ユキマヒチル、微光 ...for Arkhip Ivanovich Kuindzhi;流波 rūpa -241 //なに?夏の/花。なに?花。たとえば/朝顔はかたむいた//20





以下、一部に暴力的あるいは露骨な描写を含みます。ご了承の上、お読みすすめください。

また、たとえ作品を構成する文章として暴力的・破壊的な表現があったとしても、そのような行為を容認ましてや称揚する意図など一切ないことを、ここにお断りしておきます。またもしそうした一部表現によってわずかにでも傷つけてしまったなら、お詫び申し下げる以外にありません。ただ、ここで試みるのはあくまでもそうした行為、事象のあり得べき可能性自体を破壊しようとするものです。





樹々。13日。雨。高明。やはり、

   濡らせ!

      きみのジュースに

         ぬ、

雨。だから

   濡らせ!

      溺れてみ

         ぬかる、ま、ないアスファルト

樹々は渋谷のセンター街で、「ジュージュは、さ」と、「やっぱ、壬生くんが好きなんかも」笑った。年上の「だめかな?」女らしく高明を先導しながら、「いいよね?」

   いいよ

      這う。頭頂部で

「いいよねって、それ、」

   這いずりまわって。…も

      いいですか?

「壬生くんは?」

   いいよ

      這う。ケツのあたりで

「さ。なに?」…好きだ、と。高明は、好きだ。思わず、…大好きだ。そうつぶやこうと仕掛けた唇をふと押し留め、…莫迦?「お前、莫迦なの?」ささやく自分の声にたしかに、

   愛してしまうよ

      波紋のように

         ぼく、ぬ

知った。自分の

   精一杯、きみを

      拡がれ。そして

         ぬれちゃった。ぼ

気持ちを、その

   好きな自分も

      波紋のように

         ぼく、ぬ

山田樹々が好きで好きで好きでたまらない自分を。笑う。樹々。高明の7歩くらい先。そこ。その樹々。ピンクいろのキャミ。謂く、

   返り見たら

    来て。そして

   お願い。きみが

    ふれて。いますぐ

   笑っててほしい

    来て。そして

   なぜ?きみは


   わらっ。らっ。らっ、ら、

   なぜ?きみは

   わらっ。らっ。らっ、ら、

   なぜ?きみは

らん。はんっ。しゃっ、してく。おもい、が。ね?なおもやさしく、おだやかを、くれて

   ただ、苛立ちを

      見せていたのだ。まばたきを。わたしは

    歓喜が。圧倒的な

     聞いて。そこ

   きみは、いつでも

      ひそかに

    と。留保なき違和感と、ともに

     足音。わたしの

   流し目の鬱、その

      見られもしないそれ。ひとりで

    耳たぶをかすめた、とか?

     聞いていて、いまも

   ただ、焦燥を

くれて。を、おだやか、やさしく、も。なお、ね?が。おもい。く。して、しゃっ。はんっ。らん。

   なぜ?きみは

   わらっ。らっ。らっ、ら、

   なぜ?きみは

   わらっ。らっ。らっ、ら、

   

   なぜ?きみは

    ふれて。そして

   笑っててほしい

    来て。いますぐ

   お願い。きみが

    ふれて。そして

   返り見たら

肌寒かった。夏。17日。昨日も寒かった。一昨日も寒かった。あしたは?

   灼熱さ

      ダイヤモンドの雨が!

         灼熱さ

惰性。単なる惰性としてのみ高明のそれに欲望がある。そこを求めるのではなくて、ただ自分のそれにその瞬間を体験させたいという以外にはなにも。そんな気が。そこ。高子の。それは最初から高明に失望しか与えなかった。もっと、せめてもうすこし

   ずどん、とさ

      大丈夫。まだ

素晴らしいものだと、高明は

   ばすん、とさ

      歯は生えていな

予測していた。公園の、最初の樹々との、あの一度にさえも。尻を向けさせられながら、唐突に、高子。息。窒息?そんな、発作?縦ゆれ。あるいは呼吸のふいの中断と失敗を高子の背中は痙攣を以てさらし、髪。ひっつかんだ。

   咬んで

      清潔な。朝

         放尿。を、または

髪を。高明。

   むしろ

      朝には。清潔な

         吐瀉。を、または

いきなりの、鮮明な

   足首あたりを

      花が、…あれ?降った

         軟便。を、または

怒り。そこが外れそうになったから。やる。つづける。髪ごとのけぞらせ、何度も。高明。…てか、と、「お前、犯罪者じゃね?ちがう。大人の女としてやっていいことわるいことあんじゃないすか?違うの?おばさん。死んで。お前、

   激怒を。ふと

      ほら

いろんな意味で

   感じているのだ

      発汗。が、

もはや完璧な」

   激怒を。その

      ほら

二度めが「犯罪者だから、

   強烈な完成度

      折檻。だ、

…ね?だろ?」終わって、自分の体重で高子をうつぶせに押しつぶした安楽に、高明は「お前、」

   やめようよ

息と心臓を「俺の」

   ののしりあうのは

猶も昂りの残滓に昂らせつづけていながら、「決定。肉便器。わかる?決定」

   やめようよ

笑う。声が、「家畜になってもらうから。毎晩排泄させてもらうから。まじ、死ね」

   罵倒しあ

ささやき。高明は執拗に自分の小指をしゃぶりつづけた。なかば、咬むように。謂く、

   降る。花が

      光沢。花弁に

    聞いていた。その

     罵倒。それは

   唐突な激怒に

      わきあがる、かに。そこで

    ひたいうえ。降る

     わたしにささげられてはいなかった

   降る。それら

      抜き出された、かに。そ

    ささやきを、そこで

     そんなあくまでも明晰な

   印象。まなざしに

きみはわたしを壊そうとしていた。…だから

   降る。花が

   花が。ふ

   降る。それら

   それら。ら、


   妄想に?たとえば

      光沢。周囲に

    怯えていた。その

     ふれているの?

   色彩を放棄した

      まなざしのうちにだけ、…錯視?そこ

    手のひら。…降る

     わたしは、あなたは

   幻覚に?もはや

      にじんでゆくかの

    頬に、も。そこで、も

     ふれているの?

   花。匂いさえ

きみはわたしをいたぶろうとしていた。…だから

   降る。花が

   花が。ふ

   降る。それら

   それら。ら、


   降る。花が

      光沢。わたしに

    忘れていた。その

     罵詈雑言。もう

   唐突な激昂に

      わたしをだけ、そこで

    尾骶骨のうえ。降る

     わたしは耳を覆う挙動もなく

   降る。それら

      避けながらにそそいでいたかの

    唾液?なに?そこで

     そんな、あるいはしずかな

   印象。まなざしに

夭子。とめどもない。英雄。その執着は。予約がない日、夭子は

   なにを以て

      そらす。眼を

居留守を使った。

   愚劣と?わたしを

      ぼくは、いま

客が来て、ドアを

   なにを以て

      きみ。その衰弱を

開けたらはたして英雄が

   下等と?わたしを

      見せた眼じりを

ななめうしろにいた。すがるような?

   なにを以て

      見たくない

むしろ、ただ

   無能と?わたしを

      そらす。眼を

夭子を赦す、そんな

   なにを以て

      ぼくは、いま

ひたすらな寛容。英雄。その「彼氏?」

   ずこばこ?

言った30代半ばの

   ばこばこ?

      ずこばこ?

客の冗談に、…弟。英雄を

   ばこばこ?

      ずこばこ?

         ずこずこ?

残してドアを閉めながら、「生き別れなんだよね」

   さびしん、だっ

「まじ?」

   かなしん、

「金に困ってんじゃん?…どうせ、」と、不思議な共謀感。他のアーティストは知らない。すくなくとも夭子は、タトゥーを彫る客とは必ず、あるいは疑似恋愛にも似た共謀感にさいなまれる。だから、見た。夭子は

   見て。わたしは

      いろ褪せてゆけ

かなしげに

   まがった鉄柱

      ひからびてゆけ

そこに、その男を。倉田充治。ベーシスト。シンガーソングライター系女子の後ろで弾く。自分でやっているのはファンクとジャズとメロコアのミクスチュア。その、

   ほそっ

上半身にふれた。夭子は。だから、

   ほそっ

背を向けた肩に。謂く、

   掻きむしったら?

   爪で。針?

   火をつけたら?

   なんで?その


   肉体。瘦せた

    掻きむしったら。とか

   貧弱な。または

    火をつけたら、とか?

   貧相な。衰えた

    たしかにあなたは悲鳴を

   肉体。唐突な

しど、じゃすてぃす

   ふきでものたちが

      感じられたのだ。あなたに

    掻きむしったら。とか

     見る?わたしの

   生きて、あなたが

      傷み。その

    火をつけたら、とか?

     背中。そして

   ここにいることが

      傷みも、…見る?

    たしかにあなたは悲鳴を

     太ももの焔。蔦。葉。蓮の花

   告げた。正しい、と

なんしー、はーげんだっつ

   肉体。瘦せた

    掻きむしったら。とか

   貧弱な。または

    火をつけたら、とか?

   貧相な。衰えた

    たしかにあなたは悲鳴を

   肉体。唐突な


   掻きむしったら?

   爪で。針?

   火をつけたら?

   なんで?その









Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

ベトナム在住の覆面アマチュア作家《Lê Ma》による小説と批評、 音楽およびアートに関するエッセイ、そして、時に哲学的考察。… 好きな人たちは、ブライアン・ファーニホウ、モートン・フェルドマン、 J-L ゴダール、《裁かるるジャンヌ》、ジョン・ケージ、 ドゥルーズ、フーコー、ヤニス・クセナキスなど。 Web小説のサイトです。 純文学系・恋愛小説・実験的小説・詩、または詩と小説の融合…

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