ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi；流波 rūpa -244 //なに？夏の/花。なに？花。たとえば/朝顔はかたむいた//23

以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。

沢井綾子は、

　　　どこ？

そこ。その

　　　ここ

25日。鎌倉。見た。車中。久しぶりに友達の顔を、車。母親、その運転する

　　　知らない。きみは

　　　　　　危機

車。…大仏って、

　　　わたしがきみを

　　　　　　発砲しようか？

いづのめ教会の先の戸建てに住んでいる

　　　見たことは。なんら

　　　　　　危機

…どこだっけ？

　　　関わりない

　　　　　　アクセル。を、踏もうか？

母親の友人の家にまで…大仏って、

　　　きみの風景を

　　　　　　危機

…どこだっけ？行く途中、道すがら、その

　　　だれだっけ

　　　　　　クッソ地味な

中学の

　　　名前なんだっけ

　　　　　　クソ女

同級生。綾子は目線があった気がした。見られた気がした。気づかれもしなかったかもしれなかった。不安だった。新学期など始まらなければ良かった。謂く、

　　　あたたかな、そこに

　　　　　　だま。ま。ひだまりに

　　　　ときに、わたしは

　　　　　花。くろく

　　　抱擁の、あたたかな

　　　　　　ふる。る。ふるえる雫を

　　　　十分以上に。必要以上に

　　　　　花であった。塗られた、

　　　腕を、あたたかに

　　　　　　え？仮定せよ

　　　　暴力的だから

　　　　　花。くろく

　　　描いてみたりし

風化していたのだ。すでにぼくたちは

　　　知らないふりを

　　　　すでに、わたしは

　　　していてあげる

　　　　必要以上に

　　　きみがさらした

　　　　破壊的だから

　　　瞬間の莫迦づらを

ぼくだけを残して、すべて風化し

　　　あたたかな、そこに

　　　　　　ひだ。だっ。ひだまりに

　　　　傷むのだった

　　　　　花。すべて

　　　抱擁の、あたたかな

　　　　　　めり。いっ。蒸発するそのしめりけを

　　　　見出す風景

　　　　　ひきちぎられていたのだ。花弁を、

　　　腕を、あたたかに

　　　　　　え？仮定せよ

　　　　色彩さえもが

　　　　　花。すべて

　　　描いてみたりし

夏。その

　　　すべて

　　　　　　いじめて

夏。その

　　　たとえば

　　　　　　その手に

２日。ほんの

　　　蕊をさえも

　　　　　　ためらわないで

数分の。

　　　引き抜かれた

　　　　　　いじ

夏。咬んだ。前歯を。高明は。なぜ？と、なぜ

　　　わたしたちは

　　　　　　渇きを

　　　　　　　　　壊されていなかった、と

咬みあわされたのが奥歯でなかったのか、高明。思い直しても

　　　夏の日射しに

　　　　　　肌が

　　　　　　　　　なにも。なにもかも

理由を

　　　燃え尽きてゆく

　　　　　　あせりを

　　　　　　　　　猶も、と。その

思い附けない。高明は

　　　その、…いじめて

　　　　　　軟骨が

　　　　　　　　　不可解な気づきが

頸をのけぞらせ、そして、そのまま頸をくるっと

　　　翳りのうえで

　　　　　　寒気を

　　　　　　　　　不可解な

廻した。まるで肩に凝りでもあるひとのように。まぶしい。光。雲になかばかくされて、故に、そこに巨大に光暈をさらす。謂く、

　　　隠せる。あくまでも

　　　手のひらに

　　　すぐさまに。猶も

　　　瞼。の、至近に

ひかりは、…ね？猶も

　　　隠せる。あくまでも

　　　　かざした。が、肌は

　　　手のひらに

　　　　翳った。わたしは

　　　すぐさまに。猶も

　　　　まばたかず、ただ

　　　瞼。の、至近に

ひかりが、…ね？猶も

　　　隠せる。あくまでも

　　　　　　色彩たち。ち。もはや

　　　　かざした。が、肌は

　　　　　にじむように。…して、そして

　　　手のひらに

　　　　　　光暈。色めくのを放棄した

　　　　翳った。わたしは

　　　　　ほのめかすかに。いま

　　　すぐさまに。猶も

　　　　　　色彩たち。ち。もはや

　　　　まばたかず、ただ

　　　　　消え失せようとしていかのように。…して

　　　瞼。の、至近に

27日。樹々。午前。雨。高明。樹々。高明は

　　　わたしは

返り見た。

　　　うつくしい

山田樹々を。その

　　　なぜ？

髪の毛の数本の乱れを、くちびるがあやうく咥えそうになっていた。海辺。いない。ひとは。湾岸道路。車が左手を通過した。途切れ途切れに、須臾。もうすこしで高明にぶつかりそうな瞬間、樹々は立ち止まって、傘。入らなかった。高明は、樹々がさした傘のなかには。霧雨というに近い、

　　　なぜ？いま

　　　　　　燃えるような

あわい

　　　ぼくらは

　　　　　　灼熱こそが

雨だった。飛沫。繊細な。つぶ。集まって、もう高明の髪は濡れきっていた。こめかみに流れた雨水のすじを樹々は、なぜか傷々しく

　　　なぜ？いま

　　　　　　轟音じみた

見た。…どう？

　　　ぼくらは

　　　　　　失語のうちに

と、「いきなり、いま、キスしたら、お前、どう思う？」

「いま？」

　　　はずかしい？

「いま」

　　　むずかしい？

「ここで？」

「ここ」…あるの？ささやく。樹々は、「壬生くんに、そういう、

　　　はずい？かつ

　　　　　　煽情的

勇気？みたいなの、

　　　むずい？かつ

　　　　　　微弱音

あるのか、」思わず、「な。…かな？って」自分の「か、」意図もない失笑が、そこに高明には挑発的に見えていたに違いなく確信を、ただ、感情もなく。その瞬間、

　　　すべるように

　　　　　　ダリアの花で

　　　　　　　　　入って、やがて

高明は

　　　雨が

　　　　　　花簪、を

　　　　　　　　　頸すじから。だから

傘を引きちぎるように

　　　鼻すじを

　　　　　　睡蓮の蔦で

　　　　　　　　　ケツとか？やがて

奪い、そして

　　　すべるように

　　　　　　拘束帯を

　　　　　　　　　濡らす？入って

奪った。樹々のくちびるを。むしろ、樹々。感じた。歯を。樹々。そのくちびる。やわらかな表皮。眼を閉じる隙もなかった。至近に見つめあい、秒数をかぞえるまでもない刹那、すでに離れていた。くちびるは。体温も。抱きしめられもしなかった。樹々は。ふと、

　　　ないーぶ、な

高明の

　　　ななな、

繊細を

　　　ないーぶ、な

思った。いきなりの思いつめた樹々。その眼の真摯が、ふいに高明を

　　　濡れた？

　　　　　　洪水です

笑わせた。邪気もなく、快活なその

　　　もう、雨に

　　　　　　踵のしたで

声を樹々は

　　　地中の虫も

　　　　　　あふれています

聞く。あやうい、と。思った。樹々。その眉。雨に濡れてさえ存在を主張しようとしない高明の、薄すぎる眉は容姿にあるいは明確な欠損をあたえ、それでいながら不安といううつくしさをそこに、たしかにつくりおおせていた。そう樹々は

　　　おれを洗え！

　　　　　　雨よ雨よ雨よ

　　　　　　　　　無防備だっ。…た

いまさらに

　　　おれを濯げ！

　　　　　　雨よ雨よ雨よ

　　　　　　　　　無慚でさっ。…た

思うしかなかった。謂く、

　　　感じたのだ

　　　ふいの、きみ

　　　接近に、その

　　　体温。あたたかさを

ふるえていて、ごらん、よ。だから

　　　感じたのだ

　　　　鼓動。または

　　　ふいに、きみの

　　　　証明。きみが

　　　感じたのだ

　　　　現実であるという、その

　　　ふいの、きみに

びくびく、と。だから

　　　ほとんど、なにも

　　　　　　莫迦っぽ。ば、ば、

　　　　感じた。猶も

　　　　　いけてる気ですか？

　　　ふれあうことなど

　　　　　　いつでも、きみは

　　　　感じた。いまさら

　　　　　やや、若干、さ

　　　しかも、たしかに

　　　　　　もったいつけすぎ

　　　　感じた。赤裸々に

　　　　　すっげぇ、さ。勘違いしてない？

　　　圧倒的なほど

もしもこの厖大かつ宏大な人生その瞬間すべてが切実であった、…なら

　　　感じたのだ

　　　きみの、あきらかに

　　　発熱、その

　　　体温。いのちを

がくがく、と。だから

　　　感じたのだ

　　　　微動。きみは

　　　きみに、あきらかな

　　　　顫動。きみが

　　　感じたのだ

　　　　存在するという、その

　　　きみの、あきらかに

ゆらいでいて、ごらん、よ。だから

　　　すこしも、なにも

　　　　　　視野を、いま

　　　　感じた。猶も

　　　　　ささやいていいよ。ほら

　　　感情。なんらも

　　　　　　きみが。きみこそが

　　　　感じた。いまさら

　　　　　あしたこそは晴天、と

　　　しかも、明晰に

　　　　　　完璧に完全に覆いつくしてて

　　　　感じた。赤裸々に

　　　　　断定を。根拠のな

　　　容赦ないほど