめて。勘違い

   とおくのほうに

靄がかりしかも所詮は、ある夏。この疲れ果てた夏の一日に、その数秒ではないか。所詮は、

   理解できない

   わたしには、なぜ

   わたしが、そこに

   おどろきを?なぜ


   おどろきを

    意識錯乱。ふい、の

   容赦なく

    冷静に、そこ

   わたしが、そこ

    骨髄あたりに

   容赦なく


   いじらしく、かつ

      じゃ、じゃな。わたしは。じゃ、とりたてて

    意識錯乱。ふい、ぷ

     今夜、いっしょに

   いかがわしく、靄が

      なにを、お?感じたとか?なにか、

    冷静に、そこ

     殲滅しないか?

   散る。海は

      そういう、いう、ゆ。わけじゃな

    骨髄あたりに

     絶滅しないか?

   とおくのほうに

靄がかり、ほら。世界。この世界の終焉なのだよ。…じゃない?

   なぜ?な、な、

   なぜ?なぜ?

   なぜ?な、な、

   なぜ?な…え?


   理解できない

    なにも、ただ

   わたしには、なぜ

    明確すぎて。もう

   わたしが、そこに

    不安なばかりに

   おしつけられた


   目隠しで顔を

    わたしは、ただ

   覆われたかに

    わずかにさえ。も、

   口封じ。拘束

    不憫なくらいに

   捉えられたかに


   なぜ?な、な、

   なぜ?なぜ?

   なぜ?な、な、

   なぜ?な…え?


   戦慄を

   容赦なく

   わたしが、そこ

   容赦なく

死屍。…だよ、いわば

   霧。または

      さ。戦慄を、さ。

    容赦なく

     おれ。あくまでもおれの鼻孔に

   靄。または

      だから、もう、さ。

    わたしが、そこ

     いきなりおや指

   飛沫。海は

      とめどなく、まだ

    容赦なく

     いい感じ?ぶっ刺して

   飛び散りつづけていた、のだ、が。


   なぜ?な、な、

   なぜ?なぜ?

   なぜ?な、な、

   なぜ?な…え?

青かった。空は。その朝から、

   ふさげ

      切り裂く

すでに。だからその、

   その、いま、そ

      真横に

青かった。空は。その昼にも、

   くっせぇ口を

      口角を

すでに。青かった。たとえばその

   ふさげ

      さっ

夜の時間にも太陽がその、

   その、いま、そ

      切り裂く

輝いたなら、

   …え?

      ぃんらひぃらっ

         快活に

空は。晴れていた。29日。晴れた。その朝。楠に、午前9時。楠に呼び出された。高明は。だから

   …え?

      ぃんらひぃらっさ

         われわれは

海辺。水葉のマンションが、振り返れば見える

   …え?

      ひぃらっ。…さ

         活発に

そこ。砂の上。って、と、さ。いきなり話を断ち切って、楠。「なに?」

「だめっぽい」声。聞いた。高明。その、極端に自信を失った楠の、

   溶けた

      さかだっ

声を。「なんか、

   毛髪が

      わななっ

おれら」

「ってなに?樹々と?」

「…なの。なんか、だめっぽい。てか、樹々、あいつ、ほら。おれら、」そして「どうしても、」楠は一度言葉を切った。深呼吸しようとしたに思えた瞬間があった。いきなり返り見て、「なんか、」ささや「無理やりだったじゃん。」つぶやいた。「やっちゃったわけじゃん。おれら。そういうの、別におれ、気にしてないよ。知ってるわけじゃん。あいつのこと、椿さんも、琉偉も、お前も、さ。おれもだけど。もちろん。別に椿さんたちになんか、おれのほうで感情?

   雨が。燃える、

そういうの?

   鉛の、鉄の。

あるとか?

   雨が。燃える、

じゃないんだよ。べつに、けど、そういうの、なんか。さ。なんか、さ。というかおれらふたりのあくまで、ふたりの問題としてなんじゃない?なん、だけど、最初。あれ、最初が、さ。あの最初のときのあの感じが、さ。なに?お互い。あくまでお互いに、なんかいまだに覚えてて…」別れるの?

   核融合だ

      炸裂、を

ささやいた。

   空のななめに

      爆裂、の

高明は。その言葉を聞いた瞬間に、楠は息を飲んだ。…っていって、と、そこに「はじめてじゃん?すくなくともおれのほうは?でも、そういう問題じゃなくてさ。おれ、実際

   きみに、愛

      唾液よ

本気だったからね。まじ、

   好きさ

      涙よ

いきなりマジだったからね?

   きみに、愛

      鼻水よ

結構ね、なんか、

   マジさ

      耳だれよ

なんか、さ」と、

   きみに、愛

      冷や汗よ

泣くんじゃえぇよ。思わず高明は吐き捨てかけ、そして口ごもったまま楠から眼を逸らしてしまった。謂く、

   そそぐ。だから

   ふりそそぎ、猶

   いまだ、だから

   ひかりさえ、猶

過失をかさねるしかないのか?…われわれは

   理解できない。なぜ

      ほしいのは、なに?

    ふりそそぎ、猶

     どうせやりまんじゃん的な?

   きみは、その苦悩さえ

      いま、おれに

    いまだに、猶

     くさそうじゃん的な?

   あまりに容赦ない

      なに、に。なにをささやきかけていてほしい?

    ひかりたち。猶

     それともあえて

   他人なの?なぜ

いい天気、だよ。

   そそぐ。だから

   ふりそそぎ、猶

   いまだに、だから

   ひかりさえ、猶

休み明け。ホーム・ルーム。窓越し。横殴りに、

   やめて、…や

光。教師。

   ややいたい。やや、

入ってくるなり、その

   やめて、…や

教室の教壇、教師は「沢井。」云った。「…沢井、な。綾子。」女生徒が、「沢井綾子」ひとり今日欠席の彼女の名前のいきなりの連呼に吹き出しかけた。「あいつ、ちょっと。事故。な?事故。あいつに、ま。信じられない事故があった。あいつ、だから、ちょっと言っとく。おまえらにも、だから、ちょっと情報共有?仲間、だから、さ。ちょっと、遅れて、あいつ、復帰する。だから、ま。みんな、ま。正直ここがみんなの見せ所だから。見せ場だから。ここで綾子。復帰する綾子。頑張る、あやっ。ここから頑張る、そういう、復帰。その、復帰の綾子。友達。な?どんだけ立ち直らせてやれるか、どんだけまっとうな、そういう、な?ただ、あいつが間違いとか?そういうのは違うから。まっとうじゃない?違う。な?

   わたしたちは

      焼く

それは、おれ、

   ひかりを、ななめに

      肌を。ひかり

そういうのは、

   わたしたちは

      焼く

言ってない。違うから。だから、そういう、復帰、な?つまり、復帰。それがお前らの、知ってる子はもう知ってるな?たぶん、クラス、だから、仲間として、ま、綾子。そういう、事故から、救い出す。導く。いい方向。方向、な?方向。あるから。いい方向が。いっしょに。みんな。いっしょだから。そういう、いっしょに。共有。情報共有。わかちあう?わかるな?ま。わかってくれ。わかってやってくれ。以上、頼む」切った、んだ、

   そっと、ただ

      そんなに、うちら

         知ってる?知っ

と。言った。楠に、

   わたしにだけ

      壊れてません

         しぃぃい。…いっ

教師。彼が

   耳打ちするかに

      あくまで、うちら

         知ってる?知っ

立ち去ったあと、その、それらひと声の明るい騒然に、木原。「手首、さ」木原優華。ふと「切っちゃった。あいつ」唐突な俊敏を振り返る頸に見せ、「きのう?…綾」と、そして「あいつ、基本、きもい子やん」優華は楠のために、鮮明に笑った。「いじめてたっけ?お前ら」

「ない。ないないない。な、あえりえなくない?基本、近づいただけで匂う系じゃん。あいつ。腋臭くさくね?って、っぽくね?って、あいつ、マジ。やばっ」笑った。そして楠は背をのけぞらせ、窓のほうにそのまなざしを泳がす。謂く、

   そそぐ。だから

    微光。ふと

   ふりそそぎ、猶

    唐突にさえも

   いまだに、だから

    微光。ふと

   ひかりさえ、猶

微力だよ。…かつ

   そそぐ。だから

      やがて、わずか

    微光。ふと

     させないで。いて、動揺

   ふりそそぎ、猶

      一秒後には

    唐突にさえも

     一秒でさえも

   いまだに、だから

      おもわず失語するのだろう。わたしは

    微光。ふと

     やめて。もう

   ひかりさえ、猶

無力だよ。…じゃね?

   そそぐ。だから

   ふりそそぎ、猶

   いまだに、だから

   ひかりさえ、猶








Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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